子供がキレるときの親の関わり方

子供がキレる原因は?親がすぐにできる対処方法5つ

子供がキレるときはSOSのサインでもあります。怒鳴ったり力で対処するのではなく、どうしてキレてしまうのか原因を探り、適切な対応をすることで、感情のコントロールが苦手な子供でも上手に気持ちを伝えられるようになります。子供がキレるのはどうしてなのか、理解してあげましょう。

子供がキレる原因は?親がすぐにできる対処方法5つ

子供は感情のコントロールが難しいのでキレることが多い

子供がキレるというのは、ものごとや周りの人が自分の思い通りにいかないときに、怒りや感情の高ぶりを制御しきれずに泣いたり叫んだり、暴言や暴力といった乱暴な行動をとることを言います。大人と比べて子供はまだ感情をコントロールする力が弱く、衝動的にキレてしまうことが多いのが現実です。幼児の場合は癇癪としてキレてしまいます。

キレるという行動は、周囲を困らせて人間関係を危ういものにするだけでなく、キレてしまった本人にも深刻な心のダメージを与えてしまいます。

小学生にもなると、自分のキレているときを自覚できるようになっていますので、冷静になってから自己嫌悪に陥り、自分を否定するような気持ちに苛まれることや「またキレたらどうしよう」と常に不安を感じるようになり、ますます気持ちが萎縮して強いストレスを感じるようになっていくのです。

子供自身が精神的に追い詰められてしまわないよう、親を始め周囲の大人は子供が「キレる」という状態を引き起こさないように子供を見守り、導いていくことが求められます。

子供がキレる原因はどんなこと?対処法は5つ

子供がキレる原因

子供がキレるのは、その子供なりの原因があります。突如怒りを爆発させるだけではなく、小さなイライラやストレスが積み重なって爆発していることがほとんどです。子供がキレるのは、その子の生まれ持った性格や気質以上に、身の回りの環境や大人の関わり方が原因となっていることも多いのです。

1.睡眠不足

大人の生活に合わせて夜遅くまで起きている子供や、慢性的に睡眠時間が8時間に満たない子供は睡眠不足からイライラしやすくなり、キレやすい子供になりやすい傾向があります。

大人でも睡眠不足が続くとイライラしやすくなり、また、心身ともに強い疲労感を感じます。子供も一緒ですが、その反応は大人以上に敏感です。子供は大人と比べてより多くの睡眠を必要としていますから、大人の生活ペースと同じ生活習慣であるならば、早急に改める必要があります。

理想は朝日を明るさで自然と目覚めるような環境が一番ですから、寝室のレイアウトを工夫するのもひとつの方法です。昔から「寝る子は育つ」といいますので、十分な睡眠がとれるようにしましょう。

2.食生活が乱れている

健康的でバランスのとれた食事が子供の健康な心と体を育てます。食生活の乱れはイライラしやすく、キレやすい子を生み出します。以下のことに気をつけて、食生活の乱れを改善していきましょう。

朝食は少しでもいいので必ず食べる習慣をつける

朝食はゆっくりとよく噛み、十分な量を食べることが大切です。朝起きて間もない脳の活動はまだ鈍い状態ですが、朝食を食べてあごを動かすことで脳が活性化のスイッチが入ります。また、空腹は人をイライラさせてキレやすくしますので、活発に動き回る子供の朝食を抜くのは非常によくありません。朝食は栄養価が高く、しっかり噛めるようなものを用意して必ず食べさせましょう。

夕食の時間は20時まで!寝る2時間前には済ます

夕食の時間はできるだけ毎日決まった時間で摂るようにします。夜20時までに夕食を済ますのが理想です。夜遅い時間に食事をすると、寝るまでの時間が短くなるので、消化のために胃腸に負担がかかり、疲れやすくイライラしやすい状態になります。

ジャンクフードは栄養が偏りがちなので控えめにする

ジャンクフードは子供だけではなく、健康的な食生活を送るうえで大人も控えた方がいいです。ジャンクフードを食べるときには、野菜サラダを多く摂るなどの工夫が必要です。

3.両親が不仲など家庭環境が落ち着かない

両親が不仲である、家族間でトラブルを抱えているなど、家庭環境が落ち着かない状況は子供の精神状態を直撃します。子供自身が家庭内に居場所を見いだせずに孤独感や喪失感、強い不安感を抱えてしまうのです。強いネガティブな感情はストレスとなり、常にイライラとしたキレやすい精神状態になります。

大人でもトラブルや悩みを抱えているときは、イライラとするものです。子供が安心して家庭内に居場所を見つけられるよう、家庭内のトラブルや家庭環境は早急に改善をするように努めましょう。

4.親の過干渉があって息苦しく感じている

親や周囲の期待をプレッシャーに感じていていたり、感情を抑圧している子供は、ストレスが蓄積している状態になっていて、キレやすい子供になる傾向があります。勉強や習い事のことで、親や周囲が「頑張れ」と言いすぎると、本当の気持ちを言えずに「いい子」を演じるような状態はとても危険です。

将来を見据えて、ある程度の学力を養ったり、習い事に集中させることは親としてサポートすべきことですが、一方的な押し付けになっていないか確認しながら子供に接するようにしましょう。

5.口下手で思っていることをうまく伝えられない

自分の気持ちや状況をうまく伝えることができない、いわゆる口下手な子供はストレスを多く抱えている傾向があります。言葉で上手に気持ちを伝えられない、わかってもらえないストレスから、イライラして乱暴な行動をしてしまうことがあります。

子供が何か伝えようとしている時はしっかりと聞いてあげることで、子供も安心し、気持ちが落ち着きます。丁寧にゆっくりと聞いてあげられるような気持ちの余裕を持って、子供に接するようにしましょう。

キレやすい子供に対して親はどう関わるべきか

キレやすい子供にはどうすればいい?

子供がキレているときは、子供自身がパニック状態に陥っているときです。親は慌てず落ち着いて行動することと、普段から子供との距離感を大切にすることがキレにくい子供を育てるポイントです。キレる子どもとの関わり方のコツを5つ紹介します。

深呼吸をして一旦落ち着く

子供がキレて暴れているときに、さらに強い力で封じ込めることは一番やってはいけないことです。子供が力でいうことを聞かせていいと誤って学習してしまいますし、パニックを起こして自分を見失っている子供をさらに興奮させるだけです。

親自身がカッとなってしまいそうなときには、その場をいったん離れる、深呼吸して気持ちを静めるなどして子供を怒鳴って威圧したり、手をあげることがないよう、自分なりの対処方法を見つけましょう。

子供がキレた理由をじっくりと聞いてあげる

キレてしまった子供は、冷静になった後に強い自己嫌悪感で落ち込んでいます。子供と落ち着いて話ができるようになったらキレた理由をじっくり聞いてあげましょう。そして、子供の話を否定せずに受け止めます。

「そうか、それが嫌だったんだね」「そのことが我慢できなかったんだね」「それは苦しかったね」と子供の辛い気持ちに寄り添います。

気持ちの受け止めをしたうえで、「じゃあ次に同じようなことがあったらどうしようか?」と対策方法まで話ができるとなお良いです。

キレていることを否定しない

キレることを否定すると、子供の怒りの感情を全否定することになります。怒りの感情があったことは尊重しつつ、大声を出したことや暴力をふるったことなどの行為のみを諌めるようにします。

親自身がトラブルや怒りの感情を持った時に話し合いで解決するという姿勢を見せ続けるよう努力しましょう。キレること自体は悪くないけれども、冷静に話し合いで解決することができるということを子供の手本となって示し続けることも大切です。

普段から子供の話をよく聞いてあげる

子供が何か伝えたいことがあるときに、安心して話せる相手でい続けることが大切です。話を聞いてくれないと子供が思ってしまうと、自分の殻に閉じこもりストレスを感じてしまいます。忙しくても子供が何か話しかけてきたら手を止めて、子供の顔をしっかり見て話しをきいてあげるようにしましょう。

どうしても忙しく手が離せないときは無理をせず、今は手が離せないから、夕ご飯の時にゆっくりきくねと、子供に説明し、待ってもらいましょう。

口下手な子に対しては、「これはこういうことかな?」「こう言ったら分かりやすいかもね」などと、話しやすくなるよう誘導してあげる必要もあります。

子供の人格や価値観を尊重する

まだ小さいから、まだ子供だからと何でも親の思い通りにしようとしてはいけません。小さな子供でも親自身の所有物ではなく、独立したひとつの人格を持っていますし、感情も感受性も親とは別なのです。

子供を対応の一人の人間としてその思いや価値観を尊重しながら接するようにしましょう。認めることは子供の心の安定と自信につながりますので、キレることをせずに、自分の気持ちを伝えることができるようになっていきます。

子供がキレる体験談6つ

我が家の子供がキレた時の体験談

6人のママの子供は、どんなときにキレて、どんな対応をしているのかリサーチしてみました。どの家庭も子供がキレることに、一度は遭遇しています。

放っておくのも一つの解決策

お疲れ子(40代前半)


8歳の長男は大好きなゲームができること、動画サイトでプロレスの試合を見ることができれば基本的に機嫌もよく宿題もやる、習い事に行くにも嫌がらない子ですが、唯一キレるのは時間を決めてゲームをさせている時です。

時間内には終わらせる約束なのに、このゲームが終わったらとゲームを延長したがり、時間だからダメと言うとどうしてもやりたい闘いだった時には、びっくりするほどキレ始めます。

ゲーム以外のことではほぼキレることがありませんが、主人のゲーム好きが長男にも乗り移り、やりたいゲームを途中でやめさせられた時は怒鳴り始め暴れます。

主人と同じで怒っている時に声をかけたり怒鳴っても聞こえない、響かない性格なので、少し放っておいたり、私と一緒にいない時間を作ると、自分から宿題をしたり勉強し始めるので、長男が落ち着いたころに話しかます。

約束は大事、時間は守るものと、できる限り怒鳴らないで対処するようにしています。怒鳴ったところで大人のほうが強いので、ただ泣かせてしまうだけですから、誰かを傷つけないのであれば、少し放っておくのが一番の対処法です。

子どもが落ち着くのを待つ

ゆいママ(20代後半)


3歳になる女の子がいます。おもちゃで集中して遊んでいる時、に自分の思った通りにできないとキレやすいです。

ブロックで作りたいものが作れなかったり、倒れてきたり、工作で貼りたいものがうまく貼れないなどの時にイラっとするのか、「できない!!」と怒って持っているものを投げます。急にカッとなってその時手に持っているものを投げるのでヒヤッとします。そして泣きながら怒っています。

そんな時はこちらが何か言うとさらに泣きわめいて、物に当たることが多いです。まずは、はさみなど危ないものを子どもから離します。そして、子どもをぎゅっと抱きしめて子どもが落ち着くのを待っています。落ち着いたところでぎゅっと抱きしめたまま、何が嫌だったのか、気に入らなかったのかを聞くようにしています。

嫌だったことを「そうか○○が嫌だったんだね」と繰り返して子どもの気持ちを受け止めるようにしています。

放っておいてクールダウンを待つ

おはる(30代後半)


2年生の男児がいます。癇癪待ちで宿題や勉強、ゲームなどの遊びが少しでも思い通りに行かないと「最悪!」「地獄!」「もうやめる!」などと一人で叫びたいながらキレて泣き喚くため大変です。

この行動は学校では一切やらないとの事なので、やはり親がいる環境下での甘えもあるのだと思っています。宥めて下手に相手にして甘やかすと、今後難局に立ち向かう際にキレて暴れれば誰かがどうにかしてくれると思い込んでしまう人間に育ってしまいそうな気もするため、『泣いても暴れても自分で解決しなければどうにもならない』という事を分からせるために敢えて放っておいて、本人がクールダウンしたところで一緒に問題を解決するようにしています。

キレて暴れる行動は幼稚園の年長くらいから始まりましたが、この対処法が良かったのか最近では大分減ってきました。しかしまだまだ精神面が未熟な年齢なので、当分キレて暴れる事は無くならなそうです。

笑い飛ばしてみましょう

まっさん(20代後半)


2歳の男の子がいます。ちょうど世間でいわれているイヤイヤ期に突入しました。お菓子を買ってもらえない、おもちゃを買ってもらえないなどの理由で、よくキレています。

キレ方としては、お店の中で手足をばたばたさせて大声で泣き叫んだり、地面に座り込んで動かないことが多いです。そのような場合は叱り付けると余計に大声で泣いてしまったり、言うことを聞かなくなってしまうので、あえて笑ってあげるようにしています。優しく笑いながら、買ってあげられない理由やそれが何故出来ないかを明確に伝えています。優しく笑いかけていると、いつの間にか子供もけろっとしています。

子供なので良い事も悪い事も全て素直に表現してくれるので、親としてそれを叱り付けて表現してくれないようにすることは違うと思っています。妥協案を提案してあげると、お互いに納得出来ることが多いです。

話を聞く

りゃりゃ(30代前半)


子供は3歳の子供で女の子です。まだ一人っ子で近いうちに二人目が生まれる予定ではありますが、わがままなところがとてもあります。気にくわないと怒るし、納得するまではずっと同じことを繰り返して話しかけてきます。

子供に対してどのような対応することがいいのか色々試してみた結果、なぜそう思うのか、本人の意見を聞いてあげて、どうしたかったのかと話を聞いてあげることが一番大事なことなんだろうなとおもいました。

子供は自分の話を聞いてくれると思って、今まで断固として譲らなかったこともやっぱりいいやと思ってくれることもあります。もし、それでも解決しない場合は、こちらからこうしてみたらどうかなどのアドバイスなどをしてみることで解決していくことが多いようにも思います。頭ごなしに駄目などの言葉はほとんど効果がないかと思います。

とにかく褒める!

かなっぺん(20代後半)


子供は5歳の女の子で、食事のとき、嫌いな野菜がでてきた時にキレます。大泣きしたり、叫んだり、大変です。

子供に対しての対応は、まずは怒ったりしないようにしています。怒ってしまうとさらに野菜嫌いになってしまうからです。最初の頃は、嫌いな野菜をとにかく細かく切って分からないよいにお肉に混ぜたり、キャラ弁のようにして抵抗ないように心がけていました。

しかし、それも手間なので、今は食べることができたらしっかり褒めてあげることをしています。そうすると、子供も嬉しいみたいで少しずつ克服しています。

他には、一緒にお菓子作りなどをし、お菓子の具材の中に嫌いな食べ物を少し加えてみて、こんなに美味しいお菓子になるんだよ、という風に体験してもらうようにもしています。

目の前で美味しいといいながら食べる見本をしっかり見せると安心するみたいです。

子供がキレるのは自分の感情をうまく表現できないから

頻繁にキレると発達に問題があると思ってしまうこともありますが、必ずしもそうとは限りません。子供のころは感情をコントロールすることや、言葉で自分の感情を伝えることがまだ上手ではありませんから、時には感情が大爆発してしまうことはごく普通のことです。

たまにキレるくらいの頻度であれば環境を変える、関わり方を変える等親や周囲の見守りで成長とともに落ち着いていきます。

もし子供の様子が心配な場合は、お住いの自治体に設置されている子供の発達を相談する窓口を利用するか、子供が通っている幼稚園・保育園、学校の担任に相談してみるとアドバイスをもらえますし、それによって解決の糸口が見つかることがあります。

子供がキレたときは感情の表現の仕方を教えてあげよう

キレる子供に対し、親は環境の見直しや関わり方、なにより親自身の怒りの感情の処理を見つめなおす必要があります。感情のコントロールが苦手な子供を変える親の接し方を参考にし、子供の素直な感情をありのまま受け止めて、その表現方法を導いていくようにしましょう。

親の関わりが少し変わるだけで、子供がキレるのも少しずつ落ち着いて穏やかになっていきます。焦らず気長に子供に接していきましょう。