アイロンのかけ方の正しい手順とコツ
アイロンのかけ方を工夫!簡単にプロの仕上がりにする方法
アイロンはかけ方次第でクリーニングに出したような仕上がりになるだけではなく、時短にもなります。今更聞けない、当て布の重要性やスチームの使い方、服の種類別でハンカチ、ワイシャツ、スーツ、ジャケット、Tシャツなどに分けてアイロンをかける手順を紹介します。
アイロンはかけ方次第で簡単になる!アイロンがけの手順やコツ
アイロンのかけ方を難しいと感じ、苦手意識を持っている人も少なくありませんが、アイロンがけの手順やコツが分かれば、とても簡単にできるようになります。
アイロンがけに慣れるまでは、これから紹介する手順に沿ってかけると、闇雲にかけるより楽にアイロンがけができます。アイロンの手順とコツを紹介しますので、実践してみてください。
【服の種類別】アイロンのかけ方
アイロンのかけ方の基本を知っておくと、きれいに仕上がるだけではなく、時短にもなります。忙しい主婦にとって、面倒な家事の代表とも言われるアイロンがけが簡単に楽にできる方法を紹介します。
服の種類によって手順やコツが若干違うので、それぞれの服の種類別でアイロンのかけ方を見てみましょう。
ハンカチのアイロンのかけ方
ハンカチのアイロンがけは練習にもなりますし、いつも使っているハンカチがパリッとしていると気持ちがいいものです。他の服にアイロンをかけるついでに、いつも使っているハンカチにもアイロンをかけてみましょう。
ハンカチには、さまざまな生地が使われているので、まずは設定温度を把握しなくてはいけません。
アイロンの設定温度
- 綿・麻→180~200℃
- レーヨン→140~160℃
- ナイロン・アクリル・シルク→110~130℃
ハンカチは比較的シワを伸ばしやすいので、まずは低温からかければ安心です。綿や麻でもシワが伸びるのであれば高温にする必要はありません。
ハンカチのアイロンがけは3工程しかありません。まずは、アイロン台に正方形にしておきます。形が崩れている場合は、対角線上の角通しを引っ張って形を整えるといいでしょう。
中央から外側に向かってアイロンをかけますが、力強くするとよれてしまいます。軽く動かすかシワが目立つ場所はプレスするような気持ちでかけると形が崩れにくくなります。全体のシワがなくなったら、次に半分に折ってかけますが、このとき角をしっかり合わせてかけるようにしてください。
同じ要領で、もう一度半分に折って角を合わせ、アイロンをかければ終了です。角がピシッと合って気持ち良く使えます。
カッターシャツ・ワイシャツ・ブラウスのアイロンのかけ方
アイロンのかけ方として、半乾きのときがシワを伸ばしやすいので効率的です。乾いているシャツをアイロンがけするときは、霧吹きを準備して事前に全体を湿らせておくか、アイロンのスチーム機能を使いましょう。
シャツのアイロンがけのコツは、小刻みに動かさず生地を平らにしたら、できるだけ広い面を一気にかけることです。またジグザグや円を描くように動かすのもNGで、直線に動かすようにすると仕上がりがきれいになります。
最初は、襟にアイロンをかけますが、先端にシワが寄りやすいので、表に見えない面のみアイロンがけすると、シワになっても着たときに見えないので失敗しません。
次は袖を縫い目に合わせてキレイに広げて、重ねた生地がシワになっていないことを確認します。肩から袖に向かって直線にアイロンを動かしますが、力を入れると生地がよれるので片方の手で生地を抑えて軽くかける動かすように注意してください。
終わったら、カフスの内側になる面のみをアイロンの先を使ってかけ、ボタン部分を裏側に移動します。ボタン部分は、表からアイロンをかけようとするとボタンが邪魔です。裏側からかけるとボタンを気にしなくていいので時短になります。
最後に前立てと後見頃ですが、重ねていっぺんにかけると手間が省けます。このときも、重ねた生地がシワにならないように注意し、直線の動きで広い面を一度にかけるようにしましょう。よりキレイに仕上げたいなら、後身ごろも別にアイロンをかけると、プロのような仕上がりになります。
スーツや制服のアイロンのかけ方
スーツや制服は、毎日使用するものです。毎日しっかりアイロンがけする時間がある人はいいのですが、ほとんどの人はそんな時間がないでしょう。ですから、デイリーなアイロンがけはスチームに頼りましょう。
スーツをハンガーにかけて、全体にスチームを当ててシワを伸ばします。シワがひどい場所は下に引っ張りながら少し長めにスチームを当てるとシワがきれいになります。ただし、この場合は生地に直接アイロンを当てないようにしないと、生地が傷む可能性があるので注意してください。
時間に余裕がある日やよれがひどい場合は、しっかりとアイロンをかけると見栄えが違います。丁寧にかける場合は、まず温度設定を把握して生地を傷めないように注意しましょう。アイロンの温度設定は次のようになります。
アイロン処理記号の意味
- 綿・麻→180~200℃
- ウール→140~160℃
- ナイロン・アクリル→110~130℃
温度設定が面倒という人は、低温を選ぶようにすると失敗がありません。スーツや制服は低温でもシワが伸ばせるので安心してください。
スーツや制服にアイロンをかけるとき、必要なものは当て布です。自宅にある薄手のハンカチでいいので、生地に直接アイロンが当たらないようにしましょう。ジャケットとパンツそれぞれのアイロンのかけ方は、次項で詳しく説明します。
ジャケットのアイロンのかけ方
ジャケットのアイロンがけは難しいように感じていませんか?慣れてしまうと10分程度でできるので、アイロンがけが面倒でクリーニングを利用している人も、一度自宅ケアに挑戦してみてください。
ジャケットにアイロンをかける手順は次の通りです。
スーツや制服にアイロンをかける手順やコツ
- スチーム機能のないアイロンを使用する場合は、全体に軽く霧吹きをしておく
- 肩と袖にアイロンがけするために、袖にバスタオルを入れてアイロンがけすると腕が入っている状態になるので、きれいにシワが伸びる。立体的に袖周りを当て布をした状態でかける
- 襟のシワを取るために、裏側から形を整えてかける
- 前身ごろに当て布をして、形を崩さないように気をつけてかける
- 前身ごろの仕上げに襟にもう一度かけて、形をパリッをさせる
- 後身ごろに当て布をして、中央の縫い目から外側に向けてかける
- ハンガーにかけて熱をとる
高温でガッチリとアイロンをかけると、生地を傷めてテカリが出ることがあります。必ず当て布をして、軽い力でかけるようにしましょう。
ズボン・スラックス・チノパンのアイロンのかけ方
ズボンはシワになりやすいのですが、トップスに比べてアイロンがけは簡単です。スーツのスラックスや折り目がきれいなパンツは、ぜひ自宅でアイロンがけをしましょう。手順は次のようにするとスムーズです。
パンツにアイロンをかける手順やコツ
- スチーム機能のないアイロンを使用する場合は、全体に軽く霧吹きをしておく
- ファスナーを開けた状態でパンツを裏返し、腰部分に当て布をしてアイロンでシワの伸ばす
- 裏返したパンツを戻し、もう一度当て布をして腰やお尻周りのシワを伸ばす(ボタンやファスナー部分は、苦手なら無理してアイロンをしなくてOK)
- 片方の足部分を、縫い目とセンタープレスラインに合わせて形を整えて広げ、当て布をして両面にアイロンをかける
- もう片方の足の部分も同じようにかけて終了
時間がないときは、足から袖にかけて両足を重ねた状態でアイロンをかけてもOKです。その場合は、下になっている生地が平らになっていることをしっかり確認してください。注意点として、生地がテカらないように当て布を忘れずに使用してください。
Tシャツのアイロンのかけ方
Tシャツにはアイロンなんてかけないという人は多いですが、見た目に大きな違いが出るのでお気に入りのものや、長く愛用したいものにはアイロンの使用をおすすめします。
Tシャツの場合、洗濯表示を確認してアイロンマークの上に書いてある記号をチェックしてください。「・」の数か高・中・低などの記号によってアイロンの温度を変えなくてはいけません。
アイロン処理記号の意味
- 「・」もしくは「低」→110℃が限度でスチーム使用はしない
- 「・・」もしくは「中」→150℃が限度
- 「・・・」もしくは「高」→200℃が限度
- 「×」→アイロン禁止
記号が分からない場合は、スチームなしの110℃からスタートして様子を見てみるか、スチーム機能を使って布に直にアイロンを当てずに、浮かした状態で使用すると安心です。
アイロンのかけ方ですが、Tシャツは伸びやすい方向と伸びにくい方向があるので、軽く引っ張ってみて伸びにくい方向にアイロンを動かすようにします。伸びやすい方向にアイロンをかけると、Tシャツがよれたりシワになったりするので注意してください。
大抵の場合は、縦方向が伸びにくいので袖であれば肩から袖へ、身ごろは上から下へ動かしましょう。Tシャツの場合、特に難しいテクニックなどはなく、動かす方向にだけ注意すれば簡単にアイロンがけができます。
手順をマスターしてしまえば、アイロンがけはとても楽になります。今まで決まった手順でやっていなかった人は、自分の中でマニュアルを作り、手順に沿ってアイロンをかけるようにしてみましょう。
アイロンがけを簡単にするコツ5つ
アイロンのかけ方は慣れるまでが面倒ですが、あらかじめコツを知っていれば、慣れるまでがスムーズです。アイロンが楽しくなるコツを5つ紹介します。
1.アイロンのかけ方を簡単にするには洗い方や干し方にひと工夫
アイロンのかけ方では、一度シワシワになった服にかけるのは面倒です。逆に言えば、シワになっていない服なら、短い時間で簡単にアイロンをかけられるということです。洗うときと干すときに少し工夫すれば、シワができにくく、アイロンがけが簡単になります。
衣類は他の服と絡まないように、軽くたたんでネットに入れて洗濯します。ネットに入れると汚れが取れにくくなるので、汚れがひどい場合はあらかじめ手洗いして汚れを取ってから、ネットに入れるようにしてください。
また、脱水は3~5分程度に短くすると、より服にシワができにくくなります。干す際も、シワを手で伸ばしながら干すと、アイロンをかける時間を短くできます。
2.スチーム機能を上手く使いこなす
スチーム機能のついたアイロンは、衣類のシワを伸ばしやすいのでとても便利です。しかし、最初から最後まで蒸気を出したままアイロンをかけるのはNGです。
よりキレイな仕上がりを目指すなら、1度目は蒸気を出してかけ、もう一度スチーム機能を切った状態で同じ場所をかけましょう。パリッとしたプロの仕上がりが、自宅で簡単に再現できます。
3.毎日のお手入れとしっかりアイロンする日を区別する
毎日完璧にアイロンをかけるのは、とても大変な作業です。かといって、服をため込んでまとめてアイロンをかけるようにすると、シワも深くなるうえに時間がかかってアイロンがけが面倒に感じます。
そこで、毎日のお手入れとしっかりアイロンをかける日を区別するようにしましょう。毎日のお手入れでは、服をハンガーにかけてスチームで軽くシワの伸ばすだけでOKにします。この手間は、あなたのライフスタイルに合わせて決めておくといいでしょう。
毎日使っている服をしっかりケアするときは、時間を少し多めにとって、これまで説明した手順でアイロンをしっかりかけます。日頃お手入れをしていれば、それほどアイロンがけが苦になりません。
4.手アイロンで形を整える
手アイロンとは、手で簡単にシワをとる作業です。アイロンをかける前に、手でシワを伸ばし、形を整えながら広げれば、後は軽くアイロンをかけるだけの状態ができ、時短になります。両手を使ってしっかりシワを伸ばし、服を整形してからアイロンがけを始めましょう。
時間がないときはすぐにアイロンをかけて終わらせたくなりますが、ヨレや新たなシワの原因になるので、急いでいる時こそ手アイロンを上手に使ってください。
5.アイロン台がなくてもかけられる
アイロンは、机とバスタオルがあればどこでもかけることができます。出かける直前になってシワに気付き、すぐにアイロンをかけたいときは、台をセッティングしている時間がありません。そんなときは、机にバスタオルを敷き、シワを伸ばしたい箇所に霧吹きをしてからアイロンをかけます。
ほんの2~3分でシワの伸ばすことができます。他にも、物を増やしたくない人や、あまりアイロンをしない人はバスタオルをアイロン台の代わりに使ってみてください。
アイロンのかけ方のコツはメリハリをつけて使うと簡単
アイロンのかけ方は、しっかり準備をして丁寧にしなくてはいけないイメージがあります。しかし、毎日丁寧にかける必要はなく、使える時間やシワの程度に合わせて、軽くかける日としっかりかける日にメリハリをつけるようにしましょう。
アイロンがけに慣れてしまえば、丁寧にアイロンをかける日でも短い時間で簡単にできるようになります。アイロンがけが簡単になれば、服の管理が楽になるだけでなく、クリーニングに出す頻度も減り家計にもプラスになります。今日から、紹介したアイロンのかけ方を実践してみてください。