子供の言葉遣いが悪い…口の利き方が悪くなる原因と言葉遣いを正すコツ
「なんか最近急に子供の言葉遣いが悪くなったような・・・」と子供の口の利き方にハッとする瞬間もあるものです。特に、幼稚園に入園したばかりのときや小学校に入学したばかりのときに、そのような言葉遣いの変化に気がつくことが多いのではないでしょうか?
子供の言葉遣いが悪くなる原因と、本当に口が悪くなる前に言葉遣いを正すコツを探っていきましょう。
いつからそんな言葉を!子供の言葉遣いが悪くなる時期
たくさんの言葉に囲まれ始める幼稚園から自分自身でそれらの言葉を使っていく小学校似通い出す年齢の子供は、たくさんの『言葉』を覚えていくと同時に副作用的に使ってほしくない言葉も区別なく覚え、意味も知らずに使ってしまいます。
特に、幼稚園に入園したときや小学校に入学したときや子供の成長に伴ったいくつかのタイミングで子供の言葉遣いが突然悪くなることがあります。
5歳ごろ
それまでは周りに悪い言葉を使う子供がいても、流されることなくきちんとした言葉を話していた子供でも、幼稚園年長くらいになると急に悪い言葉を使うようになることがあります。
幼稚園に入園した頃は、幼稚園のお友だちの影響よりもまだ親の影響が強く、周囲に悪い言葉を使う子供がいても大きな影響を受けないのですが、だんだん幼稚園生活・保育園生活に慣れてくると、子供同士のつながりが強くなり、言葉遣いも親からのインプットだけにはとどまらず子供同士から受ける影響も大きくなっていくためです。
ですが、この頃はまだまだ子供の交友関係を親が把握できる年齢でもあります。ですが、だからと言って「○○ちゃんがそんな言葉を使うの?そんな子とは仲良くしちゃダメ!」と口を出したり、頭ごなしに叱るなど抑圧的な対応はあまり良くありません。子供心に反発心を覚えたり、「○○ちゃんと仲良くしちゃだめってお母さんが言った!」と幼稚園や保育園で皆に言ってしまったりすると言葉遣い云々以前の問題となってしまいます。
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普段から親が率先してキレイな言葉遣いの手本を示しながら、言葉遣いを誤ったときには「そういう言葉遣いはいけないのよ、こうやって言うの」と教え、子供が自発的に気付けるように導いてあげましょう。
小学校中学年
小学校1年生のときは、幼児と児童の境目といいますかまだまだ親のいいつけに素直に従える年齢ですが、小学校中学年ころになると「ちょっと悪くても、大人っぽいとカッコ良い☆」と考える子も増えていきます。わざと悪い言葉を使ったり、意味を深く考えずに大人が使うような言葉を使ったりして「オレ、カッコイイ?」と思っているかも…。
こういうときに、「大人のような言葉を使って変よ!やめなさい」「そんな悪い言葉は使わないの!」と叱るのでは、子供自身は善悪まで深く考えていないこと、意味を知らない言葉だらけの環境にいる年齢であること、大人びていることはカッコイイと思っていることを踏まえると、『どうしていけないのか』が伝わらず子供の理解は得られ難いと考えられます。
子供の大人っぽいことや大人の真似ごとを否定するのは、子供心に大人にあこがれる気持ちを否定するのと同じこと。
言葉遣いを正そうという親の狙いは子供心の否定ではありませんし、憧れといった大人に近づきたい気持ちが子供を成長させるので、この場合は、内容にも因りますが子供が意味を理解しないまま使っている言葉やあまり望ましくない言葉には、できるだけ正確な意味と『人を悲しくさせる』などその言葉を使うべきでない理由を教え、どう言えばよいのかを子供が理解し、正しく使えるように手伝ってあげましょう。
中学生
中学生にもなると、バスや電車運賃や宿泊料金も大人と同額になりますし、気持ちの上でも「子供と一緒にしないでよ!」と感じるようになります。子供たち本人にも無意識的にますます言葉遣いが大人びてくるようになります。
大人と子供の中間に位置する存在の中学生が大人と同じ言葉遣いをすると、「小生意気な」と感じてしまいますよね。
また、大人が知らない若い年齢層の間で広がる若者言葉やネット用語もチラホラ使ってくるようにもなります。そのうえ学校だけで通じる言葉や友だち同士で通じる言葉を家でも使われてしまうと、もう親にとっては新たな言語の域に達していきます。ふと、「悪い友だちから影響を受けてはいないかな?」と不安になってしまうこともあるかも知れません。
ですが、子供はいつまでたっても親にべったりではありません。中学生ともなると、子供には子供の世界があることを理解し、明らかに下品な言葉を使ったときや下の子供がいるとき以外は成長過程の一時的な現象として大目に見るように心がけるべきときとも言えます。
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高校生
中学生とは異なり、高校生にもなると見た目ももう大人と変わらない子も増えてきます。子供同士の世界だけでなく大人との関わりも今までよりは濃厚なものになって、子供の交友関係全てを親が把握することはほぼ無理。
体も大きく、発言も論理的になりますので、幼いころのままの「そういう言葉遣いはダメでしょう!」といった叱り方は全く効果を発揮しなくなります。直接的に注意するのではなく、親がキレイな言葉を使い続けることで、手本を示すようにしていきたいものです。
どうしてそんな言葉を使うんだ!言葉遣いが悪くなった原因は…
ですが、今まで「ステキだよねえ」「うわあ、びっくり」「ねえ、お母さん」と話していた子供が、急に「やばいよね~(笑)!」「ちょっとお前!」「おかん!!」などと言い始めたら、軽いショックとともに驚いてしまいますね。
子供心に『良くない言葉』という感覚が薄いなら、言葉遣いはいとも簡単に環境に左右されてしまいます。では、幼い子供達が悪い言葉遣いを覚えてしまうそれらの環境とはどこなのでしょうか?
新しい環境から影響を受けた
クラスに1人2人程度、悪い言葉を使う子供がいたなら、今までそのような言葉を聞いたことがない子供にとっては、「何かあたらしい!」と強いインパクトを受けてしまうものです。耳にしたこともない言葉を使う子供がちょっとカッコよく大人っぽく思えて、言葉の持つ意味や暴力性を理解することなく一緒になって使ってしまうこともあるのです。
このような状況は、幼稚園に入学したり、スイミングスクールに通ったり、小学校でクラスが変わったりと言った、環境が新しくなったときに見られます。
テレビから影響を受けた
タレントなどテレビに出る人がたびたび使う言葉も子供にとって耳につきやすいもので、悪気なく真似てをそのまま使ってしまう子供も少なくありません。何度も繰り返し聞いているうちに、悪い言葉も話し言葉として『普通』と受け止めてしまうことも少なくありません。
今の時代では、もはや子供もある程度の年齢になると、リビングのテレビ以外で親から離れてテレビを見たり、スマートフォンやゲーム機器を使ってネット上の情報を入手したりするようになりますので、親は子供がどのような番組を見ているのか全てを把握できなくなってしまいます。だからこそ、影響を受けやすい幼いときは、悪い言葉遣いが濫用されるような番組はあまり見せたくはありませんね。
兄弟から影響を受けた
年上の兄弟姉妹がいるとき、子供の年齢が小さければ小さいほど、兄姉の行動や言葉遣いが影響を与えます。兄姉があまり望ましくない言葉も普通に使うなら、下の子供も違和感なく同じような言葉を使ってしまうもの。この場合は「そんな言葉はいけないのよ」と教えたところで子供の理解を得られ難くもあるのでやっかい。
同じ言葉でも、小さな子どもが使うと良くない印象を受けてしまうということもあるかもしれません。例えば、高校生のお姉ちゃんが「うわ、やばい!遅れる!」と玄関に走っていくのは、日常の自然な光景として許容できたとしても、幼稚園の妹が「うわ、やばい!遅れる!」と玄関に走っていくなら、「ちょっと!もうちょっと良い言葉使えないの?」と思ってしまうのではないでしょうか?
子供に言葉遣いを注意するときには、矛盾がないように兄弟姉妹にも同じように注意するようにしましょう。
親から影響を受けた
子供の言葉遣いが悪いと気になるのなら、親であるあなたをはじめ家族、子供を取り巻く大人自身の言葉遣いが悪くはないかも、今一度振り返ってみましょう。
幼稚園や小学校低学年~中学年くらいの年齢の子供はいやがうえにも言葉遣いの悪さが目立つものですので、「どうしてそんな言葉を使うの!」と目くじらを立てて怒ってしまうかもしれませんが、実際は周りの大人が普段使っている言葉をそのまま使っているだけかもしれませんよね。
大人も言葉遣いを改めるべきときは、子供相手に話すときだけに限定されません。子供には丁寧な言葉で話しても、大人同士の会話に悪い言葉や下品な言葉を使っていては何の意味もありません。
子供は自分が話しかけられていないときも、大人、とくに親の言動に注目しています。美しい言葉遣いの子供に育てたいと望むなら、親や祖父母を中心に身近にいる周りの大人が言葉遣いに配慮する必要があると言えます。
子供の口の利き方を何とかしたい!言葉遣いを良くするコツ【5歳~小学校中学年】
悪い言葉遣いをした子供を捕まえて、「そんな口の利き方はダメ!」「その言葉遣いを直しなさい!」と言っても、子供には伝わりにくく効果的な叱り方とはいえません。子供の口の利き方を修正していくには、悪い言葉遣いをしているときの子供の様子を観察しましょう。
悪い言葉遣いをするときは、言葉のチョイス以上に、子供はどんな内容の話をしているか、どんな話し方をしているか?に注目してみましょう。
子供の表情に表れる意識を観察しましょう
子供が悪い言葉遣いをするときは、子供がどのような表情をしてそれらの言葉を発しているかを見てみましょう。
悪い言葉であると気付いている顔
ちょっとにやけたような悪びれた表情をしているなら、子供は悪い言葉を使っていることを知っていて、わざと使っているのだと考えられます。そんなときは、しっかりと子供の思いを受け止め、「その言葉はいけないわね、○○と言いましょうね」と優しく導いてあげるようにしましょう。
悪びれない表情をしているときは
ですが、悪びれず、当たり前に通常の言葉として使っているときは要注意。
本当に良くない言葉だと知らずに使っているのか、悪いと言う感覚が麻痺しているのかどちらなのかを見極めるようにしましょう。子供が話したタイミングに、何度か正しい言葉に言い換えて、子供が自然と正しい言葉遣いに改めるように誘導してあげましょう。
正しい言葉遣いに改めるなら、子供は誤って悪い言葉を使っていたのでしょうし、どんなに言い換えても言葉遣いを改めないときは、悪いと言う感覚が少し麻痺しているのかも。
善悪の感覚が麻痺しているなと親が判断したときは、「それは良くない言葉なのよ。○○って言った方がずっと感じよく思うよ」と促していきましょう。
- 反抗期の特徴とそれぞれの反抗期の子供の成長
反抗期の特徴は、心と体の発達と密接に関わっています。第一次反抗期、中間反抗期、第二次反抗期と、それぞれの特徴と意味を知ることで反抗期の子供との接し方を知り乗り切りましょう。
手振りや身振りにも注目しよう
子供が話を強調するときには、大げさに手振りや身振りを示すこともありますよね。少々の身振り手振りはコミュニケーションを円滑にするためにも効果的ですが、あまりにも鋭く手先を動かしたり、大きすぎる動きをしたりするときは・・・。
子供は普段から自分が充分な注目を浴びていないと感じ、親や周囲が自分に対する関心が薄いと認識しているようなら、子供が愛情不足を感じることがないよう普段のコミュニケーションやスキンシップを増やしていき様子を観察しましょう。
また、大げさな身振りや手ぶりは、ひょっとすると親自身や周りの大人がしている動作なのかもしれません。子供に注意するときに手を鋭く動かしたりしていませんか?子供は自然に親がしている動作を身につけてしまいますので、子供があまり上品ではない言葉遣いや動作をしたときは、まず親が自分自身を振り返ってみましょう。
話す態度にも注目しよう
あなたはいつも子供に話すとき、しっかりと子供の目を見て話していますか?また、目に感情を入れるように努力していますか?
そうではなく、子供が悪い行動をしてしまったり悪い言葉遣いをしてしまったりしたときに、怒りにまかせて叱るなら、子供は「叱られるから止めておこう」「叱られるから言わないでおこう」と感じても、「悪いことをした。もうやめよう」といった本当の意味での反省にはつながらないでしょう。
叱るときにも子供の目をしっかりと見て、「あなたには本当に良い人間になってほしいから言うのよ、人を悲しませる言葉遣いはいけません」と、怒りではない感情をこめて伝えることが大切です。
愛情がベースとなった話し方、そして、しっかりと目を見て話す態度を親のあなたが率先して示していると、子供も誰と話すときもしっかりと目を見て、愛情を込めた話し方ができるようになります。
美しい言葉遣いは子どもに残せる貴重な財産!
人によっては「たかが言葉遣い」と考えるかもしれません。ですが、人の輪によって左右される人生では、質の良い人間関係を構築していくことも大切。話し方や言葉がきれいな人には、きれいな言葉や話し方を大切に考える価値観を持つ人が集まります。
また、美しい言葉遣いや相手の目をしっかりと見て話すこと、優しい話し方は我が子の人格を形成する大切な要素でもあります。
親は子供がより良い人生を歩むことができるために、立派な教育をつけさせることもできますし、子供の才能や興味に応じた習い事をさせることもあるでしょう。きれいなものや芸術性の高いものを身近に触れさせるなら子供の感性を磨くこともできますね。
ですが、教育もお稽古も芸術も子供が習得するものであって、子供そのものを作り上げるものではありません。子供を作り上げるものとは何か…?それは、子供の言葉遣いや子供の持つ雰囲気と言えるのではないでしょうか?
子供そのものを形成する『美しい言葉遣い』や『気持ちの良い話し方』は、子供の豊かな人生を支えるに教える最高の財産のひとつとなるはずです。