子供が勉強嫌いになったのはなぜ?
我が子の思わしくない成績を見ると、親は改めて愕然としてしまうもの。勉強嫌いな親も少なくありませんので、子供が勉強嫌いでも「勉強が嫌いなのは仕方ないわね」「勉強なんてイヤなものよ」と特別に問題視していない場合もありますが、多くは「子供が勉強が嫌いだとは気付いていたけどまさかココまでとは…」と軽くショックを受けることでしょう。
ですが、これを機に子供に勉強させようにもなかなか思うようにはいかず、勉強を巡った親と子の攻防戦はますます子供を勉強嫌いにさせてしまいかねません。
事実、イヤイヤ勉強をしている子供よりも勉強の面白さを実感し、楽しんで勉強している子供の方が、成績も良いことが多いですよね。
今回は子供が勉強嫌いになったときにできること、また、これ以上子供を勉強嫌いにさせないためにできることを探っていきましょう。
- 勉強しない子の特徴を知りやる気を引き出すための親の対応
勉強しない子だと将来が心配になりますよね。何故勉強しないのか、勉強しない子の特徴から勉強に対するやる気の引き出し方を紹介します。勉強しない子から勉強大好きな子に変身させてあげましょう。
勉強嫌い?それとも勉強嫌いと思い込んでいる?
そもそも勉強嫌いになってしまった子供は、なぜ勉強を嫌いになったのでしょう?
まず、大人が「勉強は嫌いな子供が多い」と思い込んでいることが多いように、子供も「勉強と言うものはイヤなもの」と思い込んでいることが少なくありません。子供が本当に勉強嫌いなのか、単に「勉強は嫌なもの」というイメージを持ってしまっているだけなのかで対策は違ってきます。
例えば、小学校でお友だちが「勉強なんか大嫌い」と言っていたり、クラスのガリ勉くんにあまり良くない印象があるなら、「勉強は嫌」「勉強が好きってちょっと格好悪い」と考えてしまっている可能性があります。小さな子供が「注射は痛い!注射は嫌!!」と言うのと同じように、勉強なんて嫌いで当然と刷り込まれているのなら、まず親が学びに対する姿勢を提示してあげる必要がありますね。
勉強嫌いだと思いこんでいるなら!
勉強がある程度できるにもかかわらず「わたしは勉強が嫌い」と思っていると、いつの間にか出来るはずの勉強ができなくなってしまう可能性も十分にあります。また、勉強が苦手な子供が「わたしは勉強が嫌い」と思っていると、さらに勉強が苦手になり収拾がつかなくなることも…!
勉強嫌い?それとも勉強が苦手?
自分なりに挑戦してみたけどなんだか苦手だから「勉強って嫌い」と思っている子がいます。
例えば、授業でわからないところがあっても気づかれず、周りがどんどん先に進んでしまった結果、「苦手だ…」と思ってしまうようになるようなケースは少なくないでしょう。自分自身でもどこがわからないのかもわからないまま、いつもあまり良い点数が取れないといったことも、子供に勉強を嫌いを意識させてしまう要因となります。
勉強が苦手で嫌いになってしまったなら!
勉強が苦手で嫌いになってしまった子供は、どちらかというと思い込みが強い傾向があるかも?わからないところや苦手感を地道に解消し自然と出来るようになるうちに、勉強が好きになることもあるでしょう。
子供が勉強嫌いになってしまう3つの理由
子供が勉強嫌いになるにはいくつかの理由が考えられますが、大きなきっかけとしては次の3つが挙げられます。
勉強しなさいと親がうるさく言った
子供が家に帰ってきてすぐに本を読んだりゲームをしたりしていると、つい親は、「勉強しなさい!」と強い調子で言ってしまうかもしれません。
子供が何の計画も立てずにただいつもだらだらと過ごしていたり、宿題もせずに学校に行ったりすることが続くようなら、「勉強しなさい!」と言うことは親の務めでもありますが、例え実行されなくても、子供は子供なりに、「今日はまずゲームをしてから、宿題をしよう」「この本を読んでしまってから宿題をしよう」と考えているかもしれませんよね。
子供の言い分をお構いなしに、とりあえず口うるさく「勉強しなさい!」とばかり言っていれば、子供も勉強はもちろん親に言われることは何もかも嫌だと思うようになってしまうかも。
ですが、勉強を強要するのは子供のやる気を削いでしまうとして有名ですが、蓋を開けてみるとこの時点で子供には勉強したくない気持ちが既にあって、嫌だから後回しにしている可能性は否めません。やる気は最初からそんなになかったけど、ちょっと甘えて親のせいにして「やる気なくした!」と思って無意識に逃げている様子は子供らしい一面でもあります。
このような場合は言って勉強させようにも、なかなかうまく行きません。まずは子どもがどのようなスタンスで勉強を捉えているかを観察しましょう。
勉強が分からない・学校で授業についていけない
勉強は特に嫌いでも好きでもなかったのに、あるときを境にして勉強が分からなくなってしまい、それから徐々に勉強と聞くだけでもイヤになってしまうケースは少なくありません。
わからないところがあったときに気づかない、対応できなくてわからないまま放置されると、子供によってはあっという間に授業についていけなくなります。いつ当てられるかドキドキしてしまい、教室にいるのすらイヤだと思うと、学校自体が嫌いになってしまいかねません。
子供が小学校低学年~中学年のうちは、できるだけ時間的な余裕を作って子供が理解していない部分を一緒に勉強していくなら、授業についていけない部分を家庭でカバーできます。どうしても親の時間的余裕がとれない場合は、学校での授業で分かりにくい部分をサポートする学習塾を利用する方法もあります。
他の用事が忙しくなってしまった
小学校高学年や中学生に多いのが、もともと家庭での学習習慣があっても、習い事や部活動などの活動が忙しく、また、それらの課外活動で時間が制限されてせっかく習慣化していた家庭学習の時間が侵食されてしまい、勉強に影響してしまうケース。
せっかく習慣化していた家庭学習の時間が削がれ、徐々に学習についていけなくなり気づいたときには勉強が分からなくなってしまったり、勉強に興味を持てないようになってしまった利してしまうのはだいぶ残念ですね。
普段から気を付けるべき!親の接し方4つ
これ以上子供を勉強嫌いにしないためにも、また、すでに勉強嫌いになってしまった子供を勉強嫌いから救うためにも、親にできることがあります。
- 小学生の子供が勉強しない時にやる気を促す親の接し方
小学生の子供が勉強しないとき、親としてはどのような態度を取ることが望ましいでしょうか。また、反抗期を迎えて言うことを聞かなくなったとき、どのようにモチベーションを高めることができるのか説明します。
勉強している姿を見せる
暇があったら、親自身がゲームをしたりスマホをいじったりしていませんか?子供が見ている前でいつでもゲームをしたりスマホをいじったりしていると、「お母さんはスマホばっかり見ているのに、どうして私は勉強をしなくてはならないの?」と思われてしまうかもしれません。
「わたしが子供のときはちゃんと勉強していたから・・・」とか「子供は勉強するものでしょ!」と答えても、何の説得力もありませんよね。
子供の学習習慣をつけさせるためには、まずは親自身が勉強している姿を見せることが大切です。子供が中学高校に進んでこれから受験…というときにはじめるのではなく、子供が小さなときからいつも何か勉強している姿や本を読んでいたりする姿を見せるようにするのが効果的です。
何かに興味を持って調べる、考えるように仕向ける
子供が小さなときから、虫でも石でも気象でも電気でも目に付いた不思議を子供と共有して調べる習慣をつけることも大切。分からないことをスマホで検索してお手軽に解決してしまうのも良いですが、時間があるときは自分で研究したり図書館で本や資料を探したりして、一緒に答えを解明していきましょう。
最初は何にも興味を示さない好奇心や意欲のない子に見えても、スルーに慣れてしまっているだけの場合も多くあります。興味が無い様子でもそれとなく『不思議』を提示し続けていると、「あれ?」と思ったことに立ち止まってみるようになります。
そうして子供なりに自分の興味を見つけて突き進んでいくかもしれませんし、分からないことが分かったときの喜びを子供が覚えるなら、次々と「これはなんだろう」という疑問がわいてきて、子供自身から自然と考える・調べるという行為に出られるようになれば、学習の土台は自然と築かれていくでしょう。
勉強する習慣は維持させることが大切!机に向かわせる工夫を
子供に勉強する習慣をつけさせるは大切ですが、なかなかスムーズに習慣化できないことも多いものです。「いっぱい遊んだんだから勉強しなくちゃね」と親が声掛けするなら、勉強を楽しい遊びの反対語として理解し、「遊びは楽しいもの、勉強はイヤなもの」と考えてしまうかもしれません。
子供に勉強の習慣をつけたいときには、ただ単に「はい、座って勉強しましょう」と、食事だったり、遊びや他の楽しみごとと比較しないで伝えましょう。
放っておいても毎日机に向かって本を読んだり勉強をしたりする子供もいますが、そういう子でも日によって親が声掛けをしないと机に向かわないことは普通にあります。
最悪「勉強って楽しい♪」とは思えなくても、「勉強したくない!勉強はカッタルイもの!」とは感じないように、歯を磨いたりお風呂に入ったりするのと同じく日常の一部になるようにしていきたいものですね。
また、勉強嫌いには環境因子が大きく働くと言えます。
親自身が勉強嫌いなら、同じ家で暮らす子供も影響を受けますので、小学生になる前に子供が勉強嫌いになってしまう可能性も高くなってしまいます。まずは親が勉強する様子を子供に見せ、勉強を楽しむこと、学びは楽しいことを親自身が手本となって伝えるなら、子供の勉強への壁は低くしてあげられることができます。
親の理想を子供に押し付けないこと
また、親が「何のために勉強するか」を「良い学校に行くため」「いい会社に就職するため」と考えていても、子供は勉強が好きにはなれないかもしれません。
もし、子供に目的があるのなら、その目的によっては良い大学に入ることは大切です。ですが、勉強は受験をクリアする目的でやるのではなく、受験も高校も大学は夢を追及していく途中の単なるステージで日々の勉強のご褒美シールと何ら変わず、目標は常に子供が夢を追及していくことにあるのではないでしょうか?
小学校に入る前の小さなときから高校生、大学生・社会人になっても変わることなく好奇心が強く、人生に対してポジティブな人間であることが人生を豊かに暮らしていくために大切です。子どもが豊かで実り多い人生を送ることができるためにも、学ぶことの楽しさを教えていきたいものですね。
子供の勉強嫌いを克服する3つの切り替え
もともと勉強ができるかどうかにかかわらず、子供の勉強嫌いをそのまま放置しておくのは得策とは言えません。もともと勉強に苦手意識を持っていなかったのなら、今は苦手でもまた勉強が得意になったり、勉強の面白さを理解していくかもしれませんが、本当に勉強が嫌いだったのなら、さらに苦手になってしまったり、今はかろうじて勉強が出来てていたとしてもいずれ勉強ができなくなってしまったりすることも。
何かしらの対策が必要でも、小さな子供ほど自己管理は期待できませんので、親が見てあげる必要があります。子供の勉強嫌いを克服するため、どんな対策をとっていけばよいのでしょう。
「やる気」は後からついてくる!とりあえず勉強しよう!
いつまでも勉強を始める様子もなく、をつい見かねて「勉強しなさい!」というと「やる気なくなった」と言われる始末…。勉強が嫌いな子に勉強しなさいと言ったところで『やる気』がないのでスムーズには始めてくれませんが、だからと言ってただ『やる気』が起きるのを待っていてはいつまでたっても『やる気』は起きないでしょう。
子供が勉強が好きになるだとか、勉強に対して『やる気』を持ち、意欲的に取り組めるようになるだとかは、実際に勉強を進めてから出て来る気持ちです。つまり勉強に取り組んだ成果。まずは、とにかくつべこべ言わずに課題に取り組ませましょう。
- 子供が勉強しない時に親ができる適切な対応・アドバイス
子供が勉強しないことを嘆くママパパは少なくありません。子供が勉強したくないと言う気持ちを理解しつつも、意欲をかき立てる方法や勉強に興味を持たせる方法について探っていきます。
ダラダラやっても嫌いが増すだけ!一定時間やったら終わり!
どうしても勉強に興味が持てないときは、「一定時間だけ勉強したら終わり!」「ココまでやったら終わり!」と最初から勉強時間や範囲を決めてしまいましょう。好きだから勉強するのではないうちは、一日に1時間なり2時間なり勉強する時間をお家のルールにして、このときだけは問答無用に勉強をすると考えるようにしましょう。小学校低学年なら10~20分程度でもOK。集中力が続く範囲内にすることが大切です。
年齢に見合った短時間勝負のルールを設けるときは、その間、途中で休憩時間を入れないようにすることもポイント。勉強が嫌いなうちは「ちょっと疲れたから休憩しよう」とか「気分転換に違うことをしよう」といった切り替えは『終了』のフラグ。一休みのつもりがいつまで経っても勉強再開に至りません!
昔のようにすべての人に勉強する機会が与えられていない時代には、「勉強したい!」という強い思いを持つ子供もいましたが、小中学校が義務化していてすべての人に勉強する機会が与えられている環境下では、勉強以外のことをして時間を過ごしているときに、「どうしても今勉強したい!」と子供自身が思う瞬間はあるのでしょうか?
勉強したいと自発的に思えるときまで待っていたら、もう社会人!なんていうことがないようにしたいものですね。
詰め込むだけの勉強はやめて理解する&工夫する勉強を!
勉強が嫌いなら、勉強する時間を短縮できるように工夫していきましょう。
イヤならしょうがない!というわけですが、人生やりたくないことは星の数ほどあり、全てから逃げるわけにはいきません。子供のころから「やらなければいけない嫌なことをどうこなしていくか?」と言うことを教える絶好の機会です。
人間だれしも好きなことをしている時間は短く感じますが、あまり好きではないことや嫌いなことをするときは、時間は異常に長く感じられてしまうもの。ですので、嫌な勉強に割り当てる時間を減らすために、勉強方法を工夫し短時間で効率よく勉強するようにしましょう。
家では覚えるだけの勉強をやめる
暗記力も大切ですが、暗記だけでは計算力や応用力は育ちません。
短時間を効率よく集中して勉強するために、子供が小学校に通ううちは家庭での勉強は、暗記は勉強ついでにとどめて『理解する』『考える』勉強を中心に進めていく方法も良いでしょう。
例えば、九九。九九を覚えることは大切でその後の算数学習の土台ではありますが、単純に九九を丸暗記しただけでは、正確な意味で掛け算を覚えたことにはなりません。
「7×8は?」と聞かれたときにいちいち7×1から暗唱していては、計算力は伸びず九九の範囲外の掛け算で躓く可能性は大きいといえます。
また、小学校の授業では『九九タイムトライアル』をすることもあります。「10秒等制限時間内に答えてください!」と言われたとき、うろ覚えの段階の子は焦ってしまってパニックに!その原因は勉強の方法を知らずに丸まんま暗記しようとしていることにあります。
九九の場合はある程度の暗記も大切ですが、家庭では九九や時計の読み方を通して数の扱い方や概念を教えてあげることで、考えて計算が出来るようになります。考えて計算が出来るなら、勉強が嫌いでも九九の範囲を超えた掛け算にも抵抗なく進んでいけるでしょう。
ポイントは問題は少なめに!子供の集中力は長くは持ちませんし、勉強が嫌いな子に5問6問と続けていくと嫌な顔をされてしまうでしょう。1日10~20分程度のトレーニングを毎日積み重ねていくことが大切です。
勉強時間を決めるのではなく、勉強する範囲をこなす
効率よく勉強するために、まずは学習計画を立てることが必要になります。特に定期テストがある中学生や高校生の場合には、出題範囲を毎日のスケジュールに割り振り、時間で決めるのではなく学習内容で勉強の範囲を定めていくのも方法のひとつ。この方法なら、早く終わった分早くその日の勉強を終われます。
例えば、木曜日に国語と数学の定期テストがある場合、毎日2時間とテスト勉強の時間を決めるのではなく、
- 月曜日:漢字、古文活用/グラフと表教科書120ページ~134ページ
- 火曜日:現代文授業内容の復習/グラフと表の問題集(学校のもの)80ページ~88ページ
- 水曜日:古文授業内容の復習/グラフと表の問題集(自分で購入したもの)78ページ~85ページ
と、細かくスケジューリングさせて、効率よくかつ一日一日確実にこなしていけるようにしてみましょう。
子供の勉強嫌いは親の考え方で克服できる!
子供が好きな遊びの延長に学習があるとも考えられます。つまり、子供の勉強嫌いは、原因を究明してそれに合わせて親の考え方を少し変えるだけで、無理なく克服することができる可能性は大きいといえます。
子供が勉強に面白さを見いだせないのなら、面白いと感じられる分野が見つかっていないから。それを見つけてつきつめていくなら、全体的な勉強嫌いが克服できることもあるでしょう。
同じことを繰り返し読んだり書いたりする勉強方法がかったるくて「勉強って嫌い!」と思っているのなら、先に説明した考える勉強にシフトさせると、繰り返して読んだり書いたりしなくても良いような効率の良い勉強法を編み出していけます。
美味しいものや好きなものを食べる喜びや、体があったかくなって快適さを感じる喜びは動物も持っている感情ですが、学ぶ喜びは人間だけが持つ感情。人間が人間らしく暮らしていくためにも、親は目の前の成績だけにこだわらず、学びを楽しみ一生涯学んでいく姿勢が大切ですね。