いい加減にして!息子が嫌いになりそうになったら
女の子と比較すると力が強く、やんちゃ傾向のある男の子。
小さなときもさることながら、ある程度成長しても何かと問題が尽きないなど、男の子の子育ては体力的にも精神的にも大変。「毎日毎日、本当に疲れてしまう!」と悲鳴を上げたくなることもあります。
更に、男の子ならではの性格が、異性である母親には理解し難い部分もあり、何度同じことを注意しても右から左の息子の教育はストレスも溜まってしまいます。
男の子の子育てでも女の子の子育てでもそれぞれ悩みや問題があり、決してどちらが楽、とは一概に言えないでしょうが、男の子の『何を考えているのかわからない』ような部分がときとして、母親が息子を嫌いだとさえ思い詰めてしまう根本にもなってしまいます。思いつめる前に、考え方を切り替え何とか対処法を探っていきましょう。
男の子ならではの性格に原因が?息子が嫌いになりそうな理由と対処法
子供の行動や言葉を大人が理解するのはときに難しく、これが異性である息子が相手になると更に理解しがたさが壁になることも少なくありません。
まずは、息子を嫌いになりそうな母親の「どうしても好きになれない理由」を見ていきましょう。
しぐさが乱暴
小さいうちは、力のコントロールもできない上に、エネルギーは有り余っています。さらに男の子は女の子よりも自己表現が上手く出来ないために、自分の望み通りにいかなかったりすると、乱暴な行動を取ってしまうことも多々あるでしょう。
その辺をうまくコントロールして当たり前の大人にとって、「乱暴な子だなぁ」という印象をうけてしまいますよね。
ですが、暴力を暴力で封じるようなしつけではなく、基本的にどういった行動がいけないのか、どうすればよいのかを考えさせること。そうして『痛い』『悲しい』相手の気持ちを理解できるように促しますが、万が一、リアクションを得られることに満足を得ているようなら、乱暴な行いを取ったときには1人にさせることも対処法の一つです。
タイムアウト
この方法は欧米では『タイムアウト』と呼ばれる最もポピュラーなしつけの方法です。
乱暴なことはダメなことだと分かってもらい、反省させる目的で「何がダメだったか、どうすればよいのか」を考えなさいと伝え、距離を起きましょう。時間は、数分で大丈夫です。
片付けができない
赤ちゃんの頃は子供が散らかしたものは母親が片付けますが、それをいつまでもやってあげ続けてしまうのは問題です。片付けだけに限らったことではありあませんが、親の手助け、口の出しすぎ、やってあげすぎは、間違った認識を子供に植え付けてしまいます。
例えば片付けなら、子供は「片付けは親がやってくれるもの」と認識し、自分では片付け方が分からないまま育ち、普段からなんでも出しっぱなしが物がなくなったり壊れたりしても親のせい、ということにもなりかねません。
ですが、小さなころからのしつけでも変わってくる面もあるにしろ、ただ片付けなさいと言っても子供はできないものです。理由は子供にとって「片付ける理由がないから」
ただでさえ目先に心を奪われてしまう男の子、理由がないと動きません。ママがやってくれるならなおのことです。今からでも自分でやらせて、「どうして片付けが必要なのか?」を身をもって体感させていくようにしましょう。
自分でやらせよう
今まで親が片付けをしてあげていたのなら、これからは片付け方を教え、自分でやらせるようにしましょう。
片付けをしないことで多少の困りごとが発生すると考えられても手助けはいけません。片付けさせる目的を知らしめるために、放っておいてぜひ困らせてください。
自分で片付けなかったことで、何かを失くしたのなら「何が悪かったか」「どうすればよいか」この思考手順を植え付けていくチャンスとなります。
うまく片付けられなくても、片付けられたら褒めてあげましょう。
息子が片付けない原因を見極める
どうしても片付けられない、異常なまでに片付けられない…こんな傾向が見られたら、アルぺルガー症候群という可能性もあります。
アスペルガーは、片付けが苦手・段取りなどが苦手、感情の起伏が激しい・社会的コミュニケーションへの問題といった特徴があり、これを抱えると本人も苦しんでいることが考えられます。何か変だなと感じたら、精神科医や小児科医に見てもらいましょう。
言うことを聞かない。叱っても効果なし…?疲れてくる
叱っても叱ってもへこたれない男の子…。
男の子は母親に叱られるようなことに興味がある上、総じて母親の小言は9割方聞いていないとあきらめたほうが話は早いかも知れません。
- 子育てで疲れた気持ちをリフレッシュする育児疲れ解消法
子育ては非常に疲れるものです。なぜ子育てはこんなにも疲れるのか、イライラして疲れる理由にはどのようなものがあるか、そしてどのようにリフレッシュできるのか説明します。
何だか意味のわからない母親の話に興味がない
男の子を叱っても効果がないのではなく、『母親の言いつけを守る必要性』を感じられていないのかもしれません。先にも触れたとおり、納得していないことはできないのが男の子。悪気があるわけではなく、頑固でもありません。行う意味のないことより目先の魅力が大切なだけです。「また母親がなにか言ってるよ」程度かも知れませんね。
男の子を動かすときは、男の子を納得させる理由とどうしてほしいかをシンプルに伝えることが必要です。特に子供と大切な話をするときは目を合わせトーン低めの言葉でしっかりと、聞いてほしいことを理由と合わせて簡潔に伝える。
それだけ?と思うかも知れませんが、男の子には冷静に伝えた方が効果的なのです。
母親も息子の話に耳を傾けて
また、男の子が母親の話を聞かない原因は、実は大人が子供の話をしっかり聞けていないというところにもあるのかも?
例えば、話したいことがあるのに、息子の発言にかぶせてくるように母親が口を挟むと『何を言っても無駄』という気持ちが生じますよね。話を聞いてもらいたいのならまずは相手の話を聞くこと。
親としてはどう思うか?は息子の意見に耳を傾け、一旦受け止めてからでも遅くはないはずですし、その方が、子供も気持ちや思考を整理しやすいものです。
何度言っても分からない
先ほどの叱っても効果がない理由ともにていますが、何回も言っているのに、どうして分からないの!とつい怒鳴ってしまいたくなることが多い男の子。
これには、男性と女性の脳の構造的な違いが根本にあります。脳の作りの違いが脳の働きの違いとなり、思考の違いとなり行動の違いとなる…こうした背景がある以上、異性である息子の言動に悩むのは仕方ないともいえます。
どうしても好きになれない息子の言動が、男の子ならではの特徴であるのなら、息子に非はありません。脳の違いを受け止めましょう。
男の子と女の子の違いは大きい
女の子は、男の子よりも会話を使ったコミュニケーション能力が高い傾向があることからも、怒られている理由を理解しやすいのです。その結果上手に言い訳をしたりすることもありますが、相手の気持ちを想像しながら自分の気持ちも表現出来る思考回路を持っているので、意思伝達時点で噛み合わないもどかしさを感じることは少ないでしょう。
しかし、男の子は怒られている理由がなぜか分かっていないことが意外と多く、これが「母親が怒鳴っている」などの要素が加わるとなおのこと事態は噛み合いません。母親がクドクド言っても大方無駄になり、お互いにメリットはありません。男の子には『理由』と『とるべき行動(考えさせる)』を端的に伝えた方が理解を促しやすいのです。
典型的男の子によく効く言葉を使い分けて
叱るときも褒めるときも男の子にはストレートに伝えることが大事ですが、『理由』が必要です。
子供に急いでほしいときによく出る言葉が「早くしなさい!」ですが、ただ「早くしなさい!」と言っても男の子には伝わりません。
男の子を動かすには少し言い方を変えたり、必要性の理解を促す言葉を付け足す必要があります。
男の子の子育てに効果的!言い換えの術
- 片付けなさい!
→ お片付けできたら、かっこいいね(小学生)
→ きれいな部屋だとモテるらしわね(中学生) - ありがとう
→ お手伝いしてくれて、助かったなぁ。
など、何かをして欲しいときなどは基本はおだてが必要となります。よく使ってしまう言葉をグッと飲み込んで、言い方を工夫してみて下さい。
嘘をつく
親が息子を咎めたときに、嘘を盛り込んでかわそうとする子は少なくないでしょう。
その嘘に気付かないこともありますが、目をそらすなど何らかの反応で嘘と察知できてしまうことも少なくありません。親にとっては発端となった問題に『嘘』を重ねることで反省する気のない様子がみて取れるようですが…。
『悪い』という認識が薄い
男の子が嘘をつく理由は、母親に叱られたくないからです。転じて母親をがっかりさせたくない気持ちを持っていると想定できます。『嘘は悪』という気持ちがありません。
叱られたくないから、親をがっかりさせたくない嘘であるなら、頭ごなしに怒っても逆効果になってしまいます。叱られたくない嘘、親をがっかりさせたくない嘘は親にも責任があります。
この場合も、まずは『嘘=悪いこと』という大人の価値観から離れて、「どうして嘘をついたのか」に耳を傾け、そうさせてしまったことを謝りましょう。その上で、「嘘をつかれてどう感じたか」「嘘をつかない方法はないか」というように男の子の思考回路を展開していくことが大事です。
中学生~高校生 思春期の息子が嫌いになりそう…対処法は?
小学生くらいなら、まだ子供から話をしてくれることがあっても、思春期に入った中学生を境に息子はさらに何を考えているのか分からなくなります。順調に反抗期が訪れると、母親にたてつく言動をとるようになりますので、母親の精神的負担はまた大きくなります。
近年第二次反抗期がこない子も増えてはいるものの、第二次反抗期は精神的な親離れという子供の精神成長に欠かせないステップで、ほとんどの子に訪れます。思春期の子供の言動の特徴や心の変化を知り、対応の仕方やタイミングをしっかり考えて行動すれば、うまく向き合っていけるはずです。
第二次反抗期の息子と母親に生じるトラブル
第二次反抗期は、親離れの時期と言っても精神的には未熟ですので、3歳の頃の第一次反抗期とあまり変わらず、感情を力で表現してしまう特徴があります。
ですが、体力や力は3歳のころと違います。母親1人では止められないどころか怪我の危険も…。精神的に未熟な息子を下手に押さえつけようとしたことで、けがを負い、息子を嫌うケースも実際にあります。
- 反抗期の中学生と親子の絆を保つための男子女子の接し方
反抗期の中学生は思春期もあり親に素直になれない傾向があります。反抗期は男子も女子も何かとイライラしているので接し方がわからないこともありますよね。反抗期の中学生に対する親の接し方です。
反抗期の息子との向き合い方
人間いくつになっても、興奮しているときに言われたことにはつい反抗したくなるもの。
対策としては、これも小さい頃と変わりませんが、息子がカッとなっているときは、一緒に居ることをやめること。まずは一定時間物理的距離を取り、お互いにクールダウンしましょう。
カッとなってから時間を置き、落ち着いたときに静かな所で落ち着いて話をしましょう。騒がしい所や時間のないなか急いで話をするのは解決に向けた集中力を削ぐので避けます。
息子を責めることなく、話に耳を傾けてください。理解できるところは、「そうだね」と認めながら、ただし、理解できないところがあっても話し終わるまで口出ししないことが大切です。
子供は親の人形ではありません。子供が自分の意志を伝えたのなら認めてあげるべきでしょう。
未成年の保護者としてお酒やタバコなど絶対に許さないことのラインはキチンと伝えますが、それ以外での反抗心は基本大目に見て、しつこく言わないことです。
息子が嫌いになってしまった…考え直すべきこと2つ
親であるにもかかわらず息子に嫌悪感を抱いたなら、自分を責めてしまうかも知れません。そればかりか「もう好きになれないかも知れない」など、これから先の息子に対しての思いに不安もありますよね。
ですが、一度は息子が嫌いになった経験のあるほとんどのお母さんが、年を重ね仲の良い母親と息子の関係を築いていけているものです。
子育てが上手くいかないときというのは、どうしてもイライラが募りますが、こんなときは『母親業』に少し疲れているときなのかもしれません。であるのならば、今まで全力で母親を努めてきた証拠とも言えます。こんなときは一旦、考え方を変えてみると、少し楽になるかもしれません。
息子を嫌いになってしまう人の共通点を知る
息子を嫌いになってしまう人の子供の接し方の共通点として、大人の考え方のまま子供を見ていることが挙げられます。
親からすると当たり前にダメだと思っていること、しないといけないこと、それによる親の介入・干渉は、失敗経験のない子供からすれば「なぜダメなのか?」がわからないため余計なおせっかいでしかありません。
また、子供が合理性や効率性、失敗をしないやり方を学ぶのは子ども自身の経験による部分も大きいもの。失敗を乗り越えて成功を掴み取る経験は自信となります。つまり、子供にとって失敗経験は必要不可欠。
息子のやり方に口出しせずどっしりと構えて成長を見守る姿勢を持つことも親には必要です。
親子と言えど違う人間。子供は親の思い通りの人生を歩まない
例えば、ご自身が自分の子供の頃に「やっておけばよかった」もしくは「叶わなかった」ことがあるとします。これを無意識に子供に託す親は本当に多いのですが、子供の人生は子供のもので親の人生をやり直すためにある訳ではありません。
親は自分の子供の将来を思うあまり、こうなって欲しい・これをして欲しいと考えることはあるでしょう。子供が学歴が原因で苦労をしないように、良い高校に入っていい大学に進学してもらいたい、将来安定した稼ぎを確保するためにはこの進路が良い、この先英語ひとつできなくて将来が心配、ピアノで有名になるなら毎日○時間練習しなければ、小さなうちから勉強しておけば、受験で苦労することもない…全て余計なお世話です。あなた自身の後悔はあなたが今からの人生でやり直すべきでしょう。
親の価値観は子供の夢ではありませんので、子供の夢をやり方をゴリ押しせず接する必要があるといえます。子供の興味や好奇心を引き出し育てる接し方に、何の問題がありますか?
好きなことを親に褒めてもらえたら子供だって自主的に頑張れるはずです。そして、最後には頑張りは必ず報われるものです。
- ママのことを好きでいてもらうための子供への愛情の注ぎ方
ママ大好き!と子供に好かれるママの特徴や、子育てにおけるママの重要な役割、ママが子供に与える影響などを年齢別、男女別に詳しく紹介、男女共に「マザコン」になってしまうママの育て方についても解説します。
息子は誰よりもお母さんの味方になってくれる存在
母親がしんどくて泣いているときに幼い息子がそっと近くに来て、側に居てくれたり、涙をふいてくれた…こんな風に小さな男の子のもつ母親への無償の優しさを身にしみて経験をした人もいることでしょう。隣を見ると、大人になってからも母を大切に想い、何かあれば必ず駆けつけるような旦那様がいるのでは?
また、あなたが息子を嫌いになりそう(または嫌い)と悩むのも、息子に対する関心や愛情がそうさせている面もあります。本当に嫌いなら無関心になるものです。
いつまでたっても半人前の子供っぽさが抜けず、無意識とはいえ母親を困らせる男の子ですが、基本的には息子は母親を大切にするのだといいます。
息子を嫌いになってしまうことはあっても母と息子の親子の絆は簡単には壊れません。ただ、今できることはしていきましょう。あまりお互いに苦しまなくても済むように、そして息子のために。