昔の遊びを子供に教えたい
昔の遊びと言うと何を連想しますか?若い世代の親が子供のときは、今も発売されているような人形がありましたし、着せ替え人形も今とあまり遜色ない綺麗なドレスがたくさんあったでしょう。その反面、今よりも駄菓子屋の数も多かったのでメンコやコマ、ゴムを使ったY字のパチンコ、すごろくなどでも遊んだ思い出があるのではないでしょうか?
もう少し上の世代になると紐でコマを回せる人がいたり、男の子の間で人気だったベーゴマをたくさん持っている人もいて、楽しい遊びをたくさん知っています。
小さなころ、楽しい遊びを教えてくれていたのは近所のお兄ちゃんやお姉ちゃんでしたが、少子化に伴い、近所で年齢の違う子たちと遊ぶ機会が少なくなった今は口承(口頭伝承)の形で受け継がれていた歌や遊びは、なかなか次の世代に受け継がれにくくなっています。
体を動かして遊ぼう!
家庭用ゲーム機が登場したころの子供たちは、家の中でゲームをするのと同じくらい、体を動かす遊びも楽しんだものです。今の子供たちにも昔の遊びの魅力は通用するのでしょうか?子供に伝えたい体を動かす遊びを紹介していきます。
鬼ごっこ
足が遅い子はよく鬼に狙われるので、ずっと走り続けることもありましたが、正義感にあふれた足の速い男の子がおとりになり足の遅い子を逃がしてくれることや、足の遅い子を捕まえずに、同じくらい足の速い子にタッチするなど、子供なりの鬼ごっこの美学もあったもの。
鬼ごっこで遊んでいるうちに「あの子は優しい」「あの子は少しずるい」など、一緒に遊ぶ子供の性格が見えてくる良さがあったのです。
鬼ごっこのやり方
- じゃんけんをします。
- じゃんけんで負けた人が鬼となり、じゃんけんに勝った人が子になります。
- 鬼は声を出しながら1から10まで数えます。
- 鬼が10数える間に子は鬼から逃げます。
- 10数え終わったら鬼は子を捕まえに行きます。
- 鬼は逃げる子をタッチすると捕まえたことになります。
- 捕まえられた子が鬼になります。
色鬼(いろおに)
鬼になった人が色を指定したら、すぐに鬼が指定した色を探すのがコツ。色にタッチしている間は鬼から捕まえられることはありませんが「連続してタッチしていられるのは10秒まで」というルールがあったりと、スリルを楽しみながら遊ぶことができます。
「自分の服や持ち物にはタッチできない」というルールもあり、指定された色が自分の服や持ち物に含まれている場合でも不公平になりません。ズルがないようにみんなで工夫してルールを改正したり、声を掛け合っていくのも楽しい遊びのうちです。
色鬼の遊び方
- じゃんけんをします。
- じゃんけんで負けた人が鬼となり、じゃんけんに勝った人が子になります。
- 子は鬼に色は何色?と聞きます。
- 鬼は「あか」などと大きな声で色を指定して、1から10まで数えます。
- カウントが終わったら鬼は子を追いかけます。
- 子が指定した色に触っている間は、捕まえることができません。
- 鬼が指定した色に触れていない子にタッチします。
- タッチされた子が鬼になり、大きな声で新たな色をします。
氷鬼(こおりおに)
みんなで協力しあって全滅を防がなければならないので、仲間同士のチームワークが深まる鬼ごっこです。鬼は必ず一人と言うルールはなく、じゃんけんだけでなく話し合って決めることもできます。
鬼の負担が大きい鬼ごっこなので数分おきに鬼が交代するルールを決めるなど、遊ぶうちに思いやりも身に付きます。
氷鬼の遊び方
じゃんけんなどで鬼と子を決めます。
鬼は声を出して数を数えます。
数え終わったら走って子を捕まえます。
子はつかまると凍ってしまいその場から動けなくなってしまいます。
凍っている子は凍っていない子にタッチされると氷が解けて復活できます。
全員を捕まえて凍らせれば鬼の勝ちとなり、ゲーム終了です。
影踏み鬼(かげふみおに)
お昼にやると影が短いので子が有利ですが、夕方になると影が伸びるので鬼が有利になるのも楽しい鬼ごっこです。建物などの影に入って自分の影を隠してしまえばセーフとなり、鬼は影を踏むことができません。大きな影の中にずっと隠れていては鬼ごっこにならないので、隠れてもいい秒数を決めておくなど、みんなが納得するルールをあらかじめ決めておきましょう。
影踏み鬼の遊び方
- じゃんけんで鬼を決めます。
- 大きな声で数をかぞえます。
- 鬼は逃げた子を追いかけ、影を踏みます
- 鬼は影を踏んだら「捕まえた!」と言います
- 同時に捕まえられた子は「捕まった!」と言います
- 鬼が変わったことを周りに宣言して影踏み鬼が続きます。
かくれんぼ
「もういいかい」「まあだだよ」というやりとりをしながら、鬼から身を隠す遊びです。子は鬼に見つかったら負けになり、全員見つかったら鬼の勝ちになり、おしまいです。
家の中でもやることができるので、天気を問わないのがいいところです。足の速さも関係ないうえ走らなくていいので疲れずに遊ぶことができます。鬼ごっこでは不利なことも多い体の小さな子も、かくれんぼでは有利になることもあるのが楽しいところです。
ゴムとび
ゴムとびは地域や校区によってさまざまな遊び方やルールがあります。一番上手に跳べる子が上手く跳べない子を手伝ってあげたり、コツを教えあったりする風習もあり、多くの女の子がゴムとびをして育ちました。
ゴムとびの遊び方
輪ゴムをつなげて長いゴムを作ります。
- じゃんけんをしてゴムを持つ係や跳ぶ順番を決めます。
- ゴムの端を2人で持つか、電柱などにひっかけて一人で持ちます。
- 順番が最初の人は女跳びや男跳び、ひっかけ跳びなど好きな跳び方でとびます。
- 次の人は前の人のマネをして同じ跳び方でゴムとびします。
- 引っかかったら、ゴムを持つ係を交代します。
- 全員が飛んだら高さや跳び方を変えてゴムとびをします。
はないちもんめ
「はないちもんめ」と言う遊びでは、相手チームになかなか「ほしい」といわれないと寂しくなってしまう子もいます。友達に好かれる努力をするきっかけになることもありますが、個人的な感情を入れずにゲームとして平和に遊ぶ工夫が必要です。
はないちもんめの遊び方
- 同じ人数どうしで、2組に分かれます。
- 先攻、後攻を決めるじゃんけんをします
- 横一列に並び、両隣の人と手をつなぎます。
- 先攻のチームは「勝って嬉しいはないちもんめ」と歌いながら、前に三歩歩き足を上げ、後ろに三歩下がり足を上げステップを踏みます。
- 後攻のチームは同じステップを踏みながら「負けて悔しいはないちもんめ」と歌います。
- 同じステップを踏み、歌いながら掛け合いをしていきます。
先攻)あの子が欲しい♪
後攻)あの子じゃわからん♪
先攻)相談しよう♪
後攻)そうしよう♪
- 先攻、後攻とも仲間同士で相談して、相手チームの中から一人を選びます。
- 「○○ちゃんが欲しい♪」と言われた人同士がじゃんけんをします。
- 負けた人が勝った人のチームに入ります。
- 最後に一人残った人が負けになります。
だるまさんがころんだ
鬼が目を隠して「だるまさんがころんだ」と言っている間は自由に動くことができるのですが、鬼が「だるまさんがころんだ」を言い終わって子の方を見ている間、子は動けません。動いてしまうと鬼に捕まってしまうというルールの遊びです。
鬼に捕まった子は、他の子がタッチすることで助けることができます。捕まっていない子は、鬼の「だるまさんがころんだ」を上手にかいくぐって捕まっている子を助けてあげましょう。
親子で作って遊ぼう!
昔は子供のおもちゃもたくさん手作りのものがありました。今はデザインがおしゃれになったり、素材を変えることで安全性が向上したおもちゃもたくさんありますが、手作りには手作りの良さがあります。昔を思い出して作ってみると楽しいでしょう。
かんぽっくり
丈夫な缶を2個用意しましょう。大きさは子供の足のサイズより少し小さいくらいの直径があれば大丈夫です。缶の底面に足を乗せますので、底面を上にして置きます。側面に対極に2箇所キリなどを使って穴をあけます。穴は底面に近いところにあけてください。
片方を大きめに結んだビニール紐を、缶の中側から穴に通します。そしてもう一つの穴に今度は外側から紐を通して取れないように紐の端を結んでおきます。紐の長さは身長にあわせて調節してください。同じものを2つ作ったら完成です。
缶の上に足を1つずつ乗せて右足の缶の紐は右手、左足の缶の紐は左手で持ちましょう。紐を引っ張って缶を浮かすようにしながら前に進んでいきます。
めんこ
相手のめんこを平たいところに置き、自分のめんこを平たい面に叩きつけ、風圧で相手のめんこをひっくり返し、自分のものにするというルールです。
めんこを自作するときは、厚紙を使いましょう。いくら厚くて重いめんこでも何かの加減でひっくり返ることがあります。そこがめんこ遊びの面白いところです。
瓶の牛乳があれば、牛乳瓶のフタも最適な材料になります。厚紙に好きな絵を描いて自分だけのめんこを作ってみましょう。
ゴム鉄砲
割り箸で鉄砲を作り、ゴムを引っ掛けて飛ばすゴム鉄砲は男の子に人気の遊です。工作が上手な方なら3連射式、5連射式の鉄砲を作ることもできます。お互いに撃ちあうときも「顔は狙わない」というルールは厳守させましょう。
たこ(カイト)
凧と言えばお正月の風物詩というイメージを抱く方も多いでしょう。お正月にたこを買ってもらい壊れるまで遊んだ人も多いのではないでしょうか?
自分の凧が高く上がったときの爽快感は格別ですが、よその家に落ちたり木に引っかかったりする危険性もあるので、広い場所で遊ばせましょう。
ゴミ袋などの大きな薄いビニールと「竹ひご」という、竹を縦に細く割ったもの、ひもやタコ糸などがあれば割と簡単に作ることができます。
かざぐるま
かざぐるまは、折り紙とストローがあれば簡単に作れます。クリアファイルで作った風車もおすすめです、プラスチックの方が丈夫ですし風を受けてしっかり回ってくれます。クリアファイルは100均でも10枚100円ほどで売られています。羽根に好きな絵を描いたり、好きな色を塗って楽しんでください。
大自然の中で遊ぼう!
自然から学べることはたくさんあります。楽しいことばかりではないかもしれませんが、五感をフルに使いながら体全体で体験したことは、きついことも楽しいことも忘れられない経験として心に残るでしょう。
ザリガニ釣り
網を持って川でザリガニや魚を捕るのも親子の良いコミュニケーションになります。
棒の先に糸をつけ、糸の先にエサを結び付けます。ザリガニがいそうな穴の前や、ザリガニの目の前にエサをたらしてみましょう。ザリガニがはさみでエサを挟んでくれるので簡単に釣り上げることができます。
川遊びの際は絶対に子供から目を離さないでください。大人がしっかりそばについて、安全で楽しい時間を過ごしましょう。
水切り
水面に向かって石を回転させながら投げると、石は沈まないで水面を跳ねていきます。これにはコツがあり、上手な人は何度も跳ねさせることができるのですが、コツが掴めない人は何度やっても石が沈んでいきます。いろんな投げ方を試してコツを教え合うこともコミュニケーションになるでしょう。
昆虫採集
空き地や公園に虫取り網と虫カゴを持って行って、昆虫を捕まえてみましょう。「この虫は○○だよ」「この虫は何ていう名前だろう?」と会話もはずみます。
四季によって採集できる虫は変わります。春は蝶やバッタ、夏はセミやカマキリ、秋はコウロギやトンボ、冬になるとあまり虫は見かけなくなりますが、土の中を覗くと冬眠中の虫や幼虫を見つけることもできます。
水槽型の虫かごを用意し、きちんと環境を整えてからカブトムシやクワガタムシの幼虫を探し虫かごで飼うことも良い経験になります。幼虫がサナギになり、成虫になっていく様子を観察して、絵日記を書かせるのもいいでしょう。
砂鉄収集
砂の中に磁石を置いてみましょう。磁石にくっついてくる黒い砂の正体が砂鉄です。磁石があれば簡単に集めることができますが、一度磁石にくっついてしまった砂鉄はなかなか全部外すことができません。なので磁石をラップなどに包んでから砂鉄を集めるようにすると磁石を汚さずに砂鉄を集めることができます。
集めた砂鉄を紙の上に置き、紙の下で磁石を動かすと、砂鉄がまるで生きているかのように動きます。これを利用して手品を披露してみてはどうでしょうか。
貝殻・シーグラス探し
砂浜にはいろんな色や形、大きさの貝殻が落ちています。とても綺麗な貝殻もあるのでテンションが上がります。
割れたガラスが波や砂にもまれて角が取れ、擦りガラスのようになったものをシーグラスと言います。それほど珍しいものではないので、シーグラスを探して集めるのも楽しいでしょう。
こすり花絵
お花が綺麗な時期には、こすり花絵をして遊びましょう。押し花のように紙で花を挟んで、上から石などでこすると紙の下の花が浮かび上がってきます。アサガオは花びらが薄く、すぐ色が出るのでこの遊びに向いています。
昔の遊び道具で遊ぼう!
パパやママが遊んでいたおもちゃよりも、もっと懐かしいおじいちゃんおばあちゃん世代のおもちゃで遊ぶことは、子供やパパママにとって新鮮で面白い遊びになるでしょう。昔のおもちゃとその遊び方をみていきましょう。
コマ回し
コマにひもを引っ掛けて巻きつけ、投げるように手を離すことでコマを回す遊びです。紐の巻き付け方にも種類があり、投げ方にもコツが必要なので、工夫しながら経験を積んでいきましょう。
コマ同士をぶつけることで、最後まで回っているコマが勝ちになる「ケンカゴマ」のほか、相手のコマにぶつけたら反則負けとなり、どちらが長く回っていられるかというルールで遊ぶこともできます。
けん玉
今でも多くの人がその技をYouTubeなどの動画サイトで披露している「けん玉」には、級位や段位もあります。極めてみたくなったら、親子でけん玉検定に挑戦してみるのもいいでしょう。たくさんの技を覚えて、親子で楽しんでみてください。
竹馬
バランス感覚や体幹が鍛えられる竹馬は、子供の遊びにもってこいです。補助足を付けられるようになっている竹馬を選べば、最初から楽しく乗って遊ぶことができます。
慣れてくると補助足を取って歩いたり、片足立ちをしてみたりと少しずつ難易度の高い遊び方もできるでしょう。
まりつき
「あんたがたどこさ」から始まる歌に合わせてまりをつきます。途中で上げた足の下をくぐらせたり、高くつき上げてボールの下で体を回転させたり、いろんな技を盛り込んで遊びます。
小さな子はボールをつき続けるだけでも大変ですし、大きな子は自分の持っている技を他人と比べたり、技の完成度を競ったりします。
お手玉
お手玉を投げて受け止める遊びです。上手な人は5個6個と続けて投げることができます。
お手玉ひとつを手のひらと手の甲で順番に受け止める遊びもあります。
リリアン
筒状の編み機を使い、メリヤス編みで紐を編んでいく遊びです。主に女の子の間ではやったリリアンですが、最近では手芸好きの主婦の間で再ブレイクしています。
おはじき
小さな平たいガラス玉でできた「おはじき」を指ではじく遊びです。はじき方のルールは家庭や地域によっていろいろありますが、自分のおはじきを周りのおはじきに当てることで、あたったおはじきを自分のおはじきにできるというのが基本のルールです。
大きさやデザインが豊富なので、お気に入りのおはじきを取られないように、みんなで必死になって遊んだものです。
昔の遊びは工夫する力や想像力を鍛えてくれる
昔はインターネットもテレビゲームもない、おもちゃも少ない時代でしたが、家にあるもので工夫して遊んだり、季節ならではの遊びをして楽しむことができました。
可愛い子供には、たくさんおもちゃを買い与えたくなってしまいますが、与えるものが多いほど、子供は工夫して遊ぶ機会を失うことになります。ごっこ遊びの年齢別の遊び方も参考にして、想像力を高める遊びも楽しんでみてください。