クッションを洗濯しましょう!
お部屋のくつろぎタイムで活躍するクッションですが、そのクッションを洗ったのはいつでしょうか。カバーは洗うけれどクッションは洗ったことがないという方や、クッションを自宅で洗えるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。クッションは自宅で洗濯することが可能です。
ただ、洗濯の方法を間違えると、クッション自体の型崩れだけでなく洗濯機の故障などにもつながってしまうので、注意が必要です。ポイントを押さえることで、自宅でもクッションをキレイに洗濯出来ますので参考にしてみてください。
クッションは汚れます!
ソファーで腰に当てたり抱きかかえたり、ときにはうたた寝のときに枕にしたり、毎日のように使うクッションは、思っている以上に汚れています。
クッションは衣類につく汚れ同様に、皮脂汚れや食べこぼし汚れなどがつきやすく、柄や濃い色が多いため見た目では汚れが分かりにくいですが、洗ってみるとかなり汚れているのが分かりますので、季節の変わり目などを目安にして、3か月に1回は洗濯することをおすすめします。
日々使用している中で汚れがどんどん蓄積するだけでなく、ダニの温床になることもあります。直接肌に触れる機会が多いものですので、定期的に洗濯をして清潔に保つようにしましょう。
洗濯する前に確認すること
クッションを洗濯する前に確認することがいくつかあります。クッションは間違った洗い方をしてしまうと型崩れを起こしたり、使えなくなってしまうことがありますので、必ず確認をしてから洗濯するようにしましょう。確認してほしいことには以下の通りです。
洗濯表示を確認しよう
洗濯表示とは、ほとんどの衣服や布製品などについているラベルのことです。この表示の中に、洗濯の仕方や素材など製品についての大事な情報が書かれていますので、必ず確認するようにしましょう。
洗濯表示は2016年12月に改正されていますので表示の意味が分からないなどの場合はネットで調べることも可能です。(注1)
洗濯可能の洗濯表示
新しい表示の場合は「洗濯おけ」や「手洗いマーク」、旧表示の場合は「洗濯機」や「手洗いマーク」がついているものであれば、自宅で洗濯することが可能です。もし、桶にバツがついているマークがある場合は洗濯することはできません。
ドライマークがついている場合はドライクリーニングしかできないと思われがちですが、ドライマークと一緒に洗濯おけや手洗のマークが表示されていれば洗濯することが出来ます。
ドライクリーニングって?
ドライクリーニングとはクリーニング店が専用の機材を使い、水ではなく油を使って洗濯する方法で、家庭の水洗いとは全く別になります。市販されているドライクリーニング用の洗剤を使えばドライクリーニングと同じかと思われますが、ドライクリーニング用洗剤を使ったとしても、水洗いのダメージを抑えることはできても水を使うため、クリーニング店でドライクリーニングするほどの仕上がりにはなりません。
洗濯表示にドライクリーニングの表示がついている場合は「ドライクリーニングもできる」という意味です。ドライクリーニングと一緒に洗濯機マークや手洗いマークがあり、洗濯機にドライコースがあれば家庭で洗濯が可能です。
素材を確認しよう
クッションの素材によって洗濯できるものとできないものがあります。素材についても洗濯表示と一緒に表示されていますので必ず確認するようにしましょう。綿やポリエステル、ビーズクッションなどは洗濯できる素材です。ただし、ビーズクッションによっては洗濯中に破れて中身が出てしまうことがあるので洗濯表示に従うようにしましょう。
洗えない素材は、低反発クッションに使用されているポリウレタンです。ポリウレタンは水を吸うとボロボロになってしまうので洗わないようにしましょう。基本的には洗濯表示に従って洗濯をすれば大丈夫です。
洗濯前の準備
クッションの洗濯を始める前に準備をしましょう。準備をしておくことでスムーズに洗うことができます。
クッションカバーを外す
クッションのカバーが外れるものであれば必ず外し、別洗いするようにしましょう。ほとんどのカバーは布製品のため、洗濯機で洗えます。
つけたまま洗ってしまうと、クッションがカバーの分まで水分を吸ってしまい、乾燥に時間がかかってしまいます。
洗剤は中性洗剤を使う
クッションを洗濯するときは、普段使っているアルカリ性の洗剤や塩素系のものではなく、中性洗剤やおしゃれ着洗い用の洗剤を使用しましょう。
汚れが目立つ部分には直接洗剤をかけて指で軽くなじませておきましょう。
クッションの洗濯方法
クッションの洗濯方法には、手洗いをする方法と洗濯機を使用する方法があります。手間がなくキレイに汚れを落としてくれるのは洗濯機ですが、ダメージや型崩れが少ないのは手洗いです。
型崩れしてほしくないクッションであれば手洗いをおすすめします。手洗いと洗濯機での洗濯方法は次の通りです。
クッションを手洗いする方法
クッションを手洗いすると、中のクッション剤が偏るのを最小限に抑えることができますが、洗濯機に比べて手間がかかります。
1.洗剤水の準備
桶や洗面台、浴槽など、クッションのサイズに合った容器を用意し、クッションが浸かるくらいにぬるま湯をためて洗剤を溶かします。
2.クッションを押し洗いする
クッションを洗剤水に浸したら優しく押し洗いをします。20~30回くらいまんべんなくクッションを洗いましょう。
汚れが気になる場合はキッチン用のスポンジや歯ブラジなどで優しくこすり洗いをすることや、指先で汚れ部分を軽く押し洗いをしてください。
このとき強くこすったりもんだりすると型崩れの原因になりますので優しく扱うようにしましょう。
3.すすぎ
クッションを軽くしぼり、桶の水を入れ替えてすすぎをします。「新しい水で押し洗いをして絞る→水を入れ替えてまた押し洗い」の行程を水がきれいになるまで繰り返します。
すすぎのときに洗剤が残ってしまうとクッションの黄ばみにつながりますので、しっかりすすぎましょう。
4、脱水
クッションを軽く絞り、バスタオルなどで包んで優しく押しながら水気を吸い取りましょう。クッションが大きい場合などは洗濯機の脱水機能を利用することもできます。
脱水しすぎると型崩れの原因となりますので、脱水は「高速回転に入ったら10秒ほどで止めて、クッションの形を整えてから再度脱水」をクッションの様子を見ながら何度か繰り返すようにしましょう。
クッションを洗濯機で洗う方法
手軽に洗えるのは洗濯機です。洗濯表示に洗濯機の使用が可能とあったら、洗濯機で洗えますが、通常モードでは型崩れしてしまいますので注意が必要です。
1.洗濯ネットに入れる
クッションを必ず洗濯ネットに入れるようにしましょう。このとき、小さめの洗濯ネットに入れることで型崩れがしにくくなります。また、クッションの真ん中に針と糸を使い、軽く十字に縫っておくと、中綿の偏りを防ぐことが出来ます。
2.クッションを偏らないように入れる
クッションは洗濯中の回転で偏りやすいため、途中で洗濯機が止まってしまうことや、故障の原因となってしまうことがあります。
薄手のクッションの場合は2個まとめて洗う、ドラム式洗濯機の場合は隙間にバスタオルを積めるなど洗濯機内でクッションが偏らないようにしましょう。
3.手洗いモードで洗濯する
手洗いコースなどの優しく洗えるコースを利用して洗濯しましょう。決していつも通りの標準コースで洗わないでください。
4.脱水の前に形を整える
洗濯まで終わったらそのまま脱水せずに一度止めてクッションを取り出しましょう。取り出したクッションは洗濯ネットから出し、縫っている場合は縫い目をほどいて中綿の偏りを優しくたたきながら直し形を整えてから脱水をします。
5.脱水する
小さいクッションの場合は、洗濯機の脱水を利用せずにバスタオルで水分を吸い取るようにすると、型崩れしにくいのでおすすめです。
そのまま洗濯機で脱水する場合は、一度に脱水するのではなく、「脱水の高速回転になったら10秒で止めて取り出し形を整え再度脱水」をクッションの様子を見ながら何度か行うようにしましょう。
クッションカバーの洗い方
クッションカバーは取り外せる場合は取り外して個別に洗います。クッションカバーの洗濯方法は次の通りです。
1.洗濯表示を確認する
洗濯表示を確認して洗濯できるのか見てみましょう。手洗いマークや洗濯マークがついているものであれば家庭で洗濯することが出来ます。
2.色落ちの確認をする
色の濃いものや柄物のカバーは色落ちする場合があるので事前に確認しましょう。洗剤を見えないところに直接少量つけ5分ほど置きます。置いたら白いタオルなどで洗剤を叩き、色がつかないか確認します。
色落ちしやすいものは個別に洗うか同じ色のものと洗うようにするか、色落ちしてほしくないのであればクリーニングに出すことをおすすめします。
3.部分汚れを処理しておく
目立つ汚れがある場合は直接洗剤をかけておきます。また、洗濯前に裏返して隅や縫い目のほこりやごみをとっておきましょう。
4.洗濯ネットに入れる
汚れが気になる部分を表にするようにたたんで、洗濯ネットに入れます。このとき、ボタンやファスナーの付いているものは閉じるようにしましょう。また、プリントや装飾があるものは裏返してからネットに入れるようにしましょう。
5、洗濯表示に従う
洗濯表示の洗濯方法を守って洗濯機で洗濯します。洗剤は、カバーの素材がデリケートなものやウールでできたものは中性洗剤やおしゃれ着洗い用の洗剤を使用することをおすすめします。洗濯表示に中性の表示がない場合は通常の洗剤でも洗濯が可能です。
脱水後すぐに取り出してしわを叩いてとり、形を整えたら通気性の良い日影で干しましょう。
クッションをふわふわにする干し方
クッションは干す前に必ず中綿をきちんと整えるようにしましょう。脱水してそのまま干してしまうと型崩れの原因となるので注意が必要です。干すときは、クッションを吊るすのではなく、平干し用のネットを使用する方法や物干し竿2本の上に置いて干すようにすると型崩れがしにくくなります。平干しして通気性のいい日陰で干すことをおすすめします。
干す場所や専用のネットがない場合は、洗濯バサミを使って吊るして干しても大丈夫です。このとき、重さで中綿が偏らないように時々上下左右を入れ替えながら干すようにしましょう。
クッションの中まで水分が浸透しているのでしっかり乾燥するまで3日前後かかることもあります。ですが、生乾きで使ってしまうと臭いやカビの原因になるので、時間がかかってもしっかり乾かすようにしましょう。浴室乾燥を活用すると手早くきれいに乾燥できるのでおすすめです。
乾燥機は使用しない
手早く乾燥させたいからと乾燥機やドライヤーを使用しないようにしましょう。ポリエステルやビーズは熱に弱く乾燥機では変質してしまいます。
また、綿などは乾燥機の回転で中身が偏ってしまうものです。時間はかかりますが、クッションの乾燥は自然乾燥をするようにしましょう。
洗えないクッションについた汚れ
ポリウレタンのクッションは買い替えるしかキレイなものを使用する方法がありません。汚れを防ぐために日ごろのお手入れが大事になります。
撥水性のいいカバーをして汚れを防ぐようにし、汚れてしまった場合は中性洗剤を薄く溶かしたものをタオルにつけて表面をなでるように拭いて陰干ししましょう。このときウレタンは水に弱いので水がつかないように注意しましょう。
コインランドリーでクッションは洗える?
大きな洗濯物で活躍するコインランドリーですが、クッションは基本的にコインランドリーで洗濯乾燥することはできません。
クッションをコインランドリーで洗濯すると型崩れしやすいだけでなく、洗濯中の偏りやクッションによっては中身が出てしまうこともあり、機械自体を故障させてしまう場合があります。
コインランドリーに洗ってはいけないものの一覧が張り出されていますので、必ず確認するようにしましょう。
日ごろからクッションの汚れを防いでおこう
クッションは毎日洗うことが出来ませんので、日ごろから汚れないようにこまめにケアすることが大事です。定期的に日干しするとともに、日ごろのケアとしては次のようなことがあります。
クッションカバーはこまめに洗う
クッションカバーを取り外せる場合はカバーだけでも定期的に洗うようにしましょう。カバーが取り外せない場合は、市販のカバーを上からかけて使うのもおすすめです。また、薄手のクッションカバーは中まで汚れやすいので、厚手のカバーにするのもおすすめです。
濡れた髪でクッションを枕にしない
濡れた髪でクッションを枕にすると、髪の毛の水分がクッションの中まで染み込んでしまい、ニオイやカビの原因になるので注意が必要です。
髪が濡れたままクッションの上でゴロンとしたい気持ちを抑えて、髪の毛を乾かしてからくつろぐようにしましょう。
消臭スプレーを活用する
クッションは部屋のニオイを吸いやすいため、消臭殺菌作用のあるスプレーを活用してニオイをとるようにしましょう。
シミがついたら早めにふき取る
クッションにシミがついてしまった場合は、放置せずに早めに処理することが大事です。中性洗剤を含ませた布で優しく汚れをたたき、ふき取るようにしましょう。
清潔なクッションでくつろぎましょう
キレイなように見えてもクッションは結構汚れています。難しいように思えるクッションの洗濯もコツを覚えれば簡単にキレイ仕上げることが出来ます。
クッションを定期的にキレイにすることで長持ちし、気持ちよく毎日のくつろぎにクッションを使えることが出来ます。コツを覚えてぜひ自宅でのクッションの洗濯に挑戦してみてください。
クッションを使う場所として多いのがソファーですが、こちらもかなり汚れているものです。ソアーの汚れを落とすコツ・素材別のお手入れ方法を参考にクッションを洗濯するついでに、ソファーもきれいにしましょう。