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小学一年生の勉強方法

小学一年生のやる気を引き出す勉強の教え方

小学一年生のやる気を引き出す勉強の教え方をご紹介します。小学一年は人生の基礎となる勉強の習慣を身につける大事な時期です。学校の勉強についていけない状況にならないように、親がしっかりと子供の勉強をサポートしてあげましょう。

小学一年生の勉強は何がポイント?子供目線で考えよう

学校での勉強が始まる小学校一年生。大人にとってはとても簡単な学習内容に思えますが、この時期の勉強に対する取り組み方が、学習意欲や学習に対する姿勢をある程度決めることにもなりますので注意が必要な時期だと言えます。

小学一年生の勉強は、どんなことに気を付けるといいのでしょうか。子供の家庭学習を手伝う前に、子供のやる気を引き出す勉強の教え方ポイントをご紹介します。

小学一年生が学校で習うこと

まずは小学一年生がどんなことを勉強するのかを知りましょう。小学一年生で習う教科は、国語、算数、生活、音楽、図画工作、体育の6つです。ここでは、それぞれの学習目標をご紹介します(注1)。

国語

順序を考えて話す力、大切なことを聞き漏らさない聞く力、テーマに沿って話し合う力を養います。また、考えたことを簡単にまとめて文章を書く力、読書を楽しむ習慣づけも求められます。

算数

足し算と引き算の意味を理解し、自分で計算できる力が求められます。物を用いて量、大きさ、図形を想像する感覚を養い、それらを言葉や式、図に表すことができるようにします。

生活

自分をとりまく人、場所、地域を好きになり、そのグループの一人として行動ができるようになること、自然を大切にすること、遊びを工夫すること、それらを言葉や絵、劇などで表現できるようにします。

音楽

音楽を楽しめるように、音を表現する力、音楽を聴く力を養い、音楽に関心をもたせます。

図画工作

物を作る楽しみ見出せるように、体全体を使って、おもしろさと楽しさを感じ取れるようにします。

体育

運動を楽しめるように基本的な動きと体力を養います。また、運動する時は安全が大切だと言うことも学びます。

親がサポートしたい子供の学習内容

親が全力でサポートしたい小学一年生の学習内容は、突きつめてまとめると、「読むこと」「書くこと」「足し算・引き算」「算数の文章題」だけです。この4つのことを、しっかりと身につけられるように、親はサポートをしてあげましょう。

読むこと

幼稚園や保育園のときでも、多くの子どもが自分で絵本を読んでいます。ですが、文章を声に出して読む練習をしている子供は少なく、漠然と字や絵を見て、話を理解したような気になっている子供も多いのです。

小学一年生の宿題として、教科書の音読がよく出されます。声に出して読むことで、文章のリズムを身につけることができるだけでなく、「て・に・を・は」の正しい使い方、言葉の選び方なども学ぶことができます。

時間があるときは、自宅にある絵本なども声を出して読むように子供に勧めましょう。もちろん、あまり長い文章を読ませることは、子供を疲れさせてしまうだけですので効果がありません。絵本なら数ページ、小説なら1、2ページを目安に、毎日少しずつ読ませる訓練をしてください。

書くこと

小学一年生の1学期に、ひらがなとカタカナを全てならいます。進みが早い学校では、一年生の間に習う漢字全80字の内のいくつかも1学期の間にならいます。

アルファベット26文字で、全ての文章が読み書きできる英語圏やフランス語圏とは異なり、日本語は、ひらがなとカタカナ、漢字と言う種類が異なる3つの文字の合計1,000文字以上を知る必要がありますので、文字に対して挫折を覚える子供がいても何ら不思議はありません。

とはいっても、難しいから覚えなくても良いというものではありません。1学期の間に最低でもひらがなとカタカナはマスターしておかなくてはなりません。はらう・とめる・曲げるなどの細部までしっかりとひらがなとカタカナを家庭でも教えてください

細かな間違い(カタカナの「リ」とひらがなの「り」の混同、カタカナの「モ」とひらがなの「も」の混同、その他のとめはらいの覚え間違え等)もしっかりと1学期の間に修正しておきましょう。

どうしても1学期の間にひらがなとカタカナをマスター出来なかった場合は、遅れが深刻にならないうちに家庭で積極的にフォローしましょう。夏休みに2学期で習う漢字を前もって学習するよりは、1学期にならったひらがなとカタカナを完璧に書けるように何度も練習しておく方が、のちのち子供のためになります。

足し算・引き算

一桁の足し算と引き算は、小学一年生だけでなく、中学校や高校数学においても基礎中の基礎です。一桁の足し算と引き算を間違うことで、計算式を求めることができても計算が合わないということにもなりかねません。簡単な計算だからと適当に流すのではなく、時間を掛けてしっかりと身につけさせる必要があります。

子供によっては一桁の足し算と引き算でも、指を使って計算したり筆算して求めたりすることがあります。このような方法を使っていると、計算ミスが増えるだけでなく計算自体に時間がかかってしまいます。一桁の足し算と引き算は、九九と同じように、答えを覚えてしまうまで繰り返し学習をすることが小学一年生に必要な勉強と言えるでしょう。

算数の文章題

小学一年生の算数は、足し算や引き算を単に解くだけではありません。文章題もありますので、文章を読んで、尋ねられている内容を理解し、自分で計算式を立てて解くということも、小学一年生の間にできるようにならなくてはならないのです。

文章題がスムーズに解けるようになるためには、何と言っても文章を読んで理解する力を身につけることが必要です。どのようなことを尋ねられているのか、具体的に理解できないときは簡単な図や絵を書いて理解させましょう

問われていることを求めるために、どのような式を立てることができるのかを順序立てて教えることが必要です。何度も図や絵を使って理解する方法を繰り返していると、徐々に図や絵を実際に描かなくても、頭の中に図が浮かぶようになり、適切な式を立てることが出来るようになります。

基礎的な能力を身につけたら生活科もサポートする

読み書きと足し算・引き算の4つを身に付けると、生活科で学ぶ範囲についても触れて行くことができます。生活科とは、小学一年と二年の間だけにある科目で、小学校3年生以降に必要になる理科や社会を学ぶ基礎になる事柄への興味を引き出すものです。

3年生以降の理科と社会の授業がスムーズに理解できるためにも、小学一年と二年の間に、自然や社会に対する興味を持てる子供にしておきたいものです。

小学一年生のうちに持たせたい!学習に対するやる気

「もっと知りたい!」「もっと賢くなりたい!」という学習に対するやる気があれば、中学や高校に進んで勉強が難しくなっていっても、コツコツと学ぶ努力をし続けることが期待できます。

この学習に対するやる気は、学ぶ上で自然に身につくこともありますが、できるならば子供が勉強において挫折を味わう前に、しっかりと身につけておきたいものです。

もちろん、親が「勉強しなさい」「もっと興味を持ちなさい」と口を酸っぱくして言っても、簡単に学習に対するやる気は身につくことはありません。他人から強制されるのではなく、自然な形で身につけるものが、学習に対するやる気なのです。

とはいっても、親が子供を放置してしまっては、いつまで経っても学習に対するやる気を呼び起こすことはできません。あくまでも自然な形で子供の学習に対するやる気を引き出す方法を紹介します。

子供を積極的に褒める

「本当にまだ覚えられないの?」「勉強が苦手だねえ」などの言葉を親から毎日聞かされて、「賢くなりたい!」「勉強が楽しい!」と思うようになる子供は滅多にいません。学ぶことは楽しいなあと思っていても、親が否定的な発言を浴びせ続けると、勉強が嫌いになったり、分からないことがあっても「まあ、いいか」と思ったりするような子供になってしまいます。

学ぶことが好きな子供になるために、親ができる一番効果的な方法が、積極的に子供を褒めるということです。文章の内容に問題があっても、丁寧に字を書くことができていれば、その字について褒めることができるでしょう。

計算が間違っていても、計算式を自分で立てることができていれば、そのことについて褒めることができます。また、「今日はセミがよく鳴くねえ」と子供が発言したなら、自然の変化に気が付くことができたことについて褒めることができるのです。

褒められると嬉しいのは、子供も大人も同じです。褒められると「もっと褒められたい」と思い、勉強を自主的にしたり、幅広い分野に興味を持ったりするようになります。

ただし、「○○ちゃんは何でもできるね」「すごいね」などと漠然と褒めるのではなく、「字の大きさが一定になってきたねえ」「色の使い方がきれいだねえ」と具体的に褒める方が、子供も自分のことをしっかりと見てもらえていると、子供が実感できるようになるでしょう。

調べることの面白さを体感させる

学習に対するやる気を引き出すために、特に、中学年以降の理科や社会に対する興味を増やすための準備として、調べることの面白さを低学年のときにしっかりと理解させておきましょう。

最近では、インターネットの検索機能を使って、手軽に情報の結果だけを収集することができます。疑問を放置しておくよりは、インターネットを活用して知りたいことを調べる方が有意義だと言えます。

子供は、パソコンを使う能力は親よりも長けているので、すぐに検索の仕方を習得します。そのことが、調べることの面白さを体感させることにつながります。

手の届くところに辞典や図鑑を置いておく

インターネットで検索するのもいいですが、わからないことをすぐに調べられるように、子供の手が届くところに辞典や図鑑を置いておくのもいい方法です。最近は、マンガで解説をしていたり、表紙が人気アニメのキャラクターだったりと、子供が興味を引きそうな辞典があります。

また、写真がいっぱい載っている図鑑は、見ているだけでも楽しいものです。勉強するというよりも、遊び感覚で学べる環境を作ることが、子供の意欲をかきたてる原動力となるでしょう。

目のつくところに表を貼る

ひらがな、カタカナ、動物の名前、植物の名前、アルファベットなど、一覧表を子供の目のつくところに貼っておくのも効果があります。一覧表を壁に貼っておくと、ちょっとしたときに、「これは何て読むの?」「チューリップはどれ?」など、親子の会話を楽しみながら勉強することができます

短い時間で楽しく勉強することが、自然と勉強をする習慣を身につけることにつながります。もちろん、親の質問に答えられた成功体験の積み重ねも、「もっと知ってるよ」とやる気を起こす力になります。

苦手は1週間以内に克服させる

毎日少しずつ学習する習慣が身についていない子供にとって、新しいことを継続的に習得することは容易なことではありません。ひらがなをまだマスターしていないのにカタカナを習い、字を正確に書けるかどうかも怪しい時期に文章の読み書きをするということは、子供にとっては非常に難度の高いことなのです。

「ここがちょっと分からない」「まだ、この字を覚えていない」と子供が不安を感じる時期に新しいことを学ばせると、子供はどこから手をつけて良いか分からなくなってしまい、いつの間にか、「分からないから放っておこう」「知らないけれども、まあいいや」などと、知らないことや分からないことに対する抵抗感がなくなってしまいます。

このような状態になってしまうと、勉強をすることも楽しくなくなってしまい、学習の遅れも顕著になっていきます。知らないことや分からないことを放置する、もしくは放置することが平気になる前に、なんとか対策を打つ必要があるのです。

教科書を使って

分からないことやマスターしていないことを1週間以上放置すると、放置した分の学習内容が溜まってしまいます。子供はこれから覚えなくてはならないことを想像するだけでも疲れてしまいます。分からない部分は、なるべくその週のうちに理解して解決できるように、親が手伝ってあげてください。

平日の夜や土日に、教科書を使って子供の分からない部分をしっかりと把握します。そして、どの部分が分かりにくいのか、例を使って、子供の心に働きかけます。教科書の内容を理解していない間は、ドリルや問題集、応用問題などに手をつけない方が良いでしょう。子供の理解のスピードを超えてしまわないように、ゆっくりと子供のペースに合わせた指導が必要です。

ドリルを使って

教科書の内容を一通り把握したら、次はドリルを使って、学習した内容が本当に身についているか確認します。多くの問題を解かせるのではなく、数問で構いませんから、自力で解けるようになることを目指しましょう

ここで焦ってはいけません。もしも難しいようであれば、ドリル学習を止めて、教科書のおさらいに戻ってください。苦手を克服するのはとても大切なことですが、勉強がイヤになってしまっては意味がありません。焦らずに子供のペースに合わせましょう。

小学一年生の学習は親の協力が不可欠

学習するという習慣と学習の方法を身につけることが、小学一年生に求められる課題です。親の手助けが不可欠な時期でもありますので、なるべく時間を捻出し、子供に学習する喜びを実感させるようにしたいものです。