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中学生が部活をするメリット

中学生の部活事情・運動部と文化部それぞれのメリット

中学の部活には運動部と文化部があり、部活動と勉強の両立を目指すのであれば、優先する目的を決めてから入部することをおすすめします。顧問の先生や先輩部員との練習は上下関係を学ぶいい機会になりますので、親が決めるより応援することが大切です。

中学校の部活について総まとめ!種類や時間、必要性は?

中学校に入学すると、部活に入る子も多いでしょう。運動部でも文化部でも、部活動を頑張った思い出は大人になってもずっと残るものです。中学生全体の運動部への参加率は次のような結果でした。

運動部活動の参加率(H28年度)

男子 75.1%
女子 56.4%
全体 65.2%

スポーツ庁が調査した割合は、H16年度の調査からほぼ横ばいになっており、大きな変化はありません。中学2年生の場合はこの中でも、運動部のみに所属している割合が男女共に多く、男子では約68%。女子では52%になっています。

中学2年生で文化部のみに所属している生徒は、男子6.6% 女子29.7%という結果です。他には、部活とスポーツクラブの2つに所属している子や、スポーツクラブのみに所属している子が数%います。これらの結果も踏まえて、中学校の部活について考えていきましょう。(注1)

部活の種類と特徴

中学校で活動が盛んな部活と活動時間と内容をまとめました。子供の性格やライフスタイル、目指す方向性によって合っている部活に挑戦してみてください。

運動部

中学ではスポーツ系の部活に所属している子が一番多く、男子が10人に7人程度、女子は10人に5人程度の割合です。

スポーツ系の部活には以下のようなものがあります。

中学校の運動部の例

  • 野球部
  • サッカー部
  • バスケットボール部
  • バレー部
  • ハンドボール部
  • ソフトボール部
  • テニス部
  • 卓球部
  • バトミントン部
  • 陸上部
  • 剣道部

他にも、学校によっては体操(新体操)部・空手部・チアリーディング部・弓道部などもあります。

運動部が向いている子供の特徴

運動部の練習時間

中学校では、週1~2日休養日を設けている部活が大半ですが、定期的に試合や大会が行われる場合は、土日の休みも部活をする場合があります。

平日は、平均1.5~2時間程度の練習が基本ですが、学校の部活に対する熱の入れ方で活動時間が変わることがあります。部活によっては、早朝から朝練をしている所もあるので、この場合は家庭への負担も大きくなります。

学校によってトレーニングの仕方や練習時間の考え方が違うので、詳しく知りたい場合は先輩に聞くなどして積極的に情報を集めましょう。

運動部に入るときは、慎重に決断するようにしましょう。絶対に入りたいという意思がなく入部すると、3年間辛い部活に耐えけなくてはならなかったり、すぐにやめてしまい自信を失うケースもあります。

文化部

運動部と比べると、女子の所属が多い文化系の部活には、以下のようなものがあります。吹奏楽部は文化部ですが、練習がかなりハードな場合があります。練習時間がたくさん必要なだけでなく、上下関係も厳しめになることが多いので、体育会系の文化部であることを覚悟して入部する必要があるでしょう。

  • 吹奏楽部
  • 軽音楽部
  • 合唱部
  • 美術部
  • 書道部
  • 演劇部
  • 放送部
  • 茶道部
  • 調理部

文化部が向いている子供の特徴

文化部の練習時間

運動部同様、週末の1~2日休みになりますが、大会やコンテストが近付くと休日がなくなることもあります。

平日は2時間程度の活動がほとんどですが、運動部ほど厳しくない場合が多いでしょう。朝練がない部活が多く、塾や習い事など他の用事で部活を休む子も多いのが特徴です。

文化部は、運動部と違いあまり活動していない部活も存在します。本気でやりたい人にとっては、少し物足りなさを感じる場合もあります。そのような場合は他の習い事やスクールと並行して所属してもいいでしょう。

部活に入らない場合

部活に入らない選択をすると、どのような生活になるのでしょうか?中学生で部活に参加しない子供には、次のような理由があります。

学校の授業が終われば帰宅して、自由に過ごす時間となります。曜日によって塾や習い事に行く子もいるでしょう。

習い事も塾もない日は、帰宅してマンガやゲームを楽しむ子もいるでしょう。友達と部活以外でしたいことがある場合は、有意義な時間を過ごせます。

無理して部活に入って3年間辛い時間を過ごすより、自分の好きなことをしながらゆっくり体を休めたいと考える子もいるでしょう。部活をしないぶん時間に余裕ができるので、習い事を始めたり塾やスポーツクラブに所属することもできます。

部活に入るメリット

部活に入ると子供や保護者にどのような影響があるのか心配している方も多いでしょう。まずは運動部、文化部に共通しているメリットを見ていきましょう。

仲間ができる

部活の大きなメリットは、仲間ができるという点でしょう。ただのクラスメイトよりも深い絆でつながった仲間ができやすいのが部活です。

部活の内容がハードであればあるほど、仲間の絆は深まります。単純に過ごす時間が長くなることと、辛い練習を一緒に耐え抜いた同士という関係になれるからです。

部活がハードでなくても、放課後を一緒に過ごす友達とはクラスメイトとは違う大切な思い出を共有することができます。

達成感を味わうことができる

試合や大会に向けて練習を重ねて、勝負に勝ったり賞をもらったりする経験は、達成することの大切さを体感できます。このような経験は高校入試や社会に出てからも活かされるでしょう。

練習や勉強での努力が報われると、つらい状況に陥ったときも困難に耐えられるようになります。性格や向き不向きがありますし、部活に入らないと達成感を味わえないわけではありません。部活に入部することで、学ぶチャンスが増えるという程度に考えておきましょう。

上下関係を勉強できる

部活と言えば先輩や後輩と同じ目標を目指すことになります。中学の時点で先輩には敬語を使う、後輩には指導するという上下関係を学べるのは素晴らしいことです。上下関係を経験しないまま社会に出たことで、職場の人間関係で深く悩んでしまう人もいます。

先輩と交流があると、受験や学校の情報も入りやすくなります。その点でも、年齢の違う仲間と過ごすことはメリットになるでしょう。

忍耐力がつく

特に運動部では辛い練習を経験するので、忍耐力が鍛えられます。好きなスポーツの部活に入っても、走り込みやボール拾いなど関係ない練習もやらなくてはなりません。

忍耐力はこのような単調な作業を続けることや筋トレや走り込みで限界を超える経験で鍛えられていくものです。部活で忍耐強くなることで、少しくらいの辛いことでは弱音を吐かなくなります。

時間を持て余すことがない

部活に入ると放課後は部活がありますし、休日も練習や試合になるので時間を持て余すことがなくなります。

若くて体力のある時期に暇を持て余すのは、本当にもったいないことです。部活をしていれば、そのような時間を過ごすことが減ります。帰ったら寝ている、ゲームばかりして一日が終わるということも減ります。

保護者が学校の状況を把握しやすくなる

部活をしていると学校に足を運ぶ機会も増えますし、顧問の先生や保護者同士で話す機会も増えるので、子供の学校の情報が入りやすくなります。

部活をしていないと、行事でしか学校に出向かなくなりますし、保護者との交流もほぼありません。学校の情報が入らないと、悩みやトラブルがあったときにマイナスに作用することがあります。情報が入ればトラブルを未然に防ぐ対策を練ることもできるでしょう。

部活に入るデメリット

部活に入るとメリットばかりではありません。部活に入るか悩んでいるなら、デメリットもしっかりチェックしておきましょう。

休日を家族で過ごせなくなることがある

部活を始めると、家族で休日の予定を立てられなくなります。土日は試合で休みがないという部活もあるので、ゆっくり旅行に行けなくなることもでてくるでしょう。

休日は家族で出かけたい場合は、練習がハードな運動部よりも文化部のほうが予定を立てやすいです。子供とよく相談して部活を選ぶようにしましょう。

打ち込みすぎると勉強に支障が出る

中学生の大半は高校を受験します。部活に熱中しすぎると、勉強が疎かになる子もいるので注意深く見守りましょう。

スポーツ推薦で高校に入学できる子もいますが、しっかり勉強できる部活に入るか、勉強が疎かにならない工夫も必要です。

部活の人間関係で悩む

部活に入ると、部内の人間関係で悩みが出てくることがあります。上手いか下手かというところでも上下関係ができあがることもあります。上手いことでひがまれ、妬みの対象になることも出てきます。

人間関係が悪くなると、どんなに好きな部活でも辛くなってしまいます。これは、部活をしていなければ起きなかったことなのでデメリットとも言えるでしょう。

しかし、そのような状況もなんとか工夫して乗り越えることができれば、とても貴重な経験となり子供が大きく成長するきっかけになります。

辞められない雰囲気になる

部活で上下関係を学べるのはメリットですが、上下関係での悩みがデメリットになることもあります。特に熱の入った運動部の場合、一度入ると辞められない雰囲気になることもあるでしょう。

先輩が怖くて、どんなに辛くても辞めると言いだせない。同級生と上手く人間関係が築けなくても辞められないというのでは、かなり辛い毎日になります。

辞めたい気持ちが3年間続くこともありますが、途中で克服できる場合もあります。うまくいかない経験を乗り越えることができれば、デメリットは一気にメリットに変わります。

中途半端な学校生活になることも

部活に熱中するあまりに、宿題をしていかない日や忘れ物をする日が多くなると、部活をしていることがデメリットに感じられます。練習がハードな場合、帰って宿題をする気力がなくなるので、上手くスケジューリングしなければ毎日が慌ただしく、クタクタになってしまうでしょう。

学校生活に全力投球するか、時間の余裕が生まれる程度の部活を選ぶか、子供の性格を考慮して決めないと面白くない学校生活を送ることになります。

デメリットも乗り越えればプラスになります。子供が部活を決めるときに悩んでいるのであれば、デメリットと一緒に、乗り越え方のアドバイスもしてあげると決断しやすくなるでしょう。

中学で入部した部活は?子供の部活動エピソード

中学校で部活に入部することは、体力をつけることや人間関係を学ぶ良いきっかけになります。中学で部活に入部した子供の親の体験談をみて、子供にどんな部活が向いているか考えるヒントにしてみてください。

サッカー部

まっきい(40代後半)


わが息子は中学校ではサッカー部に所属していました。サッカーは走り続けるスポーツであり、走り込みから体力作りが始まります。

フィジカルが見合う部員だけが、生き残っていくため、見た目にはとても魅力的なスポーツ選手の集団となります。

またサッカーは個の力と同様にチームワークが求められるスポーツであるため、チーム一人一人の得意技、効き足、プレーの癖、全てをインプットして熟知することでで、素晴らしいプレーが生まれていきます。そのため、自分以外の相手を思いやる心が自然に大きく育まれます。

デメリットをあげるとすれば、接触プレーで起こる怪我が日常茶飯事ということ。激しいバトルをした試合の翌日などは十分な休息が必要ですが、知識の浅いコーチに当たった場合、休息を重視しない可能性もあります。疲労が蓄積することで更なる怪我を引き起こすという、悪の循環が起こりかねないので、家ではゆっくりと体を休ませる時間も大切にするべきです。

友人と切磋琢磨した期間は尊い!

華子(50歳)


我が家の三女は、中学時代ソフトボール部に所属していました。当時は顧問の先生も熱心でしたが、指導にむらが出るようで、その先生に変わってから部活をやめてしまう生徒もいました。

先生のいうことにあまり逆らうことなく、素直についていったうちの子供は、最後までやり遂げることができました。

四女も同じ部活動に所属していましたが、やはり部活動をやり遂げるというのは人格形成の一環だと思います。

周囲からも「練習頑張っていたよ」と、言われることが多く、遅くまで友人と練習していた光景は周囲の良い評価となって、間接的な励ましにもなりました。

部活動が大きな大会まで続くと、それまで頑張るという目標ができます。3年生になって受験を控えていましたので、勉強との両立ができるかやきもきしました。

周囲の子が受験に備えて塾に通い始めたときも少し焦りましたが、本人は部活を優先しながら進もうとしていました。結果的には本人の意思に任せてよかったと思います。

転校を機にバスケ部からバレーボール部に

B1B2(50代後半)


最初の中学校ではバスケット部に入っていましたが、1年生の途中で別の中学校へ転校することになり、バスケ部から心機一転、以前から興味があったバレーボール部に入部しました。

人数が少なく、部員全員合わせても10人に満たないバレーボール部で、娘の学年では娘1人しかいませんでした。

娘はそのことを前向きにとらえながら、後輩たちとの基盤をしっかり育んでいました。時には友達のように仲良く接し、時には厳しい先輩として頑張っていたようです。

娘は一人っ子で、あまり人の上に立つことがなく、マイペースに今まで過ごしてきた子だったので、このような経験ができたことはメリットだと感じています。

デメリットは部員の人数が少ないことにより、チームワークが育たなかったことです。娘の経験不足もありますが、チームの結束力が最後までうまくまとまらず、「勝つ」という経験ができなかったことは残念でした。

こじんまりした文化系部活

モグスケ(40代後半)


娘は中学に入学して美術部に入部しました。3歳上の長女も美術部だったので、親としては、違う部活もいいなと思いましたが、運動が苦手な我が家の娘達の場合は吹奏楽部か美術部くらいしか候補がなかったのです。絵を描くのが好きだったので、本人的には美術部以外は、考えていなかったようです。

美術部に入って良かった所は、画力が向上したことです。おかげさまで長女は高校も美術専攻の高校に進学しました。

美術部で日頃から絵を描くことが習慣となっていたのが、良かったのだと思います。また、長期休みに公募されるコンクールが沢山あるので、応募して入賞するとその後の進路にも有利です。

美術部は、他の部活動をしている生徒からみると、活動内容が分からず校内でも目立つ活動ではありませんが、部員同士のレギュラー争いもないので、和気あいあいと楽しんで活動できます。

ソフトテニス部に入部しました。

アヤ(30代後半)


娘は中学校で友達に誘われて、ソフトテニス部に入部しました。その部活をしてよかったと感じたメリットは娘の身体が丈夫になったことです。

娘はうまれつき体が弱く、小学校の時はよく風邪をひいて熱を出し学校を欠席していました。しかし部活をやるようになってから体力がついたのか、風邪もひかず、熱も出さず、学校をほとんど欠席しなくなりました。

中学校のソフトテニスはさほど激しい運動ではなく、軽いランニングをしたりラケットで素振りをしたり、ラリーをしたりというていどだったので、その点も良かったです。

放課後に部活をすると自宅に帰宅してご飯を食べてすぐ寝てしまうので、勉強をする時間がなく成績が下がりました。小学校からピアノを習っていたのですが、部活があるためになかなかレッスンに行けず、結局辞めてしまいました。

中学校の部活で困ったことは、勉強や習い事との両立が難しいことです。何を優先させたいかよく考えたうえで入部を決めることが大事だと思います。

空手部

ねね(43歳)


私には現在中学生の娘が1人いますが、私から見たらまだとても可愛く、毎日元気で無邪気な姿を見ていると、日ごろの疲れが飛んでしまいますが1つだけ心配事がありました。

娘は女の子の一人っ子で、兄弟姉妹がいません。良くも悪くも、喧嘩をする相手・争う相手がいないのです。そのため、打たれ弱い子に育ってしまうのではないかと心配していました。

私が取った対策は、地域の空手教室に通わせ、そこで心身を鍛えてもらうことでした。同時に礼儀も身につける目的もありました。

娘が中学生に上がる際、部活動を選ぶことになり私も相談に乗りました。「好きなことすればよ」というのが私の意見でしたが、娘は空手部を選びました。

空手を習ったことがきっかけで空手部を選び、とてもたくましくなった娘にとって、最も良かったことは打たれ強くなったことです。

小学校や中学校でよくある人間関係のトラブルが心配でたまりませんでしたが、空手部に入ったことで嫌がらせにあう可能性は低くなったと個人的には思います。

中学校の部活は子供と相談して慎重に選ぼう!

中学では大半の子供は高校受験を迎えます。部活であまりに忙しすぎたり、頭を悩ませたりすることが増えれば勉強に支障が出るので慎重に選びましょう。

中学の部活で得た経験は子供を大きく成長させます。子供が興味をもった部活があればできるだけ情報を集め、親子でじゅうぶん相談して入部を決めてください。

部活と勉強の両立が難しいという悩みが出てきたら、中学生の勉強しない子供の心理を読んで子育てのヒントにしてみましょう。