知能と身体の発達に応じた遊びで、我が子はもっと賢くなる!
子供にとって遊びとは、学ぶことそのもの。日々の遊びを通して、様々なことを学習しているのです。つまり子供にとって遊びは学ぶことそのものであり、その遊び方次第で子供の成長発達をどんどん促していくことができるというわけです。
同じ「遊び」の時間を過ごすなら、その年齢に応じた効果的な遊びを勧めてあげたいですよね。今回は、1歳から小学校低学年の子供の遊び方に着目しました。1歳から順に、子供の発達の様子とそれを踏まえたオススメの遊び方を紹介していきます。
子供と何して遊べばいいのかいつも悩んでしまうパパママ必見です!
1歳児の発達のポイントと遊び方
ちょうど乳児期を終えたか否かの1歳児は、身体も行動もどんどん子供らしくなっていきます。自分で歩き出したり言葉を話し始めたり…と、その発達はめざましいものです。
1歳からの1年間は、身体のいろいろな機能が発達することによって、自分でできることがかなり多くなり、育児の大変さも徐々に「赤ちゃんのお世話」要素に「ちっちゃい子供のお世話」要素が加わっていきます。
発達の様子
伝い歩きが安定してくると、いよいよママパパと繋いでいた手、壁などに捕まっていた手を離して自分の足の力だけで移動しようとし始めます。時期には個人差がありますが、概ね1歳前後から1歳半くらいまでには多くの子がひとり歩きをはじめます。
歩行が始まると、視界が開け移動範囲が広がるために、様々なものへの興味関心が強くなります。なんでも見たり触ったりして確認しようとします。
言語面では、喃語から次第に意味のある語へと移りかわっていきます。早い子であれば1歳を過ぎたあたりから、「パパ」「ママ」「あんぱんまん」などの単語を発したり、指さしや「バイバイ」などのサインが出始めたりします。
1歳半を過ぎると歩行もどんどん安定し、身体の力も大人の予想を上回るほどの強さになります。大きな重いものを運んで遊ぶ姿も見られるでしょう。手先の巧緻性もアップし、スプーンやフォークを握り始めます。
遊びのポイント
- 身体面の大きな発達である「歩行」を促す遊び
- 五感を刺激して感覚を豊かにする遊び
- 手先の器用さを伸ばしていく遊び
1歳児の子供には、これら3点を考慮した遊びを取り入れていきましょう。一人歩きが始まると、赤ちゃんはどんどん歩きたがります。その気持ちを充足してあげるのにぴったりなのは、散歩や外遊びです。
1歳を過ぎたら積極的に公園遊びを入れていきたいですね。日々のお買い物やお散歩などでもOK。赤ちゃんにとっては、ただ近所を歩くだけでもとても刺激的なのです。
0歳に引き続き脳の発達がめざましいので、五感に刺激を与える遊びを多く取り入れましょう。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、これらをたくさん刺激する意味でも外遊びは適しています。室内遊びにおいても、色鮮やかなクレヨンや音の出る楽器おもちゃなどを揃えてあげるといいでしょう。
おすすめの室内あそび
- 絵本
- クレヨンを使ってお絵描き
- 打楽器遊び(ミルク缶で太鼓代わりにも)
- ひもを引っ張る、新聞紙をちぎるなどの指先トレーニング
- 積んだつみきを崩す
- マグネットのブロック遊び
おすすめの屋外あそび
- おさんぽ
- 階段の上り降り
- 砂場遊び
- 水遊び・色水遊び
- かくれんぼ
2歳児の発達のポイントと遊び方
2歳になると心身共にどれくらい発達してどんな遊びが適しているのかを把握して育児に生かすと、今後の子供の成長に良い影響があるでしょう。
発達の様子
2歳児は、自我が強くなり魔のイヤイヤ期に突入しますが、一方で身体もずいぶん大きくなり、身の回りのことも自分でできるようになり始めます。ズボンを履いたり、シャツに手を通したりも上手になります。
遊びのポイント
- 運動発達を促す遊び
- 手先の動きをなめらかにする遊び
- コミュニケーションを取れる遊び
- 簡単な知育を意識した遊び
手先の巧緻性がぐんと上がってくるので、ブロックはマグネットなしでも遊べるようになります。最初は崩す専門だったブロック遊びも、徐々に建設的なものに。手先を上手に使ってブロックを積みあげたり、同じ色同士を集めたりできます。
語彙数がドッと増える時期でもあるので、色の名前を教えてあげるとどんどん吸収していきます。コミュニケーションを積極的にとって、言葉を豊かにしていきましょう。
身体面では、ジャンプやキックなどの身体のバランス力を要する動きが巧みになり始めます。ボール遊びやかけっこなどが適しているでしょう。
おすすめの屋外あそび
- つみき・ブロック遊び
- 動物まねっこ遊び
- 新聞紙遊び
- 電車遊びやおままごと
- 手遊び歌
おすすめの室外あそび
- ボール遊び
- 鉄棒ぶら下がり
- 追いかけっこ
- 大型遊具
3歳児の発達のポイントと遊び方
3歳頃になれば、自分の伝えたいことをスムーズに伝えられるようにまで言語発達するので、イヤイヤ期は次第に落ち着いていきます。そんな3歳は、ちょっとずつ自分の周りの世界に興味を持ち出し、社会性を身につけ始める時期です。
発達の様子
走る・飛ぶといった基本的な身体の動作は安定感を増し、ダイナミックに動けるようになります。バランス力も向上するので、階段の上り降りももうお手のものですね。
言語面では、たくさんの言葉を吸収し、自分の要望をしっかりと言葉にできるように。会話の長さも長くなります。自分で自分の欲求を満たせるだけの知能や器用さを兼ね備えることで、イヤイヤ期は収束に向かいます。
記憶力も上がり、過去の記憶を呼び起こすこともできるようになります。
遊びのポイント
- 運動発達を促す遊び
- 社会性を意識した遊び
- 好奇心を刺激するような遊び
遊びの内容自体は2歳の頃と大きくは変化しませんが、遊びの質は格段にレベルアップしてきています。物事にはルールがあることが少しずつ分かり始めたり、他人の気持ちを考えたりできるようになっていきます。
2歳の頃よりもお友達との関わりを大切にした遊びを取り入れられるといいでしょう。引き続き、運動発達を促す遊びは重要な時期です。バランス力を養うために自転車類に挑戦してみましょう。
おすすめの室内あそび
- ストーリー性のある絵本
- 粘土遊び・工作
- リトミック
- 30〜60ピースくらいのパズル
- レゴやトミカ・プラレール
- ごっこ遊び
おすすめの室外あそび
- 三輪車やストライダーなどの乗用玩具
- 探検
- アスレチックや大型遊具など身体をいっぱい使える遊び
- ボール遊び
- 追いかけっこ
4歳児の発達のポイントと遊び方
すっかり幼児の中核的存在となる4歳児。3歳の1年間のうちに、まだまだ失敗は多くても一通り身の回りことができるようになるので、ママがするお世話的要素は、4歳にもなるとずいぶん減ってくるでしょう。
4歳は心の発達が盛んに進み、周りとの関わりがどんどん豊かになっていく時期です。
発達の様子
身体面では、動きのコントロールが巧みになり、危なっかしさがなくなっていきます。その代わり、スピード力が出てくるので、怪我やトラブルには十分注意しなければなりません。
一方知能面では、記憶力や想像力の発達がめざましい時期でもあります。過去や現在・未来などの時系列が明確になり、作り話や空想の世界を楽しむことができるようになります。他者との関わりの中でルールが身についていき、そのルールを使った遊びが展開されはじめます。
手先はなんとかお箸が使えるまでに器用になります。工作やお絵描きもどんどん上手になる姿が見られます。
遊びのポイント
- 想像力を広げられる遊び
- 自由な表現ができる遊び
- 子供同士の関わりが持てる遊び
- ケガに注意して制御を学ぶ遊びを
4歳の遊びのポイントは、概ね以上の4つに集約することができるでしょう。
子供の想像力を広げてあげられるのは、少し長めの絵本。時間経過のある絵本への理解も可能でしょう。また、その想像力を生かして自由に絵を描いたり身体を動かしたりするような表現遊びが有効です。工作やお絵描きなど本人の自主性に任せてやらせてみましょう。
一人でする遊びも充実していきますが、他者との関わりが社会性をどんどん向上させてくれます。ごっこ遊びやルールのある遊びで、喧嘩をしながら学んでいくことは多分にあります。
おすすめの室内あそび
- しりとりなどの言葉遊び
- おままごと、戦隊ごっこ
- あやとりや折り紙などの手先を使う遊び
- 季節の制作
おすすめの室外あそび
- おにごっこ
- ジャングルジムや上り棒への挑戦
- サッカーやリレーなどのルールのある遊び
5歳児の発達のポイントと遊び方
年長さんとして幼稚園や保育園のお兄さんお姉さん的存在になる5歳児。小学校を目前に控えて、身体の発達以上に精神面での成長をひしと感じられる年齢でもあります。
発達の様子
歩行は完全に大人と肩を並べてできるようになり、運動会で組体操ができるくらいにまで力やバランス力が向上しています。ハサミや箸も使いこなし、細かい動きができるようになってきました。ホップ、スキップ、ジャンプもお手の物です。
知能面では、数字や文字の世界に興味が出てきて、いくつかの文字や数字の読み書きができたり、数字を順に唱えていったりし始めます。
周りの友達や年齢が下の子供の気持ちを汲み取って優しくできるのも5歳児の成長の賜物。こうして心身ともに小学校入学への準備を整えていくのです。
遊びのポイント
- ルールのある集団遊び
- 文字や数字に興味を持つような遊び
5歳児で飛躍的に伸びるのは、人への思いやりの心と文字や数字に対する興味関心です。この2つを意識した遊びを取り入れてみましょう。
遊びの内容としては、下の年齢とあまり変わらないかもしれませんが、年齢が上になるごとに遊びの質や難易度は確実に高くなってきています。例えば、同じおにごっこでも様々なアレンジがあります。
ルールを新たに追加することで遊びの難易度は高くなっていますが、作戦をねるなど思考力もつけられる時期です。
おすすめの室内あそび
- ブロック遊び(ピースが小さく複雑なもの)
- お手紙交換
- なぞなぞ、伝言ゲームなどの言葉遊び
- 木工や手芸遊び
- 科学実験遊び
おすすめの室外あそび
- ドッヂボール
- かくれんぼ
- おにごっこ(増えおに氷おになどアレンジが効いたもの)
小学校低学年の発達のポイントと遊び方
晴れて小学校に入学し、ママからかなり自立した生活を送り出す小学校低学年。家ではゲームばかり…とママの落胆の声が聞こえてきそうですが、電子機器に頼らなくても楽しい遊びかたはいくらでも発掘できるはずです。
発達の様子
この年齢は、背筋力が急にアップして姿勢を保つことが容易になったり、指の動作が正確で速くなったりする年齢です。また精神面では、基本的な生活習慣や学校での生活ルーティンを身につけようと取り組みます。とはいうものの、まだまだ幼児期の延長のような面も残っているので、自分中心の考え方をしたり、先生やママに依存しようとしたりする姿も見られます。
遊びのポイント
- 身体づくり(特に体幹や背筋力アップ)を促す遊び
- 教科学習につながる遊び
本格的な集団生活をコンスタントにこなしていくためには、基礎体力が充実していなければなりません。風邪をひいたり大きな怪我をしたりしないよう、日頃から身体を動かすことが大切です。小学校低学年は、特に背筋力が大きく伸びる時期です。背筋は、綺麗な姿勢を保つのに必要ですので、意識して運動遊びに取り入れられるといいですね。
室内遊びでは、教科学習につながるような遊びがオススメ。トランプや折り紙などは定番中の定番ですが、手先の器用さを鍛えながら算数のお勉強にもなります。
おすすめの室内あそび
- 折り紙
- お菓子作り
- トランプ
- ジェンガ
おすすめの室外あそび
- ドッヂボール
- おにごっこ
- サイクリング
- 昆虫採集や季節を探して探検
「パパ大好き!」って言われたい!貴重なお休みにパパと子供がぐっと仲良しになれる遊び
子供との時間を大切にしたい気持ちはあるものの、お仕事であまり家に居れず、なかなか子供と遊ぶ機会がないというパパは意外と多いのではないでしょうか?それゆえに何となく子供との距離も開いていて、「パパよりもママ!」という感じが伝わってくる…と寂しく感じておられるかもしれませんね。
でも、そんな親子関係をスパッと解決し得る方法があります!それこそが、「遊び」なのです。
ママには「いいとこ取りしてー」と思われてしまうかもしれませんが、子がいくつになろうが次々と新たな問題にぶつかるのが子育て。先々を考えると、これをママだけに任せてしまうのは、あまりにも負担が大きいと言えます。母と子の信頼関係と同じように、父と子の信頼関係もまた、子供の成長を支える大切なものなのです。
さてさて、さっそくパパの株を上げるべく、積極的に子供と遊びましょう♪
外遊びこそパパの絶好の出番!
ママが毎日一生懸命子育てをしてくれているとはいえ、女性ゆえに手が回りにくいジャンルもあります。それが、外遊びです。公園に行ってしっかり安全に気を配って遊ばせてくれるのですが、身体が大きく体力のあるパパの方が物理的に子供の遊びたい欲求を満足させてあげられるはずですよね。
外遊びを制するパパは、子供との関係を制する!たとえたまにしか遊べなくても、お休みのたびに圧倒的な体力で子供と正面から真剣に遊んでいれば、子供からの信頼は急上昇すること間違いなしでしょう。
追いかけっこや縄跳び、サッカーなど、親子でコミュニケーションを取れる遊びを実践してみましょう。
男同士は身体を使ったアクロバットな遊びが信頼度高!
体力の有り余る男子には、特にパパとの遊びが有効です。ママはお世話的な育児や知育系の育児は得意ですが、男の子特有の遊びとなると、性別が違うので感覚として何をして良いのかよくわからないというところがあります。ですが、底なしの体力を持つ男子はそんなママの戸惑いも知らず真っ向向かってきて、まるで木登りをするかのようによじ登ったり…。ママにはちょっと体力的に負担となるときもありますね。
このように男の子って、アクロバットな遊びが大好き!チャンバラごっこや戦隊ヒーローごっこ、ただただ追いかけ回したり、ぐるりと回ってみたりと、とにかく動きまわることが大好き。そんな欲求を満たしてあげられる一番の存在は、ズバリ、パパさんですね。
パパに登ってみたり、パパに持ち上げてもらってジェットコースターごっこをしたりとパパアトラクションは大人気。こうした男同士のふれあいが、信頼感につながっていくのです。
女の子とは、娘主体のごっこ遊びが親密さアップ
女の子とは、ぜひぜひおままごをしてみましょう!女の子は、コミュニケーションが得意。ですので、〇〇ごっこのような見立て遊びが大好きです。
男性のパパとしてはどうして参加すればいいかオロオロしてしまうかもしれませんが、その場にいるだけでもいいのでまずは参加してみましょう。あくまで娘さん主体のごっこあそびでいいのです。そのうち、そばにいるパパに何の役をすればいいのか教えてくれますよ。そうしているうちに、必ず親密度はアップしていきます。
また、廃ダンボールなどを使っておままごとに使うお家やキッチンを作ってあげると女の子は喜ぶはず!毎日なんだかんだと忙しいママにはちょっと難しい「本格志向」を目指すなら、パパの株もガッチリあがるでしょう。
子供とどうやって遊べばいいかわからないときのおすすめ遊び方
これまでいろいろ提案してきましたが、それでも子供と何をして遊んであげればいいのかわからないときもあるはずです。子供に対する接し方が手慣れていて、上手に赤ちゃんをあやしたり楽しそうに遊びに混じったりしているパパママ。そんな人を見ていると、自分は子供との遊び方が下手だなぁ…と落胆してしまう人もいらっしゃるのでは?
確かに、感覚的に子供の目線に入ることが得意で、子供の世界に難なく入ることができる人はいます。そんな羨ましい感覚の持ち主もいますが、そうではないあなたに、遊び方がわからないシーンでの対応策をお教えします!
まねっこ・並行あそび
まずは子供の世界に入ってみることが大事です。子供の気を引きつけるネタが何もなければ、そっと子供の遊びを邪魔しないようにまねっこをしてみてください。ブロックに夢中になっているなら、同じように自分もブロックをやってみる、子供が歌に合わせて踊っているなら、後ろで自分もやってみる、といった具合です。
同じ遊びをそれぞれでやっていることを並行遊びと言います。並行遊びをしているうちに、自然に打ち解けていつの間にか一緒に遊んでいるのが子供です。それを狙って意図的にまねっこや並行遊びをしてみましょう。
とりあえず絵本
「何かやって!」と子供に言われてもネタがない場合、最も頼りになるのは絵本です。絵本の読み聞かせはどの年齢の子も大好き。子供の好きな絵本でもいいですし、図鑑などに興味がある男の子ならば一緒に見ながらコミュニケーションを取ってもいいでしょう。
絵本の読み方については、感情をなるべく出さない方がいいだとか、反対に登場人物を演じ分けながら読んだようがいいだとか様々な意見がありますが、そこはご自由に!ママも子供も絵本の世界にじっくり浸れる時間を持ってみましょう。そこからまた新しい気づきがあるかもしれませんよ。
濃密な時間というよりも、子が安心感
遊んであげなきゃ!と変に気負いしてしまうよりも、子供が安心して遊べる環境を整えてあげる方が親の大事な役割なのかもしれません。遊びを無理にリードする必要はありません。ただそこにいて同じ空間で遊んでいるという安心感が得られるだけでも子供の心にとっては大切なことです。
子供の年齢や発達に合わせた遊びを知ることで、親も新たな気づきがあるかも
子供たちの遊びは私たちでいうところの勉強と同じ。遊べば遊ぶほどたくさんのことを吸収し、レベルアップしていくことができます。そんな子供たちの遊びは、心身の発達の道筋に合わせて、大体同じように難易度を上げていきます。「1歳はこれくらいの遊びができて、こんな遊びを積極的に取り入れてあげるともっと発達を促すことができるんだ!」と知っていれば、遊びを効果的に工夫してあげることができますよね。
そんな中で親の私たちが気づくこともきっとあるはず。この前までできていなかったのに、手先が器用になってできるようになっている!次はこの調子で〇〇ができるようになるな!と気づきと見通しがあれば、私たち親の、子供の遊びへの捉え方もきっと深くなってくるはずです。
遊びで我が子をどんどん賢くする!これは親にこそ挑戦できることなのかもしれませんね。