学級委員を務めるメリット
学級委員の活動内容とは・子供がクラス委員になるメリット
学級委員になるとどのようなメリットがあるのでしょうか?仕事内容や選ばれ方を確認しておきましょう。クラス委員になったと子供に言われたら、親としては嬉しくもあり心配でもあります。小学校から高校までの学級委員の活動内容と考えられるトラブルの対処法をアドバイスします。
子供が学級委員になったら知っておきたいこと
学級委員はクラスのリーダー役で、学校によっては「クラス委員」や「学級長」と呼ばれることもあります。男女1名ずつ選ばれることが多く、委員長と副委員長というパターンのほか、2人で同じ役割を担う場合もあります。
子供が学級委員になったら、嬉しい反面不安を感じるママも多いでしょう。学級委員の活動内容や委員になったことで得られるメリットなど、子供が学級委員になったときに知っておきたいことをあげていきます。
学級委員を選ぶ方法
学校によって違いがありますが、学級委員は以下のような方法で選出されます。
- 自分で立候補する
- クラスメイトの推薦や多数決
- 先生の指名
- クジや出席番号でランダムに選ばれる
子供が自分から立候補した場合は比較的安心です。学級委員の仕事を頑張る我が子を見守ってあげましょう。クラスメイトが学級委員になるのを嫌がり、推薦や多数決で選ばれると、本人は落ち込んでしまうことがあります。
この場合は親が少し注意して子供を見てあげなくては、学校生活が窮屈なまま過ごすことにもなりかねません。
学級委員になる子のタイプ
頻繁に学級委員になる子やクラスメイトに推薦される子は、以下のようなタイプであることが多いです。
- リーダーシップが取れる
- クラスメイトに人気がある
- 頭が良く信頼されている
- 気が弱くNOと言えない
- 先生から信頼されている
必ずしも目立つ子がなるわけではなく、クラスをまとめる力がある子や「この子の言うことならみんな聞く」というタイプの子がなりやすい傾向にあります。
学級委員になると面倒な仕事も多いので、誰もやりたがらない場合は、少し気の弱いNOと言えない子が選ばれることもあります。
学究委員になったことがきっかけで性格が明るくなったり、自分に自信を持てるようになる子もいるので、押し付けられたことがマイナスになるとは限りません。
学級委員になる子は先生との関わりが多くなるので、勉強や学校生活に積極的になる子も多いです。大変な仕事ですが、メリットもたくさんあります。
子供が学級委員になるメリット
我が子が学級委員になったら、心配なことも多いですが、子供にとってはメリットが大きい役割でもあります。学級委員になるメリットには以下のようなものがあります。
- 先生からの印象が良くなる
- 明るい性格になる(物事をハッキリ言えるようになる)
- 人前で話すことの練習ができる
- 中学校では高校の内申点が良くなることがある
- 就職などで好印象を与えられる
- 成績が上がる子が多い
- 学校行事や学校内の情報が入りやすい
分かりやすい所では上記のようなものがありますが、目に見えない部分でも子供の成長に良い影響を与えます。対人関係のコツを自然と学べるようになりますし、人前に出ることに抵抗が無くなります。これらは、社会に出ても使えるスキルです。
学級委員の仕事
学級委員はどんな仕事をするのでしょうか?小学生・中学生・高校生にわけてご紹介します。仕事内容はあまり変わりませんが、子供の年齢によって気を付けるべきことが変わるので、チェックしておきましょう。
小学校での活動内容
最近では児童に差をつけないために、学級委員の制度がない小学校も増えています。高学年から学級委員を選出する学校や、低学年でもクラスで1~2人のリーダーを決めるところなど様々なケースがあります。小学校で学級委員になると以下のような仕事が待っています。
- クラスで決め事がある際に会議の進行役をする
- 号令や挨拶
- 自習時間などにクラスをまとめる
- 先生からの伝言をクラス全員に伝える
- 学校行事の準備や決め事
- 6年生になると児童会長という仕事もある
小学校の学級委員は、このような仕事をしてクラスのリーダーとして活動します。学級委員の経験は子供を大きく成長させ、学校の勉強や行事に対して積極的になります。
学級委員になると先生と話す機会も増えますし、職員室への出入りも多くなるため、他の先生にも顔を覚えてもらいやすくなります。
中学校での活動内容
中学校学級委員がしていることは、小学校での活動内容とほぼ変わりありません。クラスのリーダーとしてまとめ役を担います。
思春期を迎えたクラスメイト達をまとめなくてはいけないので、小学校のころ以上に人間関係の悩みは増えるでしょう。
無理やり押し付けられて、嫌な気持ちで学級委員になる子もいます。中学校では、学校全体での仕事も始まり、全学年の学級委員が集まり全体で会議をする機会も出てきます。
大抵男女2人ですることが多いので、2人で協力しクラスをまとめることができれば、とてもやり甲斐を感じるでしょう。高校入学に有利になる場合もあるので、大変な仕事ですがやっていて損はありません。
高校での活動内容
高校になると、リーダーというより雑用係のような仕事が増えます。活動内容は小学校や中学校とほぼ同じですが、高校になると独自の活動も入ってくるので、より大変になることが考えられます。
文化祭や修学旅行などの大きなイベントもあり、クラスをまとめなければならない場面も増えるでしょう。クラスメイトが協力的であれば、青春を謳歌できる楽しい想い出になります。
気を付けたいのは、学級委員を押し付けられてしまう子がいることです。推薦で大人しい子を学級委員にして、自分たちがなるのを逃れようとする子たちもいます。そうなると1人で悩んだり、苦労を抱え込んでしまう子も出てきます。
学級委員は、活動内容は「クラスをまとめる」という点で一貫していますが、クラスメイトの年齢次第で、活動のしやすさは変わります。年齢が上がるほどに、トラブルも増えるので、親は少し注意して見てあげなくてはいけません。
学級委員になったときに起きがちなトラブル
子供が学級委員になることは、メリットばかりではありません。クラスのリーダーになると勉強以外の仕事が増えたり、人間関係の悩みが出てくる可能性があります。子供が学級委員になったとき起きがちな、トラブルと対処法を事前に確認しておきましょう。
学級委員を押し付けられ落ち込んでいる
中学、高校と年齢が上がると「学級委員なんて面倒臭い」という子が増えて、誰もやりたがらないようになります。そんな子が多いクラスでは、気が弱くイヤだと言えない子が標的となり、みんなで口裏を合わせ、無理やりその子に委員を押し付けることがあります。
そのようなクラスである場合は、学級委員になっても誰も協力してくれず、文句を言われたり雑用係のように扱われることもあり子供の苦労は多くなります。
学級委員になったことで悩んでいたら?
しっかり話を聞いてあげて、ひどい場合は先生に相談しましょう。先生が取り合ってくれない場合も、根気よくコミュニケーションを取り続け、子供が1人で悩まない状況を作ってください。
創作物を自宅に持って帰ってくる
中学や高校の学級委員になると文化祭や体育祭など、大きなイベントの時に創作物を持ち帰ってくることがあります。子供も部活や宿題がある中で頑張っています。忙しい親としては、付き合うのが大変ですが、1年の辛抱と諦めて間に合いそうになければ手伝ってあげましょう。
子供も親も大変な作業になりますが、親子のコミュニケーションにもなりますし、きっと良い思い出になるでしょう。
自分の勉強に専念できなくなっている
中学や高校になると受験があるので、学級委員の仕事ばかりに時間を使っていられなくなります。何か作業をして勉強時間がなくなることもあれば、精神的な負担が大きくて集中できないこともあります。
勉強に支障が出ているようなら、子供に話を聞き担任の先生に相談しましょう。できれば親が口を出さない方がいい問題ですが、子供から先生に伝えるのは難しい場合もあります。甘やかしではなく、子供の負担が大きくならないために、親がサポートすることも大切です。
クラスメイトが非協力的で悩んでいる
クラスメイトが協力してくれないことで、精神的に辛くなることもあります。そんなときは淡々と学級委員の仕事をこなし、とにかく請け負った仕事を全うすることだけ考えるようアドバイスするといいでしょう。この場合も子供の話を聞いてあげて、悩みが深いようなら先生に相談しましょう。
学級委員は目立つ立場なだけに、クラス内の人間関係で悩むことも出てきます。子供から相談されたり、委員になってから元気がないときには、しっかりとサポートしてあげてください。
我が子が学級委員になったママの体験談
子供にとって学級委員になることは、とても勇気のいる挑戦です。子供が頑張っている姿を見ている親にとっても大きな試練になるでしょう。我が子が学級委員になったときの体験談を先輩ママに聞いてみました。
自分を変えることができました
みさきまま(47歳)
口下手な娘はクラスでもあまりしゃべらない、大人しい子でした。それが、突然、中学校へあがって1年生の1学期にクラス委員に立候補したらしいのです。
男の子も立候補したらしく、最終的にはジャンケンでうちの子が勝ちました。ジャンケンに負けたその男の子は副委員長になったそうです。
その時は、苦笑いしただけでしたが、後日、「自分が変りたいから」と言う娘に少し感動しました。毎日遅刻したり、宿題をしないで学校へ行く娘だったので、そんなことを言う気持ちも分かりました。
私は、頑張れと心の中で応援しました。自分から決心したからか、それからは、夜遅くまで宿題をし、ギリギリでしたが、遅刻しないように頑張っていました。
クラスのみんなに声かけをするように努め、掃除をさぼる男子には注意をして、あだ名までいただきました。引っ込み思案ながらも、クラスをまとめるために努力したようです。
また、先生からも頑張っていると評価をうけました。今現在も、前期はクラス委員をし、後期は書記をしています。まだまだ、頑張っています。
笑顔が増えて自信につながった
さくら(40代前半)
小学校3年生の時に学級委員になりました。数名立候補しており、その中でみんなの意見で娘が選ばれました。
学級委員は、3年生から6年生まであり集まって委員会が行われます。娘は学級委員の仕事について、よくわかっていなかったこともあり私としては心配でしたが、娘の学年は一番下で、担当の先生が姉の方の担任の先生、姉の友達も学級委員していたこともあり、みんなにかわいがってもらえたようです。
小さなころからしっかりとしていましたが、よりしっかりとしてきました。責任ある仕事でも笑顔で行動できます。先生方からの信頼も厚く、4年生になってもっと褒めてもらえる機会が増えました。
本人の自信にもつながり、責任のある仕事や実行委委員などどんどん立候補するようになったことはとても良かったと感じています。人前でしゃべることが好きで、いつも笑顔なので大人からも子供からも好かれています。
責任感が強くなりました
ミンミ(43歳)
当時、5年生だった長男が学級委員に選ばれた時、子供は、あまりの嬉しさに飛び跳ねて帰宅しました。母として、ずっとこの学級委員に選ばれる為のスピーチを頑張って書いていたことを知っていたので、実際に学級員になったと聞いた時は、嬉しくて涙が出ました。
学校では、各クラスごとに、プレゼンテーションがあり、推薦したいクラスメートについて、クラスのお友達が書いて、発表してくれます。
学級委員に立候補した生徒は、どうして学級員になりたのか、なった場合は、どうしたいのかなどを取り入れたプレゼンの文章を発表します。
選考方法は、クラスメートたちのプレゼンテーションを聞いた、4年生から6年生までが、投票用紙に名前を書いて、箱に入れます。一番票数が多かった生徒が、学級委員になります。
子供は、学級委員に選ばれて以来、何事にも責任感がとっても強くなりました。宿題一つにしても、自分がしっかりやっていかないと、周りはやってこないと思うようになり、しっかりとやっています。
気持ちを思いやれる子に成長しました
たつ子ママ(50代前半)
クラス委員になったのは、小学4年生の時でした。学校から帰ってきた時に、嬉しそうに「みんなに選ばれた」と話してくれたのですが、クラスの子供達による話し合いで選ばれたようです。
担任の先生によると、あらかじめ担任がさりげなく候補者を何人かあげた後でみんなで話し合ったそうです。私自身も小学生の頃、委員に選ばれた経験があったので、選ばれたと聞いた時は、「我が子にもその順番がきたのか」という気持ちでした。
クラス委員になって、自分だけの考えだけではなく、他人や先生の意見に耳を傾けるようになりました。自分の気持ちだけでは、クラスがなかなかまとまらなかった様で、担任の先生のアドバイスもあったようですが、クラスメートの手助けをしたりするようになりました。
家でも、家族の意見や気持ちを想像するようになり、自分がどういうことができるのか、積極的に考えるようになり、他人の気持ちを思いやることができるようになりました。
人見知りで引っ込み思案な学級委員
アヤト(36歳)
娘が学級委員になったのは、小学校四年生の頃でした。なぜ決まったかというと、ほかの子からの推薦があったからです。
その子達は娘が、真面目で頭が良いから合っているといったそうですが、きっと押し付けられて娘が断れなかったのではないかと思います。なぜなら娘は真面目ではありますが、人見知りで引っ込み思案な性格で、クラスをまとめるような学級委員のタイプとは正反対だからです。
娘は学級委員になった日、自宅に帰ってから「私なんかにできるわけないのに!」と言い、大泣きしました。私は母として泣いている娘をかわいそうと思いましたが、変わるチャンスでもあると思い娘を慰めつつ同時に励ましました。
学校のクラス担任にも電話で相談して、フォローしてもらう事にしました。もともと真面目な性格ですから、「落ち込んだら後は這い上がるだけだよね!」と娘は立ち上がり、無事に一年間クラス委員長を務めあげる事が出来ました。人見知りで引っ込み思案な娘が少しだけ強くなりました。
度胸がついた
りん(30代前半)
人見知りで物静かな娘が学級委員長になったのは小学校5年生の時です。4年生の3学期に今の小学校に転校してきたのですが人見知り故になかなか友達とも馴染めずにいました。
小学校5年生の始業式の日にポツリと「学級委員長やってみようかな。そしたら友達出来るかな?」と言いながら登校していきました。
その後、委員決めの時に自分で立候補して、学級委員長をやることになったそうです。正直、不安に思っていました。初めのうちは声が小さく何を言ってるのかわからないと周りに言われたのが悔しくて、放課後に教室に残ってひとりで発表の練習をしたこともあったそうです。
少しずつ人の前で話すことに慣れてきたある日、嬉しそうに学校から帰ってきた娘が「お母さん!日曜遊んでいい?○○ちゃんと○○ちゃんに遊ぼうって言われた!」と言いました。
私は「もちろん遊んでおいで」と言ってあげました。遊ぼうと誘ってくれた友達から「一生懸命頑張ってるのを見てて仲良くなりたいと思った」と言われたそうです。今では放送委員になったり応援団の団長をするぐらい度胸がつきました。
学級委員になった子供を精一杯応援しよう!
学級委員は子供の成長に良い影響を与えます。社会に出てからもずっと使えるスキルを身につけられますし、何より子供の自信につながります。
しかし場合によっては辛い立場になることもあります。学校が辛いと打ち明けられた時の親の対応を読んで、頑張っている子供を応援しながら精一杯サポートしてあげましょう。