反抗期の特徴と成長について
反抗期の特徴とそれぞれの反抗期の子供の成長
反抗期の特徴を第一次反抗期、中間反抗期、第二次反抗期の特徴ごとに紹介します。幼少期のイヤイヤ期や小学校高学年のギャングエイジなどキーとなる反抗期についても解説しているので参考にしてくださいね。反抗期を迎えたママパパに役立つ子供との接し方、成長を見守るポイントです。
それぞれの反抗期の特徴・反抗期は何のためにくる?
子育てという長い戦いにおいて、反抗期は3回やってきます。
一回目は2歳くらいからの幼児期にくる反抗期で『第一次反抗期』といいます。これは、自我が芽生えたことによるものです。自分は、親とは違う存在なのだとアピールしはじめます。また、自立心が出てきて、「自分で!」となんでも自分でやりたがるようになります。この時期、親も、子供は自分の分身ではない一人の人間として受け入れる必要が出てきます。
二回目の反抗期は、小学生の頃にやってくる『中間反抗期』。小学生になると勉強が始まったり、友達と過ごすことが多くなったりと環境が急激に変化します。6年間で、体もぐっと成長します。このような環境の変化、体の変化などにより不安定になります。
この時期の子供は親から自立したいと思いながらも、まだまだ甘えたい気持ちもあります。
三回目の反抗期は、ちょうど、思春期に重なる中学生くらいから始まる『第二次反抗期』。第二次性徴の時期でもあり、体はどんどん大人に近づき成熟していきます。本格的に親から自立する時期でもあります。
しかし、心がついていかないことから不安的になっています。さらに将来について考えたり異性が気になったりすることにより、親に対して距離をおいたり反抗的な態度をとったりするようになります。
第一次反抗期を経て子供はどんな成長をする?
親とは違う存在なのだ、ということを認識しはじめます。また、「自分で!」と自立心も芽生えてくる時期です。いろいろなことを試したい気持ちにも溢れています。この時期は、自分でやらせてみるといいでしょう。
そうすることで「自分はできるんだ」という自尊感情が育ちます。この自尊感情が、生きていくために、とても大切な基盤となります。第一次反抗期はこの基盤を作る大切な時期です。
魔の2歳児イヤイヤ期の特徴
意思がはっきりしてくるため、自分の思いを通そうとします。ですが、その思いをうまく言葉で表現できないため、「イヤイヤ」と言うことが多くなります。また自分でやりたい!という意欲も高いため、何に対しても「自分で!」と言い、手伝われることを極端に嫌います。
第一次反抗期はいつから始まって・いつまで続く?
個人差はありますが、2歳前から3歳になるくらいまでだと言われています。自我が芽生え始めるのが2歳前後です。2歳の間はずっとイヤイヤ期だと思っていいでしょう。そして3歳になると、自分の思っていることを少しずつ言葉で伝えられるようになるため、イヤイヤが落ち着いてきます。
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イヤイヤの接し方のポイントは共感して選ばせること
イヤイヤと言うには理由があります。ですがそれをまだうまく伝えられないのがこの時期です。
それを無視して親の言うとおりにさせようとするとイヤイヤが倍増します。まずは「イヤなのね」と子供の気持ちを代弁することで共感しましょう。
そしてどうしたいのかを聞きます。まだ、どうしたいかを表現することが難しいため、いくつか選択肢を提示すると答えやすくなります。これをすることで子供は自分の気持ちをどう表現したらいいのか、どう対応したらいいのかを学んでいきます。
中間反抗期を経て、子供はどんな成長をする?
中間反抗期は学校生活の時間が長くなり、友達との関係など社会性が身につく時期です。この頃は良いことと悪いことの判断がだんだんできるようになっていきます。ですが、まだまだ完全ではないので、いろいろな経験を通して自分自身で判断できるように成長していきます。
ギャングエイジの特徴
小学5、6年生の子供はギャングエイジと呼ばれます。この時期の子供たちは集団になって遊ぶことが増えます。集団も特定のものがあり他の集団との接点が少なくなります。
集団の中では自分の立ち位置や役割などが決まりはじめ、友達と自分を比較するようになり劣等感を抱いたり、落ち込んだりすることもあります。また体の成長にも伴いバランスを崩し始めるため、親に口答えをすることが増えていきます。
中間反抗期で一番反抗的になる年齢
中間反抗期は、小学生6年間と言ってもいいでしょう。低学年のうちは、甘えたい気持ちも大きいため、それほど強い反発はありません。
小学校3、4年生頃からはぐっと大人びてきて、自立しようとし始めます。この頃から反抗的な態度が目立つようになります。しかしまだ甘えたい気持ちもあります。
小学校5、6年生になると体の変化も加わり本格的な反抗期になります。この時期が一番反抗的な態度をとり口答えが増えていきます。
一丁前でも半人前!いつでもよく見ていてあげること
子供は次第に自分で判断して行動するようになります。言うことも大人びたことを言い始めます。本人は大人のような気分なのでしょう。ですがまだまだ子供で判断が甘く、間違えることも多々あります。そっと見守り助けが必要なときに、そっと手を差し伸べられるようにしてあげましょう。
第二次反抗期を経て子供はどんな成長をする?
第二次反抗期は本格的に親から自立する時期です。親の価値観ではなく自分の価値観を形成しようとし始め、干渉されることを嫌い親との距離をとりはじめます。
子供はこの時期を乗り越えることで、自立した大人になれるのです。
思春期の特徴
体が急激に大人へと変化していくものの、心がついていっていない状況です。ですので不安やイライラしていることも多いです。
また友人関係も複雑化して人間関係にも悩む時期です。勉強のことや異性のことなど悩みがつきません。そのため親に対して距離をおいたり、口答えをしたり男子の場合は手が出る子もいます。
アイデンティティの確立が鍵
自分は、何者なのか?なぜ、ここにいるのか?と考え始めます。そして、自分の容姿を気にしたり、将来に対して不安を持ったり様々な葛藤があります。その都度悩み考えることを繰り返していくことで「私は、わたし」と思えるようになってくる、つまりアイデンティティが確立します。
これは親や周りの人の価値観を受け入れていたことから脱却し、自分自身の価値観を作り上げることでもあります。周囲が口出しをすることではなく、本人が乗り越えていくことです。そっと見守ってあげましょう。
第二次反抗期はいつからいつまで?
個人差はありますが主に小学高高学年から始まり、高校卒業くらいまで続くと言われています。
小学校高学年~中学生
第二次性徴が始まる小学校高学年から中学生から始まります。この時期は友人関係も複雑化していきます。また異性に興味を持ち始めます。自分の容姿を気にしたり、友達と比較して落ち込んだり、悩んだりする時期です。
高校生
この時期は本格的に自立するための期間です。将来への不安などが大きいですが、自分で悩みながらも乗り越えていく経験が重要な時期です。
子供を認め、信頼する勇気を持って!
子供は、自分の分身ではなく、一人の人間です。ですので、一人の人間として認めてあげましょう。そして誰よりも信頼してあげることこそ、親ができる最大限の愛情表現です。子供は親が信頼してくれていると、強い後ろ盾があるように思え自分らしく生きる選択ができます。
裏切られて傷つくのは『期待』
子供を信頼していても裏切られたと感じることもあるでしょう。それはあなたが期待をしていたからです。その期待とは、あなたが思う、あなたにとって都合のいい結果だったのではないでしょうか。子供がいいと思うものならあなたの価値観と異なったとしても応援してあげましょう。
第二次反抗期に表れやすい問題行動と対処
第二次反抗期は親から本格的に自立する時期です。この時期は反発が一層激しくなり、問題行動に繋がりやすいのも特徴です。
非行
親よりも友達との関係を大切にする時期です。あまりにも親から干渉されすぎると家に帰りたがらなくなります。そのときに悪い友達と接するようになると、どんどん悪い方へと引っ張られていきます。
友達について、批判したり付き合うことを責めたりすると、さらに反発を強めて悪い友達に引っ張られるので気をつけましょう。
ひきこもり
学校生活で友人関係や勉強について悩んだり、挫折を経験した時は、自分自身と葛藤しているためひきこもる子も多くなります。
第二次反抗期は親との距離をとりたい時期ですので、ひきこもるとまでいかなくても、自分の部屋にいる時間が増えていくでしょう。そのときにあまり干渉しすぎたり、批判したり助言したりすることが逆効果になります。子供を信じそっと見守ってあげましょう。
また学校生活でも複雑な葛藤を抱えた子供たちの集団生活において、人間関係のトラブルに巻きこまれることもあるでしょう。こういった場合は不登校にも発展しやすいです。
家庭内暴力
第一次反抗期、中間反抗期に抑圧され、ほとんど反抗することがなかった子に多くみられます。幼少期に親が過保護にしすぎたり、干渉しすぎたりしたため第二次反抗期に爆発してしまって起こります。
このケースは父親があまり家におらず母親が子供にしか興味がない、子供だけを生きがいのようにしているケースが多いです。
反抗期がない子が増えている?
最近は反抗期がなく仲良し親子が増えていると言われています。反抗期は親から自立するために必要なものだとされていますが、なくても大丈夫なのでしょうか?
こんな場合は反抗期がない
反抗期がないケースには、主に3つあります。
1.親が寛容なタイプ
親が干渉しすぎず子供を尊重しているタイプの場合です。これは子供にとって親から圧力をかけられませんので反発する必要がないのです。この先も反抗期がなく良好な親子関係のままでいられます。
2.親が放置するタイプ
これは親が全く子供に関心がなくほったらかしている場合です。子供にとっては口うるさく言われることもなく反発する必要がありません。
しかし自分のことに興味がない、ということはショックなことです。「愛されていないのだからどうせ何をやってもいいだろう」「自分なんてどうなってもいい」と投げやりな態度に繋がりかねません。
「どうせ、自分なんて」と自尊感情が低いままになっており、他者とのコミュニケーションがうまくとれないことが多くなります。仕事や恋愛においても、うまくいかず自暴自棄になりやすい傾向があります。
3.反抗できないケース
本当は反抗したいのに親が怖くて反抗できない場合があります。また反抗して親を悲しませたくない、と思い反抗できないケースもあります。
そのため自己主張せず親のいいなりになってしまいます。親の価値観と合っていればいいのですが、異なる場合、子供は我慢を続けていることになりいつか爆発する可能性もあります。
ずっと我慢をしているためいつか爆発します。反抗できなかったということはアイデンティティも確立されていません。自分は何者なのかわからず、自分を大切に思う自尊感情も低いままです。低いまま成長すると自分を大切にできないため、他者を大切にすることもできません。そのため大人になった時に他者とのコミュニケーションに悩むことになります。
反抗期は成長の証!子供を信頼しましょう
反抗期は、大人になっていくために通る大切な成長段階です。子供の反抗的な態度には腹がたつこともあるでしょう。しかし子供は全く別の人間なのだ、と切り離して考え、子供なりの考えや行動を尊重しましょう。
そして子供を信じてあげましょう。信じることは子供への最大の愛情表現です。信頼されるに値する人間なのだ、と子供の自尊感情が高められます。そして様々な経験、葛藤、挫折を味わいながらも自分を確立させていきます。