シングルマザーで未婚を選んだら、知っておくべきこと
シングルマザーで未婚の道を選んだ人の割合は年々増加しています。シングルマザーにも2つのタイプがあり、1つは結婚して子供を授かったけれども、婚姻関係が破綻して女手1つで育てていくことになった場合。
そしてもう1つは、結婚という選択をしないで未婚のまま子供を出産してシングルマザーになった場合です。
出来ることなら、大好きな人と結婚して子供を授かるという人生を歩みたいのでは?と思うのはその人の価値観で、女性であれば必ずしもそう考えるわけではありません。また、本来はそうしたかったにもかかわらず何らかの理由で未婚のシングルマザーという人生を選ぶ女性もいるのです。
ですが未婚のシングルマザーが別に珍しいことでも不幸なことでもなくなりつつある世の中へと変わってきています。
今回はちょっとデリケートな面もはらむ未婚のシングルマザーとして生きる道を選んだあなたを、出来る限りサポートしていける内容を選びました。
未婚のシングルマザーとして子供のために行うべき「認知」「出生届」「手当」に関する情報を集めてみましたので、ぜひ、参考にしてください。
女性が「未婚シングルマザー」を選択するとき
現時点で、未婚のシングルマザーという道を選択したあなたの強い決意に、応援したいという気持ちでいっぱいです。その選択をするまでに、少なからず悩み、迷い、事情によっては涙を流した夜もあったでしょう。
ですが、孤独や不安を感じる必要はありません。日本でも未婚のシングルマザーの数は増えていますし、アメリカを中心として世界の国々では未婚のシングルマザーに対して、もっとオープンな見方をしているようです。
私が未婚シングルマザーになった理由
日本で未婚シングルでの生活を選んだ女性は、どのような事情があったのでしょうか?
- 相手に結婚できない事情があったため1人で産むことを決意した。
- 誰が父親か分からない。
- 交際相手に妊娠を告げたら逃げて行った。
- 結婚するつもりだったけれどあまりに相手が不甲斐ないのでやめた。
- 結婚自体にメリットが感じられなかった。
未婚のシングルマザーになった理由は人それぞれ、まさに100人いれば、100通りです。
ですが、どんな理由があろうとも、結婚という選択肢を選ばず1人で子供を育てていこうと決意した気持ちを持っているのは母は強しといったところでしょうか。
未婚シングルはこれから始まる子育て、生活、仕事に置ける不安も喜びも全てひとりで背負い込むわけですから、決意したとは言え、ずっしりとした責任を感じざるを得ませんが、この世に自分1人だけという感覚には陥らないようにしましょう。
大切にしたいのは、これから先の生活を利用するものはとことん利用して維持していくことと、子供との時間とあなたの人生を楽しむこと、ですよ。
未婚シングルマザーになる前に確認しておきたいこと
「結婚しないで、1人で育てていこう」と決意するまでに、色々なことを考えたことでしょう。
もし、未婚シングルマザーを選ぶまでにいろいろなトラブルがあったのなら、これ以上のごたごたには関わりたくないと思うかもしれませんが、目を背けることなく、きちんと向き合っていきましょう。
「わかってる!」じゃ済まされない!1人で子供を育てていくのは並大抵のことではない
日本でも未婚のシングルマザーが多くなっているとはいえ、まだまだ未婚のシングルマザーに対して、良いイメージを抱いていない人は多いのではないでしょうか。
「子供が可哀想」「未婚の上に1人で育てていくなんて何をやらかしたのかしら?」と何も知らない人に心ない言葉を浴びせられることがあっても、一切気にしたらいけません。
未婚シングルマザーとなった以上、どんなことを言われても、どのような状況でも、全力で、そして多くの場合はひとりで子供を守っていかなければならないのです。なので一人で抱え込まず、周りの頼れる人や機関を頼ることが大切なのです。
また、未婚で出産される人だけではなく、これから出産を控えている女性たち全てに言えることですが「出産はゴールではなくスタート」ということです。
夫婦での協力体制があっても、ひとりでも、子供を育てていくのは喜びもたくさんありますが、苦労も並大抵のことではありません。頭では理解しているつもりでも、実際に子供が生まれてからだと、日々の慌ただしさや疲れが重なり気が付いたときには想像以上に追い詰められてしまうこともあるのです。
出産子育てに向けての準備を
「1人で産んで、1人で立派に育ててみせる!」と未婚での出産と子育てに強い覚悟を持っているとしても、正直に申し上げてそれはとても難しく、強い覚悟が自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。自分だけで抱え込んではいけません。
周りに出産や子育てをサポートしてくれる人はいる?
出産の前後ではいつものように動けなくなりますし、慣れない子育てと家事の両立は、誰かのサポートがあるに越したことはありません。
一番身近な存在として、実家の両親にサポートしてもらえればよいのですが、事情があって頼れない人もいるでしょう。友人・知人などにお願いをするか、誰も頼れない場合は早い段階でお住まいの地域の役所へ相談し、出産に向けて環境を整えていきましょう。
親子二人の生活を維持する経済力の確保を
愛情だけで子供を育てていくことは出来ません。子供を育てていくにはお金が必要です。
既に安定した就職先にお勤めの場合は産休育休等の手続きへと進みますが、現在仕事が安定していないまま未婚シングルマザーの道を決意した場合、経済力まで実家に頼りっぱなしというわけにはいかない、と言う人は多いでしょう。
自分ひとりの手で子供を育てていくためには、子供を守り育てていく経済力を身に付けていたいですよね。ひとり親家庭となると、勤務先に国の助成が出ることもあって働き口は探しやすくなっています。子供が生まれる前に、生活設計を考え就職口を確保(もしくは行政サポートを確保)するようにしましょう。
未婚の場合は子供の父親に認知してもらうことが大切
未婚のシングルマザーになるのなら、子供のためにしなければいけないことがあります。もし、子供の父親がハッキリとしているのなら【認知】をさせることが大切です。
認知の必要性や「相手にはもう関わりたくない」と言った場合はどうすればいいのかをお話していきます。
子供を認知するとはどのようなこと?
認知とは、法律上の婚姻関係を結んでいない男女のもとで生まれた子供に対して、「この子は自分の子である」と認めることです。母親の場合は出産をするのですから、自分の子供であることが明らかなので、認知とは相手に「子供の父親」であることを認めさせることを指します。
認知することによって、法律上の親子関係が成立して、権利や義務などの関係が成り立ちます。
相手に子供を認知させるべき理由
子供を認知してもらうことに関してデメリットはありません。あるとすれば、母親であるあなたが「相手にはもう関わりたくない」と思っている場合や、相手が逃走中でそれを捕まえて認知をさせるのが一筋縄ではいかない場合でしょう。これらはあなた自身にとって避けたいストレスとなる場合があります。
ですが、これから母としてあなたが強く生きていく上でも、これから生まれてくる子供が最低限不足のない生活環境下で育っていくためにも、相手には認知をしてもらうべきです。ときにはメリットとも言える相手に子供の認知をさせるべき理由を詳しく見ていきましょう。
1.法律上の親子関係が成立
婚姻関係を結んでいないので、あなたの戸籍に配偶者として記載されることはありませんが、子供の戸籍の父親欄には名前が記載されます。ちなみに、胎児の認知をした場合は、出生届の欄にも父親の名前が記載されますし、父親の戸籍にも認知の記録が残ります。
もしも認知をしなかった場合、法律上は赤の他人となり、血縁関係はあろうとも法的な義務や責任は生まれません。
2.養育費を要求することができる
法律上、親子になることで父親と子供の間に扶養義務が生じます。具体的に言えば、子供が成人するまでの養育費の請求が可能となりますし、反対に子供が成人後に父親が生活苦の場合は、生活を扶助する義務が生じます。これは、あなたや相手がどうこうではなく、生まれてくる子供の権利です。
また、1人で子供を育てていくのは、金銭的にも容易なことではありませんし、もしあなたに万が一のことがあった場合、子供を守れる立場の大人は必要です。
「もう、子供の父親とは関わりたくない」という気持ちも分かりますが、全てはふたりの感情のもつれに巻き込まれた子供のために考えましょう。
3.子供に父親の遺産相続権が認められる
法律の改正によって平成25年9月5日から、婚外子でも実子(摘出子)と同じ相続分の遺産相続金を受け取れるようになりました。
もちろん、借金がある場合は遺産放棄もでき、遺産相続権があるということは、親権も父親に渡すことが出来ます。
※婚外子…婚姻届けを提出していない男女間に生まれた子供。非摘出子、摘出でない子とも言います。
4.あなたは関わりたくなくても子供にとっては「父親」である
生まれながらにして父親がいない環境で育つと、それが当たり前になってきますが、やはり成長に伴い子供ながらに実の父親のことが気になってくることも。
ひとり親家庭で育った子供は成人したり、自分が結婚するタイミングで本当の父親(また母親)に会ってみたいと思う人も少なくありません。そのようなときに相手の認知により、出生届や戸籍に父親の名前が記載されていることが役立ちます。
万が一「母親が父親のことを言わないまま亡くなってしまった」という状況が起こったときも、認知さえしていれば、子供は本当の父親の名前を知ることが出来るのです。
認知はいつおこなうのがいい?
認知はいつでも可能です。子供がお腹の中にいる時点でも、父親の死後でも3年以内であれば認知請求が可能です。しかしながら、相手が認知を拒否することもありますので、トラブルの解決にかかる時間も想定し、認知にはできるだけ早めに取り掛かるべきでしょう。特に子供の父親の居場所が分からなくなってしまいそうなとき、音信不通になりそうなときは、すぐに手続きをしましょう。
認知は子供の将来のためにきちんと行うべき!
認知しなければ、養育費を支払う必要もない・・・つまり認知をしないメリットは、父親ないしは母親にしかありません!これ以上生まれてくる子供を大人の勝手に巻き込むことのないよう、面倒と思わずに、しっかりと対処していきましょう。
子供の認知でトラブル!相手が父親だと認めない場合は?
「お腹の子供の父親は自分ではない」「どこに父親が俺だっていう証拠があるんだ?」と心を深く傷つけられるような言葉を、相手の男性に浴びせられる女性は少なくありません。
お腹の中の赤ちゃんの実の父親からそのような言葉を浴びせられる屈辱は、きっと計り知れないことでしょう。「どうして私がこんな思いをしなければいけないの?」「私だって、どうして良いのか分からない」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。
しかし、未婚のシングルマザーで生きていく道を選択したのであれば、泣いてばかりはいられません。自分1人で育てていくことに金銭的な不安があれば、尚更どうにかして認知してもらい、養育費を請求するべきです。
明らかに父親であるのに、その事実を相手が認めてくれない場合は、DNA鑑定という方法がありますので、負けずに闘う覚悟をしっかりと持ちましょう。
DNA鑑定を試す方法
みなさんがイメージしている以上に、DNA鑑定は簡単におこなえます。一般的には、口の内側を綿棒のようなものでこするだけで、検査は完了です。検査機関は、医療機関ではありませんので、身分証や保険証を提示する必要もありません。
認知のときのDNA鑑定は毛根が付いた体毛ならOK
体毛から採取するDNA(Mt-DNA)では母系の血縁関係は特定できますが父の認知鑑定を行うときには毛根についている細胞からDNAを採取する必要があります。
自宅に他人はめったにこないとしても、室内などで拾った体毛は関係のない人のDNAである可能性は0ではないため、必ず父子鑑定のときはDNA鑑定キットが届いたあと直接抜いた髪を用いるようにしてください。
子供が生まれたらまずは出生届の提出を!
「未婚の母、結婚しないで産んだ子供と周囲に知られたくない」と考えてしまうのだとしても、生まれてくる子供には親が結婚しない事情は関係ありませんし、1人の人間として生きていく権利があります。
出生届を出さないと子供は無戸籍となります。罪もない子供が困らないように、必ず子供のために役所に出生届を提出して戸籍を取得しましょう。戸籍が無ければ保険証もない、学校に通うこともできない、車の運転免許を取得できない、就職の際にも問題が生じるなど様々な面で困難が生じます。
出生届の提出方法
出生届は病院で提出するものと思っている人も中に入るようですが、生まれてきた子の出生届は基本的に親が自分で行います。出生届の提出期限は生まれてから14日に、病院から受け取る出生証明書を添えて役所に提出します。
認知がまだのときも出生届は必ず提出
相手の認知に手こずっているときでも出生届は必ず提出します。この場合は出生届の「父」の欄は空欄にして、出生届を提出してください。
出生届を出さない場合、罰金が課せられることもありますので、出生届の提出をためらわざるを得ない何か問題があるときは、必ず役所に相談をしましょう。
未婚のシングルマザーでも受給できる手当とは?
未婚のシングルマザーで生きていこうと決意したのなら、頼れるものにはとことん頼っていきましょう。特に行政の援助は、最低限親子の生活を守り支えるものとなります。どのような手当がもらえるのかを知っておくことが大切です。
児童扶養手当
母子家庭・父子家庭対象の手当です。児童1人の場合は月額 42,330円、2人の場合は月額 52,330円、3人の場合は月額 58,330円、3人目以降は1人増えるごとに月額 6,000円がプラスされます。ただし、所得に応じて支給停止額が決められます。
ひとり親家族等医療費助成制度
母子家庭・父子家庭対象の手当で、児童とその親に対して、医療費の自己負担額の一部が助成されます。ただし、助成の詳細は市区町村によって違い、入院時食事療養や生活療養標準負担額に関しても助成の有無が異なりますので、お住いの地域の市町村区役所に確認するようにしましょう。
児童育成手当(東京都の例)
母子家庭・父子家庭対象の手当で、児童が18歳まで支給されます。
国の定める制度である児童扶養手当に対し、児童育成手当は国の補助金を受けて自治体が運用する制度となります。
母子家庭・父子家庭の住宅手当
こちらも地域によって有無や助成詳細など要件が異なる条例となります。
20歳未満の子供がいる母子家庭・父子家庭が対象で、家賃が10万を超えている場合に助成金を受け取ることができます。
未婚のシングルマザーだって必ず幸せは掴み取れる!自信を持って!
今回は未婚のシングルマザーになる前に知っておきたいことについてまとめていきました。今回ご紹介した認知や出生届などの手続きは全て子供ためであり、子供の人権を尊重する第一歩となります。子の父親と会いたくない理由があるときは自分が直接会うのではなく、弁護士を仲介することもできます。弁護士と聞くと「お金がかかる」イメージがありますが、法テラスでは弁護士を利用する前に無料で助言をもらえますし、必要があればサポートを受けながら弁護士を利用することもできます。子供のためだと思って、手続きだけは完璧にこなしましょう。
子供を育てていくのは、ただでさえとても大変なことですから、未婚のシングルマザーで育てていくのは並大抵のことではない日々の連続でしょう。全てをひとりでこなすとなると体力もエネルギーも数倍が必要ですが、未婚のシングルマザーは決して不幸ではありません!
子供という宝を授かり、一緒に生きていく人生では必ず何にも代えがたい幸せを感じられるでしょう。