反抗期の中学生と親の接し方

反抗期の中学生と親子の絆を保つための男子女子の接し方

反抗期は、中学生の時期に本格化すると言われています。小学生の「中間反抗期」よりも、さらに親との距離をとり、友人関係を重視するようになります。目が届かないところが多くなってきて、さらに小言が増えそうですが心がけ次第でうまく乗り切れます。その心がけをご紹介します。

反抗期の中学生と親子の絆を保つための男子女子の接し方

とにもかくにも不満がいっぱい?反抗期の中学生への接し方

中学生は、小学生とは異なり心も体もさらに成長する時期です。さらに友人関係も複雑化し勉強も難しくなっていきます。環境の変化が目まぐるしいだけに、とにかく不安がいっぱいで、ストレスを抱えているのが中学生です。
その不安やストレスから、いつもイライラしていて、何に、というわけではなく、全てに対して不満ばかり言っているように見えるのです。

小学生の反抗期が、ますますレベルアップしていると感じられる方も多いのではないでしょうか。反抗期の中学生への接し方について詳しくご紹介します。

中学生とはこんな時期

勉強に全力を注ぐ反抗期の中学生

第二次性徴が始まるいわゆる思春期です。身体が、女性的、男性的に変化してくるため、性別を受け入れるとともに、大人になっていくのだという自覚が芽生えていく時期です。大人になりたい気持ちを持ちつつも、将来への漠然とした不安にかられています。そのため精神的にも不安定になる子供が増える時期です。

「楽しい」がメインだった小学校生活とのギャップに悩むことも

中学生になると、小学生のときの人間関係から、新しい人間関係を作らなくてはならない環境になります。また、小学生のときには、あまりなかった先輩後輩関係も顕著になってきます。

それに加えて、勉強もぐっと難しくなり高校入試へ向けて勉強しなければならない、という重圧も感じ始めます。子供にとって楽しかった小学校生活とのギャップがかなりあるため、悩みやストレスが生まれてきます。

親よりも友達優先になっていきます

思春期は親から自立したいと強く思うようになり、親ではなく友人を大切にするようになります。しかし、自立することへは不安を感じるため、友人と一緒に行動することで安心感を得ようとする子供も多いですね。

ですが、友人関係も複雑化し本音を離さなくなったり、派閥を作ったりするようになります。
思春期には認められたい、という欲求が強まる時期ですが女子は特に友人から、男子は特に異性から認められたいと思っています。そのため弱い立場の子を攻撃することで強さを見せようとする子もいます。
人間関係のトラブルから不登校などになることが多いのも、この時期です。

反抗期をうまく乗り切る心構え・親ができることは?

先生の授業を必死に聞く女子中学生

反抗期は必ず終わりがきますが、それまでどのようにイライラしている反抗期のわが子に接するといいのでしょうか?反抗期は親からの自立の時期です。親としては不安なことが多々あるかもしれませんが上手く乗り切るための心構えを6つご紹介します。

1.適切な距離をとる

親から自立しようと、友人関係を大切にしたり、自分の部屋に閉じこもったり、親と距離を置き始めるので親もこの距離を保ちつつ口出しすることを減らしましょう
小学生まで、ついいろいろ手を貸してやってきた身の回りのこと、勉強のことなどもある程度自分で決めさせてやらせてみましょう。反抗してくるかもしれませんが自立には自分で考えて行動することが必要です。

やるべきことをやらなかった場合、やらせようとガミガミ叱るのではなく、やらないで困るのは、子供なのだから、と強い気持ちで見守ってあげることが重要です。

どうしても伝えたいことは子供が落ち着いたタイミングで話しましょう。好きなことをやっているなど、リラックスしているときがおすすめです。

2.一貫した態度をとる

どんなに反抗して口答えされても、感情的になったりせず一貫した態度で接しましょう。無視されても動じず、いつもと同じ態度で接することで子供が心を開きやすくなります。一貫した態度と言っても、いつも口答えに対してイライラした口調で怒鳴る、ということではありません。
どんなに口答えをされ無視されようと穏やかな態度と口調で接することです。このとき、子供のことをいつも気にかけ、見守っているよという気持ちから接することがポイントです。

子供のどんな態度にも平然とした態度でいるということは、難しいと思います。ですが、口答えにその都度イライラしていては親自身も辛くなってしまうだけです。中学生の反抗期はこんなもの、と割り切って心がけてみてください。

口答えや無視だけだといいのですが、どうしても注意しなくてはならない場面もあると思います。このときも、感情的に叱るのではなく一貫した態度で叱ることが重要です。
感情的に叱るということは一定の基準に基づいておらず、その都度言っていることが変わってしまう傾向が高くなります。これでは言われた子供は混乱し、より反発したくなります。

子供の行動においてもここまではいいが、ここからは叱るなど基準を設けておくといいでしょう。それも、父親、母親の基準が共通であることが望ましいです。
日常的には、母親が叱り役かもしれませんが、ここぞ、というときは、父親の出番になるでしょう。

3.子供を信頼する

頬づえを付き考え事をする男子中学生

中学生になり、ある程度自分でできるようになったかのように見えますが、まだまだ危なっかしい面が多くあります。親としてはどうしても口をはさみたくなりますよね。
よく聞くのが「○○ちゃんは不良っぽいから付き合うのをやめなさい」など友人関係に口を出してしまい反発されるということです。これは親の価値観を押し付けていることになります。

親から自立しようとしているこの時期は、周りの人との関係から新たな自分の価値観を作り出していく時期なので押し付けられることをとても嫌います
子供を信頼してみてください。
子供の様子はいつも見守り「あなたのことを信頼しているよ」と伝え小さな異変に気づけるようにしましょう。そして異変を見つけたときは、そっと手を差し伸べましょう。

4.干渉しすぎる

この時期は親から自立したいと思っているためあえて距離をとるようになります。それなのに、子供の行動を一部始終知ろうとする行動は子供にとって不愉快なことです。また信頼されていないとも感じるでしょう。
「どうせ、信頼されていないなら、何をやったっていい」そんな気持ちにもなりかねません。干渉し過ぎると子供は息苦しくなりより反発します。

ここで、間違えないでほしいのは、干渉をやめることが放置することと同じではない、ということです。干渉しないで、見守るようにしましょう。

5.親の価値観を押し付ける

親からの距離をとり、友人関係などを重点に置くようになると周りの環境が大きく変化します。小学生までの価値観は親の価値観によって出来上がってきましたが、中学生から価値観は友人、教師など周りの人の価値観が融合して子供なりの価値観ができる時期です。

小学生までと同じように親の価値観だけで、物事を判断すると、反発が激しくなります。子供なりの価値観にも耳を傾けてみましょう。意外となるほど、と思うことがあります。

6.世間体ばかり気にする

中学生は、異性を意識し始める時期なので服装など容姿に気を使うようになります。特に女の子は親から見て派手なのではないか、と思う服装をすることもあるでしょう。

そんなとき「何その格好。そんな格好で家を出られたら近所の人がなんて思われるか考えたことあるの!」と言いたくなりますよね。ですが子供にとっては「それが何?私より世間体の方が大事なのね!」と、より反発を強めます。
子供にしてほしくないことなどは世間体ではなく子供のことを考えて発言したいものです。

中学生の男子の特徴と対処法

親より友達を優先する男子中学生

中学生の男子は女の子を異性として意識し始め、性的な興味が大きくなります。これはちょうど性ホルモンの分泌が活発になる時期だからです。
この時期には当たり前のことなので拒絶反応をしたり頭ごなしに叱ったりするのではなくパパに相談するようにしましょう。

中学生の女子の特徴と対処法

中学の女子は男子よりも友人関係を意識します。また人間関係では好きか嫌いなど感情的に態度を変えることが多くなります。例えば嫌いな人には無視をするが、好きな人には必要以上に話しかけ親しげにします。これは友人や異性だけでなく教師に対する接し方でも同様です。

そのため人間関係のトラブルが何かと多くなる時期でもあります。
ケンカをして仲間はずれにされるということもあるため悩みがつきずストレスを抱えています。ですので、そのことを根掘り葉掘り聞いて「あなたが悪いんでしょ」など子供たちを裁くような発言をするのはやめましょう。
もし子供が話をしてきたらしっかり聞いてあげてください。母親は同じ女性なので分かると思いますが、アドバイスより共感を求めています

また友人と自分を比較して容姿にコンプレックスを持つケースも多いです。
「最近、太ってきたから、おやつやめたほうがいいんじゃない?」など何気なく言った言葉で深く傷つくことがあります。そして拒食症、過食症に陥ることもあります。容姿に関する発言には極力しないようにしましょうね。

思春期と第二次反抗期の関連は?

小学生から中学生に進学した子供

第二次性徴の始まりが、思春期の始まりです。そこから、性機能ができあがるまでのことを思春期と呼びます。性ホルモンにより体の変化がありその後、心の変化が出てきます。この頃から体と心のバランスが崩れていきます。また親から自立したいという気持ちが強くなります。そして口答えや反抗的な態度をとるようになります。これが第二次反抗期です。

ですので、思春期と第二次反抗期はとても密接に関連しあっています。その時期もほぼ重なっていると考えていいでしょう。

思春期はいつからいつまで?

思春期は男子より女子のほうが早く始まります。始まるのは、個人差がありますが、男子は小学校の高学年前後(11歳くらい)、女子は小学校の中学年前後(10歳くらい)から始まると言われています。

ちょうど、体の変化がある時期で、男子は声変わりをしたり、女子は丸みをおびた女性らしい体つきになっていったりします。そのあと性機能ができあがる17~18歳になるころが、ちょうど思春期の終わる時期です。

思春期はどんな心の変化がある?

思春期は体だけでなく、心も成長し体つきが変化するとともに、異性や性的なものに興味を持つようになります。また周りにも目が向くようになり自分と友人を比べたり周りの目を意識したりし始めます。

そして「自分とは何者なのだろうか」「自分らしさとは何だろうか」など、自分について探求を始めます。小学生までは親の価値観に沿ってきた子供たちが一人の人間として、自分の価値観を模索する時期です。

第二次反抗期は高校生まで続く

中学を卒業して反抗期が少し弱くなった中学生

個人差がありますが高校生まで続くと言われています。ですが、激しい口答えなど典型的な反抗期、というのは13~14歳頃です。こういう態度がなくなったら終わり、ということがありません。
ですので、いつ終わったのかわかり難いでしょう。ですが体の成長が終わる頃、心のバランスも取れていくため反抗的な態度はほとんど見られなくなります。

チョットだけ心が成長を遂げるともやもやとした不満からの抜け道が見つかります

中学生の間に様々な経験を積むことにより自分の気持ちの動きを感じ、少しずつ言葉で表現できるようになっていきます。少しずつ自分の心をコントロールできるようになり、ここまでくると何に対してもイライラし不満だらけということはなくなります。

この時期は大人への成長に欠かせない時期です。親が抜け道を教えることはできません。子供を信じ大人になる過程をサポートしたいものです。