担任の先生と良い関係を築く

担任の先生との良い関係の築き方、相性が悪いときの対策

担任の先生といえど園の先生なら毎日のように接触しますが、小学校の先生のなら普段は接する機会も少なくなります。担任の先生との良い関係を築く方法担任の先生とのかかわり方のマナーについて解説していきます。親と子供と担任の先生の相性が悪いとき、良い関係を築いていくためには?

担任の先生との良い関係の築き方、相性が悪いときの対策

1年間お世話になる担任の先生と良い関係を築く方法

子どもが学校にいる間、たいへんお世話になる担任の先生。どの先生が担任になるかによって子供の1年が左右されると言っていいほど、実は担任の先生の存在は子どもにもそして親にも大きな影響を及ぼします。
特に、子どもが幼いときほど、担任の先生が子どもと親に及ぼす影響力の大きさは計り知れないものがあると言えるでしょう。

小学校と幼稚園では規律もだいぶ違い舞うので、小学校に入学したばかりの子供を見る担任側も何かと大変なことも…。担任の先生に負担をかけすぎず良好な関係を保つために何が出来るでしょうか?

園児や児童の学校生活も左右する?担任の先生とは程よい距離感を保って

担任の先生と良好な関係の小学生

例えば幼稚園や保育園に通う幼児の場合。年齢が大きくなるにつれ、子ども同士のつながりも生まれてきます。ですが、まだ上手に関わることができないため、問題が発生するとすぐに先生に頼りますし、先生も子どもたちを細かく観察しています。もちろん親も、子どもの話だけでは園内の様子や園における子どもの生活は分かりかねますので、こまめに先生にコンタクトを取り、子どもの生活や問題点・優れた点についての客観的な意見を求めます。

また、小学校に入学してからは幼稚園や保育園のころと比べて子どもも精神的に大きく成長していき、子どもが大人に頼る割合も減ってはいきますが、それでも1~3年生のうちはまだ充分に子ども同士の問題を子どもの力だけで解決することができません。やはり最終的には担任の先生の力を借りて問題解決やクラスの運営を行って行くものです。

小学校でも高学年になるとクラブ活動などが始まりますが、まだ1週間か2週間に1度くらいの活動ですので、やはり子どもの生活において大きな位置を占めるというほどではありません。子どもの学校生活のメイン舞台はやはり『教室』ですので、教室内でいつも見守っていてくれる担任の先生が、子どもと親にとって大切な存在であることは言うまでもないことなのです。

もちろん、親子ともに担任の先生との良い関係が築くことができるなら、その1年間も実りの多い、有意義なものとなる可能性が高まります。
親としては具体的にどのようなことに留意して担任の先生との良い関係を築いていくと良いでしょうか?

連絡帳を使ってこまめにコンタクトを取ろう

保護者から意見のあった連絡帳に返信を書く女性

学校生活や幼稚園・保育園での生活において、気になることがあれば何でも担任の先生に尋ねることが大切です。とは言っても、担任の先生は30人近くの子どもを担当しているわけですので、すべての親が毎日「うちの子は、どのような生活をしていますか?今日はどんなことをして遊びましたか?お友だちとは楽しく関われているでしょうか?勉強はちゃんと理解しているでしょうか?」と担任の先生に尋ねるなら、先生は忙しすぎて、子どもたちに関わる時間や資料を作成する時間がなくなってしまいます。

もちろん親が毎日学校に出かけて、「今日はうちの子はどうでしたか?」と尋ねるわけにもいきません。保育園や幼稚園などのお迎えが必要なときは、その際に担任の先生に子どもの様子や問題点などを尋ねることができますが、他の親も見ている中で、毎日、「うちの子は・・・?」と尋ねるのは、ちょっと世間一般では常識的とは言い難いかもしれません。

そんなときに頼りになるのが『連絡帳』です。幼稚園や保育園、小学校低学年の頃は親と先生が共同で使える『連絡帳』が用意されていることが多くあります。もし子供の通う園や学校で連絡帳を取り入れているのなら、連絡帳を使って必要なやり取りをしてください

連絡帳がない場合には通園の記録を示すノートの後ろの方に、『連絡事項』などのフリーで書きこめるスペースが用意されています。小学校低学年のころの連絡帳は、子供自身が明日の持ち物などをメモするためにも使いますが、担任や親が連絡事項を書きこむこともできます。

幼稚園でも小学校でも『連絡帳』は担任の先生が毎日確認するものですので、わざわざ「先生に見せてね!」と子どもに念押ししなくても、自然に先生の目に留まるでしょう。

緊急の用事があるときは電話もOK!

話し中の職員室の電話

連絡帳などで済む連絡事項以外で、どうしてもすぐに担任の先生と話したい内容があるとき、担任の先生の意見を聞きたいときは、学校や幼稚園に電話をかけるのも良いでしょう。

とは言っても、園や学校へ連絡の電話が入る時間帯であろう登園前・通学前や登園時間中に、子どもに関する相談電話をかけるのは好ましくありません。あくまでも、登園前・通学前の忙しい時間帯の電話は、発熱等の理由で学校を休ませる場合や病院に行くことになった等の理由で遅刻させる場合などに限られています。

相談ごとがあり電話をかけるのであれば、子どもたちがみな学校から帰ったと思われる時間を選び「お忙しい時間に申し訳ありません」と一言伝えてから、子どもの様子や子どもについての相談事を話すようにしましょう。

どんな用事が緊急?

いつも子どもが傷だらけで家に帰ってくる、もしくはいつも子どもが黙りこんでしまって学校や学校のお友だちの話を一切しない・・・このような状況は連絡帳ではなく、対話で相談をすべき緊急事態と考えられます。こまめに親が学校や幼稚園に通って先生と相談したり、電話や経過観察であれば連絡帳を毎日使って子供の安全を確認する必要があります。

相談はできれば1ヶ月~1学期に1回くらいのペースが理想的

ですが、特に大きな問題とは考えられないとき、例えば、「子どもが学校のことをあまり家で話さない」「子どものテストの点数が悪くて心配」「足にすり傷ができていた」等の状況では、特に詳しい担任の先生の解説は要らないと考えられます。

もちろん、あまりに違和感を感じるとき、気になるときは遠慮せずに担任の先生や教科担当の先生に尋ねてみたほうが良いでしょうが、緊急の事態と考えられない限りの相談事項は、1ヶ月~1学期に1回くらい、電話や連絡帳で相談してみるのが理想的なペースだと言えるでしょう。

また、特に急ぎでもなければ家庭訪問や面談の機会を利用するのも良識的です。

先生の業務の忙しさを理解する

パソコンでテストを作っている学校の先生

学校の先生の業務は、日常的にやることが山積みであるといえます。
子どもたちが学校にいる間の管理教育だけではなく、学校や学年の教師との会議の合間を縫って子どもたちが学校を帰ってからもテストプリントをチェックしたり、必要な資料を作成など授業の準備をするだけで莫大な時間を取られています

ですから、連絡帳は毎日チェックしなくてはならないといっても、交換日記でもしているかのように毎日親がコメントを書くならば、先生の負担を増やすことになってしまうだけです

担任の先生は子供たちのプリント資料やテストを管理するだけでも、多大な時間がかかっていることを忘れずに!

気になることがなくても挨拶や感想を伝える

とは言っても、気になることがないからと全く連絡帳や電話を使って担任の先生とコンタクトを取らないのも良くありません。親が子どもに関心を持っていないのかと気になったり、親が連絡帳をチェックしていないのかといぶかることも。

特に気になることがない場合でも、1学期に1回程度は、「いつもお世話になっています。今回の運動会のダンスは家でも練習をしましたので、とても楽しみにしていました。子どもも満足する踊りができたようです」などと学校生活における感想を書いてみると、担任側も家庭での子供の様子がうかがい知れて安心するかも知れませんね

担任の先生にこれをしてはNG!

小学校の担任ともなると、幼稚園や保育園の担任とは違い、1人で請け負う児童数は圧倒的に多いため、担任の先生と良い関係を築くためには、基本は連絡帳等を使用して、適度な距離感を持って変にじゃまにならない程度のコンタクトを保つことが理想です。

距離感をわきまえない過度なコンタクトは、担任の先生の負担は増える一方で業務にも支障が及んでしまいかねませんし、だからといってやってはいけないこともあります。
担任の先生と良い関係を築くために、してはいけないこととは何でしょうか?

クラスで起こったことを他の教師に尋ねるのは失礼

息子の担任の先生に相談する女性

例えば、子どものクラブ活動中に事故やけが、他の生徒と関わる問題が起こった場合、クラブ活動の責任者である担当教師に電話をかけたり、直接会ったりして質問しますよね?同じように、クラス内で起こったことや学校生活全体に関わる問題の場合は、まずは担任の先生に相談するべき。

問題が起こったときに、「去年の担任の方が話しやすいから、去年の担任に話を聞いてもらおう!」「担任の先生は頼りないから、学年主任や教頭先生に相談しよう!」というような行動を親が起こすなら、学校より担任を任された教師は深く傷ついてしまいます

ですが、担任の先生と話し合っても何も解決しない場合や、担任の先生が明らかに解決しようとしてくれない場合、必要に応じてこちらの主張に耳を傾けない場合など対応に問題がある場合は別です。
担任の先生に「他の先生も交えて話をしたいのですが」と頼みを入れた上で、担任の先生が承諾してくれない場合は、直接、学年主任や教頭先生のところに出向いて、「担任の先生が問題解決のために動いてくれないので、お願いに上がりました」と行った流れに持っていきましょう。

クラスで起こったことに対する相談なら最初に問題を持ちかけるところは必ず担任の先生であること。担任が状況を把握してから、他の教師に問題を持ちかけるのはOKですので、どんなことでもクラス内や学校生活全般の問題は『担任の先生』を通して話し合うようにしましょう。

親しみと馴れ馴れしさと混同が学級崩壊につながる?!

仕事終わりに娘の担任の先生と会い話す女性

担任の先生に親しみを持って、何でも相談したり、話しかけたりすることは良いことです。ですが、馴れ馴れしい態度を示すことは、いくら相手が自分より年下であっても良いこととは言えません。

先生という仕事は、子どもが尊敬して初めて成り立つとも言えます。馴れ馴れしい態度を取ると、それは先生を軽んずる態度に変化していきますし、親が先生を軽んずるようになると、子どもも先生の言うことを聞かないようになり、常に反抗的な行動を取るようになっていきます

学級の健全を保っていくためにも、親の担任教諭に対する態度はいつでも礼節をわきまえフラットであるべきです。

自分の子どもだけに特別扱いを要求してはいけない

なんでも1番がいい男の子

学校での子どもの生活と学習を管理担当するのが、担任の教師の役割です。ですが、受け持つ子どもは約30人ほどいますので、担任の教師は激務となります。
学校によっては副担任がつくこともありますが、通常一人一人の子どもの様子を把握して子どもに合った指導を考えていくのはやはり担任の先生の役割ですので、副担任がいるからといって担任の教師の仕事が激減することにはなりません。

そのような状況下で、「うちの子は、クラスでも勉強が苦手なほうなのだから、みんなと同じ程度に勉強ができるように特別に指導してほしい」「うちの子は内気で友だちを作ることができないから、先生がなるべくそばについて、子どもが寂しく過ごすことがないように気をつけてほしい」などと、自分の子どもだけを特別扱いするように要求するのは間違ったことと言えるでしょう。

仮に、自分の子ども以外の他の子どもが、担任の先生から特別な扱いを受けているならばどうでしょうか?「あの先生はえこひいきをする」「あの先生は、うちの子をちゃんと見てくれない」と不満を感じるのではないでしょうか?
協調性が求められる集団生活の場で、著しく他の親や子どもたちに不満や反感を買うことにもなりかねない行いは慎むようにしましょう。

プライベートな付き合いを要求してはいけない

「折り入って、ご相談したいことがありますので、学校以外で会うことはできませんか?」「子どものピアノの発表会がありますので、来ていただくわけにはいけませんか?」等、学校以外での付き合いを担任に要求するのもNGです。

あくまでも担任の先生は、子どもが学校生活を送る上で頼っていく人となります。学校を離れての付き合いを行うようになると、どうしても他の子どもと比べて不公平な状況を生みだすようになってしまいますし、担任の先生も困らせてしまいます。たとえ善意で食事やおもてなしを提供するのだとしても好ましくないことなのです。

担任の先生と良い関係を築くために家でできること

担任の先生と良い関係を築くために、家庭でもできることがいくつかあります。

先生への感謝と尊敬を表現する

太陽に手をかざす親子

「いつも先生がしっかり○○ちゃんを見ていてくれるから、お母さんはとっても安心していられるよ」「先生がそうおっしゃったの?ステキねえ」等、家庭で親が先生に対する感謝と尊敬を表現しているなら、子どもも先生に感謝を持って接するようになりますので、自然と担任の先生との良い関係を築くことにつながります。

先生への不満や悪口を言わないこと

先生に不満がある場合でも、家の中で先生の名前を呼び捨てにしたり、尊敬語を使わないで先生の話をしたりするならば、子どもは先生に対する敬意を持つことが難しくなります。
どんなに良くない先生だとしても、子供の前で悪口を言っていいわけではありませんね。

前々から何か不満に思うことがあったとしても、「また、あの先生がそんなこと言ったの?ほんと頼りにならない人よね」などと先生の悪口を子どもに聞かせるなどは、子供と担任の先生との関係も打ち壊すことにつながります。

親は先生の方針に不満や疑問を抱いたとしても、子どもの前ではそのような不満や悪口を言うことがないように気をつけ、相談ごとなどは電話やアポイントメントを入れた上で行うようにしましょう。

相性がどうしても良くない・・・そんなときは

どんなに良い方向に考えても担任の先生の方針が納得できなかったり、話をしても共感を持つことができなかったりすることもありますよね。
世の中には自分の考えと合わない人はたくさんいます。ほとんどの人は他の人の考えはどこかが間違っていると考えたなら、自分の考えが正しいことを認められたい衝動にかられてしまいますが、何度も言うように、子どもの前で先生の悪口を言ったり、先生への不満を言ったりすることは止めましょう。

ですが、言いたいことを伝えないまま我慢するような姿勢も望ましいとはいえません。
相性が合わない、納得がいかないなどがある場合にも、担任の先生を理論で言い負かすことを考えるのではなく、担任の先生である相手の立場に立ち子どもを成長させることを第一義として、折り合いをつける点を見出す姿勢で相談しましょう。

気の合わない人とでも仲良くやっていくスキルは、子供の人生にとっても必要となると考えられることですので、親が率先して子どもに示していけたなら良いですね。