こども110番の家を確認し防犯意識を

こども110番の家ってどんな場所?子供に教える防犯意識

こども110番の家は、警察も認める子供の緊急避難所のとりくみのひとつです。こども110番の駅もあり、不審者に遭った子供の安全を確保して警察に通報してくれます。こども110番の家を教えるタイミングと防犯意識を徹底させるために必要なことは、どういったことがあるのか紹介していきます。

こども110番の家ってどんな場所?子供に教える防犯意識

こども110番の家って何?警察も認める防犯上のとりくみ

こども110番の家とは、子供の緊急避難所のとりくみで、子供自身が身の危険を感じた時に助けを求められる施設や個人宅です。不審者から逃げてきた子供の安全を確保して、子供に代わって警察へ110番通報を行います。

また、子供を安心させて状況を確認することもでき、不安な状況の子供に代わって保護者や学校へ連絡したり、時には救急車の手配も行うことがあります。

子供の通学路の商店に多いこども110番の家

こども110番の家は、通学路の途中にあることが多く、コンビニや商店、個人宅が該当します。ただ、実際は、インターネットを調べても、こども110番の家がある場所が掲載されていません。自分の近所のどこにこども110番の家があるかわかっていない実例もあり、自分が住んでいる家の近くで散歩などをして散策し、あらかじめどの施設や個人宅が対象なのかを知っておく必要があります。

こども110番の家を知るタイミングはいつ?

こども110番を教えるタイミングは、小学校入学の6~7歳が適当です。その理由は、親の送迎がなくなるからです。幼稚園や保育園では親の送迎が必要で、バス送迎では、名札をかけた保護者が集合場所に来て子供を先生に引き渡して見送り、帰宅時もバスから降りた子供を引き取り、お迎えをします。

園に直接送迎する親も、園の先生に引き渡すため子供が1人になるタイミングがありません。しかし、小学校に入ると分団登校になるため1人での登下校があります。共働きの家庭だと小学校を下校した後に学童保育があり、学外に子供だけで行く必要も出てきるため、小学校入学を機に教えるのがいい時期だと考えられます。

4、5歳の年中や年長の年齢でも、1人で公園やお友達のお家に遊びに行くことが多い子供がいたら、こども110番の家を教えておくといいでしょう。

こども110番に登録している個人宅や施設

こども110番の家のステッカー

こども110番に登録している家や施設には、見えやすい場所に「こども110番」と書かれたステッカーやポスターを貼っています。地域によってデザインが違いますが、ひと目で「こども110番」とわかるようになっています。

子供が小さくて、買い物や散歩など常に一緒にいるときには気にしていなくても、外出する際にはどこの家や施設がこども110番になっているか、あらかじめチェックしておきましょう。

こども110番は緊急事態のときに駆け込める場所

こども110番の家や施設を子供に教えておくのはとても大切ですが、どのようなときに駆け込むのか、子供にしっかりと理解させる必要があります。

中には数人で連れ立って、「お水を飲ませて」「ジュースを飲ませて」「トイレを貸して」と、こども110番のポスターのある家に押しかけるケースがあります。こうした利用の仕方は間違っているということも教えておきましょう。

通学を電車で行う子供には「こども110番の駅」も教えよう

電車で通学する小学生

こども110番の家のほか、登下校を電車で行う場合は「こども110番の駅」の存在を教えることも大切です。こども110番の駅には、きかんしゃトーマスのステッカーが貼ってあります。子供が使う駅が「こども110番の駅」かどうかチェックしておきましょう。

こども110番の駅は、JR東日本では、東京駅や品川駅、渋谷駅をはじめとして、神奈川県の川崎駅や埼玉県のさいたま新都心駅など全国に広がっています。

また、京都府や大阪府、兵庫県にも広がり、大阪駅や新大阪駅、尼崎駅、芦屋駅、西宮駅など多くの駅がこども110番の駅として参加しています。

石川県の金沢や和歌山県、岡山県や鳥取県、広島県、福岡県にも広がっています。自分が住んでいる県にはこども110番の駅に取り組んでいるのかを確認してみてください。

一部地域ではこども110番のタクシーがある

こども110番の家のほか、「こども110番のタクシー」に取り組んでいる地域もあり、空車や回送中のタクシーに子供を避難させて、タクシーで警察に通報しにいくことができるとりくみもあります。

タクシーを日頃から利用しない家庭でも、こども110番のタクシーを教えておくことで、通行量の多い道路側で犯罪に巻き込まれそうになった時に、予防ができます。

子供の防犯をしっかり考えよう!子供を守る為にすべきこと
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知っていますか?防犯のための「つみきおに」の標語

小学生に教えたい「つみきおに」標語

こども110番の場所を把握させるのは大切ですが、小さい子供に対して防犯意識を教えることは、難しいことでもあります。わかりやすい標語「つみきおに」を教えることで、防犯意識を徹底させましょう。

「つみきおに」とは

  • つ…ついていかない
  • み…みんなといつもいっしょ
  • き…きちんと知らせる
  • お…おおごえで助けを呼ぶ
  • に…にげる

この「つみきおに」も具体的に教えるようにします。友達が一緒に遊んでいる時でも、知らないおじさんに声をかけられたらついて行かない、出かける時には誰とどこで何をするかなど、具体的な家庭のルールを教える必要があります。

こうした防犯意識をしっかりと持たせ、不審者から逃れてこども110番の家に駆け込むように教えておきましょう。

こども110番と合わせてしておきたいこと

こども110番と合わせて、防犯のために徹底しておきたいことがあります。子供に教えておくことで犯罪に巻き込まれないようにするほか、友人や知人が犯罪に遭いそうな時に、的確な対処ができるようにしておけるよう、日頃から教えておきましょう。

不審者から身を守る!実際にあった例を調べてみよう

子供に迫る不審者

こども110番の家、警察の派出所が近くにある場合は逃げ込めばいいですが、咄嗟の時には声が出ないことがあります。もし、犯罪に巻き込まれそうな時にはどうするのか日頃から話し合いをしておきましょう。

また、不審者は言葉巧みに声をかけてきます。実際の例を調べてみると、素直な子供ならだまされてしまいそうです。あらかじめ、こういったケースがあったと話すことで予備知識になります。

怖い!実際にあった不審者の例

  • 「猫がいたよ」と男性がアパートの階段の下に誘い、女児の身体に触る事件
  • 複数の友人と遊んでいた女児に「おやつをあげる」と誘い、自動車に拉致しようとした事件
  • 歩いていた子供の手をひっぱって路地に連れ込み、身体を触る事件
  • 帰宅中の女児に「スカートに虫がいる」と声をかけて身体を触る事件

通学途中や遊んでいるときなどに、上のような言葉をかけられても、知らない人にはついていかないことを徹底して教えましょう。また、警察の派出所やこども110番の家に逃げ込むことも教えておきます。

子供に防犯ブザーの徹底を!使い方も学んでおこう

防犯ブザーは、連れ去りや誘拐などの犯罪に遭いそうな時、周囲に知らせることができるものです。いざという時には、子供は大声で助けを呼ぶことができないものなので、防犯ブザーを持っておくことが大切です。

防犯ブザーがあれば、ボタンを押したり紐を引き抜くだけでブザーが鳴ります。周囲に犯罪が起こりそうなことを知らせることができ、周囲が警察に通報できます。襲う側も防犯ブザーがランドセルについているのを見ると、狙わなくなる抑止力の効果もあるため、小学校に入るタイミングで防犯ブザーを購入してランドセルにつけておけるといいでしょう。家電量販店のほか、インターネット、ホームセンターでも購入でき、1,000円ほどから販売されています。

防犯ブザーの選び方と定期点検の大切さ

防犯ブザーを見に付ける小学生

防犯ブザーで大切な点は、きちんと作動するか定期的に確認しておくことです。ボタン電池のほか、単4、単3の電池を使っているため、電池切れが起こっていると正常に使えません。また、見た目のかわいさだけではなく、音の大きさも大切です。音は80デシベル以上あるものを選ぶようにすると音量も十分です。

子供が持ち歩くものなので、ランドセルにつけられるキーホルダー型だとかわいく、女の子にはくまやドーナツ型、男の子には電車型もあり、一見すると防犯ブザーとはわかりにくいものもあります。

防犯ブザーの選び方と定期点検

  • 電池は何か(ボタン電池、単3、単4)
  • 電池切れは起こしていないか
  • キーホルダー型など持ち歩きはしやすいか
  • 音は80デシベル以上が理想的
  • 見た目のかわいさ

防犯ブザーを購入した後も定期的に作動するか点検して、いざという時にきちんと動くかをチェックしておきましょう。

我が家のこども110番と防犯意識の持ち方

私は子供を2人育てていて、1人は来年小学校に進学します。今までは幼稚園にバス通園していて、家の前まで園バスが来てくれたので、送迎時は必ずママである自分がいて、園の先生に引き渡しができていました。しかし、来年からは1人で歩くことも多くなってきます。

我が家では、これまで「こども110番の家」が近所にあるのを知らなかったのですが、民生委員のおじいちゃんが住む家が近くにあり、こども110番の家であることを知り、子供に教えています。ただ、その家は通学路ではないので、防犯ブザーも購入し、ランドセルにつける準備を整えました。

習い事が一緒のママは子供が小学4年生ですが、習い事にも同伴しています。また、小学1年生のうちは、小学校の登下校時につきそいをしていたと話していました。

海外駐在経験があるママだと、小学校に通ううちはまだ保護者同伴が当たり前で、小学生になってもお友達の家に1人で行くことも禁止です。お友達の家に行く時は、家の前まで親がつきそいをして送ると聞いたので、できる限りサポートしていきたいと考えています。

子供の留守番を安全に過ごすために親ができること
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こども110晩の家の教え方体験談

通学路で不審者に気付いてブザーを鳴らす女の子

こども110番の家を教えるタイミングや、防犯上の知識を教えたきっかけ、どうすれば安全に生活できるかについても調べてみました。防犯に役立つこども110番の家をみなさんはどうやって教えているのでしょうか。

何が安全な人?知っている人?

ぺんしるばにあ(36歳)


幼稚園の頃から「こども110番の家はここ」「知らない人にはついていかない」ことを教えました。ただ、子供から「誰が知っている人で、誰が知らない人かわからない」と言われて悩んでしまいました。

ちょうどその頃、PTA会長で小学校の登下校のつきそいをしていた人が、小学校女児を暴行殺人した事件が起こっていて、「顔を知っているからといって知りあいではない」ことを痛感していたからです。

そのため、登下校のつきそいをしているおじさんも知りあいではないこと、登下校はママが同伴することを徹底しています。お友達の家に遊びに行く時も車で行き、保護者の人に挨拶をしてお菓子を渡し、「〇時に迎えに来ます」と言って子供を1人にする時間を作りません。

痛ましい事件が全国で起こっているので、そのくらいしてもいいんじゃないかと思っています。

近くに頼れる子を探す!

だいちゃんママ(36歳)


実は、こども110番の家が近所に見つかりませんでした。警察の派出所も遠いです。近所づきあいも希薄で、町内会長さんのお宅はわかるものの、毎年の持ち回りなので全ての人が本当に信頼できるかどうかはわからずで……。そのため、我が家では小学校の登下校は同級生の子と一緒に行ってもらっています。

もちろん防犯ブザーを用意して、ランドセルにはつけています。しかし、1人で登下校をすると、不審者も近づきやすくなると聞きました。幸い、同じ分団に同性の同級生がいて幼稚園からも一緒だったので、家の前を集合場所にして、分団の集合場所まで一緒に行ってもらっています。

最初は親がつきそわなくてはいけないかなと思ったのですが、小さい子供もいるため、同級生同士で行ってもらうのがいいかと思って続けています。帰りも仲良く帰ってくるのでありがたいです。

こども110番の「駅」を教えた!

共働きママ(45歳)


子供は私立小学校に入学しました。そのため、通学は普通の子供よりも長距離です。従来はこども110番の家を教えるべきなのだと思いますが、私は、こども110番の駅を教えました。都内だとかなり多くの駅がこども110番の駅です。

都内だとJRの駅のほとんどが、こども110番の駅になっていて、浜松町、田町、品川、大井町、大森、蒲田、西大井……。小学校前の保育園は会社内だったのですが、自宅最寄の駅も会社の駅もこども110番の駅だったので、トーマスのステッカーを見て「ほら、トーマスが守ってくれる駅だよ」と話しかけていました。

私立小学校の最寄駅もこども110番の駅のようで、受験の時にトーマスのステッカーが貼ってあるのを見て安心しました。こども110番の家のほか、駅があると私立小学校の子も安心だと思います。

二極化しているこどもの防犯対策

デトロイトメタルシティ(45歳)


アメリカでの海外駐在経験があり、子供に対しての防犯対策が海外の方が徹底していると感じました。帰国して感じるのは、日本の防犯意識は二極化していることです。例えば、子供を夜まで遊ばせても平気なママもいれば、見送りや習い事も同伴して徹底しているママもいます。中間があまりいないです。

日本に帰国して感じたことは、自分たちが子供だった頃と比べて、自動車での連れ去りや犯罪集団のプロ化、顔見知りの見守り隊のおじさんによる暴行殺人事件、男性保育士による犯罪など、身近に犯罪が起こっていることです。そして、犯罪が起こっても助けてくれる人がいないこと……。

気が抜けない時代になってきたと感じるものの、日本は親が常に見守っていなくても犯罪になりません。アメリカでは保護者責任があり、小学校のうちは登校にもつきそい、習い事にもつきそい、友人宅への送迎もありました。そう考えると、日本はまだ楽です。大切な子供に犯罪が起こってからでは遅いので、できる限り見守っていきたいと思います。

登下校の道も選んで!

ももママ(35歳)


郊外の住宅街に住んでいて、近くに大型公園があります。夜は森のようになって街頭もなくなります。子供たちは、公園側の道を通って遊びつつ帰る子も、住宅用の売地を丘のように登って遊びながら登下校する子供もいます。でも、大型公園の森に連れ去られてしまうと人目がなくなり危険だと思うので、大通り側を歩かせるようにしています。

現代社会では、犬や猫を連れて子供の気を引くおじさんやおじいさんが、実は犯罪者予備軍だったこともあり、誰を信用していいのかわからないことがあります。不審者も顔見知りの犯行であるケースがあり、本当に怖いと思っています。

「登下校もなるべく人目のある場所を歩いて!」がママからのお願いで、子供も守ってくれています。

こども110番の家を教えて防犯意識を徹底よう

こども110番の家のほか、通学路にあるコンビニや商店などのお店、警察の派出所に子供が駆け込むこともできると教え、不審者に遭遇した時や犯罪に巻き込まれそうになった時に、安心できる環境を作ってあげる必要があります。

何かあってからでは遅いので、子供が1人で行動する時は近くにこども110番の家や施設があることを把握させ、親が防犯意識をしっかり教えておきましょう。