3歳児にはどんな絵本が適している?おすすめ絵本の選び方のポイント
3歳児くらいになると、絵本のストーリーを楽しめるようになります。色々な絵本を読み聞かせて、子供の想像力や思考力・推理力を高めてあげましょう。自分で字を読める子供には、読みやすい文体で書かれた読みやすい分量の絵本を与えてあげてください。
3歳児に読み聞かせたい絵本は、どのような絵本が適していると言えるでしょうか。今回は、3歳児におすすめの絵本の選び方と読み聞かせのコツを紹介します。
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絵がキレイな絵本
絵がキレイで見ているだけでもステキな絵本は、3歳の子供にはおすすめです。そろそろストーリーが理解できる年齢ですが、まだまだ視覚による印象が強い時期です。子どもが怖がる絵がついている絵本は選ばないようにしましょう。
もちろん、子供に与える前に親が一度読んでみて、絵と話の内容がマッチしているかも確認してください。絵がいくらキレイでも話の内容と合っていないと、子供は想像力を働かしにくいと感じるかもしれません。
子供によっては淡い色を多用した絵を「怖い」「なんとなくおばけみたい」と感じることがあります。視覚による影響が強い時期ですので、分かりやすくシンプルな絵がはっきりとした色彩で描かれている絵本を好むことがあります。また、親が「キレイな絵」と思う絵と、子供が「キレイな絵」と思う絵は違うことがあります。子供に直感で「この絵は好き?」と、好みを尋ねてみるのも良いかもしれません。
絵の中にストーリーがある絵本
シンプルで分かりやすい絵が描かれている絵本も良いのですが、3歳児にもなると絵を読み解く力もついていきますので、絵の中にストーリーがある絵本を選ぶこともおすすめです。
例えば、子供が洋服を着替えているストーリーに対して、子供が洋服を着替えているだけでなく、子供の部屋が細かく描かれているなら、「ここにおもちゃの積み木があるね。この子は積み木が好きなのかなあ?」「さっきのページにもこのクマちゃんが出ていたね。大事なお友だちなのかしら?」と話を膨らませていくことができるでしょう。
もちろん、シンプルに何も背景がない場所で子供が服を着替えている絵が描いてある絵本も良いですが、何度も読み返して楽しみたい方や、子供の想像力を育てたい方は、絵に工夫がされたものを選んでみるのがいいでしょう。
ページが多すぎない絵本
1ページに書かれてある文字が多すぎる絵本は、子供が理解しにくいです。また、ページ数が多すぎる絵本も、子供が理解しにくい絵本となります。できれば20ページ、多くても30ページ以内にまとめられる絵本を選びましょう。
ただし、ページ数が多くても、短いストーリーがたくさん集まっている絵本は別です。1つ1つのストーリーの分量が多すぎないもの、最初から最後までを一度で読めるものが、3歳児には適していると言えるでしょう。
1つのページに文章量が多すぎない絵本
子供は絵を見ながらストーリーを読むことで、話を理解していきます。話に合ったキレイな絵が描かれた絵本であっても、1つのページの文章量が多すぎると、話のどの部分の絵なのか分かりにくいと感じるかもしれません。
また、話のどの部分の絵なのか理解しているとしても、絵をたくさん見たがる子供が多いですから、ストーリーに比べて絵が少なすぎると、それだけで「つまらない本」と感じてしまうこともあるのです。
日常生活を大きく外れない絵本
もう少し大きくなると、宇宙での話や未来の話等のファンタジー系の絵本を読んで、あまり身近でない体験について考えをめぐらすこともできるでしょう。ですが、3歳児には、それらの絵本はまだ早すぎるかもしれません。日常生活を大きく逸脱しないストーリーが子供の想像力に働きかけ、普段の自分の生活にあてはめて実感を持って理解することができるのです。
もちろん、これは人間の子供が主役でなくてはならないということではありません。猫やネズミなどの動物が主役でも日常生活について描かれているなら子供は理解ができます。大人が主人公だとしても、子供は大人の世界を想像しながら理解を深めていくでしょう。
繰り返しの音や擬音が多い絵本
「いっぱいいっぱい」「ジャージャーと雨が降る」と言う風に、繰り返しの音や擬音が多い絵本も、3歳児におすすめです。繰り返しの音や擬音が多い絵本は、1、2歳児向けに書かれていることも少なくありませんが、本の内容によっては3歳児が読むものとして適していることが多いのです。
日本語の音が持つ楽しさや文章となったときの心地よさを味わうためにも、繰り返しの音や擬音が多い絵本を選んでみるのはいかがでしょうか。特に読み聞かせのときは、言葉の持つ楽しさが子供に充分に伝わるように、工夫して読んであげて下さい。
分かりやすい言葉で書かれている絵本
その絵本でしか使われない特殊な造語やあまりにも強い方言等、子供が普段喋っている言葉からかけ離れた言葉で書かれている絵本は、3歳児には適していないと言えるでしょう。親が読み聞かせていても、「この言葉はどういう意味?」と言葉に対する疑問が多くなり、その度に思考が中断されますので、ストーリーがすんなりと頭に入りづらくなります。
定番の絵本
毎年、新しい絵本がたくさん生まれています。ですが、数年後には忘れ去られ、本屋さんを探しても見つからないということも少なくありません。つまり、栄枯盛衰が激しい絵本業界で生き残った絵本には、時代が変わっても子供や親の心をひきつける何かがあると言っても言い過ぎではないのです。
どの絵本を選んで良いか分からないときは、自分が子供の頃に読んだことがある定番の絵本を子供に与えるのも1つの方法です。3歳児向けに描かれたそれらの絵本は、かならず今の3歳児の心にも響く何かを持っています。
優しさが伝わる絵本
日常生活について書かれた絵本や日本や外国の昔話なども楽しいですが、子供に優しい感情を教えることができる絵本も選ぶようにしましょう。自分の周囲の人に気遣いを示すことについて書かれた絵本や、誰かが別の誰かのために行動することの重要さについて書かれた絵本、悲しい人や傷ついた人を思いやる心に主眼を置いた絵本なども選んでみてください。
もちろん、いつも優しさや思いやりなどの道徳的な話ばかりでも、子供の心は偏ってしまいます。単純に楽しい絵本や子供の罪のないいたずらについて書かれた絵本も、適度に読んであげてくださいね。
3歳の知的好奇心を育む!図鑑選びおすすめポイント
3歳児に読んであげたいのは、本と言っても普通の絵本だけではありません。好奇心旺盛な3歳児には、さらに好奇心を育てる「図鑑」を与えるのもおすすめです。
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動物や昆虫がいっぱい!身近な自然に関する図鑑
3歳児にとって、動物や昆虫、自然の野の草花など、身近に触れる自然に関するものを集めた図鑑も魅力的に映ります。絵だけでなく写真がたくさん載せられているので、子供の興味をひきたてます。幼児や小学校低学年向けの易しい言葉で書かれている図鑑も良いですが、親が必要な説明を補足するなら、小学校高学年向けの図鑑を与えるのも良いでしょう。
まだ見ぬ世界に思いを馳せる!世界の不思議を知る図鑑
世界遺産や古代の遺跡についての図鑑も、子供の興味をひきたてる本です。身近にはないものが記載されていますので、実物と見比べることや親が具体的な説明を加えたりすることが難しくなるかもしれません。ですが、図鑑を通してそのようなまだ見ぬ世界に触れさせることは、子供の興味を伸ばすだけでなく視野を広げることにもなるでしょう。
化学実験や鉱石に関する図鑑も、子供には楽しいものです。ぜひ、先入観なしにすべての事象をフラットに捉えることができるこの時期に、多くの図鑑に触れさせてください。
3歳はたくさんの絵本にふれるべし!冊数をこなす方法
良質な絵本を繰り返し読むことは、3歳児には良い教育となります。ですが、多くの絵本に触れさせ、様々な絵を見たり、様々なストーリーを聞いたり、様々な価値観に触れたりすることも、3歳児には大切なことです。具体的にどのような方法で多くの本に触れさせることができるのでしょうか。
図書館
地域の図書館や児童館の中の図書室等、絵本や児童書、図鑑を貸出してくれるところを利用するのはいかがでしょうか。保育園や幼稚園によっては本の貸し出しを実施していることもあります。普段は購入しないジャンルの絵本や話題作を借りてみるのも良いかもしれません。
図書館で読み聞かせするのも良いですが、図書館によっては声を出して読めるスペースが準備されていないこともあります。マナーを守ることの大切さも、子供に教えていきましょう。
電子書籍
電子書籍を購入して、子供に読み聞かせるお母さんやお父さんもいます。確かに収納スペースも必要ありませんし、たくさん持っても重くなりませんので、出かけた先や車の中でも、タブレットやノートパソコンさえあれば読むことができます。
ですが、異なるページの絵を見比べたり、2ページや3ページまとめてめくったりすることができませんので、絵本の読み方に対する自由度が低くなってしまうというデメリットがあります。読み方や与える目的、子供の気に入り度によって、紙の書籍とデジタル書籍を使い分けるようにしましょう。
本は買わなくても良い?家に何冊位あれば良い?
どうせ何度か読んだら飽きるのだからと、本を購入せずに、図書館をフル活用して済ませる方もいます。もちろん、子供は移り気ですし、どこのご家庭の本棚にも存在すら忘れている絵本が1冊はあるのではないでしょうか。
それでもやはり、何冊かは、その子供だけのものとしての絵本が必要だと言えるでしょう。絵本を所有することで子供はその絵本の世界を所有することができますし、繰り返し読むことで本に対する愛着を覚えることもできます。良質な絵本の中から特に吟味したものを、子供のものとして与えたいですね。
冊数は特に目安はありません。絵本が好きな子供はたくさん所有すれば良いですし、特に絵本好きでない子供は10冊以下でも良いでしょう。絵本と絵本の世界観を所有する楽しみを、小さなときから身につけさせて行きましょう。
3歳児への読み聞かせ!子供が興味を持つためのコツ
3歳児に絵本を読み聞かせるときは、どのような点を工夫するといいのでしょうか。子供の興味をかきたてる読み聞かせ方法について紹介します。
子供の目線で読む
子供の目の高さに絵本を置き、子供が楽な姿勢で絵を見られるようにしましょう。絵本が高すぎるのもしんどいですが、あまりにも低い位置にあると子供の姿勢が悪くなり、集中できなくなることがあります。
子供の感情を誘導しないで読む
一本調子で読み聞かせると、子供はつまらなくて飽きてしまうかもしれません。また、話の内容があまり頭に入っていかずに、どのようなストーリーなのか理解できなくなってしまうこともあります。ですが、反対に感情を移入し過ぎて抑揚をつけて読み過ぎると、子供は想像力を働かせることが難しくなり、親の声音に合わせた感情だけに頼って判断してしまうようになります。
適度に抑揚をつけ、子どもの感情を誘導しないように読むように注意しましょう。絵本はどのように読んでも正解です。子供には子供の感性で理解させるようにしてください。
親の感想や解釈、勝手な変更を付け加えない
絵本を読んだ後に、子供に感想を尋ねるのは良いことですが、子供の感想を聞く前に親が自分自身の見解を述べてしまわないようにしましょう。子供は親の意見が正しいものと思っています。親とは違う意見を持っていても、「お母さんが言っている方が正しいんだろうなあ」と考え、親の見方に合わせて絵本の内容を把握しようとしてしまいます。
また、子供には難しい言葉が出てきたときも、それを他の言葉で読み変えないようにしてください。言葉の意味を後で説明することは良いことですが、他の言葉に置き換えて読むと、絵本の持つ言葉の面白さやリズムが崩れてしまうことになります。
3歳児には絵本で大人になっても忘れない感動を与えてあげよう
柔軟な感性を持つ3歳児。たくさんの良質な絵本に触れさせることで、さらに感性を磨き、想像力や理解力を伸ばしていくことができます。絵本を通して学んだことが、一生の宝物になるかもしれません。絵本の持つ楽しさ、ワクワク感を大人になっても覚えていられるように、絵本をたくさん読んであげて下さい。