PTA役員決め!どう乗り越える?トラブルあるある&PTAとの向き合い方
秋の訪れとともに気になり始めるのが「PTAの役員決め」です。本格的な役員選出は4月の入学後ですが、PTAの会長や副会長といった本部役員に関しては「推薦」や「立候補」を募る形で、もうすでに始まろうとしています。
PTA役員決め役員選出トラブル実録
ここではPTAの役員トラブルに関する本当の生の声を集めてみました。どんなトラブルが起こりがちなのかがわかりますので参考にしてください。
- 幼稚園ではじめての保護者会に気合を入れていきました。会がはじまるとみんな下を向いて暗い雰囲気にどうしたのかと思ったら、PTAの役員決めでした。結局、私が役員に立候補して終わりました。3時間も誰も手を上げず、帰りはすっかり暗くなっていました。
- 小学校1年生から立候補していたのに決まらず、子もが中学受験で忙しい6年生になったときに「まだやっていないから」という理由で無理やりPTA役員にさせられました。受験のサポートとPTAとパート、子どものことがそっちのけになってしまい受験にも影響した気がします。
- 中学校の入学説明会に参加していると、突然、会場の入り口の鍵がガチャッと閉められました。何事かと思ったらPTAの役員決めが始まりました。監禁状態で断りようがなかったです。
- 家にまで何度も訪れ、役員を迫られました。事情を話しても聞いてもらえず無理やりでした。
- 1人のPTA役員の女性から面倒な仕事ばかり頼まれる執拗な嫌がらせを受けたので、それを一度断ったら、今度は、悪口の嵐…。私は円形脱毛症になってしまいました。後から聞いたらその人はトラブルメーカーで有名だったそうです。
どうしてトラブルになる?誰もPTA役員をやりたがらない理由
ある程度のPTA活動は子どものために必要ということは多くの人がわかっていますよね。それなのに、どうして誰にとっても負担で、みんながやりたくないと思うことになってしまうのでしょうか。まずはPTA役員の現状と問題点を冷静に分析していきましょう。
任意団体なのに強制入会
みなさん、PTAが任意団体であるということをご存知でしたか?任意団体とは法的な権限など一切もたない団体で、社会的には趣味の集まりなどの「サークル」などと同じ立場になります。私立の幼稚園や学校などでPTAへの入会が「入学条件」になっているような場合にはその学校に入学する限り、入会を拒否することは難しいのですが、普通はその学校のPTAに「入会する・しない」、「継続する・しない」は保護者に決定権があるはずなのです。
小中学校のPTAの現状は入学と同時に強制入会となって、保護者には一切選択権限をもたせないやり方は、法律的観点からしても「違法」であるとして問題になっています。
PTA会議を欠席できない・休めない
半数以上の世帯が共働きで、家にいる主婦も小さい子の育児や親の介護、在宅ワークなどで忙しい時代の今、昔ながらの専業主婦を想定した平日昼間の会議や度重なる集会は時代に合わなくなっています。あくまで任意団体の会議や集会ですから、参加する本人の都合で休んだり、欠席することは全く問題ないはずなのです。それなのに、会長やトラブルメーカーのPTA役員などから出席を強要・脅迫されたり、欠席することで嫌がらせを受けたりすることが大きな問題となっています。
人間関係のトラブル「ママ友カースト」とは
ママ友トラブルで聞く「ママ友カースト」という言葉があります。これは父親の収入や職業、子どもの学力や習い事、母親の洋服や職業などで格差が生じてグループ化してしまう問題のことをいいます。PTAの役員の間ではそのようなカーストの他に、〇〇委員会長となった人が威張って命令し始めたり、思い通りにならないと保護者だけでなく子どもにまで嫌がらせの手が伸びるといった深刻なトラブルもあります。
PTAでのトラブルを回避するためにできること
誰だってPTAでトラブルを起こしたいわけではありません。ここではPTAでトラブルを回避するためにできることについて考えていきたいと思います。
PTA役員に参加するときの基礎!トラブル回避の姿勢
いずれはどうしてもやらなくてはいけない状況なのであれば、どうすればトラブルを回避できるのでしょうか。そこで気をつけるべき点をまとめてみました。
低学年のうちに役員はやっておくべき?
多くの学校にみられるのが、本部役員や〇〇委員会の長といった重要なポストは学年が上の保護者が引き受けるという習わしや傾向があります。本部役員や〇〇委員長といったポストになると、会だけの会議にとどまらず、長だけが集まる会議やその地区全体の連絡会議など、拘束時間が莫大に増します。
それらを避けるためには低学年のうちに役員を立候補してしまうというのが良案です。ただ、みんなもそう思っているので、低学年ほどその倍率が高く、なかなかPTA委員になれないという現状があります。またそういった状況を見越して、学年に関係なくクジで決めるという学校もあります。
他のお母さんから文句がくるのはこんなとき
- 引き受けるけど参加しない
いったん引き受けたPTA役員を面倒だからと、無断欠席したり無断放棄などすると激しい非難を浴びてしまいます。出席できないときは、文句は言われますが、委員長や学校側に事前の連絡を入れるのが最低限のルールです。 - 人の悪口を言う、文句が多い、意地悪する
その場は一瞬、自分が制したかのように見えますが、学年が上がるごとに他の保護者から避けられるようになります。自分自身がトラブルメーカーになりかねないので、できる限り穏便に、無難にが賢明です。また、周りに合わせて悪口を言うのも避けたいところ。
トラブルを回避する断り方をおさえる
やれるものならやってあげたいけど、事情でどうしてもPTA役員になれない時期というものがありますよね。そんなときにトラブルを回避する断り方をいくつかご紹介します。
上手な断り方「親の介護や体調不良」
親の介護や体調不良は角が立たない断り方の1つです。ただ最近はこれを理由に断る人が増えてきたので考慮してもらえない学校も出てきています。
自分の学校でこれが断る理由に該当するのか事前にリサーチしておくことが必要です。なお本当に介護や体調不良がある場合は、ケアマネージャーさんや施設に頼んで1日の介護スケジュールや通院記録など証明となるものを用意しておくと説得力が増します。
上手な断り方「転勤予定」
転勤予定がある、転勤予定がはっきりしないというのは役員を任せにくい理由になるので有効です。ただ毎年同じ理由で断りながらも、結局、6年間引っ越さなかったでは、その後の中学校生活やご近所で非難を浴びそうです。ここぞというときの秘策として使う程度が相応です。
上手な断り方「妊娠中・妊活中」
「妊娠中」はたいていのPTAでも役員免除の条件にはいっているはずです。ただ本当に妊娠していない場合には「妊活中」とする方が事実と離れすぎず無難です。
中間の断り方「できること・できないことを明示する」
嘘や取りつくろうのは嫌という方には、中間の断り方をおすすめします。役員の話が出た際に、みなさんの前で「自分にとってできること・できないこと」を明確に提示し、それを条件にしてもらえるなら引き受けるというものです。
日中の会議は一切出られませんが、土日の行事や自宅での資料作成などは積極的にやります、といった具合です。これを認めるか否かはPTA次第ですが、しっかり事前に話し合うことで、その後のトラブルを回避しやすくなります。
NG断り方「仕事を休めない」
仕事を休めないのはみんな一緒ですから理由としては認めてもらえません。ただしひとり親でダブルワークをしている、休むと経済的に困窮してしまうといった深刻な事情の場合は、一度、内々に学校側に相談してPTAとのトラブルを避けるよう間に入ってもらうのが理想的です。
幼稚園・小学校・中学校・高校別PTA役員選出と特徴をおさえよう
幼稚園や小学校、中学校の各段階別にPTA役員選出の代表的な方法や、その特徴について確認していきましょう。それぞれに特徴があります。
PTAの活動・仕事内容
まずは代表的なPTA役員の活動や仕事内容についてみていきます。
- PTA本部
会長、副会長、書記、会計などその学校のPTA活動の中心を担います。会長クラスは地域との会議にも学校代表として出席することも多いです。 - クラス代表委員
クラス代表保護者として、学校や先生とクラスの連絡や本部の補佐、イベントの補佐といった仕事があります。幼稚園では「お手伝いママ」といったいい方もされます。 - 広報委員会
年に何回か発行されるPTAたよりなどを発行します。 - 環境・保健委員
学校の花壇の整備やカーテンなど備品の管理、洗濯などを担当。 - 校外委員会
登下校の見守りや地区の警察と連携してスクールゾーンの改善依頼などを担当。 - 図書委員会
学校の図書室の管理や運営などを担当。 - 給食委員会
給食試食会の運営や給食に関する用品の維持管理など。 - 卒業準備委員会
卒業式に配られる記念品の選定や謝恩会がある学校ではそれらの手配など。
代表的な委員会と活動内容ですが、各委員はこの他に、学校のお祭りやバザーといった行事のお手伝いがあり、これが一番面倒くさいという噂も多いです。
幼稚園のPTA役員の決め方と特徴
最初の保護者会議などで、その場で立候補を募るような形が多いようです。多くの場合、クラスで2~5名選出され遠足やイベント時に先生の補佐役として順番に参加することも任務になります。
小学校のPTA役員の決め方と特徴
一般に中学校に比べ生徒数が少ないのにPTA役員の数が必要で、役員決めや役員選出に関するトラブルが最も多いのが特徴です。
最近は学校側も役員決め当日のトラブルを回避するために「何年生の時なら立候補できる」を書くPTA立候補プリントのようなものを毎年提出させる学校もあります。
中学校のPTA役員の決め方と特徴
小学校にくらべると一般に学校の規模が大きくなり生徒数が増えることから、PTA役員に当たる確率は少し減りますが、小学校と似た決め方や活動内容です。ただ委員会の数や会議の頻度などPTAの活動内容が学校ごとに大きく異なるのが1つの特徴です。
高校のPTA役員の決め方と特徴
この頃になるとPTA本部役員経験者や現PTA役員と知り合い関係など、一般の保護者まではあまり話が回ってこなくなることが多いです。
またそれぞれ遠方からの通学が前提なので、会議数が最小限であったり、土日や夜に設定する学校も増えてきます。ただ一度引き受けると3年間続くというのが高校のPTAによくある話なので注意が必要です。少数派ですがPTA活動が盛んな高校もあるので事前リサーチも重要です。
どうしたらいい?PTAとの向き合い方
トラブルばかりのイメージのPTAですが、その年の会長や各委員の委員長次第というのが本当のところです。
「自分もフルタイムだから会議は必要最小限!」「花壇の整備なんて土曜日にしよう!」といった決断をしてくれる委員長もいます。PTAとどう向き合ったらトラブルなく、うまく乗り越えられるのか一緒に考えていきましょう。
PTAと向き合う基本姿勢
基本的なマナーを守って向き合えば、多くの場合は、先生や他のPTAとの良いつながりができ、学校での子どもの様子がよくわかるなどメリットが多いのも実際の話です。
深入りは禁物
以前からママ友といった雰囲気にのまれ、深入りしようとするとトラブルの元になります。ちょっと寂しい気持ちがするときもありますが、それくらいの距離感を保つのがベストといわれています。仲良くなるにしても1年をかけてゆっくり様子をみながらというのが最適です。
丁寧な言葉遣い・節度ある発言&適度な笑顔
PTAはお友達サークルではありません。1つの「職場」くらいの意識で、丁寧な言葉遣いと節度ある発言、適切な笑顔を保っていれば、たいていはトラブルなく過ごすことができます。
また相手の年齢や職業、服装、子どもの学力など、自分が「ママ友カースト」的な視点で相手を判断するのもトラブルの元凶となります。
お酒の場はどうするか?
もうひとつの難関はお酒の場です。ご自分が好きなら参加するのも良いでしょう。その際も、無礼講や親睦会という言葉は名ばかりなので、節度ある態度がポイントとなります。
夜は面倒くさい・苦手という方は、無理する必要はありません。その場合は「夜は子どもの預け先がない」「家族がいい顔しないからどうしても無理」などはっきり断るのが正解です。
「あの人、硬いわね」「付き合い悪い」程度の悪口や多少の疎外感は想定内です。それでも仕事さえしっかりしていれば、よほどのトラブルメーカーの人がいない限り、PTAでの人間関係が明らかに悪化することは少ないので心配はいりません。
PTA役員トラブルでどうしても困ったら…解決・対処法
PTA役員で、より深刻なトラブルになってしまった場合の解決策について、いくつか探っていきます。トラブルはなるべく早めに解決するようにしましょう。
担任や学校側に相談する
- 選出
役員が選出される当日のタイミングで断ろうとすると、会議に参加している全員の前で、本当は話したくない家庭の事情などできない理由を述べるはめになるので、4月の早い段階で学校側に正直な事情を相談するのがベストです。
その際は「PTA役員ができない!」ではなく、「こういう事情で、今はどうしてもできないが、どうしたら良いのか」といった「相談」という形にすると、学校側の印象も良くなります。 - 役員中のトラブル
PTAのトラブルで自分が嫌がらせを受けている、役員の子どもとの間で自分の子どもが意地悪されているなど任期中のトラブルも、まずは副校長や教育主任などに相談してみましょう。
PTAは教師も会員となっているので、同じ会員同士としてトラブルの解決にあたってくれることも多いです。
公共の施設に相談してみる
学校側がきちんと対応してくれないなど、トラブルが悪化するようなら、総務省が運営している行政苦情窓口や町の役場の市民相談窓口、教育委員会などに電話で相談してみるのも良案です。
直接解決はできなくても、この先どこに相談したらよいか、また学校側との間にはいって状況を確認してくれることもあります。今の状況を冷静にメモし打開策を知りたいという形で相談してみましょう。
法テラスや弁護士に相談する
悪口を学校中に言いふらされて恥ずかしくて学校に行かれなくなった、そのことで子どもが暴力を振るわれたといったトラブルは、もう犯罪行為です。
損害賠償請求すら考慮の余地があります。ですが、すぐに裁判!ではなく、「裁判も視野に入れている」という姿勢が伝わるように、弁護士さんに間にはいってもらい話し合いをするだけで事態が収まるケースがあります。
法テラスは国が運営している無料の法律相談場所です。その後、実際に弁護士さんに依頼をすれば有料になりますが、あまりに悪質な場合は我慢しないで、まずは相談してみましょう。
無理をし過ぎないで辛い時は少し休もう!
「たかが親の集まりのトラブルなんて…」「親の義務でしょう?」などという人もいます。でも渦中にいる本人にとっては、本当に辛く苦しい時期なんですよね。
本来のPTA自体はそんなに悪者ではないはずなのに、強制・強要・絶対出席…といった悪習があなたを苦しませる結果になっているのです。あまりに辛い時は自分の身体や家族のことを1番に考え、無理をしないでお休みするという勇気も必要です。この記事があなたのお役に立てればと願いながら応援しています。