三者面談の準備と対策
三者面談の心得は?中学や高校で保護者が準備すること
三者面談は子供の将来を左右する大切な行事です。保護者として子供の未来をどう考えているのか、また子供の意見も尊重しなければなりません。中学や高校の三者面談で保護者が準備することを具体的に解説、家庭で事前に打ち合わせる進学の内容など子供と先生と自分自身の考えを一致させる方法です。
三者面談を攻略しよう!行われる時期や内容、尋ねられること
中学校生活や高校生活の終わりが近づくと、いよいよ三者面談の季節がやってきます。通常、三者面談が行われる時期はいつなのか、また、どのようなことが議題に上がるのか、そして保護者にはどのようなことが尋ねられるのでしょうか。
秋から冬にかけてが三者面談の季節
通常、中学校では、最高学年の2学期の終わりごろ、つまり、11月後半から12月にかけての時期に三者面談が行われます。学校によっては中2・中3の2年間とも三者面談が実施されることもあります。ただし、中学高校一貫校の場合は、高校2年と3年の2学期に行われることが多いです。
高校では、高校2年と3年の2回三者面談が実施されることもありますが、高校3年の1学期の終わりと2学期の終わりに2回三者面談が実施されることも少なくありません。
三者面談は三者の意思を確認する場
三者面談以外の通常の個人面談は、子供の生活や学習態度についての保護者と親の知識を深めることを目的に実施されます。保護者は学校での子供の様子を担任の教師に尋ね、反対に担任の教師は家庭での子供の様子を保護者に尋ねることで、保護者も担任の教師も子供を偏りのない目で見ることができるようになります。
ですが、三者面談は主に進路に絞って話し合いを行います。進学を希望するならどの学校やどの方面に進学したいのか、また、就職を希望するならどのような職を希望するのか等、子供のより良い将来のために、保護者と担任の教師が同じ方向を向くことができるよう、お互いの、そして主役である子供の意思を確認するのです。
保護者に尋ねられること
保護者は子供の希望に納得しているのか、また、希望実現に向けてどのような準備を行っているのかについて尋ねられます。担任の教師の質問にスムーズに答えられるよう、三者面談の前に親子で何度か話し合っておく必要があるでしょう。
三者面談前に保護者が準備しておくこと
三者面談は子供と保護者、担任の教師で話し合う場ですが、三者三様に意見を述べる場ではありません。どちらかと言うと、親子で話し合った結果を担任の教師に報告して担任の意見を聞くと言う風に、親子VS教師の2対1の構図で話し合われることが多いです。
また、三者面談には制限時間があります。他の親子も順番を待っていますので、できるなら担任が予定している時間内に話し合いを終えるようにしたいものです。三者面談をスムーズにこなすための、保護者しておく準備を紹介します。
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子供としっかりと話し合う
三者面談は進路に関する最終意思確認の場です。ですから、親子の意見が異なる状態で三者面談に臨むと、再度、三者面談を行わなくてはならないこともあります。最低限、親子が納得行くまで子供の進路について話し合っておくことが求められます。
進学か就職か
進学するのか、それとも就職するのかは、最低でも親子の意思が一致している必要があります。ですが、親は進学を希望するのに子供がどうしても就職を希望するなど、どうしても意見が一致しないときには、担任に適性を判断してもらうこともできるでしょう。
浪人を視野に入れるのか、現役にこだわるのか
高校生の場合には、希望する大学に合格するためには浪人することも視野に入れているのか、それとも滑り止めをいくつか受けてあくまでも現役合格にこだわるのかも、予め親子で話し合って決めておきましょう。合格圏内に入っていないときは当然ですが、合格圏内に入っている場合でも推薦入試などのケースを除くと不合格になることは考えられますので、浪人することも予定に入れているのか話し合います。
下宿通学は可能か
高校2年生、もしくは高校3年生の1学期など、具体的な受験校を絞っていない時期には、学校選択のために、担任の教師から下宿通学は可能かどうかが尋ねられることもあります。もちろん、事前に親子で話し合って、学力に見合った学校や希望する学部が通学圏外にある場合は受験するのかどうか考えておく必要があります。
具体的な学校・学部と譲れないライン
中3・高3の2学期など、すでに願書提出まで秒読み段階に来ているときには、具体的な学校や学部についての意思確認が行われます。保護者には本命校や滑り止め校をどこにするのか尋ねられますので、具体的な学校・学部名と受験スケジュールについて担任の教師に報告しましょう。
ただし、あまりにも子供の学力とかけ離れた学校・学部を希望している場合には、志望校や志望学部を見直すように担任の教師からアドバイスされることもあります。担任の意見を聞き入れることも大切なことですが、どうしても譲れないラインはどこなのかを親子で決めておくことも必要になるでしょう。
例えば、国公立大学の医学部を第一希望として親子で考えている場合、担任が浪人をしたとしても志望校には入学できないと意見を述べるならどうでしょうか。そのようなときにも、国公立にこだわるのかそれとも医学部にこだわるのか、何年まで浪人しても良いと考えているのか等、慌てずに譲れないラインがどこにあるのかを提示できるように準備しておきましょう。
担任の教師への相談事項
三者面談は、親子が担任の教師に親子の総意を述べる場です。ですが、ただ自分たちの意見を述べるのではなく、担任の教師の意見を聞き、担任の教師の意見をうかがう場でもあるのです。年に多くても数度しかない機会なので、いつも聞きたいと思っていたことや受験・就職に関する疑問について尋ねましょう。
滑り止めの学校の実態
第一志望の学校については詳しく調べても、滑り止めの学校については調査がおろそかになりがちです。ですが、浪人を希望しない場合は、滑り止めの学校に通うことになる可能性もあるわけですから、滑り止めの学校がどのような学校なのか、担任の教師に情報を求めることができます。どのようなレベルの中学・高校から学生が集まるのか、また、どのような会社に就職するのか、就職状況や留年状況などについても知っておくと安心です。
志望校の選択
すでに親子で話し合って志望校を決めてしまっている場合でも、できれば担任の教師にどのような学校を受けることができるのか、また、どのような学校に子供が向いているのか尋ねてみましょう。担任の意見を聞くことで、親子だけでは見えなかった選択肢が見えてくるようになるかもしれません。
勉強以外の悩み
受験生と言っても受験が生活の全てではありません。学校の仲間や教師とも関わりながら、学校やその他の活動を行って生きています。どうしても気になることや解決しておきたい悩みなどについても、担任の教師に尋ねてみましょう。
奨学金制度
奨学金を活用して進学することを考えている保護者や子供もいます。奨学金と言っても返済不要型のものや卒業後に返済するもの、新聞奨学生のように働きながら学資と生活費を稼いでいくタイプのものなどがありますので、どのようなタイプの奨学金を希望しているのか、また、どのようなタイプの奨学金が受けられるのか担任の教師に尋ねましょう。
日本最大の奨学金団体である『独立行政法人日本学生支援機構の奨学金』(注1)は、高校在学中から予約することも可能なので、早めに手続きができるよう担任の教師に相談することが望ましいです。
三者面談で焦らない!保護者の心構え
三者面談という子供の人生における一大イベントにおいて、しばしば子供を見守る立場である保護者が焦ることがあります。重要な節目において失態を演じないよう、保護者はどのような心構えで三者面談に臨む必要があるのか確認しましょう!
あくまでも子供が主役
三者面談の主役はあくまでも子供です。子供の将来について、子供と保護者、そして担任の教師が話し合う場です。子供と意見が合わないとしても、親が子供の主張をまったく受けつけずに、自分の意見を通そうとすることはあってはなりません。
また、事前に話し合った内容と異なることを子供が言い出したとしても、親は慌てずに子供の意見を聞く態度を保ちましょう。感情的に子供に注意しては、せっかくの大切な時間を無駄に浪費してしまうことになります。
子供の悪口を言わない
もう少しで受験と思うだけで、子供はもちろん親も気持ちが焦ります。そのような時期に子供があまり勉強に熱心でなかったり、最近は勉強するようになってきたものの1年生・2年生のときの勉強の遅れが響いていたりすると、つい、「どうしてこの子は勉強をしないの?」「なんで早くから勉強をしておかなかったの?」と言いたくなってしまいますよね。
ですが、三者面談は子供のこれからについて話し合う場ですので、子供が勉強しないという現状や勉強してこなかったという過去をいくら担任の教師に訴えても事態は改善しません。
ただ、保護者一人が感情的に叫ぶということになってしまいますので、子供の学習態度・生活態度に腹が立っていたとしても、その点について触れることは避けるようにしましょう。
その場ですべての答えを出そうとしない
親子で話し合って志望校と滑り止め校を決定したにもかかわらず、担任の教師から1ランクも2ランクも下の学校を受けるように勧められたらどうでしょうか。つい動転して、思ってもいないような言葉を口走ってしまうかもしれませんよね。
予定外の意見を聞いたときには、その場で答えを出すのではなく、家に帰ってじっくりと考えてから結論を出すという選択肢もあるということを頭に入れておきましょう。願書締め切りが迫っている場合でも、担任に再度三者面談を設けてもらい、納得できる受験ができるようにする方が望ましいと言えます。
こんな三者面談は不毛!三者面談あるある
三者面談で有意義な話し合いができれば良いのですが、なかなかそのような理想的な三者面談ばかりではないようです。不毛な三者面談あるあるを紹介いたします。
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あるある1.生徒不在の三者面談
中学2年生・3年生と言えば、反抗期真っ最中の子供が多い時期です。三者面談の主役であるはずの生徒自身が出席しないで結局保護者と担任の教師の二者だけで話し合う・・・なんていうことも結構あります。
また、三者面談出席可否の用紙を保護者に見せずに、勝手に『欠席』に印をつけて提出してしまう子供もいます。そろそろ三者面談の時期なのに学校からのお知らせが来ないな・・・と不審に思う方は、まずは担任に電話で尋ねてみるようにしましょう。
あるある2.親だけが話す三者面談
子供は一切口を開かず、親だけがマシンガントークを繰り広げるという三者面談は非常に多いです。初めは一生懸命に話し合おうとしていた担任も、親の勢いに押されてつい聞き手にまわってしまうこともあるのです。
あくまでも三者面談は三者で話し合う機会なのですから、親は日ごろの鬱憤をはらすのではなく、担任や子供の意見を聞く態度を示すようにしましょうね。
あるある3.親子の断絶が浮き彫りになる三者面談
子供も担任とだけ、親も担任とだけ話すという三者面談も少なくありません。親子の断絶ぶりが浮き彫りになる悲しい三者面談とも言えますね。担任の教師から勉強以外の面で心配されることがないよう、普段から親子のコミュニケーションはしっかりととりたいものです。
子供の将来のための三者面談!万全の準備で臨もう
三者面談というと、普段の個人面談とは異なる特別な面談だと緊張してしまうかもしれませんが、あまりにも緊張しすぎてしまうと、子供の進路などの本当に大切なことがきちんと話し合えなくなってしまいます。ある程度緊張することは仕方のないことですが、子供の将来のためにも、親は言いたいことをしっかりと話し、聞きたいことをしっかりと聞くことができるように心して臨むことができるでしょう。
また、話し忘れや聞き忘れがないように、予めメモを作って三者面談に臨みましょう。担任の教師からもらうアドバイスも、忘れないように書きとめておくことができます。
何よりも大切なことは、親子で話し合ってから三者面談に臨むことです。三者面談が実りある時間になるよう、親子の話し合いとメモを必ず準備してくださいね。
参考文献