「どんな親か?」もチェック対象!家庭訪問のマナーは学校対応必須スキル
新学期が始まってしばらく経ち、ほっとひといき…といった春の時期、親にとっては次なるイベントである家庭訪問が行なわれます。
単にお客さんを招くのとは違って「家の掃除はどの程度しておいたらいいの?」「お茶やお菓子は用意するべきなの?」「先生とどのように接すればいいの?」など何もわからない場合はどんな準備をしておいたらいいのか戸惑ってしまいます。
ここでは家庭訪問を予定している小学生ママのために、知っておいたほうがいい家庭訪問のマナーを解説します。
家庭訪問の目的
多くの場合、家庭訪問はまだ新学期が始まって間もない春のころに行なわれます。先生が子供の家を訪れ、親と直接話をすることで先生が子供をより深く理解し、家庭の雰囲気や教育方針を把握するのが主な目的です。
子供の家庭での様子を知る
小学生になると基本的には毎日学校に行き、1日の大半を学校で過ごすことになります。しかしどんな子供もその資質は家庭で養われます。家庭がどんな雰囲気なのかを知ることは先生が学校で子供に接するにあたってとても重要なことなのです。
たとえば学校ではおとなしくても家では個性を発揮して活発に遊ぶ、など家庭訪問では家庭に行ってしか感じることのできないその子の雰囲気を知ることができるでしょう。
通学路や近所の様子を知る
1人1人の子供の家の位置や通学路を確認する目的もあります。もし先生が子供の家に行かなければならない緊急事態が起こったとき、そのときに調べていたら対応が遅くなってしまいます。万が一の場合にスムーズに対応できるように先生も準備をしています。
また、子供がどんな場所を通って学校に通っているのか、どんな雰囲気の場所に住んでいるのか、近くに危険な場所などはないのかを確認する意味もあります。これらのことは子供を把握する上で今後役に立つ可能性があります。では、具体的に先生をどのようにお迎えするのがよいのか、解説していきます。
玄関先で話す場合のマナー
最近では玄関先で話すことを前提にしている学校も多いようです。家庭訪問の通知書などに「玄関先で」などと書いてある場合はあえて部屋まで通すことをしなくてもよいでしょう。では玄関先で話す場合はどんなことに注意をしたらよいのでしょうか?
立ったまま話す?座ることをすすめる?
玄関先の場合、まず気になるのはこの点でしょう。一戸建てのように靴脱ぎ場と廊下の部分に段差があり、廊下部分に腰掛けることができるタイプの玄関ならば座布団を用意し座ってもらうのが無難です。
しかしマンションでは靴脱ぎ場と廊下部分の段差がなくフラットなのが一般的です。この場合は立ったまま話してもよいと思います。
お茶やお菓子を出す?出さなくてもいい?
玄関先で話をする場合、お茶を出しても置くところがなく、先生に持たせたままというのも微妙です。この場合は出さなくてもよいでしょう。最近では「お茶などの接待は不要です」と事前に断っている学校も少なくないです。
わざわざ来てくださるのだからお茶のいっぱいでも…という気持ちもありますが、先生のほうも訪問のたびにお茶を飲むのは避けたいのが本音だと思います。そのため特に玄関先で話をする場合はお茶などを出さなくても失礼にはなりません。
念のため部屋の中やトイレは整理整頓し、きれいな状態にしておきましょう
玄関で、と断りがある場合は部屋の中まで先生を通すことはめったにないと思っておいてよいでしょう。
しかし話の流れからどうしても部屋に上がる場合や、先生から「ちょっとトイレをお借りしてもよろしいでしょうか?」と言われることもないとはいえません。リビングの整理整頓とトイレの掃除は最低限しておくのが無難です。
部屋に上がってもらう場合のマナー
学校のほうで「玄関先で」という指定が特にない場合は、やはり部屋に上がることをおすすめするのがマナー。先生によってはそれでも「いえ、玄関先でけっこうです」という場合もありますが、部屋に上がってもらうことを前提に準備をしておいたほうがよいでしょう。
見苦しくない程度に整理整頓する
当然のことですが、お客さんを迎えるにふさわしい状態に整えておきます。といってもほこり一つないくらいにきれいにする必要はありません。普段の雰囲気で見苦しくない程度に整えておけばよいと思います。
先生は入り口の奥の上座に座る
先生には上座に座ってもらいます。基本的には入り口から遠い席が上座、入り口から近い席が下座になります。先生にどの席に座ってもらうかあらかじめ決めておき、部屋に入ったらその場所に案内するのがスムーズです。
お茶出しは一般常識の範囲内で
前述のようにお茶等を出さなくてもいいようにあらかじめ通知をする学校も多いので、そのような場合は基本的には出さなくてもよいと思います。しかしお客さんにはお茶を出すのが普通という地域もありどうしても出してはならないというわけではありません。
ただし、出しても手をつけられない場合もあるかと思います。あくまで一般常識的に出すものと考え、実際には先生が手をつけなくてもあまり気にする必要はありません。
お茶は暖かい緑茶が無難
お茶は季節によって冷たいものがいいのか、熱いものがいいのか迷ってしまいます。また、お茶の種類も日本茶がいいのか、またはコーヒー、紅茶、ジュースなどがいいのか、これも考えてしまうところですが、来客用の飲み物として一般的な「温かい緑茶」を出しておくのが無難です。
お菓子は残しても大丈夫なものを準備
お茶と同様、出しても手をつけられない場合が多いと思いますが、一般的にお客さんへのもてなしとしてお茶とお菓子はセットのようなもの。用意しておいてもよいと思います。
ただしお菓子の種類は一般的で簡素なもの、残しても問題ないものにします。避けたいのは手作りのお菓子など、残してはいけない雰囲気のものを出すことです。
手をつけられないのなら手土産として渡したい、という気持ちも出てきますが、この後何軒かまだ生徒の家を回るかもしれない先生にはかえって負担になる場合が多いと思います。手土産は用意しないほうがよいでしょう。
お茶やお菓子はあらかじめ席に用意する
家庭訪問の時間は1家庭あたり10~20分です。あいさつから始まり子供の学校での様子、家庭での様子など様々な話をすることを考えると決して長い時間ではありません。先生が席に着いてからキッチンにお茶の用意をしに行くとするとかなりの時間のロスになってしまいます。
家庭訪問の本分である対話をするためにお茶やお菓子はあらかじめ席に用意しておきましょう。話をしながらでも出すことができるように、ポット等に沸かしたお湯を準備しておくことはもちろん、茶葉を急須に入れておく、湯飲みを温めておく、などできることは事前に済ませておいたほうがよいでしょう。
先生との接し方
さあ、家庭訪問の本分である対話が始まりました。先生との接し方をどのようにするかで内容が変わってくる可能性もありますのでおさえておくべき大事なポイントです。
話は手短に済ませる
限られた時間の中で先生は様々な話をすることになります。肝心なことを話せるように話が横道にそれないようにしましょう。
たとえば、あいさつをしているうちにいつの間にか話題が世間話のほうにそれてしまった、なんてことはよくあります。まずは先生に話の主導権をとってもらいましょう。
しかしせっかくの機会なのでこちらから伝えるべきことがあれば伝えたいところ。それは全く問題がありません。ただし長くならないように伝えたいことはあらかじめ簡潔にまとめて準備をしておくのがよいと思います。
また、質問をしたいことがある場合も、聞きたいことをその場で考えているとどうしても時間を長くとってしまいがちです。あらかじめある程度は考えておくのがよいと思います。その上で、話をしながら聞きたいことがある場合は話の途中の適当な時を見計らって短く質問するのがよいでしょう。
くだけすぎず敬語を使う
先生にはあくまで丁寧に接しましょう。場合によっては自分より年齢が若い先生が担任ということもあり得ますが、この場合ももちろん敬語を使います。いくら若くてもわが子を指導してくれている立場なのですから、敬意を持って接するようにしましょう。
子供のためになる有意義な家庭訪問にしましょう
家庭訪問について知っておいたほうがいい基本的なポイントをご紹介しました。初めての場合は戸惑うことも多いでしょうが、基本的なマナーをおさえておけば安心して迎えることができますね。
家庭訪問で大事なのは「先生が子供の家を訪れ、親と直接話をすることで先生が子供をより深く理解し、家庭の雰囲気や教育方針を把握する」という目的です。
それを意識して、先生が子供のことを把握し親も家庭での子供の様子を伝えることができる貴重な機会ととらえましょう。
マナーについてご紹介しましたが、あまり細かいことにとらわれすぎることなく柔軟に先生の話に耳を傾けることが第一です。
マナーや準備はそれを戸惑うことなくできるようにするためのものです。堅苦しく考えず、子供のためにも有意義となる家庭訪問の時間を過ごしていただけたらと思います。
最近では玄関先で家庭訪問を済ます場合が多いので、家庭訪問を玄関先でする時の担任に失礼のないマナーを参考に、玄関での家庭訪問のマナーをチェックしておきましょう。