子供と釣りに行こう
子供と釣りに出かけよう!準備するもの注意すること
子供と釣りに出かけましょう。子供と釣りに行くときに持って行く道具と身につけたいマナーをご紹介します。親の趣味が釣りでなくても大丈夫。危険なこともありますが、子供には海や川で自然を感じさせる経験も必要です。天気がいい日はぜひ子供と釣りを楽しんでください。
天気のいい日は子供と釣りに挑戦しよう!
子供がある程度分別がつくくらいに大きくなったら、子供と釣りに出かけましょう。海や川などの自然環境は、日常生活にはない様々な経験を得られる場所です。
釣りは、男の子も女の子も楽しめます。今回は、子供と一緒に釣りを始めてみようかな、子供と一緒に釣りに行きたいと考えたとき、何が必要か、どんな準備を進めて行けばよいのかをご案内していきます。
まずは釣り堀や海釣り公園で釣りの練習をしよう
初めて子供と釣りを楽しむなら、初めは釣り堀や海釣り公園に行きましょう。釣り堀や海釣り公園は、作った囲いの中にたくさんの魚を入れておいてくれているので、子供や初心者にも釣りやすく、親子ともども釣りを練習しやすい場所です。
入場料がかかりますが、釣り竿や仕掛けなど、必要な道具も一式レンタルできて、魚が釣れない可能性の方が低いです。余計な心配をすることなく魚が釣れる醍醐味を味わえます。
赤ちゃん連れでも食事ができる場所があったり、子供が釣りに飽きても他に遊べる施設があったり、魚が1匹も釣れない俗に言うボウズの時にもお土産をくれたり、釣った魚が食べられるサービスがあったり、初心者が楽しめるサービスがいっぱいです。
釣りの練習をしたら、基本的な知識を知ろう
釣り堀や海釣り公園でしっかり練習をしたら、防波堤で魚を釣る波止釣り(はとづり)をしてみましょう。でも、ちょっと待ってください。その前に、釣りの基本を知っておきましょう。釣り堀や海釣り公園では道具をレンタルできたので何も考える必要がありませんでしたが、実際に海へ行くとなると、必要な道具を自分でそろえる必要があります。
また、子供と釣りを楽しむには、釣りの仕方はもちろん、釣りをするための準備と子供を危険から守る知識を備えることが大切です。はやる気持ちを抑えて一つずつ知識を身につけて下さい。基本的な知識を得たら、釣りデビューはすぐそこです。
魚の釣り方
波止釣りでやってみたい魚の釣り方をご紹介します。簡単な釣り方からちょっと挑戦してみたい釣り方まで、いろいろ試してみたい釣り方を覚えておきましょう。
探り釣り
探り釣りは、竿一本で釣る小さな子や初心者向けの釣り方です。魚がいる場所を探りながら釣る場所を移動して歩きます。魚がかかると当たった感触がじかに手に伝わるので、「釣れた!」感覚を楽しめます。
仕掛けを海に落とし込んだらアタリを待ちます。しばらく待ってもアタリがなければ、適当に次の場所へ移動します。持ってきたものが多いと場所を移動するのが難しくなるので、なるべく軽装で出かけて下さい。
ウキ釣り
ウキ釣りは、ウキと呼ばれる道具を使って魚が釣れたことを目で確認できる釣り方です。ウキが海面でぴくぴくする姿を目にすると、まさに「キター!」と言いたくなります。
この釣り方は、海面に浮かぶウキから水の中に落とした針の先までの「ウキ下」の長さが重要です。海中のどの位置に針を落とすかによって、釣れる魚の種類が変わります。初めて挑戦するときは、行先にある釣具屋さんに相談してみるといいでしょう。
サビキ釣り
サビキ釣りは、入れ食いが期待できる釣り方です。魚が群がるエサを海中にまき、サビキと呼ばれる魚が好んで食べるエサの形に似せて作った針を海中に落として釣ります。
簡単な釣り方なので、小さな子供でも楽しめます。魚の群れにあたった時は、次から次へと魚がかかるのでテンションが上がりまくり状態になります。
小学生4、5年生くらいになったらちょい投げに挑戦
簡単な釣り方に慣れてきたら、ちょい投げに挑戦してみましょう。投げ釣りとは、オモリのついた仕掛けを遠くに投げ、投げた仕掛けをゆっくりと手前に引っ張って魚を釣る方法です。竿先にコツコツと反応がくれば、魚がエサを食べた合図です。
投げ方のポイントは、片手でボールを投げるときと同じように、振りかぶってしっかり後ろに引き、体の上を通し一気に前に投げることです。初めは、投げるスピードよりも、綺麗なフォームで投げるようにした方がうまく出来ます。
魚のエサは「活きエサ」「保存エサ」「人口エサ」
波止釣りに使うエサは、大きく分けて「活きエサ」「保存エサ」「人口エサ」の3種類です。初めての波止釣りなら、使い方が簡単な活きエサを使うのがいいでしょう。青イソメや石ゴカイなどの虫エサ、シラサエビなどのエビエサが代表選手です。
サビキ釣なら、なんといってもアミエビです。美味しいのでアミエビをぱっとまき散らすと必ず魚が寄ってきます。ただし、匂いがきついので、密閉容器に入れてこぼさないように取り扱いには十分気をつけてください。
子供と釣りに行くときに持って行くもの
子供と釣りに行きたい気持ちが高まってきたところで、波止釣りに持っていく釣り道具を確認します。最初は安いもので十分です。釣りの魅力にはまり、何度も行きたくなるようなら、少しずつランクアップした道具を揃えるようにするのがいいでしょう。
釣竿
初めての釣りで使う竿は、釣り糸が絡んでも扱いやすい3メーター位の長さのものを選びましょう。また、軽さも大切な要件です。糸を海に入れた途端、ひょいと魚がかかってくれればいいですが、そううまくはいきません。力のない子どもは、魚が釣れるまで、長い時間重たい竿を持ってじっと我慢するのは難しいです。
リール
リールとは、釣り糸を巻き取る道具です。いろいろ種類があり選ぶのに迷ってしまいますが、何を買ったらいいのか選べない時は、広く知られているシマノまたはダイワというメーカーから選ぶといいでしょう。
釣り糸
まだ慣れないうちは、リールについている釣り糸で十分ですが、個別に購入するならナイロンで作られている「ナイロンライン」と呼ばれる糸を選びましょう。強度はあまり高くはありませんが、価格も安く初心者にも扱いやすい釣り糸です。
ウキ
海面でよく目立つオレンジ色をした丸い形の「玉ウキ」がおすすめです。どんな種類の魚にも使えるので便利です。玉ウキは、海面から見える部分が少ないので、遠くに投げると見えにくくなるデメリットがあります。しかし、釣りに慣れていない子供が遠くに釣り糸を投げることはないので、初めてのウキ選びなら玉ウキで十分です。
初心者なら釣り道具セットがおすすめ
何と言っても釣り道具セットが一番です。釣りに詳しくない親が、ひとつひとつ釣り道具を選んでいくのは大変です。初めは、釣具屋さんに売っている3,000円位の子供用の釣り道具セットでデビューしてください。道具にこだわるのは、釣りが面白くなってからでいいでしょう。
はさみ
仕掛けや釣り糸を切って結ぶときに使います。手で糸を切ることはできないので、忘れずに必ず持って行ってください。
バケツ
釣った魚を入れるなら、大きめのバケツがおすすめです。釣ることに飽きてしまった時でも、バケツなら魚が見えるので、魚の泳ぐ様子を観察することができます。ただし、遠出をするなら、魚を持ち帰らなければなりませんので、クーラーボックスがいいでしょう。
ゴミ袋
ごみ袋やビニール袋は、大きさの違う物を数枚持っていくといいでしょう。バケツを持っていった場合は、袋に魚を入れて帰ると臭いも気になりません。ゴミを入れるだけでなく、子供が服を汚して着替えたときにも使えるのでとても便利です。
着替え
子供の着替えは必ず持っていきましょう。子供は釣りに慣れていないので、濡れたり汚れたりします。小さい子供は釣りに行くではなく、海に遊びに行くと思っているかも知れません。親も、海水浴に行くようなつもりで準備が必要です。
ライフジャケット
釣りをしながら思わず海面を覗いて、万が一海に落ちてしまったときのために、子供にはライフジャケットを着させておきましょう。親が目を離さず見ていても、急に起きたことに反応できないときもあります。身に着けていて損はありません。
あると便利な竿立て
釣りに飽きてきたり、疲れて竿を持っているのが辛くなった時に、あると便利なのが竿立てです。しかし、初めからしっかりとした竿立てを用意するのは、続かなかったときにもったいないです。ペットボトルの蓋に、簡単に装着できる竿立てを利用してみるのはどうでしょうか。500円程度で買えるので、まずはこれを使ってみてください。
子供に教えたい釣りのマナー
釣りの仕方を覚えて子供と釣りに出かける準備が整ったら、親が最後にすべきことがあります。それは、釣りのマナーを教えることです。マナーを身につけることができないなら、釣りに出かけてはいけません。しっかりと子供の目を見て伝えて下さい。
命の大切さ
竿で釣りあげた魚は、身体をピクピクさせながら元気よく動きます。そう、魚は生きているのです。ついさっきまで海の中で元気よく泳いでいた魚の命が、自分の手の中にあることを教えて下さい。釣りが面白いからといって、必要以上に釣ってはいけません。命をいただく大切さを理解させましょう。
釣ったらいけない魚もある
釣った魚がまだ大きくなる途中の小さい魚だったら、持ち帰らずに海に戻してあげましょう。せっかく釣り上げたのにもったいないと思っても、限りある海の資源を守る必要があります。
また、とげや尾に毒のある魚は危険なので釣らないようにしてください。あらかじめ、釣れる魚の種類を調べておくといいでしょう。魚の種類が分からず、毒の有無が分からないときは、自分も子供も素手で触らないようにしてください。
釣りは危険を伴う
釣りに使う釣り針は、刺さると痛い、血が出ることを教えましょう。自分はもちろんですが、周りの人に刺さらないように気を配ることも大切です。
そして、海に落ちると命を落とすことがあることも忘れずに伝えて下さい。釣りが楽しいからといって走り回ったりするのはもってのほかです。
投げ釣りは後ろを確認する
投げ釣りは、釣り針がついた糸を空中で振りながら海に落とす釣り方です。もし、釣り針が周りの人に刺さったら、大きな怪我をしてしまうことをはっきりと伝えて下さい。投げ釣りをする時は、周りに人がいないところでやりましょう。混んでいる時はやってはいけないことを守らせてください。
挨拶をする
釣りをする時は、周りの人に「こんにちは」と挨拶をしましょう。子供がいることを周りの人に知らせることで安全に配慮をしてもらえます。もちろん挨拶は、人としてするべき基本的なマナーです。親が率先して行い、子供の手本となってください。
騒がない
釣り場で大きな声を上げることで、魚が逃げてしまうことがあります。波止は子供にだけ許された場所ではありません。静かに釣りを楽しんでいるたくさんの人を不快にさせることがないように、「釣りをする時は静かにしよう」と子供によく言ってきかせてください。
切れた釣り糸や釣り針は持ち帰る
切れた釣り糸や、曲がって使えなくなった釣り針をそのまま放置してはいけません。釣り糸に絡まって身動きができない、釣り針をエサと勘違いして飲みこんでしまうなど、鳥の事故が多発しています。
鳥は自由に飛び立つことを制限されたり自分でエサをとることができなくなると、野良犬に襲われたり、場合によっては命を落とすことにもなりかねません。
釣りを楽しみたいなら、切れた釣り糸や使えなくなった釣り針を放置せずに持ち帰ることを教えてください。罪のない鳥の命を奪う原因を、自ら作ってはいけない事を親子で考えて下さい。
ゴミを捨てない
釣り糸や釣り針はもちろんですが、海にゴミを捨てたり、地面にポイ捨てして帰ることは、絶対にしないようにしましょう。魚がゴミを食べてしまうと、魚は死んでしまいます。そのことが原因で、環境が汚れ、釣りが禁止になってしまう可能性もあります。1人くらい捨てても…と考えずに、ゴミはゴミ袋に入れ持ち帰るマナーを、小さいころから身につけさせてください。
釣りをする時に親が注意をすること
子供と釣りをするときは、子供にマナーを教えるだけでなく、親も気をつけなければいけません。子供との釣りの時間を楽しく過ごせるように、親に気を付けてほしい事をご紹介します。。
子供から目を離さない
せっかく釣りに来たのだから、親だって釣りを楽しみたいと思うことでしょう。しかし、その思いは心に封印してください。釣りを楽しむ小さな子供は、目の前の楽しさに心を奪われ、ともすれば危険を忘れがちになります。
釣りをしている子供から、目を離してはいけません。針のついた釣竿を振り回したりしていないか、はしゃぎ過ぎて周りに迷惑をかけていないか、危険を伴う行動をとっていないかどうかを常に確認してください。後から後悔しても遅いです。
釣り針が子供に刺さってしまったら
もしも、子供に釣り針が刺さってしまったら、無理に抜いてはいけません。魚に刺さった針が抜けないように「返し」がついている針なら、素人が抜くのはとても困難ですから、すぐに病院へ行きましょう。
近年、釣りの楽しみが広がる中、釣りの経験が浅い子供の事故が多発しています(注1)。釣りに慣れていない子供には、「返し」のつかない針を使わせるようにしましょう。
持ち物やマナーに注意して、子供と釣りを楽しみましょう
釣りは、空の太陽と美味しい空気、きれいな海を満喫できる楽しい遊びです。ゆっくりと流れる時間を感じながら、命の尊さが学べるとても贅沢な時間でもあります。
天気がいい日は、ぜひ子供と釣りを楽しんでください。ピチピチと跳ねる魚の躍動を味わい、日常にはない様々な経験を肌で感じてみましょう。