2歳の夜泣きの原因と対策

2歳の夜泣きがひどい!知っておきたい原因と対策、注意点

2歳になってから夜泣きが急にひどくなる子どもがいます。なぜ暴れることや起きることなどもあるのでしょうか。また、ひどい夜泣きを減らすために注意したいことや夜泣きしたときの接し方についても説明します。

2歳の夜泣きがひどい!知っておきたい原因と対策、注意点

2歳児の夜泣きは普通のこと!泣く原因と対策を知っておこう

0歳や1歳のときは、泣いても、おむつやおっぱいのお世話をしたり少しあやしたりするだけで笑顔になった赤ちゃん。でも、なぜか2歳になってから夜泣きが長くなってしまったと、嘆くお母さんやお父さんは少なくありません。

2歳児が夜泣きするのは特別珍しいことではありません。ですが、毎日続くと、お母さんもお父さんも疲れてしまいます。2歳児が夜泣きする原因と対策について知っておきましょう。

2歳は眠りのリズムがまだできていないので夜泣きにつながる

夜泣きの原因

2歳は昼と夜の区別はできてきたものの、まだ大人と同じように夜しっかりと深く睡眠することはできません。そのため眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めたりすることがあります。目が覚めたときに誰もそばにいなかったり、周りが真っ暗だったりすると、怖くなって泣いてしまうこともあるでしょう。眠りのリズムがしっかりとでき、夜中に何度も目覚めないようになると、夜泣きも自然に減っていきます。

夢の途中で目が覚めてしまい不安になって夜泣きをする

眠りのリズムがまだ確立されていないため、夢の途中で目が覚めてしまうこともあります。夢の途中で目が覚めてしまうと、現実なのか夢なのか分からず不安になって泣いてしまうこともあるのです。

体調が悪かったり不快感があって夜泣きをしてしまう

身体がだるいときや体調が優れないとき、また、部屋の温度が暑すぎるときや寒すぎるとき。2歳前後の子どもは不快感を覚えると、言葉で表現するのではなく、泣いたりぐずったりして表現します。部屋の温度が適切に保たれているのか、病気になりかけているのではないか、しっかりと確認して下さい。

昼間の出来事が影響して情緒が不安定になっているから

2歳児は、お昼間にあまりお母さんやお父さんと遊んでもらえなかったときや強く叱られたとき、したいことができなかったとき等、子どもの気持ちの中で消化することができない出来事があったときは、夜中に目を覚ました瞬間に悲しくなって泣いてしまうことがあります。

また、お母さんやお父さんが悲しそうな顔をしていたときや怒っていたとき、何かに対して厳しい表情を見せていたときも、子どもは夜中にふと悲しくなってしまうことがあります。

普段からあまり情緒が安定していないと思われるときは、親は子供に対する態度や表情などに問題がなかったのか考えてみる必要があるでしょう。

2歳ではまだ感情のコントロールが出来ないので夜泣きにつながる

個人差は大きいのですが、前頭葉が充分に発達する3歳児くらいまでの間は、感情をコントロールすることが難しい子どもが少なくありません。怖かったら大声で叫ぶ、悲しかったらいつまでも泣く、少しでも自分の思い通りにならないとわめくといった反応に出ることもあり、2歳児はどんなにあやしても泣き続けることがあるのです。

前頭葉がしっかりと発達するまでは仕方のないことですので、「もう知らない!」「うるさい!」などと子どもを叱りつけることは止めましょう。子どもの不安を取り除くように、抱っこしたり、お話を聞かせたりすることもできますね。

7~9ヶ月のころの夜泣きとは?2歳の夜泣きとの違い

厚生労働省によるパンフレット「お母さんと子どものコミュニケーションのために」によりますと、もっとも夜泣きが多いのは生後7ヶ月~9ヶ月の時期です。では、このころの夜泣きと2歳児の夜泣きとは何が違うのでしょうか(注1)。

夜中にお腹が空いて目が覚めてしまったから

夜間授乳をやめている赤ちゃんもいますが、まだまだ夜中もおっぱいやミルクを欲しがる赤ちゃんもいます。お腹が空いたことを夜泣きで知らせる赤ちゃんも多いのです。

おむつが濡れて目覚めて気持ち悪いから

おむつが濡れて気持ち悪いと言うことを、泣いて知らせる赤ちゃんもいます。夜中におしっこが出なくなる赤ちゃんも増えてきますが、まだまだ夜中におしっこやうんちが出てしまう赤ちゃんもいます。

睡眠環境が整っていないため快適に眠れないから

お部屋の中が暑すぎるときや寒すぎるとき、また、あまりにも騒がしいときにも、赤ちゃんは眠れなくなって泣いてしまいます。赤ちゃんが寝ているのに部屋の電気を明るくしているときも、睡眠が阻害されて泣きだすことがあります。

興奮気味で眠いのに眠れないから

寝る前に遊びすぎて、赤ちゃんが興奮してしまっていることもあります。身体はもう眠たいのになかなか寝付けず、自分でもどうして良いか分からなくなって泣いてしまうのです。赤ちゃんの就寝時間の1時間前からは、なるべく静かな環境でゆっくりと過ごすようにしましょう。

不安な気持ちを抱えているから

7ヶ月~9ヶ月の赤ちゃんは、自分で思っていることを話すことはできません。ですが、家族の雰囲気は敏感に察知しています。お父さんとお母さんが口論しているときや反対に何も話さないとき、赤ちゃんに対しては優しい表情で接しても、他の家族たち同士には笑顔が見られないとき。そんなときは、赤ちゃんも不安な気持ちを抱えて生きているのです。夜になると不安な気持ちが強くなり、突然泣きだす等の反応となって表出することもあるでしょう。

2歳の夜泣きを減らす寝かせ方を試してみよう

2歳でもしっかりと深く眠ることができれば、夜中に目が覚めたり夜泣きをしたりすることは減ります。

眠りが浅くならないような快適な環境を準備する

身体に不快感を覚えるときは、眠りが浅くなって夜泣きをしてしまうことがあります。快適な温度と湿度に管理された部屋を適度に薄暗くし、2歳の子どもが安心して眠れるようにしてください。子どもが眠っている部屋でテレビをつけたり大勢が話していたりすると、子どもはどうしても眠りに集中することができなくなってしまいます。できれば、リビングなどの人が集まる場所以外で眠らせ、テレビなどの音が聞こえないようにしておきましょう。

しかし、あまりにも静かだと怖いと感じる子どももいます。静かな調子で怖い雰囲気のない曲(落ち着いたクラシックミュージックや歌詞のない童謡等)を小さな音量でかけたり、お母さんやお父さんが子守唄として謳ってあげたりするのがいいでしょう。

我が家ならではの睡眠儀式を習慣化する

「短いお話を1つだけ読む」「お気に入りのぬいぐるみとお話をする」などの睡眠儀式をして、「今日は楽しかったね。また、明日遊ぼうね」と2歳の子どもに寝る時間が来たことを伝えましょう。いつも同じ儀式をすることで子どもは安心感を得ることができますし、この儀式をしたから寝なくてはいけないと自分自身で納得することもできます。

2歳の夜泣きを減らすために日中の過ごし方を考える

2歳の夜泣きを減らすためには、日中の過ごし方を少し工夫してみるといいでしょう。健康的な生活のリズムが守られると、夜泣きをする機会も徐々に減っていきます。

お昼寝をさせるタイミングや長さを見直してみる

何歳までにお昼寝を止めさせなくてはいけないとは決まってはいません。ですが、幼稚園ではお昼寝を実施していないことが多いですので、3歳になってからは、特別子どもが眠たそうにしていない限りお昼寝をしないように指導するお母さんやお父さんもいるでしょう。

2歳児は、お昼寝を習慣にしてきた時代からお昼寝を必要としなくなる過渡期でもありますので、お昼寝のタイミングや有無も日によってまちまちになってしまいます。お昼間たくさん遊んでお昼寝の時間が取れていないと、夕方になってから眠ってしまい、夜の寝付きが悪くなることや夜中に何度も起きることもあるでしょう。

また、お昼寝を一度もせずに夜になってしまうと、脳は一度も休憩しないまま、つまり興奮状態のまま夜を迎えてしまうことになりますので、寝つきが悪くなったり夜中に何度も目を覚ましてしまったりすることにもなるのです。

午後3時くらいまでがお昼寝タイムの目安

2歳児には、お昼ごはんを食べて少ししてから、午後1時~2時くらいにお昼寝し、午後3時までには目覚めていることがオススメです。午後3時以降も眠ってしまうと、夜なかなか寝付けなくなることがあります。また、お昼寝は長くても2時間以内にしておきましょう。2時間以上眠ると、夜の睡眠が浅くなってしまうことがあります。

子供の食事や入浴の時間を見直して生活リズムを調整する

生活リズムがしっかりとできていないと、夜中に何度も目覚めてしまったり、夜の眠りが浅くなってしまったりすることがあります。2歳児には、朝ご飯から始まり夜ご飯まで、できれば平日も土日も同じ時間帯で食事を取るようにしてください。また、おやつの時間や回数も、できれば毎日同じタイミングと回数にする方が良いでしょう。

入浴も同じです。できればいつも同じ時間が望ましいのですが、休日など遠出をしていて夜遅くになってしまうこともあるでしょう。そのようなときは、いつもより手早く入浴を済ませ、しっかりと髪や肌を拭いてから寝かしつけるようにしてください。子どもは汗をたくさんかきますし、新陳代謝も激しいですので、遅くなってもさっと身体をキレイにしてから眠るようにしてください。

興奮しないように遊ぶ時間や内容について考える

夜ご飯を食べてから身体を激しく動かす遊びをすると、子どもは脳が興奮してなかなか寝付けなくなってしまうことがあります。身体を使った激しい遊びはなるべく朝や昼間にするようにしてください。

2歳になったのに夜泣きをしたときはどう対処する?

夜泣きをしても、半ば眠りながら泣いていることもありますので、しばらくは様子を見るようにしましょう。2歳児がしっかりと目を開けているなら、抱っこして子どもの話を聞き、落ち着かせるようにします。

無理に寝かせようとしないで眠くなるのを待つ

子どもが夜泣きをして起きてしまうと、「早く寝かせなきゃ」と親は焦ってしまいます。しかしながら、0歳の夜泣きとは異なり2歳児の夜泣きは長くなることが多く、時間をかけてあやしても寝てくれないことがあります。

そのようなときは、無理に寝かせようとしないで、一度完全に子どもを起こしてしまう方が良いときもあります。リビングに連れて行って、絵本を読んだりお話をしたりして、子どもが落ち着いてくつろげるようにしましょう。そのうち、だんだんと眠くなって自然に寝てくれます。

子供が夜泣きをしているときは親の睡眠不足に注意

親の寝不足の原因

子どもはお昼寝ができますが、仕事をしている親はお昼寝ができません。子どもが夜泣きを続けている間は、どうしても親は睡眠不足になってしまいます。いつもより早めに就寝するように心がけたり、眠りを深くするために就寝前はスマートフォンやテレビ、パソコンなどの画面を見ないようにしたり等、睡眠時間と深さを確保する対策を取りましょう。

夜泣きとは様子が違う?急に叫んだり暴れたりするとき

ただ単に泣くというよりは叫んだり暴れたりするとき。もしかしたら夜驚症(やきょうしょう)かもしれません。驚いたように目を見開き、ひどい汗をかいたり、呼吸が荒くなったりすることがあります。なだめると返って興奮してしまうことがありますので、無理に落ち着かせようとするのではなく、ベッドから落ちたり身体を家具等にぶつけたりしないように見守りましょう。

睡眠時驚愕症とも呼ばれている夜驚症には遺伝的なものや発達上の一過性のもの、精神的にストレスを受けていることによって表れるものがあります。1度、2度のときは、何か悪い夢を見たからとも考えられますが、何度も続くときは小児科や小児精神科の診察を受けることをオススメします(注2)。

夜泣きをしているときに下肢の痛みを訴えるとき

夕方から夜間にかけて、すねやふくらはぎに痛みを感じる子どももいます。特に骨や関節に異常がないにも関わらず、夜になる度に痛みを感じる症状を「成長痛」と言い、一般的には4歳~8歳に多く見られます。

炎症などは起こりませんし後遺症が残ることもありませんので、放置しておいても大丈夫ですが、毎日痛みがひどくて起きてしまう場合は、病院で痛み止めを処方してもらったり適切なマッサージを施したりすることもできます。2歳児でも気になるときは早めに整形外科や小児科の診察を受けましょう(注3、4。)

2歳の夜泣きは一時的な現象!心配し過ぎないで

夜泣きが続くと親だけでなく子どもも疲れてしまいます。2歳児でも夜に深く眠れるようになったら夜泣きは見られなくなりますので、心配し過ぎないようにしてください。

「早く寝させよう」「夜泣きをさせないようにしなくては」と親が焦ってしまうと、親も子もストレスを抱えてしまい、親子ともに辛くなるだけです。子どもの寝室環境を整えたり、お昼寝のタイミングや生活リズムを調整したりと、親ができることから夜泣き対策を始めていきましょう。

また、あまりにも夜泣きがひどいときは、小児科や自治体の母子相談所などで相談してみることも大切なことです。お母さん一人、お父さん一人で、悩みを抱え込まないようにしてください。