叱らない子育てと子供の躾

叱らない子育ては賛否両論?子供を叱らず躾けるには

賛否両論の叱らない子育て、「叱らない」の意味を誤解していませんか?叱らない子育ては子供のわがまま放題を許す子育てではありません!感情的に怒鳴ったり頭ごなしに抑圧して子供をしつけるのではない子育ての効果に迫ります!実際の子育てに取り入れていく方法として子供を叱るときの躾ルールも解説。

叱らない子育ては賛否両論?子供を叱らず躾けるには

叱らない子育ての本当の意味。子供を叱らずとも躾は可能?

様々な育児法に当たっていると、「叱らない子育て」というなんとも魅惑的な方法を目にすることになります。アドラー心理学や有名な教育評論家が唱えたことでも注目を浴びましたね。

育児って、思い通りにならなかったり、子供がどんどん用事を増やしたりして、ついイライラ…。それはおそらく、世の中のママみんなが少なからず経験していることでしょう。
ママだって毎日眉間にしわを寄せながら生活したいわけではありません!もし、叱らずに子育てができるなら、そんな喜ばしいことはないようにも思えてきます。

今回は、叱らない子育てについて着目してみましょう。本当に効果があるのか?どのように実践するのか?など、叱らない子育てにまつわる情報をまとめました。

「叱らない子育て」はしつけに効果的?賛否両論のワケ

叱らない子育てについて調べていると、どうやらこれには賛成派から完全否定派まで、様々な意見があることがわかってきます。賛否両論のワケを確認してみましょう。

ここが重要!「叱らない」を誤解しないで

園児を褒めて伸ばす保育士

叱らない子育てと聞いて、勘違いする人が最も多いのが「叱らない」に込められた意味合いです。言葉だけ見ると「全く叱らない」のでは?と思ってしまいますが、それでは実践の子育てにおいて非現実的に感じますよね。本当は次のような意味で使われています。

怒鳴らない・怒らない

「いい加減にしなさい!」「何度言ったらわかるの!」―――突然の聞き慣れたワードですが、子供の頃、親に言われたことがある人も自分の子供に言う人も多いでしょう。全国のママたちのイライラが伝わってきそうです。

「叱らない子育て」と言われると「何があっても叱らない」のかと想像してしまいますが、そうではありません。
例えばママ側に余裕がないとき、つい子供の言い分を聞き出すことなく甘い状況把握で叱りつけてしまいますよね。その多くが子供にとって理不尽で、ときには子供を傷つけてしまうこともあります。ママがすごい剣幕で怒ってばっかりだと、子供は叱られる理由も理解できないままただただ嫌な気持ちになってしまいます。

子供が何かしでかしてしまったときには、カッと怒りたくなる気持ちを抑えて、一旦冷静になりましょう。「叱らない」の本当の意味は、ガオッと叱りつけない・怒鳴らないという意味なのです。

ダメの理由を引き出す

感情的に叱りつけずに冷静に子供と対話できれば、注意した内容を子供により深く理解させることができます。
例えば、子供が、何度諭しても走り回っているとします。そこでカッとなって怒鳴りつけてしまえば、子供はママのカミナリが落ちたことだけに気をとられてしまいます。やんちゃな子の中には、ママのカミナリが落ちたことを面白がって、さらにふざける子もいるかも…。

ママ側が冷静になって叱ると、論理的に子供を誘導することができるようになります。「なぜ今の行動がいけなかったのか」「どうして叱られているのか」それを十分に理解できなければ、躾の意味はありません。冷静になって叱ると、怒鳴ったときよりも子供に話が伝わりやすくなります。

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叱らない子育ての難しさ

子供とおでかけするママ

叱らない子育てを実践している人の中にも、いろんな見解の人がいて、叱ることや注意することをなるべくしないようにという人もいます。一見、子供にとって良い親のようにも見えますが、ここに大きな難しさが見えてきます。

もし、子供が親に注意されることなく育ったら―――?相手は子供ですから、怒られないことがわかると調子に乗ってしまって歯止めが利かなくなることもあるでしょう。
叱らない子育ては、穏やかでのびのびとした育児ができる反面、親の言うことを聞けない子、自分の思い通りにすることしか知らないために調和を考えることのできないわがままな子に育ってしまう末路もあり得るのです。

あの子が怒られないのはナゼ?

叱らない子育てを実践していると、多かれ少なかれぶち当たってしまう壁―――それは、お友達の怒られ方との差です。

親として努力して実践すればするほど、子供とお友達の間に不公平感が漂う場合があります。「同じ悪さをしたのに、〇〇君はママに叱られなかった…」となると、ママも周りのママもなんとコメントしたらいいのか困ってしまいます。
また、本当は叱りたくない場面でも、周りのママや子供の手前、自身の育児や信念に逆らって叱らなければならないときがあります。

叱らない子育てを実践する難しさは、社会を生きる上で周りに合わせて折れなければならないシーンにも直面してしまうことにもあります。

叱らない子育ての成功例と失敗例

叱らない子育てを取り入れてみたという体験談から、成功例と失敗例を見ていきましょう。

徹底的に子供に向き合い続けた・・・PostByゆるゆるイノシシ(45歳)

幼い頃から子供の意見なんて聞いてもらえない環境で親に厳しく育てられた影響で、自分自身苦労することも多かったため、自分は同じことはしないと誓い子育てをしています。
様々な教育本や育児本にあたり、自分なりに叱らない子育てを実践してきました。今、子供はともに成人間近ですが、二人とも素直ないい子に育ってくれたと思います。

けれど、これには並大抵の努力では叶わなかったと思います。実際にかなりの覚悟と努力をして、子供に向き合い続けました。
ネットや本で指摘されるように、子供になめられた親になってしまう可能性も十分にありましたし、他の子がビシッと叱られている前で自分の子は…という引け目を感じることも多々ありました。

普通ガツンと叱れば済むだけの話のときにも、「どうしてやってしまったのか」「どうして今のがいけなかったのか」を徹底的に対話してきました。
そのおかげか、私は親として子と対等で話ができるようになり、子は人の気持ちがわかる優しい、そして無理に背伸びしない子に育ってくれたと思っています。

叱らないのは怒鳴らないことと定義・・・PostByすみれ(30歳)

私なりに勉強して、叱らない子育てを実践していましたが、やはり難易度は高いと実感しています。
合う・合わないは子供の性格にもよるのかな?3~4歳の頃、なるべく叱らないように諭すように努めましたが、子供は年長になっても集団のルールをなかなか身につけられず、それが原因でお友達と上手に遊べなくなってしまったり…うちの子は活発でやんちゃ過ぎたのか、逆に収集がつかなくなりました…。

今は「叱らない」は「感情的に怒らない」ことだと自分の中で定義をして、型にはまらず育児をしています。

褒めて育てるフィンランド

子供を褒めて伸ばすママ

叱ることと褒めることは、しばしばセットで語られます。ですが、叱らずに「褒めて育てる」教育も盛んに話題に上るようになりましたよね。北欧の国、フィンランドでの子育ては、叱らずに褒めて育てることがベースとなっています。

褒め方のコツ

まず何より、子供を褒めて育てています。否定的な言葉を植え付けるよりも、子供のいいところや行いを見つけて、それを認めようとしています。「ありがとう」や「ママは嬉しかったよ」などと私目線で褒めているのもポイントです。「よくできたね」や「すごい!」ももちろん嬉しいはずですが、ママが助かった、嬉しかったんだ!と具体的に実感出来る言葉を多く使うなら、子供のモチベーションも上げられるでしょう。

叱るときはどうするの?

この場合の「叱らない」も感情的に怒鳴りつけない、頭ごなしに否定しないの意味をもち、何か悪いことをしたときには、じっくり話を聞いて問題解決を図るようです。親がいかに冷静になって諭すかというのは、どこの国でも重要な課題なのですね。

子供が嘘をつくときは叱っても無駄?心理と嘘の対処法
子供が嘘をつくときは叱っても無駄?心理と嘘の対処法
子供が嘘をつくのは原因があります。子供の心を受け止め嘘に適切な対処をしましょう。子供が嘘をつく時期や年齢、その年齢毎に変化する嘘のつき方など、子供の心理状況を解説。正しい子供の嘘との向き合い方です。

アドラー心理学に学ぶ「叱らない子育て」って?

休日に公園で遊ぶ家族

叱らない子育てを提唱している一つに、アドラー心理学があります。名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。

アドラー心理学から学べるのは、親子関係のあり方。アドラー的に言えば「叱るのも褒めるのもしない方がいい」というのです。親としては「はい?!」と思ってしまうこの事実、一体どう解釈すればいいのでしょうか?

アドラー流子育て

アドラーが言うには、褒めるにも叱るにもそこに介在するのは親と子という主従関係
まぁ、親と子だからそれも当然なのですが、アドラー流の子育て論をざっくり解釈していくと親が主従関係の優位に立つことで「子供は自分より劣っている存在と見做し、支配しようとする」無意識が生まれ、子供が自身を持ち主体的に育っていくためには、横の関係が良い、つまりは「親が優位に立っている関係をなるべく横の関係にするためには、叱ることも褒めるのもしない方がいい」というわけなのです。

私たちの日常にはなかなか現れてこないこの感覚は、新鮮でもありますね。叱りすぎ怒りすぎの親への一つの警鐘にも思えてしまいます。

言うことを聞かない子供vsこの場を切り抜けたいママ、子供のしつけルール

叱らない子育ての第一歩は「感情的に怒鳴らない」ことです。では叱るときには、親としてどんなことに気をつければいいのでしょうか?子供にも親にも悪循環をもたらさない、良い叱り方を身につけていきましょう。

厳格に叱るときの基準をはっきり決めておこう

子供の手をとりおでかけする家族

子供は基本、ルールなんてどこ吹く風の自由人。ときには、子供をガツンと叱らなければならないこともあるでしょう。いつもの癖でつい感情的に怒ってしまわないように、厳しく叱るときの基準を決めておきましょう。

他人を傷つけたとき

誰かを傷つけるのは、例外なくいけないことです。お友達を突き飛ばしたり叩いたりしてしまったときには、しっかりと叱りましょう。子供が謝れないときには、ママが代わりに謝ることも大切な過程です。

身に危険が及びそうなとき

問答無用で厳しく叱るべきもう一つの瞬間は、子供の身に危険が及びそうなときです。このときばかりは、緩やかに注意している暇はありません。はっきり、大きな声で、指示は短く的確に行います。
そのあとはよく言い聞かせをして、同じことを繰り返さないようにさせましょう。

今後改善していける事柄は怒らず諭して注意させる

朝食の牛乳をこぼしたり、いつおトイレをギリギリまで我慢して間に合わずに粗相をしてしまったり…忙しい毎日で恒常的にこのようなイレギュラーが起こるのが子育てですが、そうとはわかってもイライラしてしまいます。でも、ここで感情に任せて怒ってしまっては、子供が萎縮してしまうだけ。子供だって、悪気があったわけではないのですから。

このような「今後改善していくだろう事柄」については、特に怒る必要はないと言われています。今度からは気をつけようねと諭してあげる方が良い対応です。

「私(ママ)はどう思ったか」で伝える

注意したいときも、上から目線で言うよりも、「私自身がどう感じたから嫌だった」と伝える方が、子供にはよく伝わります
これはアドラー心理学では「Iメッセージ」とも呼ばれ、コーチングや部下へのマネジメント論などでもよく使われている手法です。「ママは今のあなたの行いを見て、悲しかった」などと伝えてみましょう。

怒鳴りそうになったときは心理学的スキルで落ち着きを取り戻せ!

子供と一緒に外遊びをするママ

怒りの感情を自分でコントロールすることを、アンガーマネジメントと呼びます。イライラして「いい加減にしなさーい!」と怒鳴りたくなったとき、次のようなテクニックを試してみてください。

目をつむって深呼吸

一旦冷静になるには、目を閉じて呼吸を整えましょう。心の中で「1・2・3」と唱えるのも良い方法です。とにかく、どんな方法でも一呼吸おけば、怒りの感情は少し和らぎます。そうすると、感情が思考を置いて先走りするのを阻止できます。

別室に駆け込んでもOK

これはママたちがよくやる方法ではないでしょうか?泣き止まない赤ちゃんにどうしようもなくなったとき、ママが一旦別室に駆け込んで、泣いてから帰ってきていたという話をよく耳にします。
それと同じで、トイレに駆け込んだり、キッチンにお茶を入れに行ったりしてその場を一旦離れましょう。深呼吸するのと同じで、自分の思考を一旦停止させるのです。

落ち着く呪文を用意しておく

あらかじめ自分の心を落ち着かせられるような言葉を用意しておくと、その言葉が心を鎮めてくれます。育児においては「この子にもきっと何か理由があるんだ」や「手先が不器用だから仕方ないことなのかも」といった具合の言葉が適しているようです。

子供の立場と置き換えてみて

ガッと怒鳴りそうになったとき、あるいは怒りが収まらなくて厳しく怒ってしまっているとき、相手である子供の立場に自分を投影してみましょう。「なんでこんな理不尽なことで怒られているんだろう」と、ふっと我に帰ったなら、適した伝え方にベクトルを合わせていきましょう。

育児ノイローゼが深刻な時の治療・気楽になる育児の考え方
育児ノイローゼが深刻な時の治療・気楽になる育児の考え方
育児ノイローゼは、保険適用を受けて医療機関で治療することができる病気です。具体的にはどのような治療を行うのか、使用する医薬品や治療費等について説明します。

『叱らない子育て』は『我儘の放任』や『躾をしない子育て』ではない

叱らない子育ては、一瞬実践不可の理想のお話にも感じますが、日々子供にガミガミ言わずに済んだなら、ママも幾分か楽に育児ができるのかもしれません。
しかし、ひたすら叱らない言い聞かせや諭しでの子育てで子供は言うことを聞いてくれるかどうかは、やっぱり不安。叱らなくてもしっかり躾が行き届くのなら、そういう結果が得られるかもしれませんが、日々の子育てではそうはいかないところもたくさんあるのが正直なところですよね。

親としてピシッとやるべき躾はしっかりと、そして、感情的に怒りすぎることなく、子どもの長所やせいかをなるべく褒めて、親子ともににこやかな生活を送れるようにしたいものです。

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