引越しの挨拶の基本マナーと人気のギフト
引っ越しの挨拶は、これから新生活を気持ちよく始めるには欠かせません。近所付き合いが少なくなってきたとはいえ、何かあれば協力し合うことも必要なご近所の人たちには、最低限の礼儀としてしっかり挨拶を済ませておきましょう。
とはいえ、引っ越しは何度もするものではないので、基本のマナーは案外理解できていないものです。新居での生活を気持ちよくスタートするために、挨拶のマナーや贈ると喜ばれるギフトをまとめているので参考にしてください。
引っ越しの挨拶・訪問時間・不在の際の手紙の例文のマナー10
引越しの挨拶は、ただご近所にお邪魔して何か渡せばいいというものではありません。訪問するタイミングや不在の際の挨拶状の書き方、挨拶の内容など細かなことを知らないと、挨拶したことで逆に好感度を下げてしまうことになりかねません。引っ越しの挨拶を控えているなら、まずは基本的なマナーや注意点を把握しておきましょう。
1.挨拶は引っ越しの当日までに済ませるのがベスト
引越しの挨拶のタイミングを把握しておきましょう。仕事の都合などで、引っ越しの前まで新居に行けない場合は別ですが、できれば引っ越し作業をする前日までに挨拶を済ませておきましょう。引っ越し作業では、トラックの駐車や家具の移動などで近隣住人に迷惑をかけます。
その前に挨拶を済ませておくと、引っ越し当日にトラブルになることが減ります。「〇日に引っ越しをするのでご迷惑をおかけします」と一言伝えておくだけで、住人は心の準備ができるのでお互いストレスを感じません。
2.引っ越しの挨拶で伝えるべきこと
家族で引っ越しをした場合は、できるだけ家族みんなで挨拶に行く方が、近所の人は受け入れやすくなります。一度子供の顔を見せていると安心できますし、同じ年代の子供がいれば共通点が見つかり、いい関係を築きやすくなります。
また、子供やペットがいる場合は、騒音についても予め伝えておくと、周囲の人も理解を示しやすくなります。「気を付けていますがうるさい時はいつでも言ってください」と、一言伝えるのと伝えないのでは、相手が受ける音に対するストレスは大きく変わります。
仕事の関係で夜の出入りがあれば、その辺も伝えておくと良いでしょう。ただし、パパが夜居ないなどということは、防犯上あまり言わない方がいいので、必要であれば伝えるようにしてください。
3.引越しの挨拶の訪問にベストな時間は15~18時
引っ越しの挨拶を前もってできなかった場合は、引っ越しをした当日の15~18時に挨拶をするのがベストです。朝はそれぞれの家庭で起きる時間が違うので、まだ寝ているお家にお邪魔するのは迷惑です。お昼は食事や家事などで活動的な時間なので、できるだけ避けるようにしましょう。
1日の中で特にゆっくりできる時間が一般的には15時からなので、この時間以降を狙うと挨拶がスムーズに進みます。しかし18時以降は夕食やお風呂、リラックスタイムと重なってしまうので、挨拶のタイミングを逃して時間が遅くなった場合は翌日にしましょう。
共働き世帯が増えている現代では、家庭によって18時に帰宅している家が少ない場合もあります。訪問してもなかなか挨拶できないなら、20時くらいまでなら迷惑になりません。その際は「遅くにすいません」と断りを伝えるようにしてください。
4.一戸建ては向こう三軒両隣に引越しの挨拶をする
一戸建てに引っ越しをした場合、両隣と隣接する前後への挨拶は必須です。それ以外にも接している家があれば挨拶しておくと安心です。向こう三軒という言葉があるように、新居に面している前後3軒まで気を配っておくといいでしょう。
また、車の駐車や入庫などで迷惑をかける可能性がある場所などにも、事前に顔を見せておくとトラブルが少なくなります。自治会などに参加する場合は、自治会長のところにも挨拶をするようにしましょう。
5.アパートやマンションでは上下両隣に引越しの挨拶をする
アパートやマンションは、基本的に上下と両隣の家に挨拶をします。余裕があれば同じ階の家や斜め下の家まで挨拶ができれば、トラブルになった場合解決が早くなります。また、軒数の少ないアパートでは、すべてのお部屋に挨拶をしておくと安心です。
賃貸で大家さんが分かっている場合は、そちらにも顔を出すようにしましょう。いずれも、子供がいれば一緒に挨拶をさせておくと、顔を覚えてもらいやすくなるので安心して新生活がスタートできます。
6.不在の場合はギフトと一緒に手紙を添える
引越しの挨拶に行ったら不在だった場合、時間を変えて2~3回は訪問するようにしましょう。それ以上の訪問は、相手に迷惑や不快感を与えることがあるので、タイミングが合わなければお手紙とギフトをポストに入れておきましょう。
不在で会えなかった場合の手紙は、大げさな便箋ではなくメッセージカードのようなものを選び、次のような文面にすると失礼がありません。
相手が不在のときのお手紙例文
初めまして。この度○号室に引っ越してきました△△です。何度かお伺いしましたが、タイミングが合いませんでしたので手紙にて失礼いたします。ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
「子供がうるさいかもしれない」「朝方の出入りがある」など、相手に伝えておきたい心配事があれば書き加えておくとより安心です。
ギフトを一緒に贈るときは、ポストに入れるかドアノブにかけておく方法がありますが、食べ物の場合はトラブルになる可能性があるので、手紙だけにしてもOKです。ギフトを渡さなかった場合はしばらく自宅にストックしておき、顔を合わせたタイミングで渡してもいいでしょう。
7.引越しの挨拶で渡すギフトの「のし」の書き方に注意
引越しの挨拶で渡すギフトの「のし紙」は、紅白の蝶結びの水引が印刷されているものを選び、水引の上部に「御挨拶」と書き、下部にあなたの名字のみを書くのが一般的です。しかし近年では、それ程のしにこだわる人が少なくなっているので、少々オリジナリティを出しても失礼にはなりません。
例えば、名字だけでなく「〇〇号室」と書き加えると分かりやすいですし、一言「どうぞよろしくお願いします」と一言印刷しても好感が持てます。一戸建ての場合は、年配の方が多いので定番をおすすめしますが、若い家族が多いアパートやマンションなら、少し遊び心を加えるのもいいでしょう。
8.引越しの挨拶で訪問するときは服装にも注意
引っ越し作業をする前後は汚れてもいい服を着ていることが多いので、ついそのままの服装で挨拶に行ってしまいがちです。しかし第一印象は大切なので、できれば着替えて挨拶に回るようにしましょう。
特に男性は、乱れた服装で訪問すると警戒されることがあります。服装だけでなく、髪型やヒゲなどもチェックして、清潔感を出し、不信感を与えないように注意してください。
9.「つまらないもの」は逆に失礼
日本人は渡す粗品に対してつい「つまらないものですが…」と言ってしまいます。しかし、受け取る側のことを考えると、つまらないものを渡すのはとても失礼です。昔は謙遜するのが礼儀でしたが、現代では逆効果なので「よかったら使って(食べて)ください」と自信を持って渡してください。
小さいことですが、第一印象はとても大切なのでネガティブな印象を与えるような言動は避けた方がいいでしょう。
10.引越しの挨拶に使うギフトは~1,000円が相場
引っ越しの挨拶で渡すギフトは、1,000円未満の品物を選ぶのが相場です。引っ越しの挨拶で高額なものを渡すと相手に気を使わせてしまうので、少額でどこの家でも使うようなものを選ぶといいでしょう。
少額なものでは、洗剤やサランラップなど「のし紙」をつけても200円程度からあります。1,000円程度のものなら、有名店のコーヒーやお菓子セット、上質なタオルなどになります。大切なのは気持ちなので、予算に合わせて選んでください。
近年、挨拶の仕方やギフトに対して、マナーにうるさい人は少なくなりました。しかし、こちらがしっかり誠意を見せておくと、相手からも同じように対応してもらいやすいので、最初の挨拶はあまりくだけすぎないようにしましょう。
引っ越し挨拶で喜ばれる定番・かわいい・おしゃれギフト
引っ越しの挨拶で悩むのが、ご近所の人に渡すギフトです。引っ越し先の土地柄や住んでいる人たちの年齢などを考慮し始めると、何をあげればいいのか分からなくなります。そこで、引っ越しの挨拶に持っていくギフトについてまとめました。どんな人にオおすすめなのか、どんな印象を与えるのかといったことも、ぜひ参考にしてください。
失敗なし!引っ越し挨拶の定番ギフト
引っ越しの挨拶で定番のものは、後に残らないものや消耗品がベストです。ご近所にどんな人が住んでいるか分からない場合や、悩みすぎて何をあげればいいのか分からない場合は、定番のものを選べば失敗はありません。具体的には、次のようなものがよく選ばれています。
引っ越しの挨拶で渡す定番のギフト
- 洗剤
- タオル(シンプルで個性が強くないもの)
- ボックスティッシュ、トイレットペーパー
- ゴミ袋(地域指定のものがあれば、なお喜ばれます)
- お茶、コーヒー、紅茶
- お菓子
- サランラップ、アルミホイル、フリーザーバッグなど
- キッチン用品(スポンジ、洗剤、ふきんなど)
昔は引越しの挨拶といえば「引っ越しそば」が定番でしたが、アレルギーや好みなどの問題から、最近ではあまり贈られなくなりました。上記のものをどれかひとつ贈るのもいいですが、いくつかセットにして贈るのもオススメです。
住人の入れ替えが多いアパートや賃貸マンションなど、今後それほど交流がないと思われる場所であれば、定番のものを贈れば間違いありません。
もらって嬉しい!引っ越し挨拶のかわいい・おしゃれなギフト
引越しの挨拶に定番のものではなく、少し凝ったものを渡したい場合は、かわいいギフトやおしゃれなものを選んでみましょう。引っ越しの挨拶用ギフトとして販売されているものもあるので、あなたがもらって嬉しいと感じるものを選んでみましょう。
引っ越しの挨拶で渡す定番のギフト
- 有名店のチョコレート
- お米
- オリーブオイル
- 入浴剤
- クッキー+紅茶などのセット
- おしゃれなパッケージの調味料(塩、しょうゆなど)
- ドレッシングやジャム
一戸建ての場合は、今後付き合いが濃密になることも予想されるので、少々凝ったものを贈るのもいいでしょう。若い世代が多い地域なら、ドレッシングやオリーブオイル、ジャムなどは喜ばれます。高齢の方が多い地域なら、有名店のお茶菓子などもおすすめです。
ただし、凝ったものとはいえ万人ウケしないものは、もらう側も困ってしまいます。多くの人が好きなもので、パッケージのみオシャレなものや凝ったものを選ぶといいでしょう。
私がこれまでいただいて嬉しかったもので、自分でも引っ越しの挨拶で贈ったものは「お米」です。お米はどこのお家でも必ず使うものですし、日持ちもするのでおすすめです。小さな俵型のかわいいギフトもあるので、迷っているなら検討してください。
ギフトは気持ちを表すものなので、金額や内容はあまり気にしなくても大丈夫です。あくまでも挨拶のついでに渡すものなので、あまり考えすぎないようにしてください。
退去する場所でもご近所には挨拶を
引っ越しの挨拶というと新居にばかり目を向けてしまいますが、これまでお世話になった旧居でも挨拶を済ませておくと、気持ちよく引っ越し作業ができます。
旧居では、わざわざご近所にお邪魔せず、メッセージカードをポストに入れる程度でOKです。例文を挙げておくので参考にしてください。ギフトを贈る必要はないので、これまでの感謝の気持ちを手紙に書いて贈りましょう。
旧居の挨拶メッセージ例文
この度、引っ越しをすることになりました〇号室の△△です。〇日は引っ越し作業でご迷惑をおかけするかもしれませんが、申し訳ございません。これまでお世話になりまして、本当にありがとうございました。
引っ越しの挨拶はスマートに終わらせて新生活をスタート!
ただでさえ引っ越しで忙しいときに、ご近所に挨拶に行くのは面倒ですが、一度挨拶をしておくと安心なので失礼のない範囲でスマートに済ませるようにしましょう。特に、子供がいる場合は迷惑をかける可能性もあるので、最初の印象はとても大切です。
どんなに素敵な家に住んでも、ご近所の人と上手くいかないと台無しです。また、災害や事故などがあればご近所の人たちと協力しなくてはいけない場面も出てくるので、最低限のお付き合いは大切です。気持ち良く挨拶を済ませて、素敵な新生活をスタートさせてください!