子供に鍵を持たせるときに知っておきたい鍵っ子デビューの年齢やトラブル
子どもを保育園に預けて不自由なく働けていた方にとって、子どもが小学校に上がるタイミングで待ち構えているのが「小1の壁」です。これは子どもが保育園から小学校に上がることで環境もガラリと変化し、仕事を続けることが難しくなる社会問題のこと。
特に大きな問題とされているのが、放課後に子どもを預かってくれる「学童保育」の時間が保育園より短い点です。基本的に17時から18時前後には閉まってしまうところが多いため、それよりも仕事の時間の方が長く、学童保育が終わる時間までにお迎えに間に合わないパパやママが困ってしまう現状があります。
そんなパパやママの選択肢のひとつが、子どもに鍵を持たせて1人でお留守番をしてもらう「鍵っ子」です。しかし、まだ幼いと思っていた子どもに鍵を持たせることに不安を感じる方も多いでしょう。
帰宅時に親不在の鍵っ子事情
「鍵っ子」という言葉は昭和38年頃から浸透し始めました。当時、共働きの家庭が増えたことによりいつも鍵を持ち歩いている「鍵っ子」が出始めましたが、まだまだ鍵っ子の存在が珍しく「親子のコミュニケーションが不足する」「子どもが犯罪に巻き込まれる可能性がある」といった問題点が専門家から次々と指摘され、社会問題として取り上げられることも度々ありました。
しかし1990年代に働くママが専業主婦よりも多くなってからは、鍵っ子も特別な存在ではなくなってきました。共働きの増加に伴い、今後も鍵っ子は増え続けると予測されています。
鍵っ子デビューはいつから?小1からでも大丈夫?
子供に家の鍵を持たせる「鍵っ子デビュー」に適した年齢は・・・と言っても、子どもの性格によっても変わってくるため「何歳になったから大丈夫」という年齢はありません。
例えば1人で過ごすことに慣れている、ある程度しっかりできる子なら小学校1年生から鍵を持たせても安心な子どももいますし、逆に1人でいることを特に不安がったり、ルールを守れない子はまだ少し心配でしょう。
子どもに鍵を持たせるかどうかは、年齢だけで判断するのではなく、事前にお留守番をさせる練習をして、鍵を持たせても大丈夫かどうか判断する必要があるでしょう。
一方で、一般的には小学校4年生から鍵っ子デビューをするご家庭が多いというのも事実。これは、以前は学童保育の利用年齢が小学校3年生までに限られていたことがひとつの理由になっています。
地方在住など学童保育がない環境にあるご家庭では、小学校1年生から鍵を持たせているご家庭もいます。
鍵っ子デビューの目安
・1人でお留守番をしても不安がらない。
・親子のルールを守ることができる。
・鍵の開け閉めが出来る。
・鍵を大切に保管できる。
・電話をかけることができる。
鍵っ子あるある/こんなトラブルが発生したら!
鍵っ子に共通して起きるトラブルとして「鍵を忘れた」「友達のたまり場になる」がよく挙げられます。事前にどのようなトラブルが起こり得るのかを知っておくことも子供をまもる上で大切です。パパやママが我が子にどのような対策をするべきか参考にしてください。
鍵を忘れた!そんなときどうする?
鍵っ子にとって致命的な失敗は鍵を家に忘れてしまったときです。子どもが帰宅したのに家に入れないというのは多くの鍵っ子が経験しています。特に寒い時期に家の外で待つのは厳しい状況。
万が一鍵を忘れたときは「携帯でパパやママに電話する」「ご近所さんに相談する」といった取り決めをしておきましょう。子どもが登校するときに鍵を持ったかどうか確認する声がけを行う習慣作りも大切です。
お友達が遊びに来て部屋がぐちゃぐちゃ…
両親が不在で子どもだけで過ごせる家は、子どものたまり場になりやすいです。親の目が届かない場所で好きなだけゲームをして遊んだり、イタズラをして家のものが壊れることもあります。まだ「良い・悪い」の判断が上手にできない子どもにとって、楽しい遊びに夢中になり、危険なトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
子どもにはパパやママが留守中にはお友達を家に上げないようにきちんと指導し、お友達にも直接「留守宅に入らないように」と説明しましょう。子どもが鍵をお友達に見せびらかせないようにして、親がいないことに気づかれないようにすることも大切です。
鍵っ子に向けて!事前準備から初日を迎えるまで
子どもが下校をしてから1人でお留守番をするまで、事故や犯罪から守るためにも事前にお留守番の練習をしたり、ルールをしっかりと言い聞かせておいたりするのはパパやママの大事な役目です。
子どもが1人で過ごすにはそれなりのリスクがつきもの。パパやママが仕事で遅くなるのは仕方のないことですが、遅い時間でも子どもが不安を感じたり、トラブルに巻き込まれたりしないようにできる限りの対策はしておきましょう。
安全対策のためにも事前練習は必須!
鍵っ子デビューをする前に、事前に「お留守番をする」「鍵を使う」「電話をかける」などの練習をさせておきましょう。パパやママが「これくらいはできるだろう」と思っていても、意外なことが子どもにはできない場合もあります。お留守番の様子を見て、トラブルを事前に予想するための機会作りにも有効です。
お留守番の練習をする
ある日突然長時間のお留守番をさせるのではなく、徐々に家に1人でいることに慣れるためにお留守番の練習をします。最初はほんの数分からでかまいません。例えば「ゴミを捨ててくる間、1人で待っていてね」などと説明した後、外に出ている間子どもは不安を感じることなく待てたか様子を見ます。
子どもが少しずつ1人きりの時間に慣れてきたら「買い物している間待っていてね」「病院に行ってくるね」と数十分、数時間…と1人になる時間を延ばし、その間の様子を見てきましょう。
鍵を使う練習をする
子どもが1人でお留守番ができるようになったら、子ども専用の合鍵を作ります。1人で開け閉めができるように、まずはパパやママがお手本を見せてから子どもにやらせる回数を増やしましょう。
ドアの鍵穴が2つ以上ある場合は、どこを開け閉めすればいいかも事前に決めて教えておくことも重要です。また、鍵を閉めた後にドアを引いてきちんと閉まっているか確認する大切さも合わせて説明しておきましょう。
電話をかける練習をする
子どもに何かあったとき、パパやママへ連絡が取れるように電話をかけさせる練習をしておきましょう。家に携帯電話や職場の電話番号を書いたメモを貼っておいたり、子ども用携帯に電話番号を登録しておいたりして電話をかける練習をしておきます。
職場へ電話するときは「◯◯ですけど、<ママ(パパ)の名前>をお願いします」など、パパやママにつないでもらえるような言い方の練習もしておきます。
子どもが鍵を落とさないように!安全な鍵の持たせ方は?
家の外に鍵の隠し場所を作っておくか、子どもに持たせるべきか最初に悩むことですよね。鍵を隠しておくと危険が及ぶリスクが高いため、多くのパパやママは鍵を子どもの身につける方法を選んでいます。
しかし子どもに持たせると鍵を無くしてしまうのでは?心配になる方もいるでしょう。そこで子どもが鍵を落とさないための安全な持たせ方をご紹介します。
首からかける
鍵っ子のパパやママから多くの支持を得ているのが、ストラップに鍵をかけて首から下げておく方法です。これなら落としてしまう心配が少ないので安心です。
体育の授業などは鍵が邪魔になったりケガの原因になることも考えられますので、教師に預けるなどの対策を講じましょう。それ以外では絶対に外さないように言い聞かせておくことが肝心です。
ランドセルにつける
「鍵を首からかけていても邪魔なときに外してそのまま忘れてしまいそう」「お友達に鍵を自慢してしまいそう」というお子さん向けにはランドセルにつける方法をおすすめします。ランドセルにはポケットがついているものが多いので、ストラップやキーホルダーに鍵をつけて、ポケットに収納しておくと良いですよ。
ランドセルに付けたままでも鍵の開け閉めができやすいような伸びるタイプのキーホルダーが人気です。
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子どもの安全を守るためにはルール作りが肝心!
子どもはパパやママの目が行き届いていないと、ついついルーズになってしまいがち。お留守番中でも安全に規則正しく過ごしてもらうためにも、事前にお留守番中のルールを決めておきましょう。
ルールを決めるときには「なぜこれらを守らなければいけないのか」という理由も合わせて説明して、子どもにしっかりと納得してもらうように話すことも大切です。
しっかりとルールを守ってお留守番ができたら、ほめてあげることも忘れないようにしましょう。
パパやママが先に家を出るときは登校時間を守らせる工夫を
パパやママの出勤時間の方が子どもの登校時間よりも早いケースでは、自分で鍵を閉めて登校する子どももいるでしょう。「登校時間になってもテレビや本などに気を取られて、登校時間に気づかないのでは…?」「学校を勝手に休んでしまうのでは…?」と心配になることもあるかもしれません。
そのためにもきちんと時間を守って登校するように事前に言い聞かせておくことが大切ですよ。その他にも登校時間になったらアラームが鳴るように設定しておくなど、子どもの登校を促す環境づくりもしておきましょう。
おやつの時間を守らせる
パパやママの目が届かないと、子どもは羽を伸ばしたように好き勝手に行動してしまうこともあります。「帰ってみたら冷蔵庫の食べ物を勝手に食べていてびっくりした…!」という体験談を持つ方もいます。
できるだけおやつは1食分だけ用意し、食べてもいい時間を決めておきましょう。おやつの買い置きはしないように気をつけ、保管する場合でも子どもの目の届かない場所に置くように心がけましょう。
鍵を人に見せない
鍵を振り回して遊んでしまう子どもを目にすることがありますよね。しかし子どもが鍵を持っていることを見せびらかすことは、1人でお留守番をしていることを言いふらしながら歩いているようなもので大変危険です。
不審者の目に止まってしまう可能性がゼロだとは言い切れません。鍵っ子だとわかると、後ろをつけられるケースもあります。そのためお友達でも鍵を見せないように強く言っておきましょう。
誰もいなくても大きな声で「ただいま」と言う
家に入るときに子どもが無言の場合、それを見た人からは「家に大人がいないのかな?」と気づかれてしまう可能性もあります。
万が一それを目にした人が不審者だったと考えると恐ろしいですよね。パパやママが留守の場合でも、毎日元気な声で「ただいま」と挨拶するルールを作っておきましょう。
来客があってもドアを開けない
子どもが1人で留守番をしている間に犯罪に巻き込まれることを不安に感じている方も少なくないでしょう。実際に知人のふりをして子どもが不用意にドアを開けた瞬間、強引に押し入られて犯罪に巻き込まれるようなことは絶対に回避したいですよね。
そのため、家に帰ったら鍵をかけ、来客があってもドアを開けないことが鉄則です。来客があった場合はインターホン越しに会話をさせて、1人で留守番していると悟られないようにするために「ママ(パパ)は今手が離せないので、あとでまた来てください」と1言だけ伝えるように言い聞かせておきましょう。
ご近所さんや知り合いに挨拶しておこう!
子どもが1人きりで家で過ごすことは、いろんな危険が潜んでいます。鍵っ子デビューをする前に、ご近所さんには「◯月◯日から自分で鍵を持って登下校しますので、何かあったときにはよろしくお願いします」と挨拶をして、パパとママの携帯番号や職場の電話番号を書いたメモを渡しておくと安心です。
子どもにも何か困ったことがあったとき、パパやママに連絡がつかなかったらご近所さんを頼るように伝えておくといいでしょう。そのためにも日頃からご近所さんとのコミュニケーションを円滑にしておくことも肝心です。
鍵っ子デビューは成長の証!
子どもを鍵っ子にするにあたり「犯罪に巻き込まれないか」「パパやママと触れ合う時間が少なくて正確に影響が出るのでは」と心配になることはたくさん出てきますよね。いざ鍵っ子デビュー初日を迎えると、子ども以上にパパやママがドキドキして「本当にこれでよかったのかな?」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし思っている以上に子どもはしっかりしています。鍵っ子デビューを果たすことで子どもはひとつ自信をつけて、成長した姿を見せてくれるでしょう。
子どもが鍵っ子に慣れてきた頃に、犯罪や事故から子どもを守るための対策にも気を抜かないことも肝心です。パパやママが準備できることは抜かりなくしておき、安全にお留守番ができる環境を整えてあげましょう。