学校朝食とはどんな取り組みか
学校朝食とは?子どもが学校で朝ごはんを食べるメリット
学校朝食という取り組みを知っていますか?朝食を食べない子どもが年々増加している中、地域のボランティアの力を借りて学校朝食に取り組んでいる小学校があります。賛否両論の学校朝食への意見、学校朝食を通して家庭の朝食も見直し、子どもが元気に健康に小学校で過ごせるようにしてあげましょう。
学校朝食とは
学校朝食とは、朝ごはんを学校で提供する取り組みで、地域の企業等から提供された食材を利用してボランティアが調理をし、希望する子どもに朝食を提供する取り組みのことです。子どもは通常の登校時間より1時間程早く学校へ登校して、学校で朝ごはんを食べてから授業を受けます。
学校朝食にかかる費用は無料か50円程度
学校朝食は徐々に取り組む学校が増えていますが、前例が少なく、始めるのがまだ難しい取り組みなので、多いところで週に2〜3回や月に2回程で実施されているのが現状です。自己負担の費用は無料または約50円で、残りの費用は市からの補助金等でまかなわれています。
学校朝食で子どもに朝ごはんを食べさせる目的は子どもの体力と学力を守ること
学校朝食の目的としてあげられているのが、年々増加している朝食を食べない子どもに、まずしっかり朝ごはんを食べさせることです。朝食を食べないと、朝ごはんを食べた子どもと食べない子どもとの間で学力の差が出てしまったり、長期の休みに入ると子どもの体重の減少が見られたりすることがあります。朝起きてきちんと朝ごはんを食べる生活習慣を身につけさせ子どもに必要な体力をつける、勉強を頑張る力を朝ごはんでとることはとても大切なことと考えられています。
学校朝食は地域の現役引退世代が提供してくれている
学校朝食は企業から提供された食材を使って、地域のボランティアの方々の手で提供されています。現役を引退された世代の方々を中心に、地域で子どもを守ろうという取り組みがここ数年広がっているのです。
筆者の住む土地では、どれも筆者自身の子どもの頃にはなかったものですが、引退された方々による、毎朝地域のゴミを拾う運動や、いつの間にか衰退してなくなってしまったお祭り等の再開、登下校の通学路に立つスクールガード、昔の遊びを教えてくれたり、絵本を読み聞かせてくれる方等、地域で子どもを育てよう、子どもを守ろうという数多くの取り組みがあります。
時代の変化で子どもが事件に巻き込まれることも増え、地域の団結が必要になった今では、親だけでは手が回らないことも多いので、手を差し伸べて助けてくれている方が沢山いるのはありがたいことです。地域の取り組みに感謝と理解をして、親として出来る限りのことをして地域にかかわっていくことが大切だと感じています。
学校朝食を行うメリット
学校朝食のメリットは、朝早く起きて、朝食をしっかり食べることで、子どもはすっきり目が覚めた状態で授業を受けられることです。
- 遅刻が減る
- 授業に集中できる
- 友達とコミュニケーションがとれる
- 暖かいご飯が食べられる
- やる気アップ
- 学力アップ
学校朝食の提供で子どもが朝ごはんを食べられない原因に目を向けることができる
学校朝食を否定する意見から考えたいことは、朝食を食べるという当たり前のことができていない子どもが増えているのはなぜなのかということです。子どものことを考えると、朝食が用意できないような仕事や働き方はすぐに変えるべきなのでしょうが、そう簡単にできることではありません。それでもそこにメスを入れないと問題解決にはならないという意見が多くあるのです。
共働きや、シングルの家庭、貧困なども原因とされていますが、誰もが望む仕事に着くことができるわけではなく、それぞれの家庭が置かれている状況も様々です。学校朝食を学校が提供することが、子どもが朝ごはんを食べられない家庭がある原因に目を向けるきっかけになること、それらの問題を解決するために前進できるかもしれない期待があること、これは学校朝食を提供する大きなメリットといえます。
学校朝食に対する子どもの反応は「うれしい」が多い
子どもにとって学校朝食は嬉しいものという反応が多いのは喜ばしいことです。みんなと一緒に食べられる暖かい朝食は学校生活への活力を生みます。いつもと違うワクワクやボランティアの方の暖かい気持ちも伝わっているのではないでしょうか。
- みんなでワイワイ食べれるのが嬉しい
- 朝食が暖かくて美味しい
- 苦手なものでも学校だと食べられる
学校朝食を提供することで救われる子どもがいる
学校朝食について意見は様々ですが、「朝ごはんを食べていない」と声をあげることができない子どもが学校朝食で救われることは事実です。地域やボランティア、先生たちの力を借りて実施されている学校朝食ですので、否定の意見だけではなく、暖かい目で見て受け入れて行くことも大切です。
学校朝食は朝ごはんが食べられる子どもも参加出来る
学校朝食は誰でも参加することができます。朝ごはんが食べられない本当に朝食を必要としている子どもだけではなく、いつも朝ごはんを食べている子どもも食べることができるので、友達と一緒に朝ごはんを食べることを通して、大切な友達とのコミュニケーションが図ることができます。誰でも気軽に参加できることが、朝食を食べさせてもらえない子ども、朝食が食べられない子どもという、周りの好奇な目から守ってくれるメリットもあります。
学校朝食を行わないデメリット
学校朝食を行わないという事は、朝ごはんを食べられない家庭にある子どもは、給食の時間までごはんを食べないまま授業を受けるという事です。朝食を食べないで学校に行くことに多くのデメリットがあるからこそこの学校朝食の仕組みが考えられたのですから、朝ごはんを食べないデメリットを知ることはとても大切なことと考えてください。
学校朝食を行わないデメリット
- 栄養が偏る
- エネルギー不足
- 体調不良に繋がる
- 体や脳が完全に起きない
学校朝食に対する「賛成」「反対」の意見を見てみよう
学校で朝食を提供することに対して親がどのように考えているのか、意見をまとめました。家庭の中のことは外から見て分かりにくく、それぞれ個人の思い描く家庭図が当てはまらない場合が多いのですが、賛成の意見も反対の意見もそれぞれ納得いくものがあり、全国に広まりつつある学校朝食について深く考えていく必要があります。
学校朝食に賛成の声
- 貧困、共働き、母子家庭と様々な理由で朝食が食べられない子どもは学校で朝食を食べることで救われると思う
- 有料でも利用したい
- 栄養のある朝食を食べさせて貰えることはありがたい
- 朝家族が揃って朝食を食べることは難しいので学校で友達と朝食が食べられるのは助かる
- 学校朝食で救われる子どもがいるのであればするべきだ
学校朝食に反対の声
- 朝食くらい親が用意するべきだ
- 朝食を食べさせないのは育児放棄ではないのか
- 朝食を食べさせない親が悪い
- 親が楽をする方へ流れてしまわないか
- 親子のコミュニケーションが減ってしまうのではないのか
- 学校は勉強をする場所だ
- 朝食を用意しない親の為に税金を使われたくない
学校朝食に対して色々な意見がある
学校朝食の目的は、朝食を食べない子どもが増えている為、子どもたちに栄養のある朝食を食べさせることですが、朝食を食べることができない環境にいる家庭の子どもは、早く起きて学校で朝食を食べること自体が難しいのではないかという意見も出ています。学校朝食を自由参加にしてしまうと、朝起こしてもらうことができない、朝食を用意してもらえない子どもが、本当に学校朝食に参加してもらえるものなのかという疑問も出ています。
学校朝食が教師の負担にならないのかという意見もある
学校朝食を行うにあたって、実際に調理するのはボランティアの方ですが、教室を開けたり、準備をしたり、生徒を見守る役目は教師が行う為、教師の負担が増えるのではないかという意見があります。学校朝食はいろいろな人の助けを得て成り立っています。各学校により体制は違いますが、学校で朝ごはんを提供するなら、学校朝食がより良い取り組みになるように保護者も協力していくことが理想です。
学校朝食はなくてはならないのか?
学校朝食は便利な取り組みですが、家庭で朝食を食べさせることがより望ましいので、学校朝食を利用する前に、家庭での取り組みも試みてみましょう。
家庭で朝ごはんを子供に食べさせるために親ができること
学校に行く前に子どもに朝ごはんを食べさせるのは大切なことです。朝、親は子どもの身支度、お弁当作り、洗い物、洗濯と限られた時間で沢山のことをしなければなりませんが、朝ごはんを後回しにするのではなく、子どもに朝ごはんを食べさせるためにはどうしたらいいのかを考えてみるようにしてください。
朝ごはんは親と一緒に食べる
朝は忙しいものですが、子どもが学校に行く前は座って一緒に食事をとるように心がけましょう。規則正しく起床して朝食をとる習慣は、子どもが大人になり働くようになってからも欠かせない大切な習慣です。
子どもが朝ごはんを食べない理由で多いのが、親が朝食を食べないことです。朝食を食べないで慌ただしく出勤する姿を子どもに見せるのは、朝ごはんを食べないで出かけることが普通のことであると印象付けてしまい、朝ごはんをとることの大切さを考えるきっかけを失ってしまいます。
子どもの成長に朝ごはんは欠かせないもの、そう子どもに考えてもらうためにも親が子どもと一緒に朝ご飯を食べること、毎朝しっかりと朝ごはんを食べる姿を見せ、それを習慣にするように心がけてみてください。
子どもが朝ごはんを食べない時は生活パターンを考え直す
親が朝ごはんを用意していても子どもが食べてくれないパターンがあります。元々少食である、朝ごはんよりもお菓子を食べてしまう等、親の意思とは違う形で朝食を食べないなら、夜遅くまでゲームをしていたり、漫画を読んでいたり、朝しっかり起きられず朝食を食べることができない状況になっていないか、生活パターンを考えてみましょう。上手く朝食を食べられるように、朝ごはんの大切さを話し合い、生活のパターンを変えるよう誘導していく必要があります。
朝ごはんを「作る」「食べる」時間をいかに短くするか考える
朝は時間がなく、手の込んだものを作ることができませんので、夜にできる家事は夜のうちに終わらせておいて、できるだけ朝の負担を減らすようにしましょう。洗濯物は夜のうちにやっておく、お弁当作りがあるなら常備菜や前日のおかずを再利用する、朝にやることを減らすだけで朝食を作る時間を作り出すことができます。
朝ごはんを食べる時間は、前の日や休みの日に作り置きをしたものをすぐに食卓に並べられるように準備しておいたり、スーパーなどで購入したものをさっと出して簡単に済ませるようにするといいでしょう。
朝ごはんは主食以外にもう1品加える
朝ごはんはただ食べれば良いわけではありません。パンやご飯を食べたことで、お腹は満たされますが、脳がしっかり目覚め動くにはパンやご飯を食べただけでは足りないのです。朝食の質を上げるために無理をして手の込んだものを作る必要はありませんが、できるだけ栄養が偏らないように、パンやご飯のほかに何か1品を加えられるように考えてみてください。
常備菜を作っておく
常備菜を作っておくと、それだけで1品増えますから朝ごはんを作る時間を短くすることができます。子どもにはできるだけ栄養のあるものを食べさせたいものですが、忙しい朝に手の込んだ物を作るには起床を早めたり、時間を作る必要がありますので、いつもいつもというわけにはいきません。休みの日や、手の空いた時間に常備菜を作っておくことを習慣にしてみてください。パン食になりがちな家庭はプラス1品でも増やすことができれば、パンばかりという後ろめたさも軽減されるのではないでしょうか。
乳製品で栄養をカバーする
忙しい朝はプラス乳製品を意識してみてください。ご飯を中心とした朝ごはんでも、メニューにヨーグルトやチーズ、牛乳を加えて栄養を補いましょう。
体が温まる汁物をプラスする
朝ごはんに汁物をプラスするなら、前日に少し多めに作ったお味噌汁やスープ、お湯をそそぐだけのインスタントに頼りましょう。冬の寒い時期には子どもも喜びますし、体が温まり、脳がしっかりと起きた状態で登校することができます。
ワンプレートで洗い物を減らす
朝ごはんは忙しい時間だからこそ、洗い物を減らすことを考えましょう。ワンプレートに盛りつければ、子どもも食べやすく、洗い物も減り時短になります。時間をかけることができない朝だからこそ、朝食を諦めるのではなく、時短で負担を減らす工夫を考えることが大切です。
子どもの朝食には何を食べさせればいい?
学校へ行く前に子どもに朝食は何を食べさせていますか。お弁当作りや身支度に忙しい朝なのでできるだけ簡単に済ませているという意見が多くみられます。特にワーキングママは子どもが朝食を食べている間に、片付けや用意ができるように、簡単に一人で食べれるもの、手づかみで食べれるもの、洗い物が少なく済むものが中心になっています。
朝食によく利用されているメニュー
- パン(菓子パン)
- ご飯(ふりかけをかけたり、おにぎり)
- 目玉焼きやウインナー
- お味噌汁
- フルーツやヨーグルト
学校朝食は気軽に利用して大丈夫
学校給食は、誰もが気軽に利用できるものなのですが、学校朝食を利用することで、朝食も作らない親という目で見られるのではないか、貧困の為に学校朝食を利用したいけれど周りの目が気になって利用させることができない、利用することによって子どもが辛い思いをするのではないか、正直、学校給食は利用しにくいという声が上がっています。
学校給食は、本当に利用したい人が利用できない状況では意味がありません。誰もが気軽に学校給食に参加できるように、理解を求めたり、全員参加の日を作ってみたり、自由参加という点を見直してみたりしながら取り組みを広げていくようにしたいものです。
学校朝食に感謝して家庭の朝食も見直そう
学校で朝食を食べさせてもらえることは「ありがたい」ことです。栄養を考えられた暖かいメニューや、朝から友達と一緒にワイワイ朝食をとることは、家庭とはまた違った雰囲気で子どもも楽しく食事をすることができます。学校朝食を否定している意見で多いように、学校に頼りすぎるのではなく、感謝しつつ、家庭での朝食のあり方を一度考え直してみませんか。とりあえず食べれば良いだろうと毎日同じようなパン食になっていたり、忙しい朝に子どもの朝食まで手が回らなかったりしている家庭の朝食を見直すきっかけにしてみましょう。