反抗期真っ只中の幼児のイヤイヤは自我をこじらせない対応がコツ
反抗期の幼児ほど、大人の神経を逆なでするのが上手い存在もないかもしれません。
これがはじめての子育てならなおさらです。まだまだトイレはオマルの幼児のくせに何故急にそんなことを言い出すのか、そんな行動を取るのか、もう全く理解できない…なんて思うこともあるのではないでしょうか?
ただでさえ興味のあるものにまっしぐら、何事にも全力投球の幼児ですから、そこに反抗心が加わればそれはもう大変な騒ぎです。産まれてはじめての反抗期を迎えた幼児は、文字通り全力で自分の主張を通そうとします。
しかしそれは本当に悪いことなのでしょうか?大人から見ればとんでもない悪い行いに見えて、実は一つ一つの行動に意味があるものです。
「イヤ!!」と叫ぶ子供以上に叫び出したくなる前に、幼児の反抗期というものについて、少しだけ考えてみませんか?そして、その上で良い対応策についても考えてみましょう。
強烈なイヤイヤにぐったり…第一次反抗期とは
子供の「反抗期」と呼ばれるものは、大きく分けて2つあります。
1つが幼児の頃におとずれる「第1次反抗期」、もう1つが小学校高学年から中学生くらいの思春期にあらわれる「第2次反抗期」です。
今回は、幼児期の第1次反抗期についてお話していきたいと思います。
産まれてはじめての反抗期はいつ頃訪れる?
かわいい赤ちゃんがヨチヨチ歩きをはじめて、単語をしゃべるようになり、二語文をしゃべるようになり、かわいさもひとしお。そんな時期を経てじわじわとやってくるのが、産まれてはじめての反抗期「第1次反抗期」です。
年齢で言えば2歳頃と言われていますが、早い子では1歳半頃からその予兆が見え隠れし始めます。
「今までは素直さが売りの可愛い子だったのに、最近なんだか言うことを聞かなくなってきたような?」それが反抗期スタートのサインです。
ちなみに欧米では第一次反抗期に突入した2歳児を「terrible two(魔の二歳児)」と呼んでいます。第1次反抗期って、世界共通なのですね。
反抗期真っ只中の幼児に特徴的な言動
2歳を過ぎると自我が芽生える反面、うまく言葉が話せず、伝えたいことが伝わらないジレンマに襲われ、第一次反抗期と呼ばれる時期に突入します。具体的にどのような特徴があるのか、みていきましょう。
イヤイヤ期とも呼ばれる
2歳前後にはじまる反抗期の特徴の1つとして、この「イヤイヤ期」があります。これは何を言っても「イヤ!」としか返ってこないということから、そう名付けられたようですが、その名の通りこの時期の子供は「イヤ!」が、口癖のようになることが多いのです。
「お風呂入ろうか?」「イヤ!」
「ニンジンさんも食べてあげようね?」「イヤ!!」
「今日はこっちの服を着るんだけど…」「イヤ!!!」
と、こんな感じでアレもコレも見事にALL「イヤ」を繰り返すのがイヤイヤ期の特徴です。大人には全てを嫌がる理由なんてさっぱりで、1日これに付き合っていればもう本当にクタクタになってしまうという状態です。
反抗期の幼児あるある
何をやっても反抗する幼児相手に一日振り回され「さあ、お布団に入る時間よ」と言った瞬間に「イヤ!」となったときほど「もういい加減にして~!」と叫びたくなる瞬間もないのではないでしょうか?他にも反抗期の幼児にまつわる理不尽なエピソードは尽きません。
1.一人遊び中
高く高く、自分の背よりも高く積みたいブロック…途中で崩れる→泣く、暴れる→懲りずに積む→崩れる→泣く、暴れる→……疲れて寝るまで続く
2.お風呂で
お風呂には入るけど頭は洗わない→なだめる、体だけなんとか洗う→頭を洗おうとしたら濡れた体で脱走!→捕まえるが泣いて暴れる→入浴続行不可能
3.公園で
もう帰る時間よ→まだ遊ぶ!→じゃああと少しだけね→『あと少し』経過→そろそろ帰るよ→まだ遊ぶ!→どこまでいっても帰る気がなく、結局泣きわめく我が子をかついで公園を去る
これはほんの一部ですが、思いあたるエピソードはありましたか?くすっと笑えてるあなたは、育児上級者かもしれませんね。
どれくらいまで続く
傍若無人の限りを尽くしている子供でも、この状態が永遠に続くわけではありません。
大体の子が3歳前後になると「あれっ?」と拍子抜けするほど、落ち着く傾向にあるようです。ですが、これには親のしつけや対応、それに子供の性格が大きく関わってきますので、一概に3歳になったら反抗期や傍若無人な態度が終わる、と言えない面があるのも事実です。
脱・赤ちゃん期の子供を考える
「イヤイヤ」言い出した子供は、今まさに心の成長において、大きな第一歩を踏み出したところです。
何でも受け身だった赤ちゃんから、自己主張をする一人の子供へ…その大切なステップアップとは、どんなものなのでしょう?
赤ちゃんから子供への道!年齢別心の発達
反抗期の幼児、と一口に言っても、2歳と就学前の6歳では様子が違ってくるものです。
2歳の第1次反抗期を過ぎても、まだ反抗期が続くの?と思うかもしれませんが、自己主張が出てきて、いわゆる自我が芽生えた頃からは、程度の差はあっても小さな主張が反抗心となって表れることはたびたびあります。
年齢別に心の発達を知り、その上で対応を変えていくのが有効な手段です。
1歳半~2歳「噂に聞く、恐怖のイヤイヤ期」
これまでも説明してきたように、おけつの青い小童がことごとく反抗しまくるこの時期が一番手強い時期です。およそ3歳まで続くこのイヤイヤ期を乗り越えることが出来れば、もう怖いものはありません。
「イヤ!」と言われて「ダメよ!」とやり返すと、収拾がつかなくなりますので、『ダメ』は本当に危険なことなどにだけに限定して使うようにした方が良いでしょう。
満足に出来なくとも「自分でしたい!」と主張するようになってくるのも、この頃からです。
自分の手でボタンをかけたい、自分の手で着替えたい。鍵をかけたい、歯を磨きたい、お手伝いがしたい…チャレンジしたいことがたくさんあるのは、喜ばしいことですね。
ですが、もちろん何一つ満足にできるわけではありませんので、大人には困ったことだらけ。たとえば、歯の仕上げ磨きまで断られては虫歯になってしまうかもしれませんし、もうあと10分で家を出なければいけないのに、いつまでも着替えていたら…。
「これだけは手伝わせてね」という、線引きはときに必要でしょう。手伝っているのに手伝っていない振りを装うテクニックも必要な時期です。
3歳~4歳「甘えたいけれど自分でしたい時期」
第1次反抗期の自我の芽生えとともに、幼児は「自分の力でなんとかしたい」という気持ちが強くなってきます。3歳を超えると、2歳児の「イヤ!」はなくなってきますが「自分で!」の主張は残ります。
そして、少し成長したこの頃の幼児は、よくコロコロと態度が変わります。
「1人で出来るからあっち行って!」と怒ったかと思えば、いつもなら出来ることも「やって」と甘えてきてみたり。「見て見て!」としつこいわりに「見ないで!」と言ってきてみたりと、複雑なことこの上ありません。
これは、自分の世界が広がって自立しようとする心が出てきた一方、まだ赤ちゃんのように甘えたい気持ちもしっかり残っている、この頃の子供の特徴です。
5歳~6歳「お兄ちゃん、お姉ちゃんになりたい!」
「自分で!」の時期がこの頃にまで長引く子供もいますが、6歳近くなってくると「中間反抗期」と呼ばれる時期に突入することがあります。
幼稚園、保育園で言うと、年長になってぐっとお兄さん、お姉さんの自覚が出てくる頃。ちょっと生意気な口をきくようになったり、人の話の揚げ足をとったり、無視したりなんて小生意気な行動も。
この頃の子供には、子供が言って欲しくないことを口にしたりやいけないことをしたときに、言われてどう思ったかなどを伝えて『良くないことである』と教えてあげるとよいでしょう。
子供に主張がある場合、言いたいことを一旦聞いてあげて、共感し、その上で感じたことを伝えてあげると自尊心を傷つけずにすみます。頭ごなしに「何も分かっていないくせに生意気な」などと怒るのは、逆効果ですよ。
自立を促す!子供のこんな行動、どう対応する?
頭では理解できても、脳内シミュレーション通りにことが運ばないから育児は大変なんです。現実世界の幼児たちの言動には、親が持つべき基本のスタンスを念頭に置きつつ、よくある『手に負えない』シチュエーションの対応を抑えておくと良いですよ!
子供が反抗期のときの基本スタンス4つ
反抗期の幼児と接するにあたって、基本的に念頭に置いておきたい4つのことを挙げてみました。
反抗期は単なる「わがまま」ではない
ちょっと生意気な主張をしてくるようになる年齢はもちろん、兎に角「イヤ!」としか言わない2歳児だって何に反抗心を燃やしているかを考えてあげましょう。
どれほど無茶なことを言っていても、反抗は必ずしも『=単なるわがまま』ではないのです。
きちんと子供の主張を聞き、それを受け入れてあげることが、その後をスムーズに納得に導くプロセスとなります。
ただし社会性の土台作りの時期でもある
反抗期を迎えた幼児も所詮は幼児、まだ50%くらいは赤ちゃん成分で構成されているような存在ですが、言葉でうまく伝えることが出来ずとも、大人の言葉や感情などの雰囲気をより複雑に理解できるようになっています。
親から目線の「まだわからない」は封印して、どんなことが危険か、どんなことが他人に迷惑がかかるいけないことかは、少しずつでもしっかりと教えるべき。いつまでも赤ちゃん扱いをしてなんでも「はいはい」とニコニコ聞いてその通りにしてしまうと、躾のタイミングを逃し、それこそわがままにつながってしまうかもしれません。
幼稚園や保育園、小学校は小さい社会です。その中で子供が良好な人間関係を築いていくために、良い、悪いの区別を教えていくのはとても大切なことと言えるでしょう。
スケジュールは詰め込み過ぎない!イヤイヤ怪獣との外出はお覚悟が必須
小さい子供がいれば、予定していたスケジュール通りに動けないのは想定内。余裕を持って行動していたって『時間オーバー』となるトラップは常にいたるところに散らばっています。
ですが、これは決してあなたのせいではありませんし、子供のせいでもありません。子供は予定通り思った通りに動かない存在なのですから、まずはそのことをお忘れなく。
大事な予定は、特に時間に十分な余裕を持って行動するほか、用事を遂行する念入りな計画と「それでも時間オーバーとなることもある」と覚悟して行動することが大切です。慌てると事故の元ですし、上手くいかないことにイライラしてしまうかもしれませんし、何はともあれいいことはありません。イヤイヤ怪獣を連れていくときは、とにかく徹底してゆとりを持って動きましょう。
自分自身がイライラしてどうしようもないときは、一時避難を!
何を言っても聞かない、叫ぶ、わめく、泣く。ああ、こっちが泣きたい…。
子供に対して真剣であるからこそ、イライラしてしまう。子育てにはそういうことが多々あります。
そんなときにはどうしたら良いでしょう?
周囲に危険がなければ、少しだけ距離を置いて子供を眺めてみましょう。脳内で音を遮断し一呼吸おいて喚きのたうち回る我が子を観察し、今日の髪型かわいいな、しっかり歩くようになってすごいな。赤ちゃんのときのヨチヨチ歩きがなつかしいな…。何かかわいいところをひとつでも見つけてみてください。
家の中でしたら、キッチンに駆け込んでチョコをひとかじり、友達や実家のお母さんに電話をして「もう、今この子ったらさ~」と、愚痴って笑い飛ばしてしまうのも効果的です。
煮詰まったら、こうやってほんの少しだけ、距離を置いて子供を見てみるのがオススメです。
あれもイヤ!これもイヤ!全部イヤ!!
小さな怪獣、魔の2歳児と呼ばれるゆえんが、この「イヤイヤ期」ですが、さて、この時期の幼児にどう対応するかの前に、ひとつ心に留めておいていただきたいことがあります。それは「何故、イヤというのか?」ということです。
2歳児は「どうして嫌か?」は説明できない
ご存じの通り、口の達者なおしゃまな女の子であっても、2歳児時点では言葉を上手に使うことが出来ません。「ちょっとママ!そうやってお風呂で頭を洗うと顔に水がかかるのよね、それがたまらなく不快なのよ、息もしにくいしホントやめて欲しいのよそこわかって?!」などと言う2歳児はいないのです。
そう、小さな子供の場合、このような心の動きが全て「イヤ」に集約されています。つまり、子供の「イヤ」には大なり小なり何か理由があります。単に、あなたがさせたいことを拒否死体だけのときもあるでしょう。でも、そういうときばかりではないのです。
イヤ!と言われたときにできること
「イヤ!」と言われたら、まず落ち着いて子供を観察してみましょう。子供の周囲や今日の出来事を振り返るのもいいかもしれません。そして、どうしてイヤなのか思い当たったら、子供に変わって言葉にしてあげましょう。
「頭を洗うと、お顔にお水がかかるね。もしかしてそれが嫌なの?」
当たっているかどうかはともかくとして、あなたが自分の主張することに対してきちんと向き合ってくれた事実は、子供にもちゃんと伝わります。
原因が当たっていれば「じゃあお顔にお水がかからないように、おひざに抱っこして洗ってみようか?気をつけるから大丈夫だよ」など、納得のいく対応策を一緒に探してあげてください。
うまくいけばそれでもう、半分は満足することでしょう。
サラッと流すスキルも必要
それでもどうしても原因は分からない、向き合ってみてもどうにもならない、ということもあると思います。
そんなときは「あらそう」と笑顔で、全然違うことをしてみましょう。気をそらして、わき上がる反抗心の火をこれ以上燃え上がらせないように調節するのです。
毎回とは行きませんが、大人も「じゃあ今は別にいいか」くらいの心のゆとりを持つことが大事です。
「これをしたらママは怒るかな?」何度も試すような態度には
子供がちらちらこちらを見ながら、わざと怒られるようなことをしていることがあります。これは大人がどういった反応をするのか試していると言えるでしょう。
自我の芽生えはじめた2歳くらいの子供に「ダメよ!」と頭ごなしに叱りつけることは、良い効果をもたらさないと言われていますが、本当に悪いことをしているときは大人も毅然とした態度が必要です。
『叱る』といっても怒鳴る必要はありません。にらみつける必要もありません。あなたのキッとした真顔1つで、子供は「いけないんだ」と判断出来ます。言葉で伝えた方が良い場合は、子供の目をしっかり見て「あなたなら~出来るよね」「~してくれるね」と、根気強く伝えてください。
このとき、いつもと声のトーンを変えて、ゆっくり話すことが大事です。本当にやめて欲しいことは、子供がゆくゆくは自発的に「やめよう」と考えることが出来るように、よく言い聞かせてあげましょう。
泣いて泣いて手が付けられない!「いけません!」の貫き方
幼い子供は自分の思い通りにいかないと、我慢することをまだ学んでいませんので、泣いて自分の願望を押し通そうとします。泣き叫ばれるのが嫌だからと、泣いたら親が折れる育児の仕方は間違っています。
大人は子供が公共の場で泣きわめくと『他人の目線』が気になるのが本音
電車の中、バスの中、図書館、スーパー、公園…、人目のあるところで泣きわめく子供。これには賛否両論、色々と意見があることと思いますが、大きく2つに分かれることでしょう。
肯定派:子供がうるさかったり泣くのは当たり前。腹を立てる方がおかしい
否定派:親がきちんとしつけるべき。子供だからどこでも騒いでもいいということにはならない
このように、気にしないでいいよ、と言ってくれる人がいる一方で、いい顔をされないことがあるということも、親は知っています。知っていれば気になりますし、人には迷惑をかけたくないと思ってしまうのが心情故に、公共の場のしつけはいつも通りにはしにくいものです。
「ゴネれば思いどおりになる」と思ってしまう?
スーパーに来たらお菓子売り場の前で「買って買って!買って~!」…そんなシチュエーションに出くわしたことはありませんか?
お菓子を買いたくないときは、出かける前に「今日はお菓子を買わないからね」と約束しておきましょう。「もうすぐ夕飯の時間だから」など、理由も説明するとなお良いです。それでもお菓子売り場の前で騒ぎ始めたら、折れて買ってはいけません。子供の目をしっかりと見て「約束したからガマンできるよね?」と、伝えてください。
ゴネる子供との取引の注意点
「今日お約束を守れたら、次に来たときには1つ買ってあげるよ」と、別の約束をするのは良いでしょう。しかし「じゃあお菓子を買う代わりに…」というのはNG!『今日は買わない』という約束は、覆してはいけないのです。
ここで、うるさいからと根負けして買ってしまえば、子供は「泣けばいいのだ」と思ってしまいかねません。
子供との約束は、子供が守れる程度のもので、一度約束したら守らせるという姿勢が大切です。
全然聞いてくれない!泣き叫び暴れだしたら速やかにその場を離れること
ですが、全く話を聞いてくれず、ぐずり出してしまった、泣いて叫び出したなどの場合には、子供を連れてその場から離れましょう。
決して子供だけ置き去りにしてどこかに行ってしまう、隠れてしまうなど、してはいけません。
子供が1人でわあわあ泣いていれば、周囲にもっと迷惑がかかってしまいますし、なんの解決にもならないからです。その場を離れたら、子供が落ち着くのを待って、それからゆっくり話をすると良いでしょう。
幼児の反抗期に有効な考え方
シュタイナー教育、モンテッソーリ教育、フィンランド式教育…いわゆる幼児教育と呼ばれるものに、反抗期の子供に対する有効なヒントはあるのでしょうか?
モンテッソーリの幼児教育
例を挙げて、モンテッソーリの幼児教育についてみてみましょう。
モンテッソーリ教育では、子供は2歳に近づく頃から「自分でする」ことに喜びを感じ始め、子供自身もそれを求めていると考えています。
また、子供は手を使いながら1人立ちする、という考えのもと、子供の年齢に合った遊具(教具)を使って繰り返し満足のいくまで遊びながら道具の使い方を習得するまでを見守っていくのですが、このとき、子供は「出来ない」のではなく「やり方が分からない」のであって、大人が「して見せる」ことで、やり方を教え、子供が自分でしたいという欲求を十分に満たしてあげることが重要だそう。
実際にモンテッソーリの教育を受けた子供は、反抗心がそこまで強く出ることがなく、イヤイヤ期も長びかないという研究結果があります。子供の「自分で!」の欲求を満たしてあげることは、とても大事なことなのです。
さらにモンテッソーリ教育では、2歳頃の子供はある意味では『秩序的』とも考えています。
お散歩のコースがいつもと違うだけで怒って講義をしてしまうのは、わがままではなく、自分で想定していた『いつもの順番』を乱されることが拒否に値する面白くないことだからなんだとか。
幼い子供の心が感じていること、こういったことを知っているだけでも「なんでそんなことで?」と思わずにすみますね。
なぜダメか、が子供にわかる『しつけ』を
子供が「ダメ!」と訳も分からず叱られてしぶしぶしていたことをやめたり、大人に怒られるのが怖いから行動をしないのと、自分で「してはいけないんだ」と理解しやめるのでは大きな違いがあります。
子供が良くない行いをしたときは、周りの目を気にしてやめさせるのではなく、2~3歳の子供に何を話してもムダだろうと思わず、『良くない行い』であることを一生懸命、信頼を込めて教えてあげるのが親の勤めと言えます。
子供に向き合い「この子はきっと分かってくれる」と、根気よくあきらめずに付き合うことが、幼児期の反抗期を短くする有効な手段になるでしょう。そうして自我の芽生えた幼児期に大人からしっかり自分を認められて、物事の理解を進めていった子供は、何か悪いことをしたいと思ったとき、それをやらないでおこうとするセルフコントロールがきくようになると言われています。
とにもかくにも「イヤ!」な反抗期だからこそ、なぜダメか、子供の歳にあわせてわかるように教えていくことは時間がかかりますがとても大切なことなのです。
突然始まる反抗期の終わりはそれ程遠くありません
ここまで幼児の反抗期についてお話してきましたが、最後にひとつ覚えておいていただきたいことがあります。それは、反抗期の幼児は、心の底から「成長したい(自分でしたい)」と願っているということです。
子供が小学生になって「今から勉強するから邪魔をしないで」と真剣に机に向かったら、あなたは止めるでしょうか? まず止めませんよね?
幼児が出来るようになりたいと、真剣に頑張ることも、これと同じことではないでしょうか?
子供が「イヤ!」「自分で!」と言い始めたら、どうか心の底から喜んであげてください。それは大きな心の成長のために、必要不可欠な主張が始まった証なのです。
大人はゆったりとした気持ちで見守り、子供がやりたいことを出来る限り、満足いくまでさせてあげることが大切になるでしょう。子供の頑張る姿を応援し、出来るまで待つ姿勢が大人にあれば、もうそれだけで反抗期の子供への対応は万全です。
あとは、常に時間と心のゆとりを持つことを忘れずに、この貴重な時期を過ごせば良いのです。