女の子の育て方には何が大事?知っておきたいことと注意点
女の子の育て方がわからない!そう思っていませんか?もちろん、子どもの育て方に正解はありません。ましてや、女の子だからと言って特別なルールもありません。
ですが、知らず知らずのうちに、大切な女の子を傷つけたり、心を閉ざさせてしまったりすることはあります。女の子の育て方において、何を重視すべきなのかを探っていきましょう。
女の子の育て方は男の子の育て方とは何が違う?女の子の育児の特徴
男の子と同じように育てても、女の子は男の子とは違う存在として成長していきます。では、男の子を育てるときと比べて、女の子の育児にはどのような特徴があるのでしょうか。女の子の育児の良さと難しさを男の子の育児と比較してみましょう。
女の子の育て方に自分も女の子としての経験を活かせる
女の子の育て方の利点として、自分の過去の経験に比べ合わせると理解しやすいという点が挙げられます。体の変化や気持ちの変化など、ママ自身の経験から女の子が必要としていることを事前に察知してあげられるのです。
例えば初潮を迎えたときどのような気持ちだったのか、どのような準備をしてほしいと考えたのか、ママ以外の家族に知られたくないという気持ちをどのように尊重できるのか等、ママ自身の経験から最高の配慮を行えますよね。
一方、男の子はどうでしょうか。ママ自身に男の兄弟がいた場合は、多少幼いころなどを思い出して配慮することができますが、ほとんどのことが「男の子ってこんなことするの?」「男の子は、こんな風に考えるんだ!」と初めての体験になるでしょう。そのため、女の子のときのように前もって物ごとに対処・準備するということは、難しくなる可能性があります。
女の子同士で共感を持ってもらえる
また、女の子から見ても、ママは同性ですので気持ちが分かりやすいという利点もあります。ママの気持ちを思いやったり、同じことに共感したり、同じ趣味を持ったり等、生活全般において共通の楽しみを持つことができますよね。
男の子の場合は、共通の趣味を持ったり、同じことに共感したりすることは難しくなるケースがほとんどです。インドア派のママでも、子どもがとても活発な男の子なら、毎日子どもにせがまれて外遊びをしなくてはならないでしょう。
また、戦隊物や戦い系のゲームなど、どう考えてもママが理解できない話を延々と聞かされるかもしれません。
男の子に比べて病気に対する抵抗力が高いことが多い
それに加えて、女の子は赤ちゃんから3歳、4歳まで、男の子と比べると比較的体が丈夫なことが多いのも嬉しいポイントの1つです。
個人差はあるものの、お腹を壊しやすかったり風邪をひきやすかったりする子どもは、男の子が多いです。幼稚園や保育園で学級閉鎖になるほど感染症が流行っていても、女の子はみんな出席している・・・ということも少なくありません。
気持ちが複雑なことが多い
例えば、幼稚園のお迎えに遅れたとき。「どうして遅れたの?」「○○のこと、どうでもいいの?」と厳しく追及するのは女の子が多い傾向にあります。遅れた理由を説明しようとしても、いつまでも泣いて、機嫌を直してくれないこともあります。
反対に、男の子は「遅れたっけ?気付かなかった」と言う風に、あっさりとしていることが多いです。ママがお迎えに来ないことが悲しくて泣いていても「帰りにパフェ食べに行こうか?」と提案すると、簡単に懐柔できることも少なくありません。
女の子は、幼いときから気持ちが複雑で、小学校の高学年くらいまでは精神年齢が実際の年齢よりも高いことが多いですので「扱いづらい」「もっと単純だったら良いのに」と思うママも多いでしょう。
同性なので分かりすぎて難しい
女の子として様々な経験をしてきたママ。同じような悩みや感情を抱えるからこそ、つい、厳しく当たってしまうことや様々なことに口を出してしまうこともあります。「もう少し放っておいた方が、女の子の自主性や自立性を伸ばすことができる・・・」ということが頭では分かっていても口をはさまずにはいられなくなることもあるのです。
男の子なら「へえ」「そういう風にするんだ(思うんだ)」と、ある程度の距離を置いて客観視しやすくなります。すぐには口や手を出さないで子どもを見守りますので、子どもが持つ能力やスキルを上手に伸ばしてあげることがきるでしょう。
どんな女の子になってほしいかを明確にする
ただ、女の子の成長を見守るだけでは、『子育て』とは言えません。どのような女の子になってほしいかを、ママとパパがしっかりと話し合っておくことが大切なのです。
自分の理想を押し付けるのはNG
とはいえ、自分の夢や理想を女の子に押し付けるのは絶対にNGです。自分から生まれた女の子であっても、あなたがあなたの親とは違う人間であるように、あなたの子供もまたあなたとは違う人間。夢や理想が同じわけではないのです。
例えば、自分が小さいときにバレエを習いたかったからと言って、有無を言わさずバレエ教室に引っ張っていくのはいけません。「どんなところか見てみる?」と子どもに聞いてから教室に連れて行き、ママの意見を挟まずに女の子の感想を聞きましょう。
「面白そう!」「私もしてみたい!」等のポジティブな意見を子供が言うならお稽古として始めることができます。
ですが「ママはとっても良かったと思うけど、○○ちゃんはどう思う?」などとママの意見や気持ちを子どもに話してから意見を聞いたりすると、特に女の子の場合はあまり行きたくないと思ってもママの気持ちを尊重しようとして「私も良いと思う」と言ってしまうことがあるのです。
自分が小さいときのことを比較し過ぎるのもNG
単に思い出話として「小さいとき、よく本を読んだよ」「ママは算数が得意だったの」と言うことは問題ありませんが「私は本が好きだったのに、○○ちゃんはあんまり読まないねえ」とか「私は算数が得意だったけど、あなたはあまり良い点取らないね」などと比較してけなすことは絶対にNGです。
また「ママは勉強できなかったけど、あなたは賢いねえ」と自分をおとしめて、子どもを持ちあげるのも好ましい方法とは言えません。
親に対して自然な敬意を持つことができるよう、良い点をとってきたら「頑張ったね」「すごいね」と自分や周囲と比較しないで褒めるようにしましょう。
ママとパパが同じ方針を持つことが大切
ママが「勉強でも運動でも夢中になれるお稽古をさせたい」と思っているのに、パパが「まずは勉強ができてから、運動などの他のお稽古をさせたい」と思っているなら子どもは混乱してしまいます。子どもにどのような環境を準備するのだとしても、ママとパパがしっかりと話し合い、同じ方針を持つことが大切です。
例えば、小学校受験や幼稚園受験では、ママが前のめりになってしまうケースが多いです。ですが、実際に面接試験では、質問に対してどのような答えをするかよりも、ママとパパの意見の対立がなく同じ量だけ発言ができているかが重視されることが多いため、このようにママばかり一生懸命になっている家族の子どもは試験に合格することが難しいとされているのです。
女の子としてではなく人間としての目標を
「女の子だから優しい子になってほしい」「女の子らしい趣味を持ってほしい」というのは、女の子にママやパパが思う『女の子らしさ』を押しつけていることになります。
そうではなく「優しい人間になってほしい」「充実した人生を送るための趣味を持ってほしい」と、『人間として大切なこと』を女の子の目標として掲げて下さい。女の子が自由に自分の適性や才能を伸ばせるように、親も『女の子らしさ』の呪縛から解き放たれることが大切なのです。
同性だから?女の子に厳しく接しすぎるママが多い
「男の子には優しく接することができても、つい、女の子には厳しく接してしまう」というママも少なくないようです。これはもちろんそのママが意地悪だからではなく、女の子仲間としての『同族嫌悪』といった感情が芽生えてしまうためと言えるでしょう。
女の子は自分のミニチュアではない
反対に自己愛の延長として女の子を愛するママもいます。このようなママは、まるで自分のミニチュアであるかのように女の子を扱い、子どもがある程度の年齢になっても、ママと同じような格好やママが好きなお稽古事、ママが好む髪型をさせてしまいます。
きちんと自我が育って反発する女の子もいますが自我が上手に育たずいつまで経ってもママ離れができない女の子に育ててしまうかもしれません。
「女の子だから」「男の子だから」はNG
また、注意を与えるときにも「女の子なんだから優しくしなさい」などのように、『女の子だから』というフレーズを使うと、女の子は自分が女の子であることが嫌に感じるかもしれません。『女の子なんだから』に、子供が納得する理由はありません。
特に男の兄弟がいるときに『女の子だから』といって注意をしたり褒めたりすると、女の子はママが女の子自身をきちんと見ているのではなく、世界に何億人もいる女の子の1人として見ているのだと感じるようになるでしょう。
女の子の子育てで注意したいこと
『女の子』と意識して育てるよりも、『人間』としてきちんと育てることが大切です。とはいえ、女の子ならではの危険や感情、他の家族とのかかわりがあるのも事実です。
危険管理を幼いときから徹底する
「暗くなったら親に電話する」「人通りの少ないところは歩かない」「ひざとひざをくっつけて座る」。これらはいずれも男の子にも守ってほしいルールです。ですが女の子の方が犯罪に巻き込まれやすいのも事実ですので、常に口やかましく注意することが大切だと言えるでしょう。何かが起こってからでは遅いのです。
親が厳し過ぎると本音を見せなくなる
とはいえ「あれもダメ」「これもダメ」では、女の子は息苦しく感じてしまいます。反動で家に寄り付かなくなったり、本音を見せなくなったりする可能性も充分にあります。
注意するときは注意する。だけれども著しくマナー違反になる場合や生命に関わる危険がある場合以外は口うるさくしないことも大切なのです。
ママ以外の家族との関係
家族の中で、ママ以外とはどのような関係を築いていくことが望ましいでしょうか?
パパとの関係
女の子はいつでもママとタッグを組んで、パパはなかなか女の子とは遊べない・・・という家庭も少なくありません。ママとパパのどちらかが正しくてどちらかが味方なのではなく、ママとパパ、そして女の子がいつでも仲良く過ごせるように気をつけたいものですね。
また、パパは、いつまでも女の子のパパです。つまり、女の子が思春期を迎え、大人の女性へと成長しても、いつでも女の子のパパとして愛情たっぷりに見守り、大切に育てる義務と権利があるのです。
「もうしばらくしたら口をきいてくれないんだろうなあ・・・」と、パパ自身が子供との関係にタイムリミットを設けるのではなく、いつも変わらぬ愛情と関心を女の子に注いでください。
兄弟との関係
兄弟の中では、年齢の順序はあっても、地位の順序はありません。どの兄弟も等しくママやパパから関心を示され、愛情を持って育てられるべきなのです。
ですから、兄弟関係がうまくいっていないと思えるときは、子どもたちが小学生くらいまでは親は介入して仲裁することも必要でしょう。
ですが、中学生くらいに成長したら、親が介入することが難しい微妙な感情が発生してくることもあります。「○○ちゃんが正しい」と決めつけたり「お姉ちゃんだから、ここは譲歩しなさい」と理不尽なアドバイスを送ったりすることは避けたいものですね。
女の子の子育ては我が子が世界で一番可愛いことを示す
「嬉しい」や「大好き」などの感情をストレートに親に表現できる子もいます。また、反対になかなか親に感情を見せない子もいるでしょう。ですが、親が子どもに示す愛情はストレートで公平なものでなくてはなりません。
愛情をたっぷり受け世界で一番可愛いと親が本気で思って育てられた女の子は、強くて優しい魅力的な大人になることでしょう。