母子分離不安の特徴と原因

母子分離不安とは?子供の不安を取り除く年齢別の対処法

母子分離不安とはどんな状態なのか、その特徴や、なにが原因で起きるのかなどについて解説します。不安を感じる子供への対処法や発達障害との関係性など母子分離不安に対する疑問などについてもご紹介いたします。

母子分離不安とは?子供の不安を取り除く年齢別の対処法

母子分離不安の状態

子供がママを求めること、ママの姿を後追いするなどの行動が「母子分離不安」の状態と言えます。子供がママから離されることに対して不安を感じ、泣き叫んだりしがみついたりしていることを見かけるのではないでしょうか。

母子分離不安の状態は、子供の認識能力が発達する8ヶ月頃から現れ始めるようになります。それまでは自分の力だけでは動き回れなかった赤ちゃんも、ハイハイの時期から徐々に自分でも動き回れるようになり、行動範囲が広がっていきます。

すると、それまでとは違う世界に不安を感じ、守ってくれるママの存在がより大事になることで、離されることに不安を感じ泣き出したりしてしまうのです。

これがピークになるのは生後10~18ヶ月で、そこからいろいろな経験を重ね、「ママがいなくても大丈夫」と思えるようになる2歳~3歳で自然となくなっていきます。

母子分離不安の2つの特徴

母親に抱きつく女の子

母子分離不安は大きく3歳までと3歳以降の2つに分かれ、それぞれ特徴が違います。年齢別に特徴を挙げてみましょう。

1~3歳まで

3歳まではママがいなくなることで不安を感じ、泣いてしまうことが特徴としてあります。ママの姿が少しでも見えなくなると、同じ家の中にいても泣いてしまい、ママを探して後追いをすることが代表的です。

ほかにも、ママ以外に抱っこされると泣き出したり、赤ちゃん返りなどの行動もみられます。また、3歳までの母子分離不安は「乳児期前半・乳児期後半・乳児期以降」の3つの時期に別れ、それぞれに次のような特徴があります。

  • 乳児期前半…抱っこしていないと泣いてしまう(抱きぐせ)
  • 乳児期後半…ママの姿が見えないと泣いて探そうとする(後追い)
  • 乳児期以降…ママと離れると不安(後追いや駄々をこねる・泣く・赤ちゃんがえり)

母子分離不安と人見知りは混同されることもありますが、人見知りは知らない人に対して恥ずかしがったり嫌がったりすることですので、根本的には別物になります。

3歳までは成長している証

3歳までに起きる母子分離不安は、赤ちゃんが成長するうえで必要な過程ですので、泣き叫ぶからといって問題はありません。ママの姿が見えないことで赤ちゃんが泣くのは、まだ赤ちゃんは先に起こることが分からないからです。

ママの姿が見えなくなると「あとでまた戻ってくる」ということが分からないため「もうどこにもいない」「自分ひとりで守ってもらえない」と不安になってしまいます。

成長するにつれ、記憶能力が向上することで母子分離不安が治まっていきます。「ママは今いないけど、しばらくしたらいつも戻ってくる」ということが記憶されるようになれば、ママの姿が見えないことに不安を感じることがなくなっていくからです。

3歳以降

砂場で1人で遊んでる女の子

ママがいなくなる不安と環境の変化などのストレスから、ママに安心感を求めて離れられなくなるのが特徴で、次のような行動が見られます。

  • ママの姿が見えないと泣いてしまう
  • 激しい人見知りをしてしまう
  • 常にママにしがみつく
  • 暗闇を異常に怖がりひとりで寝られない
  • 親がいないと遊ぶことができない

3歳以降の母子分離不安の原因5つ

3歳以降の母子分離不安の原因は主に、不安感や環境の変化などのストレスから起きています。このほかにも、さまざまな要因があります。

不安を感じるというのは生きる上で必要なことで、誰にでもある本能です。赤ちゃんや小さい子供は自分だけでは身を守ることができず、守ってくれる存在が必要です。この守ってくれる一番の存在がママなのです。

子供にとってママは「一番安心できる存在」なので、そのママから離されると「守ってもらえない」と不安になりママを求める行動をとります。

3歳以降で起きる母子分離不安は主に環境の変化や子供の性格・周りとの関わりなど、さまざまなことが原因となります。代表的なものを5つ挙げてみましょう。

子供の性格によるもの

母子分離不安は子供の性格によっても不安を強く感じる子や全く感じない子がおり、同じような環境で育っても一人ひとり表れ方が異なります。

また引っ込み思案の子はママと話されると不安を感じやすい場合があります。

甘えが満たされない

子供はママの愛情を感じることで安心し、1人でも大丈夫と自信を持つようなります。そのため、小さい子供はママによく甘えます。

ですが、この甘えが満たされないと愛情を感じることができず、愛情不足の子供はいつまでもママの愛情を求めてしまい、母子分離不安が起きる場合があります。

ママとの関係が全て

愛情が不足してもダメですが、過度の愛情も母子分離不安を招く場合があります。ママと密着して過ごし、ママと子供だけの関係が全てになると、ママへの依存が強くなり離されることに不安を感じてしまうのです。

また、ママ以外の人とあまり接する機会がない場合、自分にとっての安全な場所が母親以外にもあることを認識できません。

環境が変わるストレス

子供もストレスを感じます。子供なりに、さまざまな変化でストレスを受けますが、環境の変化も原因の一つとなります。

引越しや入園などの大きな環境の変化があると、それまで慣れていた環境が変化することへの不安から、ママへ安心を求める傾向が強くなってしまうことがあります。

別れの経験や兄弟の誕生

大事にしていたペットや家族が亡くなると「別れ」に対して敏感になることで情緒不安定になり、ママへの依存が強くなる場合があります。

また、兄弟が生まれることで、それまで独り占めしていたママの愛情をとられる事への不安も原因となります。

母子分離不安の対処法

子供を抱っこしながら話しかけてる母親

母子分離不安への対処法で大事なことは子供の不安を取り除くことです。そのため、子供の甘えをしっかり受け止め、ママからの愛情もたっぷりと伝えることが大事です。

スキンシップをとったり子供の話にきちんと耳を傾けたりし、日常の中で子供へ愛情を伝えるようにしてください。

3歳までの対処法のポイント

赤ちゃんや子供の甘えを受け止め、愛情を伝えて安心感を与えることが大事です。母子分離不安はママがいなくなると不安を感じることで起きるので「大丈夫」だと伝わるように安心感を与えてみましょう。ママと離れることに対して安心感を与えるために、次のコツを参考にしてみてください。

そばを離れるときは声を掛ける

ママの姿が見えなくなると「どこにもいない」と不安を感じてしまうので、必ず帰ってくることをわかってもらえるようにしましょう。

「すぐに戻ってくるよ」「キッチンにいるからね」と声掛けをしてから、赤ちゃんから離れてください。赤ちゃんは言葉を理解していないと思っても、このように声をかけ続けていれば、徐々に「ママは帰ってくる」ということを理解できるようになります。

また、泣いたからといってすぐに赤ちゃんに駆け寄るのではなく、離れた場所から「ここにいるよ」など声を掛けて「姿が見えなくてもママはいる」ということを伝えてください。

知らない場所は一緒に過ごす

知らない場所に行くと赤ちゃんはより不安を感じ、ママがいないことにいつもより怯えてしまいます。ここは安全な場所だと赤ちゃんがわかるように、慣れるまで、ママと一緒に楽しく過ごすようにしてください。

泣いても叱らない

泣いている女の子

姿が見えないだけで泣き叫ばれることが続くと、何もできずにママもイライラしてしまうこともあります。でも、そこで叱ったりしないでください。叱られることで赤ちゃんは恐怖を感じてしまいます。

赤ちゃんは、ママを困らせようとして泣いているわけではありません。不安で仕方なくて泣いてしまうのだと、ママも一呼吸おいて赤ちゃんに接してみましょう。

愛情をたっぷりと

日常でスキンシップを積極的に取るなど、愛情をしっかり伝えることで安心してくれます。愛情を伝えるといっても何か特別なことをする必要はありません。

赤ちゃんと楽しく触れ合う時間という気持ちで接してあげることが大事です。毎日行っている次のようなことでも、たくさん話しかけ、タッチするなど、十分愛情は伝えることはできます。

  • 抱っこ
  • 授乳
  • おむつ交換
  • 肌が触れ合うスキンシップ
  • 声かけ

たくさん抱っこしてあげることは、愛情を伝える上で必要なことです。抱っこされることで赤ちゃんは安心感を得て、ママの愛情を感じることができます。

ただ、そのためにつきっきりでお世話をするというのは違います。四六時中、赤ちゃんにつきっきりではママも疲れてしまうだけでなく、赤ちゃんの成長の妨げにもなるので注意が必要です。

3歳からの対処法のポイント

3歳以降で起きる母子分離不安は、子供が感じているストレスや不安を取り除くことが大切です。
子供の様子を見て、また、日頃から子供に声掛けをするなどして、何に不安を感じているのかを気づく・子供が不安を伝えやすい環境をつくることが必要となります。

子供が不安を感じ、ママを求めるのには理由があります。大きくなったからといって、子供を突き放したり叱ったりしないでください。

親子でいる時間を増やす、手をつないだり一緒に遊ぶなど、スキンシップの時間を増やすことで、子供のストレスや不安を取り除くことができます。

子供が不安に負けないようになるためには「ママがいつでも自分を見守ってくれている」という自信を重ねることが大事です。

甘えをママに受け止めてもらえないと、愛情を実感できず、不安がより大きくなってしまいます。子供へしっかり愛情を示してあげることが大切です。甘えてきた場合は受け入れてあげましょう。

子供は不安を感じつつ、どうして不安なのか、なぜママを求めてしまうのかを自分で理解できていない場合があります。ママがその気持ちに寄り添って「わかっているよ」と示してあげることで、子供は徐々に落ち着くようになります。

分離不安症や発達障害との関係性

母親のカーディガンの裾を握って歩く男の子

母子分離不安は子供の成長の過程であり、親や周りの人達が、子供の不安を理解して対応することで緩和されます。

ですが、ひと時もそばを離れられない、お手洗いにも行けないなど、あまりにひどい場合などは、分離不安症などの可能性もありますので、カウンセラーや専門の機関などへ相談してみましょう。

過剰な不安は分離不安症のサイン?

母子分離不安が長期間続き、また、不安感が過剰過ぎる場合「分離不安症」と診断される場合があります。

分離不安症とは母子分離不安が強まり、愛着を持っている人物や家などから分離されることに対して、異常な不安や恐怖を感じたり、腹痛や頭痛などの身体的な症状を引き起こします。分離不安症となった場合は母子分離不安の対処とは異なり専門の機関での治療が必要となります。

発達障害との関わりについて

発達障害がある子供にも、母子分離不安の特徴が見られます。発達障害の子供は対人関係が偏り、物の考え方が個性的なため、ほかの子供より、極度の不安を感じやすい場合があります。

そのため、ほかの子供といることを嫌がり、ママからひと時も離れられないなどの場合がみられるのです。

スキンシップを十分にとり、ママから離れることへの不安を取り除く対応をしているにも関わらず、極度の不安感を持っていて、お手洗いにも行けない、姿が見えているのにそばにいなければ泣き叫ぶなど、病的に離れない場合、母子分離不安か発達障害か、一度専門機関で検査を受けてみましょう。

気になる場合は第三者に相談を

母親に抱きついてる女の子

母子分離不安はほとんどの子供にあることですので、母子分離不安があるからといってすぐに分離不安症や発達障害とはなりません。

不安以外に気になる行動がないか、子供の様子を見て気になる場合は、地域の保健センターや育児相談センターなどに相談してみましょう。

ママの姿が見えないことで、泣き出したり後を追ったりが続くとママも困ってしまうかもしれません。不安で泣き出すのは、成長の大事な通過点であり子供が不安を感じてママを求めるのは、ママのことが大好きだからです。

子供としっかりコミュニケーションをとり、安心感とたっぷりの愛情を伝えて、子供の不安を取り除くようにしてください。

母子分離不安なのか、ただの人見知りか判断がつきにくい方は、2歳になっても人見知りする子供を参考にし、我が子がどちらなのか見比べてみてください。

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