働くママが増えて親子のコミュニケーションが少なくなった
働くママが増え、親子のコミュニケーションが少なくなってきていると言われています。“ワーママ”いわゆる“ワーキングマザー”という言葉が浸透するほど、現代の日本は働く女性であふれていて、子供がいても仕事を持つ女性が大勢います。女性の社会進出が促され、家計のためだけでなく、やりがいやキャリアのために働く女性が増えてきたため、その分、子供との親子のコミュニケーションの時間が減ってきています。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、正社員、パートなど雇用状態に関わらず、仕事についている主婦は、過去最高の68.1%というデータをたたき出しました。仕事をしながら家事や育児もしなければいけない、多忙を極める女性が増えていることがわかり、子供と触れ合う時間が少なくなっていることが分かります。
親子の絆を深めるためには、限られた時間の中での親子のコミュニケーションがカギとなってくるのです。忙しい日々の生活の中で、親子の絆をグッと深めるコミュニケーション方法をご紹介します。
親子のコミュニケーションが子供の自己肯定感を身に着ける
親子のコミュニケーションは家族の絆を強めるだけでなく、子供の「自己肯定感」を育ててくれます。自己肯定感の成長は、子供が6歳になるまでが著しいと言われており、それまでにどれだけ親子のコミュニケーションが密に取れているかがカギとなります。
子供に、「自分は親から愛されている」「自分はやればできる」という自信を持たせてあげることが、子供の健康な心を育てることにつながるのです。
自己肯定感とは
「自己肯定感」とは自分の長所や短所を含め、自分自身のことを認めてあげる力のことです。自己肯定感が高いと、何事にも挑戦する意思や人を思いやれる気持ちを持つことができ、他者への依存心や不安感を持つことが少なくなり、自立心を身に着けることができるのです。
自己肯定感を身に着けるためには、幼いころからの親子のコミュニケーションを取るのが効果的な方法の一つと言われており、一番身近な大人である親が子供を認めてあげることが大切なのです。子供の自己肯定感を育む接し方を紹介します。
親子で「自己肯定感」を育む方法
親子間で円滑にコミュニケーションが取れていないことが原因で、現代社会ではさまざまな問題が生じています。人間関係が円滑に築けなかったり、社会になじめなかったり…。子供が幼いうちは問題がまざまざと浮き彫りになること少ないですが、時を経て、思春期を迎えた時に多くのトラブルが起きるのを防ぐためにも日々のちょっとした心がけが大切なのです。親子のコミュニケーションを円滑にとることで、子供の「自己肯定感」を育んでいきましょう。
親子のコミュニケーションを増やす方法
なんとなく毎日を過ごしていると、親子のコミュニケーションがとれないまま、1日というのはあっという間に過ぎていきます。特に仕事や学校がある平日はバタバタしていて、気づいたらもう週末、ということもあるのではないでしょうか。
「親子のコミュニケーションがちゃんと取れていたか」と振り返ると、取れていないと反省する人が圧倒的に多いでしょう。日々時間を有効に使って意識して生活しないと、なかなか親子のコミュニケーションというのは取ることができません。日常の中で、子供と上手にコミュニケーションを取る方法をご紹介します。
親子のコミュニケーションの基本は挨拶
「おはよう」「おやすみ」などのあいさつはもちろん、「ありがとう」「ごめんなさい」を親子でお互い素直に言えるようにしましょう。自然に口にできるようになるのが理想です。
「おはよう!良く眠れた?」と、朝の挨拶に一言つけ加えるだけで会話が続き、言葉のキャッチボールができます。ほんの些細な一言で、あいさつだけで終わることがなく、親子のコミュニケーションに発展させることができるのです。
挨拶はコミュニケーションの基本です。家族みんなが忙しい朝でも、しっかり目を合わせて挨拶をすることが大切です。毎日実践して子供の反応を見ることで、その日の子供のようすや気持ちを顕著に理解することもできますので、どうコミュニケーションをとればいいのかという目安にもなります。
キャリブレーションとペーシングを実践した親子のコミュニケーション
親子のコミュニケーションで意識したいのが「キャリブレーション」と「ペーシング」です。今すぐできるコミュニケーション方法で、誰でも実践しやすいので、今日から実践してみましょう。
キャリブレーションとは
「キャリブレーション」というのは、「観察」という意味を持つ心理的用語です。相手を観察することはコミュニケーションの基本と言われていて、相手の表情や声のトーン、姿勢や言葉遣いを観察して、相手の感情を読み取るのです。
ペーシングとは
また、「ペーシング」というのは相手の感情に沿って、ペースを合わせて接することを指します。子供のペースに合わせず、適当に話を流して聞いてしまうと子供は感情を表現することができなくなってしまいます。子供の感情をしっかり観察して話を聞き、親がペースを合わせることで子供は安心して本心を話せるようになるのです。
時間の有効活用で親子のコミュニケーションの時間は作れる
親子でのコミュニケーションができていない、子供との時間をゆったり取れないワーママにお勧めなのが、保育園や習い事への送迎時、朝食時は無理でもせめて夕食時に今日の出来事を話し合うなど、時間を有効活用して親子のコミュニケーションをはかりましょう。
仕事や家事に追われていると、子供との会話はついつい食事の支度をしながら、掃除をしながら、などの「ながら」になってしまいます。ながらの会話は、どうしても話が上の空になってしまったり、適当な返事しかできなくなってしまうことがあります。
常にママが忙しそうにしていると、子供も話を切り出しづらいですし、話すことをあきらめてしまうこともあります。ちょっとした時間を無駄にすることなく、親子のコミュニケーションをとる時間へと有効活用してみてください。
親子の会話をしやすい環境をつくる
親子のコミュニケーションをとりにくい環境というものがあります。隙間時間になんとなくテレビをつけっぱなしにしたり、スマホをいじるのではなく、何もせずに子供と向き合う時間を作るのがおすすめです。
テレビやスマホアプリばかりに集中してしまうと、どうしてもお互いに会話がなくなり、会話ができても上の空だったり、適当な返事になりがちで、親子のコミュニケーションをとることができなくなってしまいます。食事の時はテレビをつけずに家族団らんで会話を楽しむ、パパ、ママ別々で子供と1対1で話す時間を設けるなど、日々の生活を見直すと、会話のしやすい環境づくりは簡単にできます。
また、親が聞き手に徹して子供に質問したり、共感するようなリアクションを取ってあげると、子供は「もっと聞いてほしい!」とばかりに喜び、どんどん話してくれるようになります。それが日々続くことで、より良い親子のコミュニケーションがとれるようになります。
親子のコミュニケーションのためには子供の気持ちに寄り添う
親子のコミュニケーションを円滑にとるためには、子供の気持ちに寄り添って話を聞いてあげることです。子供が悲しい時は一緒に悲しみ、喜んでいるときは一緒に喜びましょう。「少し大げさかな」と思うくらいのオーバーリアクションをとってもいいのです。
子供が落ち込んでいたりすると元気づけたくなり、励ましてしまうのも親心だと思いますが、その気持ちをぐっとこらえ、まず「それは悲しかったね」と子供の気持ちに寄り添いましょう。励ますのは、子供の気持ちに寄り添ってからでいいのです。
人間というのは「共通点」があると安心感を覚えます。子供が悲しい時に親に明るく振舞われても、「ママはわたしの気持ちを理解してくれない」と思われてしまう場合もります。共感してほしいのに、「そんなの気にしすぎ!」「そんなことでクヨクヨしないの!」などという言葉がけは、「ママに言っても自分の気持ちをわかってもらえない」と、子供の心を閉ざすきっかけになる場合もあります。
会話だけじゃない!子供と全力で遊ぶのも親子のコミュニケーション!
子供の話しを聞くのも大切ですが、親子で一緒に遊ぶのもコミュニケーションを取るのには効果的な方法で、子供も喜びます。小さい子供から大人まで楽しめるおもちゃは多く発売されています。例えばトントン紙相撲や積み木、将棋など、大人でも熱中してしまうおもちゃで子供と一緒に遊んでください。
また、親子でのじゃれ合いやマッサージごっこ、くすぐりごっこや手遊びなどならスキンシップを取ることもできる上に道具もいらないので、いつでもどこでも気軽に実践することができます。心の底から笑い合える親子団らんの時間は、親子の絆を強くしてくれます。
可能であれば室内だけではなく、外で子供と思い切り体を動かして遊ぶのもかなりコミュニケーションがとれるでしょう。ただの追いかけっこだけでも子供は大喜びします。自転車に乗る練習や、鉄棒の練習など、親子のコミュケーションをとる方法はいくらでもあります。
小さい子供との親子のコミュニケーションには歌と絵本を活用する
子どもがまだ小さく、言葉があまり話せないからといって、親子のコミュニケーションをおろそかにしてはいけません。子供は話すことはできなくても、大人が思っている以上に言葉を理解し、大人の表情から感情を読み取っているのです。
しかし、ついつい語りかけもワンパターンになりがち…と悩む方も多いのではないでしょうか。そう言った場合に便利なのが、歌と本を利用することです。幼い子でもできるリズム遊びをしてみたり、音楽に合わせて子供の手足を動かしてみたり、絵本をゆっくり読み聞かせしてあげることで親子間のコミュニケーションをとることができます。
親子のコミュニケーションのために時間を「買い取る」
なかなか子供と親子のコミュニケーションをとることができないワーママで、なおかつワンオペ育児をしている女性が現代には多く存在しています。工夫を凝らしても、育児の間を作るのが難しいママは、時間を「買い取る」ことをオススメします。
お皿洗いは食器洗い洗浄機に頼み、床掃除はロボットクリーナーに任せる。食事の買い出しや支度は、宅配ミールのサービスを受けるなど、お金を出すことで子供との時間を作ることができます。
便利な家電の購入は出費が痛いかもしれませんが、何年も使うのを前提に日割り計算すると、費用もそれほど高くなく、すぐに元がとれると感じることができます。宅配ミールも、献立を考える労力や買い出しの手間を考えると安いものです。親子のコミュニケーションの時間はお金で買うことができないので、家事にかける時間を減らし、子供と一緒に過ごす時間を確保しましょう。
“量”より“質”の親子のコミュニケーションを
毎日多忙なワーママにとって、親子のコミュニケーションをたっぷりとるための時間の確保は厳しいのではないでしょうか。しかし、“量”より“質”と考えて、親子で密度の濃い会話ができるような対応や、環境づくりをしていきましょう。
子供と一緒にいることができる、1日の中の少しの時間を良質なものにするよう心掛けることで、子供は親の愛情をしっかりと感じ、安定した気持ちで毎日を過ごせるのです。子供のちょっとした変化に気づくためには日々のコミュニケーションが欠かせません。今日からできることをひとつずつ実践して、親子のコミュニケーションをとり、子供との絆を深められるようにしましょう。
どうしても時間をとりづらいというママは、子供と一緒に料理を作ってみてはどうでしょう。子供と料理を楽しむ!3歳から小学生の親子クッキングのコツを参考に、子供と料理を作りながら、親子のコミュニケーションをとってみましょう。