高校生で進路に悩む子供は不安も抱えている
高校生は、進路を決めることが自分の将来を決めることにもつながります。中学生のころは希望する高校に合格することを目標にしてきましたが、高校生にもなると小中学生の頃とは違い、将来のことを現実的に考え始めます。バスケや野球、陸上などのスポーツをやっている子や進学校に通っている場合、スポーツに力を入れている大学や、自分のレベルに合った大学進学を考えることでしょう。
就職を考えている場合、だんだんと今の自分を客観的に見れるようになってくる時期なので、自分には何ができるのか、自分に向いている職業が何なのかが分からなくなってしまい、悩む子供が多いです。
例え自分のやりたい事が決まっている子でも、それが就職につながるかという不安、親や学校の進路指導で先生に違う道を進められたといって悩む子供もいます。
やりたいことがなかなか就職につながりにくい、今の時代ならではの悩みも子供達は持っています。
高校生の進路が決まらない子供に親ができること6選
高校生の子供の進路が決まらないと、頭を悩まされている親は多いのではないでしょうか。高校2年生の夏頃になると学校でも進路指導が始まり、子供たちは進路選択を本気で考え始める時期です。
高校生の子供が、進路が決まらないと悩んでいる時、親はどう関わって、進路を考えてあげたら良いでしょうか。決めつける訳でも見守りすぎる訳でもなく、適度な関わり方で一緒に進路を考えましょう。
1.視野を広げさせると新たな目標の発見につながることもある
大学の公開授業に参加したり、普段は行かないような場所にでかけて子供の興味を探るなど、視野を広げてあげるのも良い方法です。視野を広げることで子供に新たな目標が見つかることもあります。情報収集などを手伝うことで、親子の良いコミュニケーションをとることもできます。
高校生の進路アンケートを見ていても近年の高校生は現実的な職業や進路を希望する子供が増えています。やはり進路が将来の就職につながると考えてしまうので、就職率の良い資格、大学を希望する子供は多いです。
今の自分の実力のみから進路を選択してしまうと、選択肢が狭くなりがちです。もう少し頑張れば違う選択肢も出てくる、こんなことを学んだり仕事にすることも出来る、など子供の視野を広げてあげることはとても大切です。
2.家庭でタイムマネジメント能力を伸ばしてあげる
タイムマネジメントとは「自分で時間を管理する」ことです。学校では決められた時間通りに動く場合が多いですが、家庭ではどうでしょうか。高校生になれば自分でタイムマネジメントすることは十分可能です。
家でテレビやスマホばかり見て過ごしている子供に「〇時になったら〇〇しなさい」と注意して動かすのは簡単ですが、子供自身が自分で「〇時になった〇〇しないといけない」と気付き、行動することが出来るようになるのが大事です。
タイムマネジメント能力が伸びると受験勉強する時にも役に立ち効率的な勉強ができるようになり、大学生や社会人になっても必ず必要な能力です。
タイムマネジメント能力を伸ばすには規則的な生活をし「決められた時間内に物事を終わらせる」という習慣をつける事が大切です。
3.自分探しの邪魔は極力せずに意見を尊重させる
子供が進路選択で悩んでいる時期、思わず口を挟みそうになってしまいますが、できるだけ邪魔をせず、子供の意見を尊重してあげて下さい。せっかく子供がやりたいことや自分に向いていることを探そうとしている時に、周りの大人から否定的な事をいわれてしまうと消極的な気持ちになってしまいます。
進路選択をしていくうちに、子供が挑戦しようとしている事、新しく始めたいと思っていることができれば、進路に関係なくまず応援してあげましょう。
高校生なので、やり始めてもやっぱり違うと辞めてしまうこともあるでしょう。しかしそれは無駄なことではなく、自分に向いていない物を一つ見つけたということになります。そういう失敗の繰り返しの中から、本当に自分のやりたいこと、向いていることが見つかるでしょう。
4.友達親子になっても自分で決断させるようにする
親と子供の関係より、友達同士のような付き合いの親子を友達親子といいます。もちろん親子の仲が良く、年頃の子供とコミュニケーションがとれていることはとても良いことですが、友達親子にはお互いに依存しすぎるというマイナス面を持つこともあります。
子供が親に依存しすぎると、自分に何かトラブルが起こった時に「何でも親が助けてくれる」と思ってしまい、自分で解決する力が育ちません。また、仲が良すぎて親に嫌われる事を極端に嫌がるようになってしまい、自分のしたいことよりも、親の意見を優先するようになってしまいます。
親も子供がいつまでも自分の思い通りになると思ってしまい、自分の思い描く進路に誘導してしまうことがあります。
5.勝手にレールを敷いで子供の進路を親が決めない
親から見ればいつまでも子供に見えますが、高校生は自分で進路選択ができる年齢です。こうすれば子供にとって一番よいはず…という考えは、親の一方通行になっている場合があります。
進路を考えることにおいて、親はあくまでも子供のサポート役であり、勝手に親の考えで進路を決めることはしないようにしましょう。
今はネットでもたくさん情報収集ができる時代で、子供たちは思っている以上にたくさんのことを考え、知識を持っています。
親からすれば、どうしても進学先や就職率は気になるところですが、それを踏まえて子供たちは悩んで進路を決めています。親からのアドバイスは大切ですが、決めつけるようなアドバイスはしないようにしましょう。
6.親ではなく人生の先輩として子供にアドバイスする
子供に進路についてアドバイスをしてあげたくても、親の学生時代と比べ、現在の社会の状況は大きく変わっています。自分の常識が現在の常識ではなくなっている部分もあります。
しかし、少なくとも子供より人生経験があります。自分とは違う大学や職業について詳しくアドバイスはできませんが、例えば働きながら育児をしてきた話、海外に行ってこんな体験をした話、など、子供がまだ知らない世界の話をしてあげると、子供も将来のイメージが具体的にわきやすくなります。
こんな資格をとったら子育てしながら働ける、海外にはこんな仕事がある、昔と今ではここが変わってきたなど、進路に役に立つ話になるでしょう。軽い世間話のような感じで子供に話してあげて下さい。
子供の成長を信じて高校生の進路の選択を見守る
進路選択の時期になると、子供が何を考えているのか、どういう進路に進むのか、とても気になります。子供から何も話さない場合、どこまで聞いて口を出したら良いのか迷うことでしょう。
頼りなさそうに見えてしまう時も、まずは子供を信じて見守ってあげましょう。子供は進路選択をしていく中でも成長し、今までの自分を振り返るチャンスになります。
考えていく中で、自分の中にある興味や得意分野を見つける事ができることもあるでしょう。そんなせっかくのチャンスを親が奪ってしまったらもったいないです。
子供からのSOSが出てから助けてあげても遅くはありません。
高校生になると進路の選択は友達の影響が大きい
高校生の子供達にとって、同年代の友達は一番大事な存在でしょう。仲が良ければ特に、友達の進路選択が自分に影響する子も多いでしょう。
友達と同じ職業に就きたい、同じ大学に行きたいと考えてしまう子もいます。塾や学校の友達と切磋琢磨して勉強などに励むのは良いことですが、友達の進路が決まっていく中、自分だけ決まらないと焦ったりイライラしてしまうことがあります。
進路選択に必要なことは「自分で決める」ということです。友達の真似をする必要も比べる必要もありません。もし子供が友達の影響を受け悩んでいる様子ならば、「自分で決める」という事を意識させてあげましょう。
高校生が進路に迷ったときにはオープンキャンパスなどの学校見学に行ってみる
進路が進学となれば短大、大学、専門学校と選択肢があります。子供に興味のあることが見つかったら、ぜひ学校見学会に参加してみて下さい。
多くの学校では、オープンキャンパスや進路説明会を実施していて、実際の大学の授業が受けられる高校生向けの体験授業をしている学校もあります。
どれも気軽に参加できるものが多く、子供だけや親も同伴で行くことができるものもあり、はっきりとした目標がなくても、少しでも興味があるものや得意分野に重なるものがあれば、参加することで子供のイメージも具体化します。
興味のありそうな学校のリサーチをしてあげて、強制的ではなく、さりげなく子供に参加してみればと提案してはいかがでしょう。
高校生での進路選択ではなくロングスパンで人生を考えてみる
10年後の人生に目標が決まっていれば、逆算して進路を決めることもできます。
- 一生働きたい場合、それなりの会社や資格が必要、それならここの学校に行くことが必要になる
- 結婚して子供が欲しいなら一度退職しても何年か後に復帰しやすい職種にする
- 海外に移住したいのなら語学を勉強したり留学経験をする
このようにロングスパンで人生を考えてみると、見えてくる目標や進むべき進路が分かります。
高校生の進路を見守ってきた親たちの体験談
子供の進路を見守ってきた先輩ママたちの体験談です。自分の子供と当てはめてみて、参考になる対応を真似てみるのいいでしょう。
迷い道
まりえ(50代後半)
今は公務員として働いている息子が、高校卒業後の進路で迷っていたときの事です。大学に進むのか、それとも専門学校に通って、専門的な知識や資格を取っていくほうがいいのか、本人の中での葛藤がありました。
私たち親としては、やはり大学に進んで欲しいと思っていました。大学に行き、幅広い知識を学び、多くの友達を通して、将来就きたい仕事を見つけてくれればと考えていたのです。それに、社会に出るとなかなか自由に使える時間というものも取れなくなります。
甘いと思われるかもしれませんが、息子には、大学在学中のまだ自由な時間がたっぷりある時に、色々な事を経験したり、楽しんで貰いたいとも思いました。
結局、専門学校に進み、実践的な直ぐ使える事務など学びながら、パソコンの資格を取っていきました。本人が色々考えた結果、自分はそのほうが合っているし、目標を持って取り組めるからと決断しました。
主人は、大学進学を強く望んでいましたので、口論になることもありましたが、最終的には本人の希望に沿う事になりました。
したい事をやってみたらいい
しいな(30代前半)
家の子は男の子で、進路で迷っている時に相談をしてきました。子供はすぐに就職したいと言っていたのですが、親としては大学や専門学校など勉強してから社会に出た方がいいのかなと思いました。
本人は大学を出てもただ就職が先のばしになるだけだからという感じでした。高卒でも雇って貰える所もあると思いますが、大学に出た方が就職の幅も広がるし学歴があった方が子供にとっていいかなと思う親としての気持ちも伝えました。
それでも家の子は働くというので、子供がしたい事を邪魔するのもどうかなと思い、やりたい事を一生懸命やりなさいと伝えました。
子供は工場の仕事をしたいらしく、そこに就職をしました。お給料も結構いい金額なので良かったねと一緒に喜びました。学歴は今の時代はそんなに重要では無いのかなと思いました。就職が無事に決まってくれて良かったです。
上手に誘導
うさち(40代前半)
公立高校に通う長男が居ます。高校受験では、とてもじゃないけど受からないのでは?という人気の学校にチャレンジしました。倍率も高く、模試でも合格ラインなど程遠く…落ちても他の高校へ行けばいい、という感覚でトライしましたが、今回大学受験に関しては早いうちから話し合い、確実な道へと誘導しています。
母子家庭で、下に弟が二人いることを考えると、ケンカで言い合いになったとき「だったら大学なんて行かないで働いて家計助けてよ!」と吐き捨ててしまうこともありましたが、実際は通っている高校が進学校なので就職などは全く考えておらず、ただ、好きなことやりたいことを聞いたり見たりしていたら、通学圏内でレベルも長男にちょうどあった大学があり、今はその大学のことを私が必死に調べパンフレットを置いてあげたりイベントの日程を教えてあげたりと、長男の気持ちを盛り上げています。
3年生になり科目選択もその大学受験向けにできましたし早くから先生に志望校として伝えているので、今とてもいい感じでそこの大学への進路を築いています。
親はあたふたしました
ゆーこ(30代後半)
子供は女の子です。大学に進学するか短大にするか就職にするかについて、大変悩みました。親としましたら子供の悩みにいち早く気づいてすぐに対処しないといけませんが、長女だったためどうしていいかが全くわからずにいました。
まず私は担任先生に相談しました。うちの娘は勉強が好きで、体育教師になりたい道があるので体育大学を進めて頂きました。体育大学はほとんど体育の勉強をするのですが、もちろん成績もあげないといけませんが、娘はもう勉強していしました。
結局体育大学を見学したらあまり自分には向いてないと言う事で、大学は諦め、普通の一般の大学にしました。
今はやりたいことが見つかりませんが、大学に行きながら自分のやりたいことを見つけられるよう頑張っています。私が思いましたのはゆっくりでいいと思うんです。何も焦らなくても絶対に良い道が開けるので、私は子供に全てを任せています。
息子の意思
あちゅ(42歳)
息子は私に相談するまでの期間も、進学するか就職するかすごく悩んだと思います。私の気持ちとしては進学して、あと4年間学生生活を楽しんで欲しかったのですが、息子は就職を選びました。
息子から相談を受けた時も「あんたの好きにしなさい」と私は答えました。高校進学の時も私は同じ事を言いました。うちは母子家庭なので息子は息子で、節目の進学の際に私に気を使っていたんだと思います。
高校進学の際は、私が高校中退をし、今まで働く際に苦労したことと、女子高生を満喫したかったことを話しました。ですが「高校に行きなさい」とは言いませんでした。それは本人が決めることですから。
そしてまた息子にとって大きな選択をしなければいけない場面が訪れました。就職か進学か…優しい子なので、進学すると私に負担が掛かるとも言っていました。
結局は就職を選んだのですが、大学も義務教育になれば、うちみたいに母子家庭で生活に余裕がないから進学したくてもできないという、悲しい思いをする子供が減らせるのになと思います。
子供と一緒に考える
koko(40代前半)
子供が大学の進路に迷っていた時、子供もまだ何なりたいか決まっていませんでした。私もそうですが。昔から憧れの職業やなりたいものが無かったので、本屋さんで職業の詳しい本を買って一緒に読んで話しあい、沢山の職業があり子供ともにびっくりしました。
消去法でいいのかわからないけれど、看護や医療関係はちょっと無理だったり、これだったら、興味があると思えるものが食の関係でした。
その為、大学も食関係の事が学べる管理栄養士のある大学を選びました。まだまだ、本当に資格を取って、それを生かせるのかわかりません。
大学の情報口コミでは、希望を持って資格を取っても三分の一程しか、資格を活かしての就職先についていなく、全く違う仕事をしている人も沢山いるそうです。
でも、その時に勉強した事は無駄ではないので、また悩みができても、話しを聞いてあげたいなと思います。
高校生の進路の選択は就職か大学か
いろんなことを試したり考えてもなかなか難しいのが進路選択です。どんなに考えても決められた時間で答えが出ないことがあります。そんな時はとりあえず「大学生」になるのも良いのではないでしょうか。
明確な目標がないまま入った大学で新たな出会いや発見もあり、高校生よりも時間の余裕もできるのでいろんなことにチャレンジもできます。進路が決まらなく焦っている子供に「とりあえず大学生」という選択肢を与えてあげると子供気持ちが楽になるでしょう。
大学受験のプレッシャーに押しつぶされ、中には不登校になってしまう子供もいます。学校に行くよう頭ごなしに怒らず、将来が心配…不登校の高校生が抱える問題と親の接し方を参考にし、対応してあげるようにしましょう。