子供が不登校になる前のSOSサイン
子供の不登校のサインに気づこう!親ができる対応5つ
子供が不登校になる前に、助けを求めるSOSサインを出していることがあります。そのサインに気づいたら、母親として原因を探り、対応してあげることが重要になります。何があったのか無理やり子供に聞きだすことはせず、聞き役に徹して、子供が不登校になる前に親としてできることをやっていきましょう。
子供の不登校は早期発見がカギ!前兆サインの見分け方
子供が不登校になる前に、子供から前兆となるサインが発信されています。そのサインに事前に気づくことができれば、親として何らかの対応をしていくことができるでしょう。
「学校に行きたくない」「学校が辛い」子供から突然そんなことを言われたら、ビックリしてしまいます。そうなる前に、親として子供の辛さに気づいてあげられたらと後悔する母親も多いです。
私は現在、東京都内でフリースクールを運営しているのですが、これまで相談に乗ってきた多くの母親が、「子供から突然学校に行きたくないと言われ、驚いてどうすればいいのか分からなくなった」と言います。しかし実際には、前々から子供が嫌な気持ちを抱え込んでいたり、家族に対してSOSを発信していたりすることがほとんどです。
子供のSOSサインというのは、大人が思うよりもはるかに分かりにくく、繊細なものなのです。そこで今回は、不登校の前段階で起きる「子供からのサイン」の見つけ方をご紹介します。
子供が不登校になる前にどうして直接言えないのか
子供が不登校になってしまう前に、「嫌なことがあるなら正直に話してくれればいいのに」と考える母親もいるでしょう。学校が嫌だという経験のない大人からみると、事前に相談がなかったことに、理解できない場合がほとんどです。
しかし子供からしてみると、親に対して「学校に行きたくない」と伝えるのは、とてもハードルの高いことなのです。なぜなら、「学校に行かない」ことはまだまだ特別で、子供にとって「自分は周りよりもできない」ことの証明になってしまうからです。
家族との信頼関係が築けていても、相談したいと思っていても、なかなか子供から直接言えないものなのです。だからこそ、子供の細かな態度や言葉からサインを読み取り、「不登校の前兆に気づく」ことが大切なのです。
もしかしたら辛いのかも…子供の不登校サイン3つ
子供が不登校になるサインを3つ紹介します。子供の性格や環境によって、どこに感情が現れるかは異なりますが、その中でも多いものを、3つ挙げてみましたので、自分の子供に当てはまらないかチェックしてみてください。
1.無気力状態になる
提出物の期限を守れなくなったり、テストの点数が落ちたり、遅刻や欠席が増えたりしたら要注意です。何か悩みを抱え、精神的な体力を使い果たしているので無気力状態になっている可能性があります。
いわゆる“中だるみ”や“怠け“と混同されがちなのですが、「これまでちゃんと頑張れていたのか」が1つの基準となります。今までできていたものが、気づくと勉強に身が入っていないようだったり、朝学校に行くときの様子がこれまでと違ってくる場合があります。
子供がだらけて無気力になっているととらえるのではなく、叱責せずに、まずは子供自身の気持ちを聞き、何が原因で今の状態になっているのかを確認してみましょう。
2.反抗的な態度をとるようになる
子供が不登校になる前兆として、これまでと違って反抗的な態度をとるようになることあります。思春期であることもありますが、子供自身が苦しんでいて気持ちをどこにぶつけていいのか分からず、そのフラストレーションが反抗や暴力といったもので表れる場合があります。
親からすると「ちゃんとしつけなければ」と感じる場面ですが、厳しくするのは逆効果です。反抗的な態度の裏には、「分かってほしい」「寂しい」「助けてほしい」といったメッセージが込められているのです。
すべてを受け入れる必要はありませんが、すぐに責めてしまうのではなく、「子供とコミュニケーションを取れていたか」を振り返ってみてください。
3.閉鎖的な態度をとるようになる
「これまでは家族と話していたのに部屋にこもりきりになった」「食事の時間に出てこない」など、閉鎖的な態度を取るようになる子供もいます。無理やり外に連れ出そうとしたり、周りのクラスメイトや友達と会わせようとしたりすると、逆に自分の殻に閉じこもってしまいますから、対応には繊細な気遣いが必要です。
どのサインも、親に対して「気にかけてほしい」からこそ出る行動です。
- 気にかけてほしいから無気力になってしまう
- 気にかけてほしいから反抗してみる
- 気にかけてほしいからわざと部屋に閉じこもる
そんな子供にとって必要なのは、叱咤ではなく安心です。では、上記のようなサインを見つけたら、わたしたちはどうすればいいのでしょうか。親としてできることを見ていきましょう。
子供の不登校のサインを見つけた時に親ができる5つのこと
子供の不登校のサインを見つけたからといって、子供に直接「学校で嫌なことがあったの?」「学校行きたくないの?」と尋ねるのは望ましい行動ではありません。
なぜなら、この時子供は「親に分かってほしい…でも話した後のことが怖い」といったように、複雑な気持ちの中で揺れているからです。自分の予期しないところで親に自分の苦しみがバレると、咄嗟に隠そうとして元気な振りをしてしまいかねません。
1.学校の先生などに聞いてみる
子供に不登校のサインがみられたら、まずは学校の先生や習い事の先生など、家族以外で子供とよく接している大人に話を聞いてみてください。
家では粗暴な態度だけれど、学校では優等生といったように、家での態度と学校での態度が異なることもあり、こうした場合、片方での“自分のイメージ”を守るために、もう片方でストレスや不安を発散している可能性があります。
子供に話を聞くとしても、両方の人間が同時に聞くのではなく、「片方は子供に働きかけてもう片方はじっと見守る」と言ったように、役割分担すると良いでしょう。
2.外に連れ出してみる
日々、勉強や部活、委員会活動などを頑張るうちに、子供も疲れてしまうことがあります。
そういった場合には、休日に外に連れ出して、非日常を感じてもらうことも効果的です。
子供の好きなものに合わせるでもいいですし、家族でどこか食事に行く程度でも変わると思うので、ぜひ時間を作ってみてください。もちろん、子供が嫌がっている場合は、無理に連れ出さないようにしましょう。
3.日常と変わらず見守る
子供の態度に何か変化があったからといって、急に親が優しくしたり、これまでしなかったことをするようになったりすると、かえって不安を増大させてしまう可能性があります。
些細な言動から、「自分のことを見守ってくれている」ということは十分に伝わります。具体的な声かけができなくても、「少し子供といる時間を増やす」「1日1回、子供の話を聞く」程度でも大丈夫ですので、まずは親として無理のない範囲から取り組んでいきましょう。
4.学校や友人のことなどを話題に出さないようにする
子供が不登校になるきっかけが学校や勉強、友人関係でのことだった場合、これまでは学校や勉強に関して話すことが多かったなら、それらに触れないようにしてみるのもおすすめです。
ただし、あまり避けるとあからさま過ぎてしまうため、子供から話題に出してきた時には話してもらってかまいません。できるだけ追い詰めるような表現は控え、子供の意見や考えを尊重するように、聞き役に徹しましょう。
5.子供が話しかけやすい空気感を作る
家庭内で子供が不安を吐き出しやすい、悩みを打ち明けやすい空気感を作ることも大切です。そこで話しかけられなかったといって、気にする必要はありません。「機会を作る」ことが大切なのです。
例えば、普段書斎で仕事をするのなら、リビングで少し過ごしてみる。いつも一人で過ごしているなら、子供の観ているテレビ番組を一緒に観てみる。その程度でかまいませんから、子供が話しかけられるチャンスを作ってみてください。
また、座っている人に話しかけるよりも、立っている人に話しかけるほうが心理的ハードルは低い、という研究結果があるのだそうです。キッチンで料理をしている時、洗濯物を干している時、子供から声をかけられても「後にして」と済ませることもあるでしょう。そこで遮ると、子供は余計に話しかけにくくなってしまいます。
5分でいいので一度手を休ませて、子供の話に耳を傾けてみましょう。ずっと誰にも言えなかった不安や悩みがあり、打ち明けるきっかけを探していることも考えられます。
子供の不登校のサインに気づいたらすべきこと
今回は、不登校の前兆サインと、その時の接し方についてご紹介しました。もちろん、これ等のサインはあくまで一例に過ぎず、他の部分でSOSを発信する子供もいますし、事前のサインなどは出ず、いきなり直接伝えてくる子供もいます。
もしも、子供から「学校に行きたくない」「先生が怖い」といったような話をされても、「サインを見逃したのでは!」と焦るのではなく、落ち着いて対処してください。その時のために、日頃から子供とのコミュニケーションを大切にして、学校等ともうまく連携できるようにしておくと良いでしょう。
不安な方は、スクールカウンセラーや、専門家に相談できる方法を探しておくのもおすすめです。子供が不登校になってしまっても、短期間で学校に戻ったり、自分らしい道を見つけたりする子供はたくさんいます。もちろん私共も力になりますから、一人で抱え込まずに、協力しながら解決に向かっていきましょう。
著者情報
フリースクールRiz代表
たかれん
自分自身の半年以上の不登校と引きこもりの経験を生かし、不登校の当事者だけではなく、周りの家族もサポートしたいと思って活動しています。「どんなお話でもいかがいます」「どんなお話でもいたします」「考え方のヒントを一緒に考えます」
HP:フリースクールRiz