鉛筆の持ち方を身につけよう!きちんと持つ方法&間違った持ち方を直す方法
正しい鉛筆の持ち方は、きれいな字を書くためにも、疲れずに字を書くためにも重要なポイントです。
間違った鉛筆の持ち方は、字のきれいさはもちろん、姿勢にも影響するので強いては集中力を欠くことにもなり、子供の勉強の質にも関与してきます。
小さなころはクレヨンや鉛筆を握るように持っていても、少しだけおにいさんおねえさんになってきたら正しい持ち方を教えてあげましょう。もちろん小学校入学前後で子供の鉛筆の持ち方に「あれ?おかしいな」と感じたら、早い段階で修正してあげることが大切です。
鉛筆の正しい持ち方をはじめ、間違った鉛筆の持ち方をしていないかチェックする方法、癖を矯正する方法を見ていきましょう。
間違った鉛筆の持ち方を覚えてしまう前に…まずは鉛筆の持ち方チェック
意外と「正しく鉛筆を持てている!」と思う人に限って、きちんと鉛筆を持てていないことはあります。子供とともに大人もご自身の鉛筆の持ち方をチェックしてみませんか?
鉛筆の持ち方チェック1.人差し指の第1関節の曲がり方
正しい鉛筆の持ち方で持つと、人差し指は鉛筆に沿わせる形になりますので、人差し指の第1関節はまっすぐになっているか、軽く内側に曲がっているかになるはずです。
ですが、鉛筆を固定するために余計な力が入ると、鉛筆に添えた人差し指が反ってしまうことになります。指に力が入りすぎて人差し指の第1関節が反っていたら、その持ち方は間違い。筆圧が強すぎてしまう原因にもなりますので、もうちょっと力を抜きましょう。
鉛筆の持ち方チェック2.鉛筆と紙の角度
正しい持ち方で鉛筆を持つと、鉛筆と紙の角度は50~60度くらいになります。
力を入れ過ぎて鉛筆と紙の角度がほぼ垂直になっていたり、力を抜き過ぎて持ったりするなら、字の形も崩れてきます。
極端に丸まった字などくせの強い字を書く人は、鉛筆と紙の角度が90度を超えていることも。
鉛筆の持ち方チェック3.親指と人差し指の位置
正しく鉛筆を持つと、親指に沿うように人差し指が来るはずです。ですが、不要な力がかかっていたりすると、親指と人差し指が重なってしまうことがあります。
親指と人差し指が重なることなく、また、離れすぎることなく置かれているかにも注目して下さい。
鉛筆の持ち方チェック4.ペンだこの位置
正しい鉛筆の持ち方で持ったとしても、鉛筆を持つ機会や字を書く機会が多いと、指にペンだこはできますが、正しく鉛筆を持っているならペンだこは中指の第1関節の側面にできるはず。
ぺんだこが中指の第2関節や第1関節の先端部、また、他の指にできているときは、持ち方が間違っていると考えられます。
誰でも簡単!鉛筆の持ち方~キレイな持ち方を教えるコツ
理想的な鉛筆の持ち方を実践するためにどのような教え方が効果的なのか、また、間違った持ち方や悪い癖がついてしまっている場合にはどのように矯正していくことができるのかについて見ていきましょう。
鉛筆の正しい持ち方
それでは、正しい鉛筆の持ち方とはどのような持ち方を見ていきましょう。
横からみた鉛筆の正しい持ち方
正しい持ち方で鉛筆を持つと、鉛筆と紙の角度は50~60度に収まります。また、人差し指が鉛筆の前方に置かれ、親指はサイドから鉛筆を支える形になります。
下からみた鉛筆の正しい持ち方
鉛筆の軸は、体に対して平行になるのではなく、利き手の方に約20度傾いた形になります。
そして鉛筆を、親指と人差し指、中指のつめの付け根の3点でバランスよく(鉛筆を上部から見ると、親指と人差し指、中指のつめの付け根がそれぞれ120度ずつ離れた等間隔に並んでいるように配置する)支えることになります。
キレイな持ち方を教えるときのコツ
まずは、親指と人差し指、中指の3本で鉛筆を正しく持つことから教えていきましょう。
幼児の場合は鉛筆の先から25mmくらいの位置を、小学生の場合は鉛筆の先から30~35mmくらいの位置を、親指と人差し指、中指のつめの付け根で囲むように持ちます。
鉛筆が上手に持てない幼児は、三角形の鉛筆が持ちやすいですよ!慣れてきたら六角形の鉛筆で、鉛筆の側面を時計回りに親指・人差し指、中指で支えるようにしましょう。
六角形の鉛筆の持ち方(前方から時計回りに見た様子)
- 右利きの場合:前方右から人差し指の腹→スペース→中指のつめの付け根→スペース→親指の腹→スペース
- 左利きの場合:前方右からスペース→親指の腹→スペース→中指のつめの付け根→スペース→人差し指の腹
正しい持ち方で親指・人差し指・中指の3本の指で鉛筆を持ったら、中指に沿わせるように薬指と小指をセットし、軽く曲げます。手のひらの小指側の側面を軽く紙の上に置き、力を入れ過ぎないように注意して、右利きの場合は鉛筆を約20度右に、左利きの場合は鉛筆を約20度左に傾けます。
間違った癖を矯正する方法
鉛筆の持ち方に気付かず小学校も中学年、高学年になってしまった・・・など、すでに間違った持ち方がクセになってしまっている場合にも、気づいた段階で正しい持ち方に矯正してあげましょう。
矯正専用のグリップを取り付ける
文房具店や書店で販売している鉛筆の持ち方矯正用グリップを使ってみましょう。
矯正用グリップはすべり止め用の単なるゴム製グリップとは異なり、親指と人差し指、中指を適切な位置に固定できるようになっています。
もちろん、子どもにいきなり矯正グリップを取り付けた鉛筆を渡すだけではなく、親がしっかりと手を添えて、適切な場所に指を置くことができるように指導してあげてくださいね。
鉛筆にグリップを取り付ける
鉛筆が滑って、必要以上に短く鉛筆を持ってしまっているということもあります。そのようなときは、文房具店などで販売している鉛筆専用のゴムのグリップを取り付けてあげましょう。鉛筆を持っても手が滑らず、正しい持ち方をキープしやすくなります。
単なるすべり止め用のグリップですから、輪ゴムでの代用も可。鉛筆の先端から3cmくらいの部分に輪ゴムを何重にもぐるぐる巻くことで滑らないようにできます。
輪ゴムで中指と鉛筆を固定する
手が小さな幼児は輪ゴムを3重にして中指の第1関節に装着し、装着した輪ゴムに手のひらの部分から鉛筆をくぐらせて、中指の第1関節と鉛筆の先端から3cmくらいの部分が輪ゴムで結びつけられるように固定しましょう。手が大きくなってきたら、輪ゴムを調整して指が痛くならないようにしてくださいね。
中指の第1関節と鉛筆の先端から3cmくらいの部分が輪ゴムで固定されると、親指と人差し指の位置も決まりやすくなり、薬指と小指で中指を支えるのも簡単になります。
三角形の鉛筆を使う
指をどの位置に固定するといいか分からない子や、まだ鉛筆を持ったばかりで上手に指で鉛筆を掴めない小さな子には、三角形の鉛筆が使いやすいと思います。特に幼児の短い指には、太めの三角形の鉛筆が持ちやすいでしょう。三角形の鉛筆は、無理なく持ち方を修正したいときにもおすすめです。
らせんや直線できれいな字を書く練習を
まだ鉛筆を持ちたての子どもにきれいな鉛筆の持ち方をさせたまま複雑に曲がったりはねたりする字を書かせることは至難の業と言えます。鉛筆を持ちたての子はもちろん鉛筆を上手に持ち、字を書けない子は、まずは字ではなく線を書くことに慣れさせましょう。
鉛筆やクレヨンを子供の手にセットして、らせんや直線を一定の濃さで書く練習が、鉛筆を正しい持ち方で持つ訓練にもなりますよ!
正しい鉛筆の持ち方に変えると、いいことたくさん!
鉛筆の持ち方が悪いだけで、字が汚くなったり疲れてしまったり、果てには集中力が続かず、勉強にも身が入らなくなってしまうことも・・・。最後に鉛筆の持ち方による影響をご紹介します。
間違った鉛筆の持ち方をしていると…
間違った鉛筆の持ち方を、矯正せずにそのままに放置しているとどんな影響があるのでしょうか?
字が汚くなる
正しい鉛筆の持ち方で持つと、字もきれいに書けるようになります。反対に言うならば、正しい鉛筆の持ち方で持っていないと書く字が汚くなってしまう可能性が高いのです。
きれいな字を書くための最初のステップとしても、正しい持ち方で鉛筆を持つようにしましょう。
姿勢が悪くなる
鉛筆の正しい持ち方は、鉛筆や体に無理な力をいれず、もっとも楽で機能的に鉛筆を持つ方法でもあります。
鉛筆を間違った方法で持ってしまうと、指先や肩、背中、腰などに余計な力が入り、姿勢も悪くなってしまいますよ!
疲れやすくなる・集中力が続かなくなる
鉛筆を正しく持つと、疲れにくくなりますので、長時間鉛筆を持つことや字を書くことが苦痛になりにくくなります。反対に、鉛筆を正しく持たないと体の至る所に力がかかり、少し字を書くだけでも体が疲れてしまいます。そのため、集中力も続かなくなり、字を書いたり勉強したりする際に大切な根気もなくなってしまうことがあります。
鉛筆の芯が折れやすくなる
間違った鉛筆の持ち方は体に余計な力をかけてしまいます。鉛筆を持つ指先にも余計な力がかかって常に筆圧が強い状態なら、鉛筆の芯も折れやすくなってしまいますよね。
正しい持ち方のメリット
逆に、正しい鉛筆の持ち方で持つことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
字がキレイになる
癖が強い字を書く人は、鉛筆の持ち方に問題があることが多いものです。
お手本を意識して字を書くなら、教科書のような読みやすい字が書けるようになることもありますが、間違った持ち方はそのままで字だけ矯正するのではなく、鉛筆の持ち方自体から見直していくと、癖の強い字も矯正しやすくなります。
字の濃さが均一になり、鉛筆の芯の折れも改善
シャープペンシルやボールペンで書くときは字の濃さの違いははっきりと出にくいですが、鉛筆で字を書くときには筆圧により字が必要以上に薄くなったり濃くなったりしますよね。このような強すぎる筆圧は、集中力が持続しない原因ともなります。
正しい鉛筆の持ち方で持つと、筆圧が均一になりますので、字の濃さも均一になります。不必要に字が濃くなるようなことも減りますので、鉛筆の心が折れたり、手の小指の側が字に擦れて手や紙の汚れてしまうようなことも少し改善されるでしょう。
良い姿勢を保ちやすい
正しい鉛筆の持ち方は、自然と背中が伸び、頭から腰をまっすぐに保ちやすく、身体に変な負担をかけません。背骨が曲がった悪い姿勢を続けるなら、腹筋や腸の動きにも影響がないとはいえません。
また、特に鉛筆を寝かせるように持ったり、鉛筆を向こう側に傾けるように持ったりするような間違った鉛筆の持ち方では、自分が書いている字がよく見えず、字を見るために覗き込むような姿勢になったりすることもあり、座って字を書くときに勉強中の姿勢を一定に保ちにくいだけでなく、目を紙に近付けるような姿勢をとることで目が悪くなってしまうこともあるのです。
姿勢を正しくしよい視力を保つためにも、正しい鉛筆の持ち方を習得したいですね。
字を書いても疲れ難くなる、集中して勉強できるようになる
間違った鉛筆の持ち方で指先に余計な力が入ったまま字を書くと、肩や首が凝ったり、背中や腰が痛くなったりしてしまうため、正しい持ち方に変えるとこれらも改善されていきます。
つまり、正しい鉛筆の持ち方で鉛筆を持つと、手先や肩、腰などに余計な力がかからないので、長時間字を書いたり、椅子に座ったりしても疲れにくく、集中力が落ちにくくなるのです。
小学校に入って宿題に向かうときも、受験生になって長時間勉強するときも、正しい鉛筆の持ち方は集中して課題に取り組むために必要なスキルと言えます。
大人の方も特に長時間字を書くなら、鉛筆の持ち方に注意しましょう。日々の余計な疲れを軽減でき、集中力も上がりますよ!
鉛筆の持ち方は根気よく教えてあげましょう
食べ方や話し方、他者への思いやりを教えるのと同じく、鉛筆やペンを正しくもち、きれいな字を書けるかどうかは基本的な教養でもあり、親が子供に教えてあげるべき人生のスキルとも言えます。
こういったしつけこそが長い子供の人生においてためになることですし、将来集中して勉強するときに困らないためにも、椅子に座ってペンを持つだけで体に余計な負担をかけてしまわないためにも、正しい鉛筆の持ち方はぜひ見てあげたいところ。
鉛筆の持ち方の癖が強いとしても、絶対に直らないということはありません。すぐに直さなければと気張りすぎず気長に教えていきましょう。