子供が勉強しない時の対応

子供が勉強しない時に親ができる適切な対応・アドバイス

子供がまったく勉強しないと嘆くママやパパは少なくありません。そのようなときは、親は何を考え、どのようなことを実践することができるのでしょうか。子どもの勉強意欲をかき立てる対応やアドバイス方法について紹介します。

子供が勉強しない時に親ができる適切な対応・アドバイス

子供が勉強しないとき親はまず何から考えるべきか

子供が勉強しないことを悩むママやパパは少なくありません。だからと言って、頭ごなしにただ「勉強しなさい!」と言うだけでは、子供は勉強しないでしょう。ご自分が小さい頃のことを振り返って見て下さい。親から「勉強しなさい」と言われて、二つ返事ですぐに机に向かって勉強を始めたでしょうか?

また子供が小学校高学年、中学生、高校生と大きくなるにつれ勉強だけでなく勉強以外のことも親の言うことを聞かなくなっていきます。そのような時期に差し掛かったとき、親は子供の将来のためにどんなことを考えどんなことを実践することができるのでしょうか。

子供に置かれた状況を把握する

子供の話をしっかり聞くパパ

子供は今どのような状況に置かれているのでしょうか。部活やクラブ、運動系のお稽古などで体が疲れてとても勉強どころではないのかもしれません。また、学校の宿題以外にも塾の宿題や家庭でのドリル等しなくてはいけない勉強が多すぎてパンクしそうになっているのかもしれません。

親は子供の全てをコントロールすることはできませんし、コントロールすることが良いわけではありませんが、小学生までなら子供のスケジュールをコントロールすることはできます。
子供のスケジュールが余りにも密なときは、いくつかのお稽古やクラブなどをあきらめ子供が時間的・精神的余裕を持って過ごせるように組み直してあげましょう

勉強しない理由について探る

子供はなぜ勉強をしないのでしょうか。身体的に疲れすぎているなら、子供のスケジュールを見直し、時間に余裕を持ったスケジュールに変更してあげなくてはいけません。

また子供が家庭や学校、課外活動の中で何かしらの問題を抱えているのかもしれません。何か気がかりなことがあるような素振りが見えたら子供とよく話し合いどのような解決ができるのか、そのために親は何ができるのかを探っていく必要があります

時間的にも周囲の環境にも問題がない場合でも子供は勉強しないかもしれません。「なんとなくイヤだから」「勉強しても楽しくない」と子供が感じているなら、親は子供が勉強と向き合うように、時間をかけて接していく必要があるでしょう。

注意をすべき?放置すべき?

子供が勉強しないとき、積極的に子供に関わり、子供に勉強するようにと注意をしなくてはならないと感じる親がいます。
反対に、自発的に子供が勉強するときまで放置すべきだと主張する親もいます。どちらが間違っているということは簡単に断ずることはできませんが『注意し過ぎ』と『放置し過ぎ』は良い結果を生むことはありません。

注意し過ぎると子供が自分で考える力を損なう

学校の勉強を全くしない子供に説教をするパパ

顔を見れば「早く勉強しなさい」「もっときちんと勉強しなさい」「勉強したの?」では、子供はイヤになってしまいますよね。
反発して、必要最低限の勉強もしなくなってしまうこともあります。それに加えて『叱る』ということが日常的になってしまい、本当に叱らなくてはいけない局面で、子供の反省する心を引きだすことができなくなってしまうのです。

また、勉強しようと言う気持ちがないにもかかわらず、親からうるさく言われたくないために勉強する可能性もあります。
「勉強しなさい」と24時間言われる現状を回避するだけのために勉強をするなら勉強の成果は出ないばかりか、ますます勉強と言うものはイヤなモノと子供の頭にインプットされていくでしょう。

それに加えて、常に親が子供に「勉強しなさい」と言い続けることで、子供が自分で考えて行動するということができなくなってしまうことがあります。
ママに言われたとおりのことだけをしていれば叱られないと考え自分がしたいことが何なのかを見つけようともしなくなってしまうのです。高校生や大学、社会人と大きくなるにつれ自主性がないために周囲から低い評価しか受けられないという場面が増えていくかもしれません。

放置し過ぎると子供が二極化する

放課後も遅くまで残りお絵かきする小学生

親から勉強しなさいと一切言われないという状況は子供によってはプラスに作用することもありますが、ある種の子どもによってはマイナスに作用することもあるのです。子供の中には生まれつき、色々なことに興味を持ち自分で学び自分で調べることを楽しく思う子がいます。
このような子供たちは親から勉強を強制されないことで、さらに学習意欲を伸ばし自由な発想で知的好奇心を満足させていくのです。

ですが、元々勉強が苦手だと感じている子供にまったく勉強への声掛けを行わないでいると、子供は勉強だけでなく様々な事柄に対して無気力になってしまう可能性があります。子供の性質を見極めて『放置』と『注意』のバランスをとっていきたいですね

子供が勉強したくなる環境づくり

もっとも好ましいのは、親が「勉強しなさい」と口うるさく言わなくても、子供が自主的に勉強することです。子供が自主的に勉強をするためには、どのような『空間的環境』と『心理的環境』を準備することができるでしょうか。

勉強するスペースを変えて見よう

子供はどこでいつも勉強していますか?子供が自主的に勉強する習慣がつくまでは、親の目が届くリビングで勉強するのがオススメです。

リビングの勉強スペースづくり

整理整頓され勉強に適したリビング

リビングで勉強するときは、ほとんどのご家庭で『キッチンのカウンター』か『ダイニングテーブル』『ソファーテーブル』のいずれかが使用されると想定されます。

いずれの場所で勉強をするとしても、子供が本や辞書、ペン類などをたくさん出しても大丈夫なように、きちんと片づけておくことが大切です。
『キッチンのカウンター』も『ダイニングテーブル』『ソファーテーブル』のいずれも、ちょっと油断したら、買ってきたお菓子や郵便物、新聞、雑誌等が山積みされてしまいます。子供がいつでも勉強を始められるようにこれらの場所には物を置かないようにしてください。

また、カウンターやダイニングの椅子は、子供の背に合った、長時間座っても疲れないものか確認しましょう。子供が勉強のときいつでも座るところの椅子は、長時間座っても疲れにくい椅子に変えたり、背もたれや座布団などを後付けしたりしても良いでしょう。

その他にも『音』に配慮することも大切です。あまり多くはないと考えられますが、一日中テレビやラジオ等の音が出るものを付けておく家庭があります。
耳や目から入る刺激は、子供の集中力を著しく低下させるので、普段からテレビやラジオを付けっぱなしにしないことを心がけましょう。

子供の自室も集中できる環境に

余計なものがないシンプルな子供部屋

自分で勉強をする習慣がついたら、自室の勉強机で勉強するのも良いでしょう。もちろん、子供が望むなら、中学生や高校生になってもリビングで勉強するのも問題ありません。
ただし、受験勉強や定期テストの勉強のために、他の家族や兄弟が息をひそめてすごさなくてはならなくなるなら勉強する子供には自室で勉強するようにと指導しなくてはなりません。

自室でもいつでも勉強を開始することができるように、机の上には何も物は置かないようにし本棚も調べたい辞書や参考書がすぐに取り出せるように、常に整理されている必要があります。また集中力を阻害する可能性があるおもちゃやゲームは勉強机から見えない位置に置きましょう

勉強したくなるモチベーションアップ

子供が勉強したいと素直に思える『心理的な環境』を準備することも大切です。子供の勉強に対するモチベーションをアップするためにどのようなことを親は行うことができるのでしょうか。

とにかく褒める

子供を大げさに褒めるママ

褒められて嫌になる子供はいません。稀にストレートに気持ちを出すことができなくて、褒められることを敢えて避ける子供もいますが、親が子供をいつも気にかけていることを上手に表現できているのなら子供は親から褒められたいという気持ちを持ちます。

つまり子供にとって親に褒められるということは、自分が一人の人間だということを認められることでもあるのです。もっとも身近な大人である親に褒められることで、自分自身に自信を持つようになるのです。

勉強を集中してしたら「すごく頑張ったね。こんなにたくさんの宿題がもう終わったの?」と褒めましょう。勉強してから明日の時間割を合わせていたら「明日の準備もしたの?もう学校に行けるね」等褒めるときは心から驚いていることを表現する言葉を添えるようにしてください

勉強をするという過程を褒めることは重要ですが、勉強した結果(点数)を褒めることはあまり重要ではありません。
勉強をしっかりしたのに点数があまり良くなかった場合は、特に小学生のときは、親がどんな部分にミスしたかをしっかりと把握し、次に活かせるように手短にアドバイスすることができるでしょう。

もちろん「次、頑張ろう!」という気持ちを子供が持てるように「うっかりミスが多かったけれど、たくさん勉強したからきっと賢くなっているね!」と勉強したという事実を褒め次につなげていくことも大切です。

具体的な目標を定める

子供との目標を一緒に考えるママとパパ

ただ単に「勉強しなさい」というのではなく「ピアノに行く前に宿題をきちんと終わらせておこうね」とか「明日のテスト勉強。問題集の○ページと○ページだけ、見ておいてね」などのように、具体的な時間や目標を定めましょう。子供が小学校低学年のときは、ページ数なども具体的に教えてあげると、さらに子供は勉強に取り組みやすくなります

このときに「今度のテストで90点以上を取る」「期末テストの合計が学年で10位以内になる」といった点数や順位に関する目標を定めることはNGです。
点数や順位というものは、テストの難しさや周囲の子供の状態によっても変わってきますので、子供がどんなに努力をしても自分一人で目標を到達することはできません。

点数や順位にこだわるのではなく、普段から勉強すること、そして、学習の基礎力をつけることが大切なのですから、子供にも矛盾がないように教育して行くようにしましょう。

親も学ぶ姿勢を持つ

一緒に読書する仲良し親子

心理的な環境を準備するにあたって親も学ぶ姿勢を持つことは大切です。暇があればスマホばかりいじっている親が子供に「勉強しなさい」とか「ゲームはしてはだめ」と言ってもまったく説得力がありませんよね。普段から親が資格の勉強や読書などをしていることを見せることで、子供は勉強すると言うことが特別ではなく普通のことなのだと理解できるのです。

子供の学ぶ力を育てる

勉強すると言うことは、何も机に向かって字を書くことばかりを指しているのではありません。興味を持つものに対して調べること、外に出て自分の体の限界に挑戦することもすべて子供にとっては『勉強』なのです。

好奇心を育てよう

知的好奇心旺盛な小学校の生徒達

子供が自発的に勉強するためには『好奇心』を育てることが大切です。「知りたい」という気持ちが生まれるためには「興味を持つ」という姿勢が必要になるからです。

もちろん口で「色々なことに興味を持ちなさい」と言っても、好奇心旺盛な子供になりません。親が積極的に色々なことに興味を持ち「不思議だね」「どうしてかな?」と疑問や驚きを口に出して子供に伝えることが大切です。
そして子供と一緒に調べたり問題を解決したりしていくことで、子供も同じように「不思議だ」「どうしてかな」という気持ちが育っていくのです。

楽しいから勉強する!勉強するから伸びる!

楽しいことをすると、時間を忘れて没頭してしまいます。親が自分の子供のときに勉強が嫌いだったとしても「嫌でも勉強しないと、大人になってから苦労するよ」と子供に言うのはいけません。
そのように伝えてしまうと、子供は「勉強は嫌なモノ」「苦労したくないから勉強する」とインプットしてしまいます。
勉強に対してネガティブな感情が芽生えると、勉強することでストレスを感じたり、集中できないとイライラしたりといった、負の感情連鎖が起こってしまうのです。

「学ぶことは楽しい」「勉強すると賢くなれて嬉しい」というポジティブな気持ちを子供が持つことができるように指導できれば、子供は大きくなっても勉強を楽しめますよ。楽しみながら勉強することで集中力も高まり、成果もしっかりと出すことができるようになるのです。