鬼ごっこってどんな遊び?どんなメリットがあるの?
友達のことを追いかけたり、友達から追いかけられたりしながら、ワーワーと楽しむ子供たちの遊び「鬼ごっこ」。最近は持ち歩きできるゲーム機器や、スマートフォーンのゲームアプリに夢中になる子供も増えていますが、親としては友達と一緒にワーワーと騒ぎながら、思いっきり体を動かしてほしいと思いますよね。
そこで今回は「子供にして欲しい遊び。鬼ごっこ」について、お話をしていきます。お父さん・お母さん、子供と一緒に楽しむためにも「鬼ごっこの種類」や「メリット」を見ていきましょう。
子供に教える前に知っておきたい!鬼ごっこのルーツとは
昔から、鬼ごっこと言えば追いかけたり、追いかけられたりしながら遊ぶものというイメージが当たり前のようにあります。実は、鬼ごっこはかつて「鬼事(おにごと)」と呼ばれていました。もともとは子供の遊びの1つではなく、人間を脅かす鬼たちを追い払うための祭事だったのです。
江戸時代あたりから「子を捕ろう」という意味合いの「ことろことろ」という遊びご出来上がり、それが現代の子供達にも親しまれている鬼ごっこへとつながったと言われています。
鬼ごっこを始める前に、このような遊びの起源や意味についてお父さん・お母さんから子供達に教えてあげましょう。普段、何気なく使っている言葉には実はこんな意味やエピソードがあると知ることで、より子供達も興味を深められます。
鬼ごっこの種類とそのやり方
一番スタンダードな鬼ごっこは「追う人」と「追われる人」に分かれて、鬼役である追いかける人が鬼役以外の人を捕まえていく遊びです。とてもシンプルなルールなので、幅広い年齢の子供達で一緒に遊ぶこともできます。
鬼ごっこには、色んな種類があるってご存知でしょうか?子供達にも教えてあげられるように、お父さんやお母さんもしっかりとルールを理解しておくことをおすすめします。次のようにいろいろな鬼ごっこがあるので、ぜひ子供と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
氷鬼(こおりおに)
鬼に捕まった人が、凍ったように動けなくなってしまう遊びです。仲間から触れられることで、氷が解けて元の状態に戻ることができます。鬼は全員を凍らせると、別の鬼に交代することができますが、人数が多い場合は全員を捕まえるのが難しいため、交代制にすると楽しく遊ぶことができます。
色鬼(いろおに)
鬼以外の人が、鬼から指定された色を触らなければいけない遊びです。鬼が色を言ってから10数える間にその色に触っている人はセーフです。10数え終る前に鬼に捕まった人や、色が見つからなかった人がいたら、鬼を交代します。触れる色についてのルールは、あらかじめ決めておくといいでしょう。
高鬼(たかおに)
地面よりも高い所にいる人は鬼に捕まらないという遊びです。ただし、同じ場所に留まることはできないため、鬼以外の人は10数える間に別の場所に移動する必要があります。小さい子供と行なう場合は、危ない場所がないか確認しておくと安心です。
しゃがみ鬼
鬼以外の人は、しゃがんでいると鬼に捕まらないという遊びです。ただし、鬼が10数える間に立ち上がって逃げなければなりません。大人数でやる際は、なかなか鬼が交代できないため、鬼を複数にするというルールもあります。
島鬼(しまおに)
地面に島をいくつか描いて、そこを渡り歩きながら鬼から逃げる遊びです。鬼以外の人は、決められた時間内に別の島に移動する必要があります。鬼は島の中に入ることができませんが、手を伸ばして捕まえることができます。
手つなぎ鬼
鬼と鬼に捕まった人が手を繋ぎながら、他の人を追いかけて捕まえる遊びです。捕まえる側が4人以上になったら、二手に分かれることもできます。長い列で追いかけたり、挟み撃ちにしたりするなど、協力し合って捕まえることができるのが、この遊びの特徴です。
缶けり
鬼以外の人が缶を蹴るのを合図に、鬼に見つからないように隠れる遊びです。鬼は蹴られた缶を元の位置に戻してから、隠れている人を探しに行き、見つけたらその人が鬼になります。もし、鬼が隠れている人を探している間に、隠れている誰が缶を蹴ったら、同じ鬼で再スタートです。
影踏み鬼
鬼になった人に影を踏まれると、鬼を交代するという遊びです。一般的な鬼ごっこと違って、狭い範囲で遊べるほか、簡単に影を踏めることから、比較的に小さなお子さんや走るのが苦手なお子さんでも楽しむことができます。
目隠し鬼
鬼が目隠しをした状態で、逃げる人を追いかけて捕まえる遊びです。鬼以外の人は、「鬼さんこちら、手の鳴る方へ♪」と歌いながら、手を叩いて鬼を導きます。目隠ししている人がつまずく転ばないよう、足元には十分に注意しましょう。
鬼ごっこのメリットを知ろう
鬼ごっこはとてもシンプルな遊びではありますが、子供はみんな大好きです。鬼ごっこはルールも簡単なので、親子で楽しい時間を共有できるのも嬉しいポイントです。1つの遊びとして、子供の成長に大きなメリットがある「鬼ごっこ」には、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか?
メリット1.思いっ切り走って基礎体力アップ
幼少期は思いっきり体を動かして、たくさんご飯を食べて、そしてたくさん寝て、我が子にはどんどん大きくなって欲しいですよね。昔は「子供は風の子」とよく言われたようですが、最近の子供達はどうもそうではないようです。
「今日寒いから外に出たくない」「ぼく、もう疲れちゃった」という発言をしがちな子供も、楽しみながら鬼ごっこを続けることで、知らないうちに体力をつけることができるのです。鬼ごっこは、走る・追いかける・逃げるだけのシンプルな遊びですが、次のような能力を引き伸ばしてくれます。
鬼ごっこで鍛えられる身体能力とは?
- 瞬間的に走り出す瞬発力
- 長時間走り続ける持久力
- 細かな動きで素早く逃げる敏捷性
- 鬼の位置を把握する空間認識能力
- 鬼に捕まらないように逃げ切るリズム感
鬼ごっこを通して、こんなにもたくさんの身体能力を鍛えることができるのです。子供の集中力は長く続きませんし、できればつらいことからは逃げたい傾向にあるため、これらの能力を習い事で鍛えるのはなかなか大変ことです。遊びの中で培われるからこそ、これらの能力に価値があるのだといえます。
メリット2.体を動かしながら頭を使う
鬼ごっこは体だけではなく、頭も使う遊びです。鬼として捕まえる時には、相手と自分との距離感や相手の行動を予想して動いていきます。「あとどのくらいで捕まえられそうかな?」「きっと、右方向に動くはずだ」と予想して捕まえていくのです。
一方で、逃げる人も頭を使います。逃げる人は、鬼がどこにいるのかを常に把握して、自分とどれくらい離れているのかを考えます。また、頭の中であれこれと作戦を練ったり、どうしたら仲間を助けられるのか考えたりすることは、日常生活ではなかなか体験できることではありません。
メリット3.バリエーション豊かで飽きない
鬼ごっこは種類が豊富なので、遊んでいて飽きません。鬼ごっこ初心者の小さなお子さんや大勢で遊ぶ場合は、分かりやすいシンプルなルールの鬼ごっこで遊んだり、少し年齢が大きいお子さんや数人程度が集まった場合には、ルールが複雑でひねりの効いた鬼ごっこの方が楽しめます。
また、飽きたら別な鬼ごっこに変えられるし、途中で加わってきた子がいても、簡単に仲間に加わることができます。このように、バリエーション豊かな鬼ごっこなら、毎日飽きることなく、子供同士で楽しく遊ぶことができるのです。
メリット4.協調性が身に付く
鬼ごっこは一人ではできません。数人が揃ってはじめて成立する遊びです。お友達と一緒に遊ぶということは、自分勝手な行動はできません。また、中には鬼に捕まった子を助けたり、捕まえて鬼を増やすなど、協力し合わないとできない鬼ごっこもあります。
「追いかけてばかりでつまらないから鬼はやりたくない」とわがままを言っていたら、その時点で鬼ごっこという集団での遊びはできません。子供達は鬼ごっこを通して、自分以外の人と協調し合いながら遊ぶことや、遊びを通して仲良くなる楽しさを学んでいくのです。
メリット5.道具が無くても遊べる
「スマホ育児」という言葉があるように、今や子供がデジタル機器を使って遊ぶことは当たり前になりつつあります。次から次へと新しいゲームソフトが発売され、さまざまなキャラクターグッズが簡単に手に入るような環境に慣れてしまうと、おもちゃがないとお友達と遊べない…なんてことに。
その点、鬼ごっこはおもちゃや道具がなくても遊べるので、お金もかかりません。また、思いっきり体を動かすので、ストレス発散になるし、夜はぐっすり眠りにつくことでしょう。「◯◯君と同じおもちゃが欲しい~、買って~」なんてことにはならないので安心です。
メリット6.ルールを理解して遊ぶ
鬼ごっこには、種類ごとに異なるルールがあります。子供が理解できるような簡単なルールではありますが、ルールをきちんと理解していないと、その遊びに参加することはできません。何事にもルールがあると知ることで、ルールを守ることの重要性が理解できるようになります。
また、ルールに従っていろいろな友達と遊ぶことにより、社会性が養われるのも特徴です。「自分勝手をしてはいけない」「友達を大事にする」「人のために何かをする」など、一般社会でも当たり前のことを、小さなころから身を持って経験することができます。
鬼ごっこを行う際の5つの注意点
子供が鬼ごっこで楽しく遊ぶためには、周囲の大人が注意を払ってあげる必要があります。特に、次のような5つのことに注意して、安心して鬼ごっこができる環境作りに取り組むことが大切です。
1-安全をしっかり配慮しましょう
子供は遊びに夢中になると、周囲への注意が疎かになりがちです。転んでケガなどしないように安全な場所で遊ばせることが重要です。また、気温が高い日はこまめに休憩を取ったり、水分を摂らせたりして、熱中症を予防する必要があります。
2-興奮させすぎないように注意しましょう
鬼ごっこで楽しく遊ぶことは大変いいことですが、あまりにも激しい興奮状態に陥ると、小さな子供の場合、夜眠れなくなったり、夜泣きの原因になります。子供が遊ぶ様子をみながら、テンションが上がりすぎたら一時休止させて、気持ちを落ち着かせましょう。
3-鬼が一人の子に偏らないようにしましょう
鬼ごっこをやっていると、走ることが苦手な子や要領の悪い子ばかりが鬼になることがあります。鬼ばかりでは、本人だって楽しくありません。同じに子ばかり鬼役が集中しているような時は、鬼を交代制にするなどして、みんなが楽しめるようにすることも大切です。
4-無理に誘うことは避けましょう
鬼ごっこはみんなで楽しめる遊びですが、嫌がる子供を無理やり誘うようことのないよう注意が必要です。中には鬼ごっこがあまり好きではない子供や、一人で遊ぶことが好きな子供もいます。もし、遊んでいる子を見てやりたそうにしていたら、声をかけて誘い入れてみましょう。
5-ルールは臨機応変に変えましょう
鬼ごっこにはもちろん守るべきルールがありますが、必ずしも絶対厳守というわけではありません。子供の「こうした方が楽しいのに」という意見があれば、オプションとして積極的に取り入れることで、オリジナリティの高い鬼ごっこを楽しむことができます。
鬼ごっこで子供の成長を促そう!
親としては、いつまでも自分の目の届く範囲の中で、子供達を遊ばせておきたいと思うものです。だからといって、家の中で過ごしているばかりでは、子供にとってあまりいいことではありません。鬼ごっこなどの外遊びは、子供の成長過程においてとても大切なのです。
鬼ごっこを、ただ走りながら、目の前の友達を捕まえるだけの遊びではありません。捕まえる側でも、捕まえられる側でも、どちらも子供の成長が促される遊びなのです。思いっきり走り回るので体力もつきますし、仲間を助けなければいけないルールの鬼ごっこでは、自然と協調性も身に付きます。
幼少期の人間関係を作り上げ、体力や判断力を養う効果的な遊びと言えるでしょう。ぜひ、お子様の年齢に合ったやり方を工夫しながら、みんなで楽しく遊びましょう。