ギャングエイジとは

ギャングエイジにちゃんと向き合うイライラしない子育て術

ギャングエイジを迎えたわが子の対応に悩んでいるママはぜひ参考にしてください。ギャングエイジの特徴を知り、ちゃんと向き合うことで親子の信頼関係が築かれていきます。ギャングエイジは成長の証。子育てが難しい年頃に差し掛かったらイライラしない子育て術を試してみて下さい。

ギャングエイジにちゃんと向き合うイライラしない子育て術

ギャングエイジは小学3年生くらいの男の子に多いのはどうしてだろう

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ギャングエイジという言葉を知っていますか?「うちの子、最近急に生意気になって、全然いうこときかないのよ」「すぐにばれるような嘘をついて困ってるの」……など、親からすると、それまで可愛く素直だった我が子が、口答えをする、乱暴な言動が増えるなど、急に扱いづらく、あるいは遠い存在になったと感じる時があります。

それは、子供にとっての成長の証ともいえる大切な時期です。今回は、ギャングエイジとは何か、この時期の子供たちの特徴や対処の仕方、イライラしない子育ての方法を解説します。ぜひ参考にしてください。

ギャングエイジとは?自我が芽生えてきた証拠

廊下を走ってる小学生の男の子グループ

ギャングエイジは、小学生の中学年、つまり3年生頃から高学年にかけての子供たち、中でも男の子に使われることが多いキーワードです。しっかりとした自分の考えを持たず他の人の意見に流されるままに同調することがある一方で、子供同士だけの集団を作り、自分たちで作ったルールで遊びます(注1)。

幼児期や小学校の低学年までは、家族や先生の言うことをきいていて素直に行動していた子供たちですが、この頃になると、自分がしたいことをハッキリ主張し行動するなど、自我が芽生えはじめてきます。

それまで「お母さん、あのね」などと甘えてきた我が子だったのに、急に反抗的になって言うことを聴かなくなったり、言葉遣いが乱暴になってきたり、ときには嘘をつくようになったりするため、親は何かと戸惑いを感じるようになります。

ギャングエイジの子供の特徴!我が子にあてはまる?

ギャングエイジの主な特徴として、以下のようなものがあげられます。自分自身の子供時代を振り返ってみてください。上記の特徴について、思い当たることはありませんか。実は誰もが多かれ少なかれ、成長段階においてこのギャングエイジと呼ばれる時期を経験しています。

  • 仲間意識が強くなり、特定の集団だけで行動するようになる
  • 仲間同士での合図や決まり、秘密基地などを作るようになる
  • 仲間のなかでリーダーが生まれ、役割分担や組織的な活動をするようになる
  • 親や教師の言いつけを守らない、反抗的な言動が目立つようになる
  • 言葉が乱暴になり、言い訳が多くなる。ときにはうそをつくようになる

ギャングエイジが小学3年生や9歳頃から増える理由

小学3年生頃から高学年にかけてのこの時期に、なぜ子供がギャングエイジになるのか考えてみましょう。

小学3年生くらいの子供と言えば、外見的にも男女の差が生まれ、著しい成長の時期にあたります。個人差はありますが、男の子は急に背が伸びたり体重が増えて筋肉がついてきます。一方、女の子は体がまるみをおびて、女性らしい体形になってきます。

つまり、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく、体とともに、心の方もそれぞれの成長が目に見えるところ、見えない部分でも急速に進んでいきます。それこそが、ギャングエイジの始まりといえるのです。

ギャングエイジは親や大人に守られることからの脱出

ギャングエイジと呼ばれる時期の子供たちは、仲のいい同性同士でグループを作り行動するようになってきます。また、それを親や先生に見つからないようにして遊ぶこと、それ自体を楽しむようにさえなってきます。

これを読んでいるあなたも、子供の頃、友達と遠出をしてみたり、子供だけの秘密の場所を作って遊んだりした思い出があるのではないでしょうか。

体も心も発達してくるこの時期は、行動範囲が広がってきます。低学年では行けなかったような場所に仲間と行ってみたり、ちょっと羽目をはずすような悪いことをやってみたくなる、好奇心にかられ冒険ともいえる行動が目に付くようになってきます。

子供同士のコミュニティが親よりも大事になってくるのが、ギャングエイジの子供の特徴です。ギャングエイジとは、子供から少しずつ大人へと進む心身の成長の証であり、家族以外の親しい人との新しい関わりを学ぶ時期なのです。

ギャングエイジが男の子に多いのはなぜ?その理由

小学校の廊下でふざけあってる男の子とそれを見てる女ん子達

ギャングエイジは、特に男の子に多いといわれています。確かに、乱暴な振る舞いや言葉、口より先につい手が出てしまうのは、女の子よりも男の子の方が多い傾向があります。それはなぜでしょうか。

男の子は、女の子に比べて、自分の想いを言葉にするのが不得手な子が多いです。感情を言葉にできないもどかしさや苛立ちが、ときに乱暴な言動として現れてしまいがちです。心も体もまだまだ成長途中で、自分でもどう表していいのかわからない、モヤモヤした状態が続くのです。

親は子供の言葉にできない思いを感じ取ることが大切

この時期の子供たちに手を焼いてしまうときには、単純に乱暴な子、ギャングエイジだからと片付けるのではなく、子供たちの言語化できない思いを、親がどう感じ取るかが大切になってきます。まさにそれこそが、親や大人の大切な務めなのです。

何をしても口答えしたり乱暴な振る舞いが収まらない子供に対して、理路整然、あるいは頭ごなしに叱っても、言うことをきいてくれません。ますます反抗的になることも予想されます。親である私たち自身も経験してきたことを思い出しながら、子供の成長に目を向けてみましょう。

ギャングエイジにイライラしない子育て法

かわいい我が子が、ギャングエイジの時期に差し掛かって手を焼いているパパママは、ぜひ自分に「よかったね!おめでとう」とエールを送りましょう。それはまぎれもなく、我が子の健やかな成長の証です。

とはいえ、そんな子供たちへの対応に、ときには困ることもあるでしょう。成長の過程とはいえ、それに比例して子ども同士のけんかやトラブルなども増えてくるため、親同士もストレスを感じるからです。

ここは親自身も成長の時間ととらえ、前向きに対応していきましょう。言葉にするのが苦手な子供にこそ、イライラせず落ち着いてサポートしてあげてください。そのためのヒントをお伝えします。

1.感情をぶつけずに親子で向き合える言葉をかける

まず、子どものなかに、自分でもどうしていいのかわからない感情の動きがあり、それがときに爆発して言動に現れることがあるのだと、親が自覚する必要があります。

子供が反抗的な態度をとってきたら、「どうしたの?」「イライラするよね」など、親自身が子供の気持ちを分かろうしていること、共感していることを伝えたうえで、子供自身が自分の感情を感じ、言葉にできるようにするお手伝いをしてみましょう。

完璧じゃなくていいのです。頭ごなしに叱っても意味がありません。それより、子供の目に見えぬ想いに寄りそってみるのです。

「いま、どんな気持ち?」「なんでそんなにイライラするのかな?」など、子供が態度で発する声なき声を子供自身で感じられるように、そっと誘導してあげてください。

すぐに打ち解けるのは難しいかもしれませんが、焦らずに何度もトライすることで、子供も親を信頼し、少しずつでもそのときの気持ちを話せるようになってくるでしょう。

子供の気持ちを無視し、感情的に怒ってもますます意地になり互いのストレスになります。自分には自分の想いや声を汲みとってくれる家族がいる。そう思えるようになれれば、新しい親子関係を構築することができるようになるでしょう。

2.自分の気持ちを文字に書くことで自分を取り戻す

日記を書いてる男の子

小学3年生くらいになると、作文を書くのが上手になります。表現が豊かになり、面白く伝えようとする創意が現れてくる頃でもあります。

言葉にするのが難しい子供には、日記や作文を書かせてあげるのもおすすめです。親子で交換日記をしてみるのはいかがでしょう。メールやSNSのようなデジタルなものに比べ、手で書く行為は、互いの想いが伝わりやすくなります。

3.イライラして子供を怒る前に深呼吸の習慣を

親であっても、子供の乱暴な言葉遣いに、ギャングエイジとわかっていても思わず反応したり感情的になることがあります。子供の言動に怒る前に、深呼吸を意識してみてください。息を吸って吐くだけで、心が落ち着いてきます。

怒っているときは、呼吸が浅くなり思考も悪い方へ考えがちになるものです。ここで怒ると子供と同じレベルになり、建設的な解決が難しくなります。カーッときたら、深呼吸をする習慣を心がけてみましょう。

現れた異変!ギャングエイジの子供が減っている

そんなギャングエイジにも、最近異変が現れていると言われています。昔ほど、外で過ごしたり集団で遊んだりする子供がいないというのです。少子化の影響もあり、兄弟姉妹や近所の子供たちがまとまって遊ぶことが少なくなってしまいました。

習い事が忙しくて公園や外で遊ばなくなった子供たち

一緒に遊びたくても、遊ぶ友達が見当たりません。最近は、子供たち自身、幼いころから塾や習い事に通う子が増えてきました。プールや英会話、ピアノに塾など、最近は様々な習い事が増えています。

そうなれば、友達と会えるのは学校だけということになってしまいます。放課後の公園に子供たちを見かけない理由は、放課後でもやらなければならないことがたくさんあるからなのです。

ゲームや防犯上の理由で外よりも家で過ごす子供たち

防犯上の理由や住宅事情の関係から、近くに遊ぶ場がなかったり、安全を考え、公園ではなく家の中でゲームなどの遊びを好む子が増えてきました。

オンラインゲームなどの普及で、居場所をリアルではなくバーチャルに求める子供が増えているのも一因になっているのでしょう。

思い切り遊べないことが将来に影響する可能性がある

携帯ゲームで遊んでる男の子と友達に電話してる小学生の女の子

放課後に公園や裏山で秘密基地を作ったり、日が暮れるまで外で遊ぶギャングエイジが減っています。多感な時期を友達と過ごすことで互いに成長する、そんな貴重な時間が減っていることで、本来この時期に使われるべきエネルギーが発散されず、そのうっぷんが中高生の人間関係の揉め事や、若者の犯罪につながっているという指摘もあります。

ギャングエイジは子供の成長に欠かせない時期です。もっと子供たち同士がかかわりを持つ場があればいいのですが、そうもいかない事情もあるのが現代の子育ての課題ともいえます。

ギャングエイジは子供の成長過程と心得る

ギャングエイジは乱暴な子供時代のことではなく、愛する我が子が成長するための、かけがえのない成長と自立の時期です。我が子にはいつまでもかわいい存在でいてもらいたいものですが、それは、親のエゴになってしまいます。

子供はいつか必ず巣立ちます。そのために生きる知恵を授け、サポートをするのが親の務めです。あくまで、手は離しても目は離さずに、適度な距離感で子供の成長を見守っていきたいものです。