砂遊びは子供の成長に沢山のメリットがある!その理由は?
昔から親しまれている子供達の遊びに「砂遊び」があります。子供達にとっては洋服を砂だらけ・泥だらけにしながら思いっ切り遊ぶことができる楽しい遊びなのですが、お父さん・お母さん達の中にはちょっと複雑な気持ちを抱いてしまう人も少なくありません。
「砂ってバイ菌がたくさんいるんじゃないの?」「洋服が泥だらけになってくると、毎回ため息が出てしまう」という心配や落ち込みの声が多いのも事実です。
しかしながら、砂遊びは、子供の成長に大きなメリットのある遊びなのです!
そこで今回は【砂遊びのメリット】と【砂遊びをする時の注意点】などを中心にお伝えしていきます。
砂遊びはいつからできる?
子育てが初めてのお父さんやお母さんにとって、子供の成長に伴って子育ての悩みがどんどん増えてくるのは、ごく当たり前のことです。
「いつから砂場デビューして良いのかしら?」とふと思っても、気軽に子育ての悩みを相談できる人がいなかったり、周りに聞いても期待する答えが返って来ないことも考えられます。さて、いつから砂場遊びをさせられるのでしょうか?
最低でも、安定したお座りができるようになってから
お兄ちゃんやお姉ちゃんがいると、どうしても上の子のペースに合わせて動くことが増えるため、公園デビューも自然と早くなります。しかし、さすがに、ねんね期の赤ちゃんを砂場に寝転がらせておくわけにはいきません。例え家ではお座りができていても、始めの頃はまだまだ身体は不安定です。
砂場でコロンと倒れた拍子に、耳や目に砂が入ってしまう危険性があるので、お座りが完璧に完成していないと砂遊びはオススメできません。
0歳と4歳の現役ママの筆者の場合。7か月では早すぎた!
筆者には、0歳の娘と4歳の息子がいます。やんちゃ盛りの4歳のお兄ちゃんに振り回されながら、日々を過ごしておりますので、下の子の発達もやや早めの印象を受けます。
そこで公園に連れていった時に、すっかりおすわりが上手になった0歳7か月の娘を砂場の上に座らせてみました。砂のジャリジャリとした質感に最初は戸惑っていたのですが、慣れてくると徐々に手づかみをして遊ぶようになりました。しかしながら、まだ時期は早かった!
生後7か月の時期は手づかみ食べが盛んな時期なので、赤ちゃんは手でつかみ口に入れて、さまざまな物を覚えていくのです。もちろん、口いっぱいに砂をほお張った娘は、大泣きです。
あくまでも筆者の娘の体験談ではありますが、おすわりだけでなく、子供の判断力を考えても、1歳前の砂場はやめておくことをオススメします。
やっぱり1歳~1歳半がベストな時期
砂遊びデビューとしては、自分で歩くことができるのが1つの目安となります。子供は成長と共に目線が変わっていき、それに伴って興味を持つ物にも変化が出てきます。
ねんねやハイハイの時期は目の前にあるものに、興味が集中化されますが、自分の足で歩けるようになると目の前の物だけではなく、少し先の方にも興味の範囲が広がってくるのです。
ですから、歩き始めると砂を掴んで口の中に入れるというよりも、砂を踏みしめる感覚が楽しくなってくるため、子供の砂場の楽しみ方も変わってきます。砂場遊びデビューのタイミングとしてはオススメです。
砂遊びのメリットとは?
砂遊びをすると、100%と言ってよいほど洋服や靴が汚れます。新しく買った洋服が土まみれになったり、靴の中からザザーッと大量の砂が出きた経験がある方も多いのではないでしょうか。
子供が楽しんでいる姿は嬉しいが、洗濯や掃除の手間が増えるのはあまり良い気持ちにならないという親御さんも多いでしょう。
しかしながら、砂遊びには「子供の心身の成長に大きなメリットを与える」という効果があるのです。確かに洗濯や掃除の手間は増えるかもしれませんが、砂遊びのメリットを知れば、そうしたマイナスの気持ちも和らぐはず。砂遊びのメリットを一緒に確認していきましょう。
メリット1.五感を刺激して、手先を器用にする
砂は、遊び方次第でさまざまな触感を楽しむことができる、遊びアイテムです。そのまま触れば、ジャリジャリ&サラサラとした砂が手の指の間をすり抜けていきます。
少し水を加えると、ねちょねちょしてきて丸めたり、カタチを作れるようになります。たくさん水を加えると、スムージー状のドロドロ感を楽しむことができるようになるのです。大人からしてみればただの砂でも、子供達は遊び方に工夫をしながらさまざまな触感を楽しんでいるのです。
また、子供が砂遊びをする様子をじっと見ていると、かなり手先を動かしていることに気が付きます。砂をギュッと握る・指先で砂をかき回す・砂を掘る・砂と水をかき混ぜる・砂を手で固めつつ大きな山を作り上げるなど、子供は砂遊びを通じて色々な手の動きをしています。
遊びを通じて、手先が器用になるのはもちろん、手先を動かすことは脳の発達への好影響も期待できます。
メリット2.想像力が伸びる!ごっこ遊びが得意になる
最初はただ砂を触るだけで楽しんでいた子供達も、だんだんと遊び方を覚えてくると、普段自分が食べているものや使っているものを砂で再現するようになります。
例えば、砂だんごを作っておままごと遊びを始めたり、お菓子やアクセサリーを作ってお店屋さんごっこを始める子もいます。砂がおだんごやアクセサリーに変身するのは、子供の想像力の賜物です。
筆者の4歳の息子も、3歳の頃には、砂そのものの感触を楽しむことだけに一生懸命になっていたようですが、4歳になると砂や泥を使って「ごっこ遊び」をすることも多くなってきました。
息子の遊び方を見ていると、筆者が料理をする時のしぐさをそのまま真似ていることも多々あり、その観察力に驚かされます!
メリット3.状況に応じて自分の行動を考えることができる
砂遊びをすることによって、予期せぬことが起きた時の自分の行動を見直すことができます。例えば、砂遊びの際にスコップを振り回して目に砂が入ってしまったという経験をすると、痛い思いをした経験から、スコップを振り回すことは止めるようになります。
また、砂に入れる水の量を調節することによって、泥の硬さが変わるということを覚えるようにもなります。「泥だんごを作りたいから、お水はこれくらいにしようかな」と加減ができるようになるというわけです。
メリット4.バランス感覚が身に付き、体幹が鍛えられる
砂場はフローリングや畳、道路と比べても、非常に不安定です。足で踏みしめる場所によって、着地する時の重心の置き方も変わってきますので、砂場で転ばないようにするだけで自然と体幹が鍛えられます。砂場遊びを通して、自然とバランス感覚が身に付いていくのです。
メリット5.お友達とよい関係が築ける
砂場遊びを通して、お友達との良い関係を築くことができます。砂場では、スコップやバケツの貸し借りをすることによって「これ貸して」「いいよ」という会話や意思の疎通、一緒にお城を作るなどの目標に対してそれぞれが自分のできることをしていくなどの役割分担も見られます(注1)。
1人遊びも大切ですが、砂場という空間でお友達と協力したり、物の貸し借りをすることによって、協調性や社会性を身に付けられるのです。
内気な子はお友達の輪の中に入るまで、少し時間がかかるかもしれませんが、そのような時はお父さんやお母さんも一緒に砂場遊びをしながら、打ち解けやすい環境を作ってあげてみてください。
砂遊びで免疫力がアップするって本当?砂場は汚い?
砂場は決して清潔なところではありませんから、目には見えない雑菌やバイ菌が何百と存在しています。
私達の身体の中には雑菌やバイ菌が入り込んだ時に、害のない菌かどうかを見分けて1番良い攻撃方法を探して記憶するという免疫機能があります。全く菌のないところで過ごすよりも、ある程度菌があるところで過ごす方が、免疫力がアップするのは事実です。
しかし、やや古いデータではありますが、1989年の兵家県内の児童公園のうち約22%に犬や猫の回虫卵(寄生虫)が検出されるなど(注2)、砂場にいるのは雑菌だけではありません。砂をいじった手で口を触るなどすると、感染し、症状が出る可能性もあります。砂遊びのあとは、必ず手洗い・うがいをしましょう。
子供を砂場で遊ばせる時の注意点
子供を砂場で遊ばせる時には、いくつかの注意点があります。安全に楽しく遊ぶためにも、きちんと確認していきましょう。
注意点1.親が「~しちゃダメ!」と子供に言い過ぎない
砂場は雑菌やバイ菌がたくさん存在していますし、洋服が汚れてしまうのが嫌だと感じるお父さん・お母さんは「それやっちゃダメ!」と言いがちですが、あまりはオススメできません。もちろん危険なことをしたら叱るべきですが、子供の遊びに逐一注意していては、子供が親の顔色を伺って遊ぶようになってしまいます。
気持ちは分かりますが、親が「~しちゃダメ!」と子供に言い過ぎないことが大切です。
注意点2.子供が服を汚したことを怒らない
砂場で子供を遊ばせる以上は、洋服や靴が汚れてしまうのを避けられます。子供達も夢中になって遊んでいますし、悪気があって汚すわけではないので、怒らないようにして下さい。
洋服が汚れることを気にしては、思いっきり遊ぶことができません。
注意点3.砂にタバコやゴミ、ガラスが混ざっていることも!目を離さない
砂の中にタバコやビニールゴミ、ガラスの破片などが混ざっていて、子供が誤飲してしまう事故も起きています。
ですから、大人がきちんと遊んでいる様子を見てあげた上で、楽しく砂場遊びをさせるようにしましょう。
注意点4.砂遊び後は石鹸で十分に手洗いする
砂遊びの後は、石鹸で十分に手洗いをしましょう。繰り返しになりますが、砂の中にはさまざまな雑菌・バイ菌・寄生虫がいるので、砂を触った手で食べてしまうとお腹を壊したり、感染症にかかってしまう危険性があります。
子供の砂遊びをもっと楽しくするアイテム5選
お金をかけずに、砂遊びをもっと楽しくするアイテムがあるので、ご紹介します!
空のペットボトル
筆者の4歳の息子は、砂遊びをする時にペットボトルが欠かせません。砂をひたすら入れてペットボトルの中を砂でいっぱいにしたり、水を入れて砂にじゃーっとかけたりと、色々な使い方を楽しんでいます。少量の砂をペットボトル内に入れてキャップを閉めて、まるでマラカスのように楽しんでいる姿も見られます。
2.スコップ
砂場遊びの中でも人気なのが、砂を掘る作業です。何か宝物が出てくるわけではないのですが、子供達はスコップを砂場の中に入れる時のザクッザクッという感覚が大好きです。
スコップはお友達同士で貸し借りをすることもできるアイテムなので、オススメです。
3.バケツ
お水を溜める・砂を入れてひっくり返して砂の塊を作る・砂をどこかに運ぶなど、バケツも砂場で大活躍します。サイズの違うバケツを使って、大きさの違う砂の塊を作り、段のあるウェディングケーキを作っているお友達もいます。バケツの遊び方は、無限大です。
4.ゼリーやプリン、ヨーグルトなどの空きカップ
ゼリーやプリン、ヨーグルトなどの空きカップも、砂場では大活躍します。空きカップに砂を入れて、ケーキ屋さんやスーパーごっこを楽しむ子供達も多く、子供達も握りやすいサイズだからこそ大人気のアイテムです。
5.牛乳パック
牛乳パックはバケツ代わりにもなりますが、パックにぎゅうぎゅうに砂を入れて、型を取り四角いケーキを作る遊び方も人気です。スコップのようなカタチに切って、砂を掘ったりお水を砂の中に入れたりなど、牛乳パックは、意外と丈夫です。
砂場遊び専用グッズを購入しなくても、ごく身近にあるもので砂場遊びがもっと楽しくなります。ぜひ、ゴミ箱に捨てずにキレイに洗って取っておきましょう。
砂遊びには学びや気付きがたくさん!
砂場遊びは子供の心身の成長に、大きなメリットがあります。砂場遊びを通して「これはできるかな?」「まるで○○みたいだ!」と子供達のイマジネーションを高めてあげましょう!
確かに洋服や靴が汚れてしまったり、あまり清潔ではないというデメリットもありますが、砂場遊びにはそれ以上のメリットがあります。きちんと注意点を守りながら楽しみましょう。