双子の性格は顔は似ていても驚くほど違う
我が家の双子(女の子)は一卵性なので、まったく同じ遺伝子を持っているためか顔立ちはそっくりです。生まれたばかりの頃は、親でさえ区別がつかず、病院で付けてもらった足のバンドを外さずに退院させてもらいました。そうしないと、分からなくなってしまうのではないかと思うくらいそっくりだったのです。当然のことながら、夫や祖父母にも区別が付くはずはなく、申し訳ないと思いつつも、首が座るまでは足バンドを付けたまま過ごしていました。
しかし、双子が3ヶ月を過ぎた頃に泣き方に違いがあることを発見しました。妹の方は、顔を真っ赤にしていつも全力で泣いていましたが、姉はやや控え目で泣き声も穏やかに感じたのです。私はその時、この二人は顔はそっくりだけれど性格は違うのかもしれない・・・と思い、早く大きくならないかなとワクワクしました。
それでなくても比較されることが多い双子は、まだ産まれたばかりの頃から、道ですれ違う知らない人からも「どっちがお姉ちゃん?」「妹の方がぽっちゃりさんだね」などと言われる始末だったので、ママである私はなるべく比較しないようにしなくちゃと思いつつ、やはりことあるごとに比べてしまうのです。我が家の双子の成長ごとの性格の違いや似ているところ、面白エピソードを紹介していきます。
双子の性格の違い「0ヶ月~6ヶ月まで編」
首が座る頃までは寝ている時間が多かったので、私にも違いがわからないことが多々ありましたが、起きている時間が多くなるほど、双子の個性が理解できるようになって面白くなっていきます。ちなみにうちの双子は、血液型は同じで、生まれたときの体重は、姉が2160g妹は2370gでした。
双子の性格で似ているところ「0ヶ月~6ヶ月まで編」
- 笑うタイミング
赤ちゃんの頃から、笑うタイミングがよく似ていました。微妙にずれている時もありましたが、まったく同時のこともあり双子って本当に不思議だと思っていました。例えば片方の双子の足をくすぐると、もう一人の方も笑い出したり、あやすと同時に笑って、同時に収束するというシンクロもよく起こったりして驚かされることが多かったです。
- 寝相がそっくり
うちの双子は赤ちゃんの頃から、寝相がそっくりでした。お腹の中でも同じポーズを取っていたのではないかと疑うくらい、シンクロ率は高かったです。それだけではなく、たまに寝返りを打つタイミングも同じだったりするので本当に神秘的だと感じました。
双子の性格で違うところ「0ヶ月~6ヶ月まで編」
- 母乳の飲み方は妹の方が上手だった
うちは母乳で育てており、最初は同時授乳をしていました。妹の方は最初から上手におっぱいを吸ったのですが、姉の方は不器用でうまく吸えなかったり、吸いすぎて息ができなくなったりすることが多く本当に困っていました。どうにかしなくちゃと悩んだ末に、生後3ヶ月目くらいからは母乳を冷凍しておいて、二人同時に哺乳瓶から授乳するようにしていました。
- 泣き方は姉の方が優しく聞こえる
最初の頃は育児に夢中で気に留めなかったのですが、3ヶ月目くらいから二人の泣き声が違うと感じるようになりました。妹の方は、叫ぶようにワンワンと泣き、姉の方はややか弱く、優しい声で泣いているのです。この頃から、私にだけは遠くからでもどちらが泣いているかわかるようになりました。
双子の性格の違い「6ヶ月~1歳まで編」
生後6ヶ月を過ぎると、この頃から二人の成長に差が出てきました。うちでは妹の方がやや大きく生まれたのですが、寝返りをうつのもお座りできるのも歯が生え始めるのも何もかもが妹の方が早くて姉の方はのんびりとしていました。対象が身近にいるせいか、二人は良く比較されました。
「○○ちゃんは、まだお座りできないの?」
「○○ちゃんの方がずいぶん大きいね」
などなど、双子でも成長度合いに差が出ることは分かっていたものの、そう言われるたびに私も複雑な気持ちになりました。
双子の性格で似ているところ「6ヶ月~1歳まで編」
- 人見知りをするようになった
生後5ヶ月目くらいから、妹の方が人見知りをするようになりました。なので、外出先で知らない人から「かわいいね」などと声をかけられただけでも泣き出してしまったことがありました。その後、すぐに姉の方も人見知りをするようになりましたが、妹のように大声で泣き出すようなことはなく、私の手をぎゅっと握ったり、話しかけられても目を逸らしたりするような感じのおとなしい人見知りでした。
- 真似っ子は二人とも大好き
生後8ヶ月くらいになると、双子は揃って義両親から頂いたソフトミラーが大好きになりました。鏡に映っている自分を見て、触ろうとしたり真似をするのに夢中になっているのです。そして、お互いの鏡に映る存在と、目の前の姉妹がそっくりだと気づいたようで不思議そうに眺めているのです。その姿が何とも愛らしく微笑ましくて、いつまでも見ていたい気持ちになりました。
双子の性格で違うところ「6ヶ月~1歳まで編」
- 妹は器用、姉は不器用
10ヶ月を過ぎると手先を自由に動かせるようになった妹の方はブロックを上手に積み上げて遊ぶようになりました。でも、姉の方は上手に出来ないので妹が積み上げたブロックを全部壊してしまうのです。挙句の果てに、妹は泣き出しておさまりがつかなくなることが多々ありました。このように双子でも妹の方は器用で、姉の方は少し不器用だったので喧嘩ばかりしていることが多かったです。
- 妹は明るい、姉は静か
二人の性格の違いがはっきりと現れてきました。たとえば妹の方は、私が「いないいないばぁ」をすると、カーテンの陰に隠れるのです。私がいつもそうすることを予測して先回りして、一人でキャッキャッと笑っていることが多くなりました。それに対して姉の方は、そんな妹をじっと目で追ってニコニコ笑っていました。行動も妹の方が積極的で、姉の方が消極的な印象が強かったです。
双子の性格の違い「1歳~3歳編」
1歳を過ぎると妹の方はすぐに歩けるようになりましたが、姉の方は立つことがやっとで伝い歩きもしません。身長や体重にも差があったので心配になって検診時にドクターに相談したのですが「乳幼児期にはよくあることですよ、焦らないで」と言われてしまいました。祖父母からも何かというと、姉の方は歩けるようになったのか、心配だねなどと言われていたので、私も気づかないうちに、姉の方ばかりに気を取られがちになっていた気がします。
双子の性格で似ているところ「1歳~3歳編」
- 好きな絵本が同じ
性格的には対照的な二人でしたが、好きな絵本は似ていました。たとえば、図書館に行き好きな本を一冊だけ持ってきてと言うと、ほとんどが同じ本を選んできます。あとは、うちは寝る前に夫が絵本の読み聞かせをしているのですが、「今日はどの絵本を読む?」と聞くと二人が同じ絵本を指差す確率はかなり高かったです。
- 同じところで笑う
この頃、家ではアンパンマンやトムとジェリーなどのDVDを良く見せていましたが、二人とも同じ場所で笑うことが多かったです。たぶん感性が似ているのでしょう。何でそこで笑う?と思う場面でも意気投合して笑っている姿に、こちらもたくさんの笑顔をもらいました。それは、今でも変わっていなくて姉妹が笑い出すと家の中が一気に明るくなります。
双子の性格で違うところ「1歳~3歳編」
- 姉ちゃんぽく振舞う妹と甘えん坊な姉
うちの双子は、妹の方が体が大きく何でもすぐにできるようになるので、周囲から妹の方が姉だと勘違いされるようになりました。私たちも成長が遅い姉の方を何かと言うと優先して、妹の方を我慢させることが多かったのでしょう。比べているつもりではなくても、周囲の人さえも「○○ちゃんの方がお姉ちゃんみたいだね」と言う、そのことが双子の心にどんな影響を与えるかなどということは、誰も考えてはいなかったと思います。今思い返すと、2歳を過ぎた頃には、何かと言うと私に甘えてくる姉に比べて妹は遠慮がちになっていた気がします。
双子の性格の違い「3歳~5歳編」
うちの双子は3歳から保育園に通うようになり、性格的にもより一層差が出るようになりました。やはり、同じ環境で育った双子でも、お友達や先生、また見るもの、聞くものによって違った感性が生まれるのでしょうか。
双子の性格で似ているところ「3歳~5歳編」
- 面倒見がよい
保育園では双子は違うクラスでしたが、どちらも「面倒見がいい」と言われました。クラスに何かができない子がいると「待ってあげましょうね」などと言って、真っ先にそばに行きお手伝いをしてあげている、と褒めて頂きました。同じ年の姉妹がいることで、喧嘩することも我慢することも多かった双子には、自然に譲り合いの気持ちが生まれていたのかもしれません。
- お互いをライバル視している
生まれた時からずっと一緒にいる双子は、いい意味でも悪い意味でも常にお互いをライバル視しているところがあります。例えば、色違いのお洋服を貰ったとして「どっちの色がいいかな?」などと言えば必ず奪い合いの喧嘩になるのです。絶対に同じ色を欲しがるから不思議としか言いようがありません。こうなると、もう意地の張り合いで喧嘩をしている状態になるので、親でさえ口を挟めなくなります。放っておけばいつの間にか仲直りしているのも、うちの双子の特徴です。
双子の性格で違うところ「3歳~5歳編」
- すぐ飽きる妹、粘り強い姉
5歳の頃、お絵かきや塗り絵が大好きだったうちの双子ですが、遊び始めてすぐに飽きてしまって他の遊びをするのが妹の方でした。とにかく好奇心が強く、次から次に新しいことを始めてしまうのです。それと比較すると、姉の方は粘り強く自分が納得するまで、一つのことを続けていました。この性格の違いは、一体どうしてなんだろうと私なりに推測してみると、妹は小さい頃から何でもすぐにできてしまうので、いつの間にかそれが当たり前みたいな空気になっており、私たちがあまり褒めてこなかったせいかもしれないと感じました。
- 妹がうまく眠れなくなった
4歳を過ぎると妹が、夜中にうなされて起きたりすることが多くなりました。それがあまりにも毎晩続くので心配になって病院に行くと「睡眠に少しだけ異常があるようですね」と言われて愕然としました。原因はいろいろあるようですが、もしかしたら子供なりにストレスを感じている可能性もあると指摘されたのです。それが私にとって双子の子育てを考え直すきっかけとなりました。
双子の性格の違いを生かしてお互いのよさを伸ばすポイント
双子と言うことで赤ちゃんの頃から何かと比較されてきた姉妹は、知らず知らずのうちに親や周囲の言動にストレスを感じることもあったのだろうと思います。何でもできる子だと思って、妹の方に我慢ばかりさせてきたことへの後悔は拭っても拭いきれるものではありませんでした。それから双子の行動をさりげなく観察してみると、何かと言うと私のそばに擦り寄ってくる姉を、妹は時折羨ましいそうに見ていたのです。
「遠慮している?この子は、こんなに小さくてもう自分を抑えることを覚えてしまったのだろうか。もしかしたらママは姉の方が可愛いんじゃないか」と、感じさせてしまっていたのかなとこの頃から考えるようになり、もしそうなら、私のせいかもしれないと思ったのです。それからというもの、私はなるべく二人を比較しないこと、差別しないことを心がけるようにしました。具体的には以下に挙げる3点を気をつけてみて下さい。
双子の互いのよい所を言葉に出してほめる
この頃から意識していたのは、妹には妹のよさがあり姉には姉のよさがあるので、それを比較するのではなく言葉にして伝えるようにすることでした。たとえば、何かが上手にできたら「すごいね」「○○ちゃん、器用だね」というように具体的に褒めます。そうすると、もう一人の方は「ねぇ、あたしは?」と聞いてくるかもしれませんが、そういう時には下手にごまかしたりせずに、「○○ちゃんはもう少しでできるようになるね、ママと練習してみる?」などと提案すれば、快く応じてくれるでしょう。いっしょにできたら「できたね、すごいね」と褒めてあげて下さい。
双子二人とも思い切り甘えさせる
双子なので、なかなかそれぞれと二人だけになることは少ないと思いますが、たとえば、どちらかが先に起きてきたとき、体調が優れなくて保育園を休んだ時など、二人きりになったら思い切り抱きしめてあげて下さい。最初は照れるかもしれないですが、少しずつ心を開いて子供らしく甘えてくるようになるはずです。
双子であっても別な存在だと伝える
双子は、周囲から比較されるからこそ本当は比べられるのが嫌いなのだと思います。この子はこれができる、この子はこれが苦手、どうしてもそう感じてしまいがちだけれど二人とも個性を持って生まれてきた別々の存在です。なので意識して個々を褒めたり、平等に二人同じように手をかけることが大切です。なかなか難しいことではありますが、それができれば双子の個性を生かすことが可能だと思います。いつも一緒にいるママに愛されている、そう実感すれば子供は安心して外に出ても伸び伸びと生活できるでしょう。
双子の性格は違うもの、顔は似ていても驚くほど違う個性がある
今では7歳になった我が家の双子は、毎日ランドセルを背負って学校へ行っています。妹は紫のランドセル、姉はピンクを選びました。ある程度の年齢までは仕方がないですが、双子はいつも同じものを持たせるのではなく、それぞれに違うものを持ち、それを大切に使うことを覚えさせることも個性を伸ばすきっかけになるはずです。
親が子供の性格を信じそれぞれの才能を伸ばしてあげることで、子供は自信をつけてぐんぐん成長していきます。あんなに甘えん坊だった娘たちが、少しずつ一人でたくさんのことができるようになり今ではそれぞれお友達ができて別行動することも増えています。色々なことがありましたが、娘の成長と共に私も母として少しずつですが成長できたのではないかと思っています。この先の双子の成長が親として本当に楽しみです。