それって過保護かも!過度に子供を甘やかしていませんか?
「過保護」とは子供がなにかを求めたとき、ついついパパやママがやってあげすぎてしまうことです。昔に比べると現代では子供の数が減り、ひとりっ子のご家庭が増えました。その分パパやママがひとりの子供の育児に集中し、甘やかされて育つ子供たちが増えている傾向があります。
それでは子供を甘やかせる「過保護な親」はどのような親を指すのでしょうか?
子供を過保護に育ててしまっているのではないかと心配になっているパパやママに向けて、どのような場面が過保護に当たるのか具体的な例や、過保護な親に育てられると子供にどのような影響があるのかなど気になる点をご紹介します。
過保護な親になっていない?パパやママの言動チェック
子供に対して「過保護な親」な行動。たまになら問題ありませんが、毎日習慣としてやってしまうと子供の自立や自主性を妨げることがあります。自分が過保護な言動を日常的に行っていないか、この機会にチェックしてみましょう。
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自分でやりたがっているのにパパやママが先にやってしまう
自分で服を選びたい、お手伝いをしたいなど、子供は成長に伴い大人の真似をして自分でやりたいことがどんどん増えてきます。
「子供にやらせてしまうと失敗してしまうかもしれないし、上手にできないから」と、ついついパパやママがやってしまうと、せっかく芽生え始めた子供の大切な能力を潰してしまいかねません。
子供のやる気や好奇心を尊重し、やらせてみる、見守っていく姿勢は子育てにおいて非常に大切です。
子供ができることもパパやママがやってしまう
小学校に入って片付けや準備ができるようになっても、「部屋が汚いからパパやママが勝手に片付ける」「忘れ物をして先生に怒られないように、パパやママが代わりに準備をする」など、子供が自分でできること、本来子供にやらせるべきことまで先回りしてしまいやってしまうと、子供はそれを当然と思い何もしなくなってしまいます。
これは子供が挑戦しようとしていることに対しても、パパやママが「この子には無理だろう」と無意識に決めつけて先回りをすることは、子供にとって成長の機会を奪われていることと同じ。
親が子供の能力を低く見積もって「無理だから」「失敗するから」と接していては、子供はつまらない人生を送ることになってしまいます。
ついつい指示をしてしまう
子供の行動を見ていると、ついつい口を出したくなってしまう場面は多々ありますよね。
「宿題は?」「片付けしなさい」さらには「これ買ってきたのよ、遊んでみたら?」と例を挙げるときりがありません。
パパやママから自分の行動を指示や誘導をされてきた子供は、次に何をするべきか考える機会がなかったため、自立心が育たず社会に出てから指示されないと行動できなくなってしまう可能性が。
自発的な言動という概念がないので「指示待ち人間」を脱却するのは簡単ではなく、子供は非常に苦労することになるでしょう。
危険そうな行動を禁止する
公園などに行ったときに、アスレチックは落ちたら怪我をする危険があるから遊ばせない、転んだらいけないから走ったら怒る、少し高いところに登っただけで「危ないから降りなさい」と言うなど、我が子のけがや周りへ迷惑をかけてしまうリスクを心配しすぎると、「あれもダメ!これもダメ!!」と、何でもかんでも禁止しなければならなくなります。
しかし子供は潜在的に自分を守る方法を知っていますし、多少痛い思いをして身を守る術を覚えていきます。挑戦を通して、多少転んだり滑ったりしながらも体で学ぶものなのです。
駅のホームで遊ぶ、道路をとびだすなど明らかに止めるべき場面では危険であることを教えなければいけませんが、遊びの一環としてちょっとだけ背伸びした行動を禁止するのは過保護にあたります。
パパやママが学校の準備をする
準備など身の回りのことひとつでも子供にとっては段取りやけじめなど様々なことを学ぶチャンスです。ですが、子供が忘れ物をして先生に怒られたという話を聞くとかわいそうに感じて、次からパパやママがノートや教科書、上履きなど学校に必要なものを代わりに準備してしまうのは過保護!
パパやママが準備を代わりに行ってしまうと、子供は「やってもらう」ことが当たり前になり、自分でやるべきことを他人任せにしてしまうでしょう。親が子供にかわいそうな思いをさせたくないという行動はいわば勘違いともいえる言動で、子供のやるべきことを全て親が行うと、子供は自分で考え工夫する機会を失ってしまうことになります。
忘れ物があったら届ける
子供が登校したあとに、今日提出しなければならない提出物が机の上に転がっていたら・・・。「きっと子供が困るから」とついつい学校まで届けてしまう方もいるでしょう。しかし子供が忘れ物をしてもパパやママが気を利かせて毎回届けてしまうと「忘れ物をしても困らない」ので、自発的に忘れ物に注意しようとすら思わないでしょう。
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おもちゃを欲しがったらいつも買ってあげる
「新しいおもちゃがほしい」「友達が持っていたゲームがほしい」など、子供は魅力的なおもちゃをどんどん欲しがりますよね。デパートに行ったときに子供がおもちゃ欲しさにかんしゃくを起こしてしまい、パパやママが根負けしてついつい買ってしまうようなことはありませんか?また、中には自身の幼少期を思い起こし子供は不自由させたくないと、欲しがるおもちゃを買い与えるパパやママもいるでしょう。
しかし子供がおもちゃを欲しがったときに、いつも買ってあげるのは甘かやしに入るかも。
欲しがるものを買い与えていると我慢を覚えませんし、子供の駄々に負けて買うのも「駄々をこねると言うことを聞いてくれる」と認識してしまいかねません。
家の外でお友達や先生と接するときにも、自分の思い通りにする前提で自己中心的な性格になってしまい、孤立したりキレやすくなる可能性があると指摘されています。
お菓子やジュースを食べたいときにあげる
子供が大好きなお菓子やジュースも同じで、過保護、と言うより我慢をさせない甘やかしの部類に入ります。
子供が欲しがるとついつい「お腹が空いたりのどが渇いているのはかわいそう」と与えてしまう人もいますが、お菓子やジュースには糖分が多く含まれるため、基本的に子供はお腹が空いていてもいなくてもお菓子を食べたがります。
糖分の多く含まれるお菓子やジュースをたくさんとると、当然ごはんを食べる量が減ってしまいますし、必然的に嫌いな食べ物は食べなくなってしまうでしょう。ジュースばかり与えていると、甘味のないお茶や水での水分補給はしなくなるようになります。
時間を決めずにダラダラとお菓子やジュースを飲み食いすることは虫歯になってしまうリスクも高まり、子供のためにはなりませんし、欲しいときに欲しいものをもらえる環境で育ってしまうと我慢ができない子供に育つ問題点もあります。
過保護な親の問題点/将来どんな影響を与える?
過保護な親と言っても、パパママにとっては「子供の喜ぶ顔が見たい」「子供が心配だから」など親心からしている行動でしょう。その気持ちも手に取るようにわかります。
しかし、いつも過保護にしていたり、少し間違った「過保護」を子供への愛情だと思い込んでしまうと子供の将来に悪い影響を与えかねません。
全て自分の思い通りになる環境で育つなら周りのことを考えなくなることも
子供が欲しいと思ったものは全て買い与える、周りに迷惑をかけているのに注意しない。これらは過保護というより甘やかしの一種です。
親は、のびのび育てていると勘違いして甘やかして育ててしまうと、子供は「欲しいものは何でも手に入る」「何をしても許される」「やりたいことは全てやっていいんだ」と我慢を覚えることはないでしょう。
ですが、万が一自分の思い通りにならなかったとき、子供はそれを受け入れられるでしょうか?また、そういうときに駄々をこねる方法しか知らないなら・・・。小さなときに欲しいものを我慢したり、周りへの気遣いを知ることで勉強することは、子供が生きていく上で非常に大切なことです。
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自立心が養われない
過保護なパパやママに育てられると、子供の自立心を妨げてしまいます。
子供は自分でできることでも「パパやママがやってくれるしそれが当たり前」だと勘違いしてしまい、自分で考え工夫して取り組むことを放棄してしまうのです。
多くの子供は失敗や辛い経験を繰り返しながら自分で考える力を養いますが、パパやママが子供が辛い思いをする前に手や口を出してしまうなら、学びの場面から遠ざかっていってしまうでしょう。
自主性が育たない
子供が何かやろうとしたときに、パパやママが先回りをして代わりにやってもらった子供は、自立心だけでなく自主性も育ちにくいと言われています。
やる気を出して何かに挑戦しようとしてもパパママが自分より上手にやってくれるので、小さなやる気をへし折られてきたこともたくさんあるでしょう。大きくなってからも何かに挑戦しようという意欲ややる気はなかなか持てなくなってしまいます。
「過保護」と「甘えさる」の境界線は?上手な甘えさせ方
過保護な親がいる反面で、過保護を心配するあまり、極端に厳しくなってしまう方もいるかもしれません。しかし子供にとってパパやママに甘えさせてもらうのはとても大切な心の栄養です。それでは「過保護」と「甘えさる」の違いは何でしょうか?
「過保護」は子供のために尽くそうと思うあまりに、子供の成長を考えていない甘やかしの面もありますが、一方で「甘えさせる」は子供を「認めること」であり成長に必要。
不安なとき、失敗してしまったとき、頑張ったとき―――子供は、親に甘えさせてもらいながら信頼関係を築きます。そのため子供が甘えたいときには必要な要求に応え、とことん愛情を注いであげてOK。過保護にならない上手な甘えさせ方や、甘えさせてあげたい場面を解説します。
上手な甘えさせ方
上手な甘えさせ方とは子供が「甘えたいサイン」を出したときに、見落とすことなくちゃんと気づいてあげて、その想いを受け止めて反応してあげることです。
忙しい日々を送るパパやママにとって、子供の甘えに付き合うのは大変かもしれませんが、子供が甘えてきたら、できるだけ今やっていることを中断し、ほんの数十秒でもいいので子供と視線を合わせてこたえてあげてください。スキンシップも兼ねて行ってあげると、子供の心は一層満たされるでしょう。
甘やかせてあげたい場面!それは子供のサインかもしれない!
子供は甘えたいときに間接的な方法でパパやママにサインを送っています。甘えたいサインはときに「反抗」として出ることもあるのでパパやママがイライラすることや、何度もサインを出されるとその度に反応するのは面倒に感じたりしてしまうことがあるかもしれません。
しかし、できるだけ子供の気持ちをキャッチしてあげることが、子供の心のバランスが取れてパパやママと信頼関係を築くことにつながります。
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パパやママへしきりに話しかける
「見て見て」「やってやって」「なんでなんで?」など子供がしきりに話しかけることがあるでしょう。これはパパやママに注目してもらいたい、ほめてもらいたい、甘えたいというサインの証拠です。子供が話しかけるときは、もしかしたらパパやママは他のことに集中しているときかもしれません。
料理や掃除中など、忙しいときに毎回きちんと反応するのは大変ですし、精神的につらい場面もあるかもしれませんが、ほんの数秒でも手を止めて、反応したりスキンシップを取るだけでも子供は満足してくれるでしょう。
騒ぐ、叩く
子供はときに甘えたいサインとして、わざとパパやママが嫌がることをやって気を引こうとすることがあります。それは嫌がることをするとパパやママが反応してくれることを知っているからです。このときに怒ってしまうことや、冷たくあしらうのは逆効果。子供の衝動がおさまるまで見守り、落ち着いたら抱きしめるなどしてスキンシップをとってあげてください。
できていたことを急にやらなくなる
少し前までは階段をひとりで上り下りしていたのに抱っこを求める、着替えができていたのにやらなくなるといった、今まではできていたことを急にやらなくなるのも甘えたいサインです。わがままを行ってパパやママを困らせたいわけではなく、パパやママの気をひくことでスキンシップを求めているのです。
ここでポイントなのは全てパパやママがやってあげるのではなく、一緒にやってみることが大切です。「いつまでこれが続くんだろう…」と心配になることもあるかもしれませんが、ある日突然また自分ひとりでやり始めますのでそれまで付き合ってあげてくださいね。
過保護になりすぎていないかどうかは子供の状況や年齢によっても異なります
パパやママのどんな行動が子供の甘やかしになるかは、子供の年齢や、どんなことができて、どんなことができないかといった状況にもよるので、子供ひとりひとり異なります。
過保護な親は絶対にNGだというわけではなく、たまになら甘えん坊な子供の気持ちを満たしてくれるいいコミュニケーションにつながることもあります。
「習慣づいた行動が過保護になっているかも」と心配になったときには、パパやママがいったん自分の行動を見直してみることが大切。子育てやしつけも子供とのコミュニケーションの上で成り立っているので、気付いたときに自分の行動を変えれば、子供もそれに応じて変わってくるでしょう。
子供が言葉で要求していることは本当に心から欲していることなのか、まずは子供の様子をしっかり観察することから始め、そっと子供の行動を優しく見守ってあげる時間も増やしていきましょう。要求に応じることが子供のためになるか?を考えたり、先回りしてやりすぎてしまうのではなく挑戦させながら子供の力を育てていくことこそが大切だと言えるでしょう。