わがままな子への向き合い方・子供の『ワガママな言動』の理由とは
赤ちゃんの頃、わがまま(イヤイヤ期)にイラっとするときもあったけれど、イヤイヤ期は成長の証でもあるし、いつかは終わる…と自分を励まし乗り越えたご家族は多いのではないでしょうか?
…それなのに、いつまで経っても終わらないイヤイヤ期。これはもしかしてイヤイヤ期というよりもわがままな子に育ってる…?そんな不安を抱くお父さんお母さんに、わがままな子になりやすい原因やわがままはなおせるのかをまとめました。
そそもそも自分の子はわがままな子に分類される?
まず初めに、「わがまま」を辞書で調べてみました。goo国語辞書によると、わがままとは「自分の思い通りに振舞うこと。また、そのさま。気まま。ほしいまま。自分勝手」「自分の思いのまま」という意味です。あーなんとなくわかるような…?と筆者は思いました(笑)。
しかし、自分の思い通りに振舞うはマイペースとどう違うのだろう?皆さんはどのような子がわがままだと思いますか?欲しいものを手に入れるまで泣き叫ぶ子?親の言うことやルールを聞かず自分のやりたいことを突き通そうとする子?わがままとは世間ではどういう性格のことを言われているのでしょうか?
わがままな子は我慢ができない自己中心的な性格
あたりまえですが、赤ちゃんは親や周りの都合を考えず、お腹がすいたら泣き、善悪の判断もなくいけないと言われることを行う自己中心的な存在です。しかし、これは赤ちゃんがそうしないと自分の欲求を伝えられないことは、もちろん周囲の大人は理解済み。このため、赤ちゃんのこのような様子を「わがまま」とは言いません。
子供の要求を「わがまま」だと認識するようになるのは、子供がもう少し成長し大きくなってから。人間は成長するにつれ、社会性を学び我慢もできるようになります。
しかし、中にはいつまで経っても赤ちゃんの頃のまま、周りを顧みず自分の欲求を押し付け貫き通そうとする子がおり、そういう子は「わがまま」と言われるようになります。
わがままな子と勘違いされやすい子供の行動
どのようなものがわがままと言われるかを書きましたが、傍から見るとわがままと勘違いされてしまう行動もあります。
例えば、食事に関するもの。食わず嫌いなどの偏食はわがままに値します。しかし、人によっては体質的にどうしても受け入れられない食べ物があります。例えば、アレルギーなどにより感じる違和感から食べようとしないものも存在するのです。そのような状態を周囲の大人が理解できずに「わがまま」と勘違いしてしまうことも。
食べ物の好き嫌いの場合でも頭ごなしにわがままと決めつけず、子供に食べられないものがあるときは理由を聞いてみるといいでしょう。
また、赤ちゃん返りといった自分に注目を集めたくて、反抗したり暴れたりする行動も否定するべきではありません。赤ちゃん返りの対策としては、赤ちゃんが生まれるまでは上の子にしっかリ愛情を注ぎ、赤ちゃんが生まれてからは「あなたも大切な宝物よ」ということをきちんと伝えてあげましょう。
どうして子供はわがままな子に?家庭環境の関与
子供の性格の基礎は家庭での環境により構築されていきます。社会性なども身に付くのはまず家庭からです。
一人っ子や生まれた順番とわがままな子は関係ない
一人っ子はわがままになりやすいと聞いたことがある人が多いと思います。ですが本当にそうなのでしょうか?他にも末っ子長男は甘やかされて育ちやすくわがままになりやすいとか、末っ子は感情にムラがありわがままで感情が安定しないとか、探せば色々でてきますが、末っ子や一人っ子だからわがままで、逆に長男長女や真ん中の子ならわがままではないのかと言われればそうではありません。
面倒見がよく責任感があると言われる第一子は一人っ子の要素を持ち合わせているためわがままな一面が出やすいと言われます。真ん中の子は愛情に飢えやすくわがままに見えるような行動をとります。つまりは、出生の順番がわがままな子の条件とは言えないということがわかります。
夫婦仲が子供の性格形成に影響してわがままな子になる
子供は親の姿を見て成長していきますが、実は、夫婦仲はわがままな子に育ちやすい一つの因子です。
例えば、夫婦喧嘩が絶えず子供の目の前で繰り広げられる家庭で育った子供は、喧嘩をしてでも我を通していいのだと学んでいきます。
また、亭主関白や鬼嫁の家庭で育った子供は、威張ってもいいしそうすることで皆が自分の言うことを聞いてくれるのだと学んでしまいます。お母さんの手伝いをしない、お願いごとを一切聞かないお父さんを見て育った子供は、面倒くさかったら無視していいのだと学んでいきます。
お互いに思いやること、協力し合うことは、一番身近な大人であるお父さんとお母さんから学んでいきます。思いやりのある夫婦を目指し、喧嘩は子供の前ではしない(できれば喧嘩ではなく話し合いで解決できるといいですね!)ようにすることで、子供はわがままになりにくくなると言われています。
わがままは治せる?わがままな子への接し方
もしもの話。魔の2歳児を過ぎ、意思疎通ができるようになってもわがままっぷりは変わらない子供に成長してしまったら、もう一生わがままな性格と付き合わなければならないのか…、この子はこの性格で苦労するのではないか…、もしできるのなら治してあげたい!と、お父さんお母さんは思うでしょう。わがままな性格は治せるのでしょうか?
子供がわがままを言ったときの対処法
まずは子供がわがままを言ったとき、親はどうしたらいいのかをまとめました。
子供がわがままで駄々をこねても途中で折れない
お店で物が欲しいと泣き叫ぶ子供、出かけなければならないのに言うことも聞かずいつまでも遊んでいる子供。どのように対応するのが正解だと思いますか?
買い物前に約束したにもかかわらず、いざ店内でこれがほしいと駄々をこね、「わがまま言わない!」「買わないよ!」と言っても聞かずに泣き叫ばれて号泣され続けられたらどうしたら良いのでしょう?
我が物顔で店内で泣き喚く我が子を前に、お父さんお母さんは人の目が気になってしまいます。そうすると、どうしても我が子のわがままに折れてしまう…ということも。
別のパターンでも考えてみましょう。お出かけ前、片付けをしなさいと言っても一向に動かない子供。刻一刻と出かける時間は迫ってきます。そうこうしているうちに、あっという間に出かける時間!それでも動かない子供にあなたはどうしますか?
きっとこちらも、親が先に折れることが多いと思います。
わがままな子に育つ親の行動の一つ目は、折れる親だということです。親が折れてしまえば、子供は駄々をこねれば親が動いてくれる、やりたくないことも無視すればママ・パパがやってくれると学習し、どんどんわがままに…。
対処法はひとつ。一度言った言葉を翻さないことです。買わないと言ったら買わない。出かけると言ったらその時間に出かける。「子供をおいて出かけられない」など、なかなか難しいこともありますが、外出予定を早めに設定して『出かけたフリ』をしてみては?
小さな子供には「悪い態度をとっても思い通りにならない」と認識させていきましょう。
子供がわがままを我慢出来たら褒める
子供がわがままを言っているときは叱るけど、言いつけを守って我慢が出来たり自ら動いて片付けをしたりできたときは知らんぷりしていませんか?
せっかく自分の意思でやろうと決めたのに、せっかく欲求を我慢できたのに、一番に認めてほしい存在に認めてもらえないのでは、子供はなかなかコントロールを覚えられないでしょう。褒めてもらえると思ったのに無視されて「面白くない」のは、子供も大人も同じですよね?
どんなに些細なことでも我慢が出来たら褒めるようにしましょう。褒められる嬉しさはいくつになっても変わらないものです。褒められる嬉しさや喜びを知ると、子供のわがままは減っていきます。我慢出来て当たり前ではなく、我慢が出来たら褒めてあげましょう。
夫婦でのしつけを統一してバラバラにならないようにする
夫婦の間でしつけの仕方が違うと、子供はどちらに従えばいいのか混乱します。子供の好き嫌いについてなどを統一し子供が混乱しないようにしましょう。また、夫婦間だけではなく親族間でも統一しておきたいですね。問題になるのはおもちゃやお菓子の買い与え方でしょう。特別なときにだけと決めたら親族間で統一できるよう話し合っておきましょう。
わがままな子にならないようにするしつけ
わがままな子にならないようにするために気を付けたい赤ちゃんの頃からの接し方をまとめましたので、小さな頃から気を付けて接していきましょう。
わがまますぎないように自立を促すことが大切
乳幼児は愛を一心に受けることで心が満足し自立していくと言います。たくさん甘えさせてあげることで、親は安心して甘えられる場所で自分の味方だと学びます。そしてその安心感が、おもちゃや友達などに興味の矛先を広げ、子供の世界を広げる手助けをしてくれるのです。
幼稚園や小学校でのびのびと遊べるのも、迎えに来てくれる人がいるお家で待っていてくれる人がいるという安心感のあらわれなのです。これを考えると、わがままは愛が足りないから起こるものとも言えます。ならば、子供にはたくさんの愛情を注いであげるべき、と言えますね。
溺愛は子供のためならず!良いしつけと悪いしつけを知る
ですが、愛情を注ぐのとわがままを許すのとは違います。わがままになってしまったのは、親が溺愛しすぎた結果があげられます。子供はいくつになってもかわいい子供なので、甘やかしたくなる気持ちもわかります。しかし、欲しいものはなんでも与えられやりたい放題に育つと、自分の欲求をコントロールすることを学べずに成長していきます。
溺愛は悪いとは言えませんが、せっかくの成長の場を親が壊すことのないよう、我慢も覚えさせるのは親の務め。子供のためを思い溺愛ゆえに何でもかんでも物を与えたくなる気持ちややりたい放題やらせてしまう緩さは抑えて、年齢に応じたある程度の規律を設けつつ『いつでも味方でいてあげる』のが、子供に対しての愛情なのではないでしょうか?
子供を王様でいさせていいのは1歳まで!それでもしつけは必要
子供は1歳までは社会性なんて身に付いていません。それどころか理解もしていないでしょう。そもそもそれを理解する力もないので、知らず知らずのうちに王様扱いになってしまう家庭も多いと思います。
ですが、1歳を過ぎると保育園に通いだす子や公園でお友達と遊ぶ子も増えていきますね。子供は次第に、世界には親と自分だけではない社会性を学んでいきます。1歳を過ぎ社会性を身に付けられるころになれば、赤ちゃん王様は終わり。ここからしつけの長い道のりが始まるのです。
地道すぎるほど地道に我慢することを教え、ママとの約束や順番を守ることなどのルールも学んでいけるようにサポートしてあげましょう。
わがままと甘えは似て非なるもの!
ここでしっかりと頭に置いておきたいことは、わがままと甘えの違いです。一つの違いとして、わがままは「相手の都合を考えず、自分の我を通すこと」で甘えは「相手の邪魔にならない程度の欲求を伝えること」と言われていますが、子供がその違いを理解してわがままを言ったり甘えたりするなんて到底考えられませんね。
ここは親がわがままや甘えに対する接し方を明確にしていきたいところです。
甘えさせると甘やかすの違いを親が理解する必要がある
では、甘えさせることと甘やかすことの違いとはどこにあるのでしょう?甘えさせるとは、例えば、子供がスキンシップを求めてきたり、不安などを感じ甘えてきたときに受け入れてあげることを指します。
一方で甘やかすとは、わがままな発言の言いなりになるだけでなく、子供が自分で出来ることを子供から奪って親がやってしまったり、失敗したらかわいそうと過保護になってしまったり、すぐに親が助けてしまったりすることを指します。
ですが、子供に甘えと我儘の区別はつきにくく、きっちり線引きをしても伝わりにくいこともあるため、一概に甘やかせることが悪とはいえません。甘えにしろ、ワガママにしろ、「子供が何故このようなことを言うのか」を考えたり、子供が言葉で伝えられる年齢であれば、きちんと考えを説明させたりすることで子供自身も成長していきます。
子供のチャレンジ精神は手を出さずに見守り、その結果不安を感じ戻ってきたら抱きしめてあげる。そんな安心して行動できる距離が広くしてあげることが子供を自立へと導いていきます。
わがままな子にしない甘やかせ方のポイント
例えば、子供が「学校まで車で送っていってほしい」と頼んできたとします。ここで、親がこれを「子供のわがまま」と取り合わず「歩いて行けないなら行かなければいい、送ってなんかいけない」と突き放したらどうでしょう?子供は自分の言葉をわがままと認識する1つの過程となりますが、何らかの理由があったにもかかわらず一蹴された状況になれば子は親に不信感を募らせることにもなりかねません。
ですが、逆に親が「しょうがないわね」とすぐに従ってしまうと、子供はわがままをわがままと思わず、親は子を甘やかしているだけになります。
それではどうしたらいいのでしょう?まずは、子供に理由を聞いてみましょう。もしかしたら一人で学校に行きたくない理由があるのかもしれません。
例えば同級生の中に居づらい雰囲気を避けるためだったり、登校中に何かトラブルがあるような状況を避けるためだったり、なのかもしれません。そのときに理由をうまく話すことが出来なくても、今日だけねと甘やかしてあげるのは悪くありませんね。
子供の気持ちや考えへの理解を姿勢で示し受け止めることで、子供は「親は自分の味方」だと再認識し、安心は自立に繋がっていきます。これがわがままな子にしない甘やかせ方と言えるでしょう。
度重なるわがままにイライラしてしまうときは…
子供にわがままばかり言われると、親の不満も爆発してしまいそうになると思います。イライラしたくないのについ頭に血が上って…それが続くと自己嫌悪に陥ったり育児に自信が持てなくなったりと悪循環です。
そんなときは、子供に向かって爆発する前に誰かと悩みを共有しましょう。子育ては夫婦の問題ですから、夫婦で話し合い対策を練ったり協力して一息つける時間を設けるようにできるのがベストですが、なかなかタイミングが合わないなら、身近な先輩であるおじいちゃんおばあちゃんに相談してみるのもいいでしょう。自分の親であれば、変に気も遣わず相談できますし自分が子供の頃にどうだったかを聞きやすく、参考にできる話が聞けるかもしれません。
相談できるママ友がいる場合にはママ友の意見も参考になるかも知れません。子供を持つお友達がいない場合は、インターネットが便利です。ネット上には、同じ悩みを抱えている親はきっと多くいるはずです。悩んでいるのは自分だけじゃないことを知るだけで心が軽くなり、参考になるアイディアを試してみようという気持ちになります。悩みは一人で抱えこまないようにしましょう。
第一次反抗期~わがまま放題!魔の2歳児の親の対応
子供が2歳頃に育児の壁にぶち当たるお父さんお母さんは多いのではないでしょうか?
【魔の2歳児】とは、いわゆる第一次反抗期のことで別名【イヤイヤ期】。魔の2歳児は日本だけの言葉ではなく、世界共通の言葉(英語では「terrible two」と言います)であることから、つまり世界中のお父さんお母さんが悩む問題なんですね!
第一次反抗期は子供にとって成長のときです。また、親にとっても子供の自我への接し方や叱り方などを試行錯誤しながら学んでいく大切な時期です。わがままばっかり言って!とイライラせずに、自主性と表現力を学んでいるんだと広い心を持てるようになりたいですね。自主性を引き出しつつ、我慢の仕方も教えてあげていきましょう。
イヤイヤ期具合はその子によって違います。魔の2歳児期は大人しかったのに小学校に入学する前あたりに遅いイヤイヤ期がくる子もいます。どの時期に第一次反抗期が訪れてもきちんと向き合って、親子で成長していきたいですね!
わがままの天才!魔の2歳児のしつけで気を付けること
子供のわがままがすぎるからと言って、頭ごなしに叱るのはNG。もちろん叱ることは大切です。しかし、子供がわがままな行動をとった理由は必ずあります。どうしたかったのか、よく見聞きし、「こうしたかったんだよね」と理解を示し受け止めてあげてください。叱る場合には、お父さんかお母さんのどちらかがフォローに回って、子供の心に余裕を作り理解を促してあげましょう。
ちなみに物で釣った対応もNG。物で釣ると、わがままを言えば最後には欲しいものが手に入ると学習してしまいます。それはわがままな性格を構築させてしまう原因になりますので、気を付けてください。
わがままな子の育児は闘いの日々?!少しでも余裕の持てる子育てを行えますように…
わがままな子と一言に言っても、親がそうさせているのか、なにか理由があっての行動なのかで子供の成長にも自分の心の余裕にも大きく変化を現す問題だと言えるでしょう。
子供がわがままになってしまう原因を見極め、自分の行いを振り返りつつ子供に接することで、わがままな子も変わっていき親の心には少しずつ余裕が出来てくると思います。少しでも余裕のもてる子育てができるよう、子供と向き合い接していきましょう。