家庭訪問では家の掃除も先生はしっかりと見ているのはなぜ?
幼稚園や小学校の家庭訪問。私立を中心に実施していないこともありますが、今でもほとんどの地域の公立校では、4月の中旬からゴールデンウィークまでの間に家庭訪問を実施しています。家庭訪問と聞くと、多くのママたちは「キレイに掃除をしなきゃ!」と思いますが、本当にきちんと掃除をしなくてはいけないものなのでしょうか?
家庭は子供を映す鏡
子供は家庭を映す鏡とも言われます。反対に家庭は子供を映す鏡とも言われます。子供を見ていると家庭の様子がなんとなく分かりますし、反対に家庭を見ていると子供の様子や子供の行動の理由が分かるものです。
家がきちんと片付いていると言うことは、子供はいつも整理整頓された環境で暮らしているのだと言うことにもなりますし、そこから飛躍して「きちんと手をかけて育てられている」と判断する先生もいるでしょう。
家が片付いていないなら、子供が幼稚園や小学校で落ち着かない様子を見せたり、怒りっぽくなっていたりすると、「家がキレイではないから」「親が家のことも子供のこともきちんと世話していないから」と考えてしまう先生もいないとは言えません。
もうすぐ家庭訪問!時間がないときの掃除法
先生が家の中に入って話し合うときも、玄関先で対応するときも、やはり家の中や庭周りをきちんとしておく方が、先生からの印象が良くなるのは当然のことです。
とは言っても、小さな赤ちゃんが居る場合や介護を必要とする高齢者と同居している場合、仕事で掃除をする時間を充分に取れない場合もあるでしょう。
そのようなときは、家全体・庭全体を掃除するのではなく、いくつかのポイントに分けて効率的な掃除を行うようにしましょう。
玄関には最低限の靴以外は出さない
玄関は砂やほこりが溜まりやすい場所です。靴は靴箱にきちんとしまい、靴脱ぎ場には最低限の靴以外は出さないようにしましょう。
できれば、庭周りや近所に出かけるときに使用するつっかけのようなサンダルを1つだけ出しておくことがオススメです。1つも靴を出していないと、先生を外に見送るときに靴箱から靴を出さなくてはならなくなってしまい、その際に、靴箱がきちんと整理されてしないことが見えてしまう可能性があるからです。
雨傘や子供の遊具などが散らばっているときも、元あった場所にきちんと片づけておきましょう。スペースに余裕がない玄関に子供の三輪車や自転車などを置いている場合は、外に出したり、ガレージに入れたりして、玄関を広く見せるように工夫しましょう。
庭はキレイに掃いて不潔な印象を与えない
門から玄関までのアプローチはキレイに掃いておくようにしましょう。庭も家の前面から見える部分は、なるべくキレイに整えておくことが望まれます。
庭にゴミを置いている場合は、家の裏や倉庫などにゴミを移動させ、不潔な印象を与えないようにしましょうね。
汚れやすいリビングもキレイに片付ける
今風の家は、お客さんを客間ではなくリビングで迎えることが多いです。リビングは家族皆が使う場所なので汚れやすく、モノも溜まりがちですがキレイに片づけておくようにしましょう。リビングとキッチン・ダイニングが繋がっている場合は、面倒でも、キッチンやダイニングもキレイに片づけておかなくてはなりません。
リビングに入る前にキッチンを通る構造の家の場合は、シンク内に洗い物がたまっていないようにチェックし、キッチンの調理台に食料品や皿類などを置かないようにしましょう。あと、忘れがちなのが、ダイニングやリビングのテーブルの上です。新聞や雑誌、食べかけのお菓子、郵便物などを積み重ねておかないようにしましょう。
トイレ掃除にも気を抜かない
担任の先生が、トイレを使う可能性もあります。突然、「化粧室使っても良いですか?」と聞かれて慌てなくても良いように、前もってトイレもキレイにしておきましょう。小さな子供がいると特に汚れがちになる場所ですが、きちんと掃除をして、消臭効果のあるスプレーや置物をセットすることで、清潔感をアップさせることができます。
先生の履くスリッパも確認
普段、スリッパを使用しない家庭では、スリッパにカビが生えていることがあります。特に、裏のビニールの部分にカビが発生しやすいですので、スリッパを一度キレイに拭いておきましょう。
視界に入る生活動線を再度チェック
玄関からリビング、リビングからトイレ、トイレから玄関、子供部屋を見せる場合は、リビングから子供部屋、子供部屋から玄関の生活動線もチェックしてみましょう。
廊下にほこりはおちていませんか?壁に落書きはされていませんか?先生の目線に立って、キレイに片づけてモップやぞうきん等で拭いておきましょう。
どうしても片付かないときの奥の手
子供がいると、どうしてもそのときの月齢・年齢に合わせたおもちゃや洋服などのモノが増えてしまいますよね。どうしてもモノが多すぎて片付かないときは、どうやって整理をすることができるでしょうか?
部屋を一つ犠牲にする
担任の先生が絶対見ない部屋、たとえばまったく使用していない部屋や夫婦の寝室などに、モノを一時的に詰め込んで片づけてしまうという方法があります。ただし、先生が帰ったら、モノを廃棄するなり正しい場所におくなりして、きちんと整理し直すようにしましょう。家庭訪問がきっかけで他の部屋がゴミ部屋になってしなわないように気をつけて下さいね。
生活保護のための家庭訪問ではどの程度掃除をすべき?
家庭訪問は、学校だけが行うものではありません。生活保護を受けている場合は、年に数回、ケースワーカーが家庭の様子を見に家庭訪問をします。この家庭訪問はどのように実施されるのか、また、避けることができないのか等について探っていきましょう。
実施の方法
生活保護のための家庭訪問は、家庭の状況やケースワーカーの判断によって回数が異なります。1ヶ月に1回、年に12回実施することもありますし、年に1回だけのこともあります。一般的には4ヶ月に1回、年に3回実施されることが多いようです。
前もって「○月○日の○時くらいに伺いますね」とケースワーカーが知らせてくれることもありますが、生活保護を受けている家庭に疑わしい点(申告した状況と異なる点)があると思われる場合には、抜き打ちでケースワーカーが来ることもあります。
事前報告なしにケースワーカーが来る場合
よくある例としては、生活保護を受けるために偽装離婚をしていることが挙げられます。母親一人で子供を3人育てているとケースワーカーには報告しているにもかかわらず、実際には父親と同居していることもあるのです。
そのような家庭では、ケースワーカーが来る時間が前もってわかっていると、その時間だけ父親が家を不在にして証拠を隠滅しようとします。
子供の様子や生活保護受給者の様子から何らかの不自然さを感じたとき、また、近隣の人から「パパを見かけた」「あそこの家は母子家庭ではない」などの証言を得られたときは、このように事前に連絡をせずにケースワーカーが家庭訪問することもあります。
また、一人暮らしの人が怪我や事故のために働きに出ることが不可能になり、生活保護を受けているとします。
ですが、生活保護を申告したときは一人暮らしであっても、その後、ケースワーカーや生活課の職員に連絡をせずに実家に引っ越して、生活費には困っていないということもあります。このようなケースも、ケースワーカーがこまめに家庭訪問をしているなら早めに気付くことができます。
『抜き打ち訪問』というと、何か陰湿な印象を受けるかもしれませんが、市民から徴収した税金を公平に使用するためには仕方のないことと言えるでしょう。
生活保護を受けるための家庭訪問は避けられない
では、生活保護を受けるためには、家庭訪問は避けることができないものなのでしょうか?
生活保護を受けると言うことは、生活保護法が適用されて生活に必要と思われる最低限の保護(医療費の減免、現金の支給等)を受けると言うことを意味します。
つまり、この法から利益を受けるということでもありますので、生活保護法に記されているケースワーカーの義務の1つである『家庭訪問』も受けなくてはならないということになるのです。
どうしても『家庭訪問』が嫌という場合は、生活保護の受給も断らなくてはならなくなります。生活保護が必要な場合は、家庭訪問は避けられないこととして受け入れなくてはなりません。
居留守等を使って、家庭訪問を拒み続けると打ち切りになる
生活保護のための家庭訪問を、居留守を使って拒む人もいるでしょう。ケースワーカーと約束した日時にわざと外出したりして、なるべく家に入らせないように企む人もいるかもしれません。
ですが、ある程度の期間(ケースワーカーによって異なりますが、3ヶ月~1年くらいが一般的です)家庭訪問が実施できないと、市区町村の役場から『指示書』が送付されます。
この『指示書』には、〇月〇日までにケースワーカーと連絡を取り、家庭訪問を受けるように」と記載されています。この日付までに家庭訪問を受けないと生活保護は打ち切られてしまいますので、必ず家庭訪問を受けるようにしましょう。
また、『指示書』が送付された時点で、ケースワーカーや役所は、生活保護対象者を「しっかりと観察しなくてはいけない人」と認識していることになります。
このように認識されると、今後、生活保護を継続して受けるときに不利になったり、さらに詳しく調査が実施されるようになったり、抜き打ちで家庭訪問される回数が増えたりしてしまいますので、最初から家庭訪問の日時はしっかりと守って、誠実に応対することが大切だと言えるでしょう。
キレイすぎると保護が受けられなくなる?
「余りにも家の中がキレイだと、生活保護を受けられないのではないか?」と考える人もいます。ですが、これは誤った考え方です。生活保護は人間としての文化的な最低限の生活を営むために実施されるものですので、家の中がキレイに片付いていないと、きちんと人間らしい文化的な生活が送れていないとみなされます。
そのため、ケースワーカーにも「頑張って生きている」「頑張って働いている」という印象を与えられませんので、家の中はきちんと清潔に片づけておくべきなのです。
もちろん、家の中がきちんと片付いていないからと言って、生活保護が打ち切られるということはありません。ですが、ケースワーカーに良くない印象を与えてしまいますので、その後の指導が厳しくなる可能性はあります。
例えば、子供がいる家庭には進学の希望なども聞き取り調査されます。ですが、子供の学業がおもわしくなく地元の公立校に進学できない可能性がある場合には、「家がきちんと片付いていないから、子供の勉強や落ち着きなどにも影響が出てしまうのではないですか?」と言われてしまうかもしれません。
子供が真面目に努力していることを示すためにも、家はきちんと片づけておくことが大切なのです。
キレイと華美は異なる
キレイに片づけて暮らしやすくすることは大切ですが、豪華な家具やインテリアを置くことは、生活保護を受ける際には障壁になると言えます。
生活保護は、あくまでも自力では生活維持が難しい場合に受けることができる公的支援ですので、「豪華な家具を購入する余裕があるのなら、なぜ生活費に使用しないのか」とケースワーカーに問われてしまうかもしれません。
家がきれいだと先生への対応にも余裕が生まれる
小学校や幼稚園の家庭訪問でも、生活保護受給のための家庭訪問でも、家の中がキレイに片付いていると、先生やケースワーカーに余裕を持って対応することができます。
キレイでない空間で話すと、どうしても、片付いていないことが気にかかったり、「汚れた家だと思われているのでは」と考えてイライラしてしまったりするものです。
親切ににこやかに先生やケースワーカーに対応するためにも、家はいつでもキレイにしておきたいものですね。
また、先生やケースワーカーも家がきちんと清潔に片付いているなら、家に住んでいるママやパパ、子供に対して好意的に見ることができます。もちろん、先生やケースワーカーは公的な立場ですので環境によって人間を差別することは許されませんが、人間ですので、キレイなときは気持ちがよくなり、キレイでないときは自然と気分が悪くなってしまうものです。好意を持ってお互いが接することができるためにも、家はキレイにしておきましょう。