通知表の所見と保護者欄の書き方

通知表の所見の目的は?親心が伝わる保護者欄の書き方

通知表の所見にはどのような目的があるのでしょうか?コメントの仕方がわからないと悩んでいる方のために、保護者欄の書き方や小学校低学年、高学年、中学生、高校生にふさわしい文例をまとめました。担任の先生からの注意喚起やクラスでの様子を知り、自宅での子供の努力を学校に伝えましょう。

通知表の所見の目的は?親心が伝わる保護者欄の書き方

通知表の所見でわかる保護者欄の書き方

学期末に子供が持ち帰ってくる通知表の所見は、主に学校から子供の様子を伝えるために設けられています。そして、その近くには保護者が所見に対して返信を書く欄があります。

保護者欄がある目的や何を書けばいいか迷っている方に、通知表の所見の目的や保護者欄の書き方を教えます。文例と一緒に確認しておきましょう。

悩んでいる母親

通知表の所見と保護者欄の目的

通知表の所見に書かれているコメントにはどのような目的があるのでしょうか?先生が親に何を伝えたいかがわかれば、保護者欄にどうコメントすればいいかわかります。先生が書いてくれる通知表の所見と保護者欄の目的には次のような意味があります。

通知表の所見について説明

学校での様子

通知表の所見の主な目的は、子供の学校での様子を親に伝えることです。そのため、所見には学期中に子供が頑張ったことや、これから努力してほしいことが書かれているケースが多いでしょう。

保護者も子供が学校でどのように過ごしているか知ることで、家庭での教育に役立てることができます。

通知表に対する保護者の反応を見る

通知表を確認した保護者の反応を見ることで、先生たちは保護者がどのような指導を求めているのかを知ることができます。今後の授業内容や、指導内容の方向性を決めるうえでの参考にします。

保護者が通知表を見ているか確認するため

成績を知られたくない子供は、通知表を保護者に見せないこともありえます。保護者がきちんと通知表に目を通しているかどうかの確認の意味合いも兼ねて、子供の通知表に保護者欄を設けています。

長期休み中や家庭での様子を知るため

先生は生徒の学校外や、家庭での一面も知りたいと考えます。通知表の所見と保護者欄では、保護者とコミュニケーションをとることで、子供が夏休みや冬休みに家庭でどのように過ごしているかを知る目的があります。

保護者欄の書き方

小学校では保育園や幼稚園に比べると保護者が学校に行く機会が減り、学校との連絡は文書でのやり取りが基本となります。保護者欄を記入する前に、覚えておきたい書き方を知っておきましょう。

通知表の保護者欄の書き方を説明

文書の量は7、8割を目安にする

特に伝えたいことが無い場合には、保護者欄の7~8割程度を目安に文章を書きましょう。保護者欄に印鑑だけを押してコメントは記載しない方もいますが、内容があまりに薄いと「子供に目を向けていない」と受け取られてしまう可能性もあります。

保護者欄には、保護者が成績表に目を通しているかを確認するための役割もありますので、きちんと記入しておくことが大切です。

トラブルがあって伝えたいことがある場合は、文章が長すぎて欄からはみ出そうになることもあります。無理に保護者欄で伝えようとせず連絡帳で伝えたり、面談をする時間を設けてもらえないか先生に相談するといいでしょう。

油性ボールペンで記入する

通知表の保護者欄を書く際には油性ボールペンを使って書きましょう。水性ボールペンや万年筆はにじみやすいので不向きです。通知表を持っていくのは子供なので、雨の日に書類が濡れてしまう可能性もあるからです。

書いた文字を消すことのできるボールペンは、熱の力で透明になるインクを使用しています。熱が加わるとせっかく書いた文章が消えてしまうことがあるため避けましょう。

通知表を含め、学校に提出する文書には油性ボールペンを使うようにしましょう。失敗しないか不安な場合は、予め柔らかい鉛筆で薄く下書きをしてから清書しても大丈夫です。

楷書(かいしょ)で読みやすく書く

文字は先生に読みやすいように、楷書(かいしょ)で丁寧に書きましょう。楷書とは点や線を崩さずにはっきりと書く文字で、公的な文書を書く際に用いられる文字です。

崩し文字やクセのある文字だと見づらく、先生が読み取れない可能性があります。自分の考えを正確に伝えるためにも、楷書で丁寧に書くようにしましょう。

です・ます調で書く

学校の先生に対しては文の終わりが「~です。」「~ます。」で終わる「です・ます調」で文章を書くようにします。「である調」や日常会話で使うような口語文にならないように気を付けましょう。

きちんとした文章で書けば先生からの印象が良くなります。通知表の保護者欄は先生と直接やり取りをする欄になるので、丁寧な言葉づかいを心掛けましょう。

小学校の保護者欄にはどんなことを書けばいい?

学校によっては、先生からの通知表の所見に対して保護者からメッセージを書く欄があります。何を書けばいいのか迷ってしまうママも多いので、通知表の保護者欄に書きたい内容をチェックしておきましょう。

出だしは先生への感謝の言葉

ペンを使って笑顔で書く母親

通知表の出だしは、お世話になった先生への感謝の気持ちを伝えましょう。大人のマナーとして、「〇学期は大変お世話になりました。」と伝えると先生からの印象も良くなります。

締めくくりの挨拶

文章の締めくくりは、「今後もご指導よろしくお願いします」や「〇学期も引き続きよろしくお願いします」のように、次の学期に向けての挨拶をしておくと感じがいいでしょう。

先生からの所見に合わせて書く

特に何も問題がない場合には、先生からのコメントに合わせて書くとスマートです。所見に合わせて書く場合は家での様子や先生への感謝の気持ちも伝えると良いでしょう。

先生が「2学期は算数に力を入れていました」とコメントしていれば、「参考書を読んだり、ドリルを解いたりと家庭学習も積極的にしていました」というように、背景に家での頑張りがあることを伝えると子供の努力家な一面を先生に伝えることができます。

先生の取り組みによって成績が上がった場合は感謝の気持ちを伝えましょう。「先生のご指導のおかげで苦手な数学も楽しく勉強できたようです」と伝えると先生のモチベーションも上がります。

先生に感謝の気持ちを伝えることで、「この子にはこの取り組み方が合っていたんだな」と知ることができれば、授業の質の向上につながります。

子供の長期休み中のことを書く

通知表は学期末に持ち帰り、夏休みや冬休みが終わった始業式などの学期始めに持っていきます。そのため、子供の長期休み中の出来事を書くのもいいでしょう。

家事や家のお手伝いを頑張ってくれた時は、「家では弟の面倒をみたり、お皿洗いを手伝ってくれました」と家でのお手伝いの様子を伝えましょう。

頑張って宿題をしていたときは、「あさがおの成長に興味を持ち毎日観察を楽しんでいました」と子供の勉強への取り組みを書きましょう。

「毎日練習をして縄跳びが出来るようになりました」「父親とプールに通い25メートル泳げるようになりました」と子供が頑張って出来るようなったことを伝えるのもおすすめです。

通知表は子供も目を通すものなので、子供の良い所を保護者欄で伝えてもらえれば「新学期も頑張ろう」という意欲が湧きます。先生が知らないわが子の良い所をどんどん伝えましょう。

頑張ってほしいことを書く

苦手な教科があったり、成績が下がった教科がある場合は「子供に頑張ってほしいこと」として保護者欄に書くと先生も意識して指導してくれるでしょう。先生に丸投げするのではなく、家庭でも努力すると伝えるのが理想です。

保護者欄の記入例

「新学期までに九九を全部言えるようにする」と目標を立てて頑張っていましたが、なかなか覚えられず苦戦しているようです。家でも九九のポスターを見ながら覚えられるように頑張っています。引き続きご指導をよろしくお願いします。

なぜ勉強するのか?「勉強する意味」を子供に伝える方法
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中学生、高校生以降はどう書く?

受験勉強をしている女子高生

部活動が本格的にスタートし受験勉強も始まる中学生や高校生以降は保護者欄の書き方も多少変わります。中学生や高校生以降の所見に対する保護者欄の書き方を確認してみましょう。

長期休み中の部活動の取り組みについて書く

中学生や高校生になってくると部活に励む姿も見られるので、熱心に部活に取り組む姿を書くといいでしょう。

部活だけではなく、勉強と両立している様子も伝えるとさらに印象が良くなります。部活が忙しい中でも工夫して勉強していることを記入すれば、子供の頑張りを先生に伝えることができるでしょう。

保護者欄の記入例

  • 夏休みは部活の練習を欠かさず頑張っていました
  • 夏の大会では優勝することができ、自信につながったようです
  • 冬休み中も早めに起きて、朝の時間を勉強時間にあてていました

受験勉強や自主学習に取り組む姿を書く

中学生と高校生は、受験勉強や新学期に向けて自主学習をすることが大切になってきます。長期休み中に子供が工夫して勉強していたことを伝えるといいでしょう。

保護者欄の記入例

  • 苦手な英語のヒアリングを克服するために、英語のラジオやCDを繰り返し聞いて書きとれるように努力していました。
  • これまで習ったことを忘れないために、2学期のテストを見直して復習をしていました。

子供の苦手なポイントや悩みを伝える

成績が伸び悩んでいたり勉強方法に迷っている教科がある場合は、保護者欄で伝えておくと対処してもらえます。小学校の場合と同様に、科目と苦手な単元を具体的に書いておくと指導しやすくなります。

保護者欄の記入例

  • 現代文の成績が伸び悩んでおり、本人も勉強方法に迷いが出ているようです。
  • 教科書や参考書を参考にしながら宿題を解いていましたが、数学のグラフが苦手のようです。引き続きご指導よろしくお願いします。

中学生や高校生では学校での成績が受験にもつながるため、先生も熱心に指導してくれます。積極的に補講や声掛けなどをしてくれる先生もいるので、苦手なポイントや悩みがある場合は伝えておきましょう。

進路について伝える

子供の希望の進路に変化があったり、方向性が定まってきた場合は進路について伝えてみるのもおすすめです。

特に長期休み中は学校見学に行ったり、様々な経験をしたりすることで希望が変わることがあります。進路を伝えることで先生も希望に合う学校を探してくれたり、受験対策の方法を考えてくれたり、対処しやすくなります。

保護者欄の記入例

  • 以前は法学部を希望していましたが、子供の中で建築関係の学部に進みたいという希望が出てきたようです。
  • 以前はA高校を希望していましたが、学校見学に行って以来、B学園へ進みたいという気持ちが強くなっている様子でした。

自分の成績では難しい学校なので、先生に進路の話をしづらいという子もいます。子供と良く話し合い、保護者欄で子供の希望の進路を伝えてあげるのもいいでしょう。

通知表の保護者欄で先生に気持ちを伝えましょう

通知表の所見に対して、どうコメントすればいいかわからず戸惑っているお母さんも、難しく考える必要はありません。連絡帳のように保護者が子供の様子を伝える手段と考え、上手に活用しましょう。

通知表の所見から、いま一つ勉強に集中できていない様子がわかったら勉強を楽しいと思わせる方法を読んでみましょう。

先生は保護者欄にきちんと目を通しています。お子さんのいいところや頑張ってほしいことなど、保護者だからこそわかるわが子の良い一面を先生にも知らせてあげてください。