高校に行きたくない?!子供が学校を拒否する原因は何?
もっとも輝いているはずの高校生。高校は義務教育ではなく、進学や就職の目的があって通います。
ですが、高校に行くことを拒否する中学生、入学してから高校に通うことを拒む高校生も少なくありません。
我が子に高校に行きたくないと言われたとき、親としてはすぐに迫った社会人として余計な苦労をするのではないかと心配が真っ先に浮かびますが、心配だからと論破する姿勢で畳みかけるのではなく、一旦、子供の話も聞いてみるべき。
子供はどのようなことが理由で、また、どんなきっかけから高校に行きたくないといっているのかに目を向けてみましょう。
高校に進学したくない中学生
高校は義務教育ではないにしても、一般的には高校受験時に並み程度の成績を保ち、学校生活での行いにも問題がなければ、当たり前のように高校進学の道を選択していきます。目標に向かい、意志をもって高校進学を選択する子供、半ば流されて高校進学を決める子供がほとんどを占める中で、高校に行きたくないと考える中学生もいます。
それを明らかにするタイミングはさまざまで、高校受験をする前から高校に対して否定的な意見を持っていたり、受験をして進学先の高校が決まってから、「やっぱり、行きたくない・・・」と考えだすこともあります。
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学校の勉強の他に挑戦したいことがある
「バンド活動に打ち込みたい」「アイドルになりたい」「ゲームプログラミングの世界に進みたい」等、夢中になることや将来の夢が決まり、高校に時間を使うよりも、今やりたい活動(音楽活動やオーディションを受けること、マンガやプログラムなど自分の部屋で没頭する活動等)をしたいと考え、高校進学を拒否するケースはあります。
「将来のために高校だけでも出ておいた方が良いよ」と親が説得しても聞く耳を持たない様子を、大人は人生経験が浅く、今の瞬間しか見えていない子供だから・・・と思ってしまいますが、高校進学よりも大切なものがある本人にとっては、高校進学の価値や意味は無に等しいのです。
勉強を続けたくない
小学校の勉強と比べると、中学校の勉強は格段に難しいものとなり、内容も専門的になります。
中学に入ってから、勉強への苦手意識が強くなっていると、子供なりに「高校に行ったらもっと勉強が難しくなるはず。落ちこぼれてしまうのがわかるのに行く意味なんてあるの」と不安が強くなり、高校に進学したくないという気持ちを持つようになります。
また、特に勉強が苦手だというわけではなくても勉強が嫌いな場合は、「勉強が嫌いなのにまた3年も勉強し続けるなんて嫌」と考えてしまうことも。
専門性の高いコースに通っても勉強が一切ない高校というものはありませんから、勉強が苦痛な子供にとっては、高校進学は喜びにはなりにくいのです。
仲の良い友だちと離れてしまった
仲の良い友だちと同じ学校に進学できないことが決まった場合、高校に行く喜びが半減してしまうことがあります。特に自分が受験に失敗したために同じ学校に進学できなくなってしまうと、なおさら進学のモチベーションは下がってしまうでしょう。
もちろん仲の良い友達と離れ離れになっても、高校に入ればまた仲の良い友だちができるのですが、自立の途中にある中学生の頃は、特に友人とのかかわりや一緒に過ごす時間は大切で、現時点で仲の良い友だちを『生涯の親友』『人生における最高の友人』と考えてしまうことも多く、友だちと同じ学校に行けないという悲しみは強いものになりがちなのです。
学校に通うことそのものが嫌い
周りと協調させられる集団生活がそもそも好きでないと、学校に通うことそのものが嫌だと感じてしまいます。これが苦手なら、高校に進学して環境が変わったらまた楽しくなるはずとはなかなか考えられず、「どうせ、高校に行っても面白くないだけ。イヤな学校に3年も通いたくない」と考え、高校進学自体を拒否するようになります。
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高校生活が不安
進学先の高校のネガティブな評判や噂(部活動の上下関係が厳しい、テストの点が悪いと夏休みにも長期間の補習がある、タバコや飲酒などが公然と行われているなど)を聞いて、「あの中に行くのは怖い」と感じるようになるかもしれません。
進学先を選べると良いのですが、高校受験は多くは「中学校生活の成績(ランク)」から受験する高校を選択することになるので、「もう一年勉強して違う学校を受け直そうかな・・・」と思い詰めてしまうかもしれません。
大人になるのが不安
中学が終われば高校、高校が終われば大学や就職と、嫌でも大人へと近づいていきます。中学生にとっては、高校生はすでに大人と言っていい存在。大人や高校生にあこがれる気持ちが強ければ良いのですが、もうすぐ自分も高校生になる立場であるがゆえ、「高校生になるのが怖い」「高校生活に馴染めるか不安」と感じることもあるかもしれません。
また、大人に対して憧れるきもちがなければ、大人へ近づくファーストステップである高校生になることは、子供にとって望ましいことではありませんね。
学費が不安
中学校までは公立校なら無償教育ですが、高校となると義務教育ではありませんので、何でも無料というわけにはいきません。家の経済状態が不安で「高校に進学することで親に負担を掛けてしまうのではないか」と考え、高校に行きたくないと考える子供もいるのです。
運動部などのクラブ活動が優遇されるなどの目的で進学を選ぶ子供もいますが、クラブ活動にもお金がかかってしまうので、親に言いだせずに、「クラブ活動を続けられないなら高校に進学しても意味がない」と考えて、高校に行きたくないと結論してしまうことも。
もう高校に行きたくない!高校生の通学拒否
高校生になってから、「学校に通いたくない」と訴えるケースでは、どのような理由から突然高校に通いたくないと考えるようになるのでしょうか?
勉強についていけない
中学校の学習内容までは問題なく授業についていけたのに、高校に上がってから急についていけなくなってしまうことは少なくありません。高校では中学校よりもさらに高度な内容を学ぶだけでなく進むペースも早くなりますので、一度「分からない」ところを放置したならこれまでのようになかなか取り戻せず、挽回し難くなってしまうのです。つまり、高校で勉強を挫折してしまうきっかけは実に多くのところに転がっています。
学校の勉強以外に学習塾等に通って勉強している場合は、学校で習っている内容と学習塾の内容がほぼ同じなら問題はないのですが、異なる単元を習っている両方を理解することが出来ず事態の収束どころの話ではなくなってしまいます。
その他にも、中高一貫の学校に高校から入った場合、他の内部進学生が知っている内容を習っていないために、入学時から挫折感を味わってしまったり、学校によっては高校2年生までに高校の3年間で習う内容を全部勉強し終えてしまうために、学習のスピードが非常に早く、勉強には自信がある子供でも「ついていけない」と感じてしまうことも・・・。
無気力
中学までは楽しく学校生活が送れていたのに、高校に進学してから急激に無気力になる子供もいます。高校受験に全力以上の力を注いだために『燃え尽き症候群』になってしまっている子供もいるようです。
すぐに本来の活力にあふれた自分を取り戻せると良いのですが、子供によっては新たな目標が設定できるまで(大学受験まで)無気力が続くことも。
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スクールカースト
クラス内で明らかに序列が発生し、みんなが仲良くするというよりは序列に従って行動しているといった、『スクールカースト』があるために学校に行くことがイヤになる高校生もいます。
中学校まではみんなで和気あいあいと楽しめていたのに、高校ではいつも周りの顔色を気にするようになってしまったなら、そのような学校生活に不満を覚え脱却したいと考えるでしょう。
はっきりとしたスクールカーストがない場合でも、なんとなくクラスの雰囲気や学校の校風が相入れないように感じる子供もいます。
家族や中学校の仲間たちと一緒にいるときは素の自分を出すことができるのに、高校の仲間と一緒にいると自分以外の人間を装うようになってしまい、息苦しさから「高校を辞めたい」と考える子供もいるでしょう。
家庭生活がうまく行っていない、親の過干渉
家で問題を抱えているために学校生活も楽しくなく、「このまま無意味に学校に通うよりも、学校をやめて独立したい」と考えて、高校を辞めたいと願う子供もいます。
また、親が過干渉で学校について何でも知りたがろうとするなら、子供は過干渉だと感じてしまい、「親のお金で高校に行かせてもらっているからこんなに干渉されてしまうのなら、学校をやめるから、自分のことを放っておいてほしい」と考えるように原因になってしまいます。
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希望する大学に入れるかが不安
定期テストや実力テストを受ける度に自信をなくし、「このままでは志望する大学に入学できないのではないか?」という思いが強くなり、大学進学自体を考え直し高校も辞めたいと思い詰める原因となってしまいます。周囲の子供たちが着々と学力を伸ばしているように感じると、一層の疎外感や取り残された気分を味わってしまうことも。
子供が高校を辞めたいと言い出したときに親が出来ること
子供が高校進学を辞めたいと言い出したら、もちろん高校進学だけが人生を決めるわけではありませんが、親としての心配は大きいのが正直なところ。また、高校に進学したにもかかわらず、これ以上は通学を続けたくないと子供が言い出したときも同様ですね。
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慌てない、大げさな反応は取らない
なんとなく毎日が楽しく感じられず、軽い気持ちで「学校を辞めたい」とぽつりとつぶやいただけなのに、親が「え!本当に辞めるの?どうして?」と大げさに驚いてしまうと、言った子供も引くに引けなくなってしまうこともあります。ビックリするような子供の発言ほど、最初はことを荒立てない対応に努めることがポイント。
例えば、冗談で言っているのか軽い気持ちで言っているのか分からないなら、「そんなときもあるよね。まあ、今日は元気に行って見れば?」と、明るい笑顔で子供を送りだしてみましょう。学校から帰ってきたら、いつもどおりに楽しく過ごせているようなら心配なかったことがわかりますね。
子供なりに真剣なときは、話を聞きだそう
ですが、何日も不登校が続いてからや、学校に行くのがつらそうな様子が何日も続いてから、「学校辞めたい」と言い出したときは、子供なりに真剣に考えた結果を口にした可能性は高く、そんなときに親が冗談めかして「早く学校に入って来なさい」と反応するのは、適切とは言えないでしょう。
朝であっても夜であっても、子供が「学校を辞めたい」と言い出したときに、「ゆっくり話してみよう」と時間を取って子供の気持ちをとことん聞いてあげましょう。親自身も出勤等で時間が取れないときは、「今日の夜、しっかりと話を聞くから待っていてね」と時間を約束して話を聞きたいと言う気持ちを伝えて下さい。
子供の意見を最後まで聞く
子供が「学校に行きたくない」と言い出したとき、そして、その思いが真剣なものであるということが分かっているとき。親として出来ることは、子供の意見を最後までしっかりと聞くことしかありません。
親が望む方向に子供が進んでいないとき、つい、子供の話を途中で遮って、「そうじゃないでしょ?せっかく高校に入ったんだから、せめて卒業はしてから考えればいいのじゃないかしら?」と言いたくなりますが、その気持ちをぐっと抑えて、まずは子供の話を最後まで聞いてあげることです。
親の意見で話を進めないこと
最後まで聞いてから、子供の意見を尊重しつつ、「学校を辞めるっていうことは、違う道を考えているんだよね?」「学校を卒業してからではなく、今、辞めるということがあなたに得となるか考えてみようよ」「ほかに方法はないかしら?」と、論理的に子供の考えを整理しながら、子供の意見を軸に話を進めていきましょう。
どうしても納得がいかないとき!期限を決めて再度話し合いの機会を持つ
子供の考えがどう考えても到底納得できないものであるとき、子供に再考を促すように話を進めていきましょう。どうしても納得できないけれども子供も意見を曲げないとき、いがみ合ってても折り合いはつきません。こんなときは期限を決めてもう一度考えてみることを進めましょう。
「あと1ヶ月学校に通ってみて、それでも続けたくないと言うときはもう一度話し合おう」と言う風に、期限を決めると子供も自分の意見が真っ向否定されているわけではないということがわかり、再考しましょうという親の意見を受け入れやすくなります。
2回目以降も子供の学校を辞めたいという決意が固いときは、無理に学校に行かせることは子供にとってプラスにはならないかもしれません。
何が何でも学校に通う他にも、休学や転校、通信制教育などの選択肢もあるということを提示し、高校卒業を完全に諦めてしまうのか、他の方法によって時間はかかっても卒業をするべきか、子供にとって最良の選択肢を具体的に考えていく必要があるでしょう。
高校を辞めることは親への反逆を意味するわけではない
子供が高校を辞めるという選択をし、それが親の意向にそぐわない選択肢であったとしても、決して親への反逆を意味しているものではありませんし、もちろん親子の縁が切れるということを意味しているものでもありません。
高校生ともなると体も大人と変わらないほど大きくなりますので、つい、大人と同等に扱ってしまいがちになりますが、まだ、未成年。高校生は親権者の保護が必要な子供でもあります。
「どのような結果になろうと、親としてサポートしていくつもりである」ということを子供に伝えてあげましょう。
社会人への入り口に立つ高校時代!親のサポートは必須
高校卒業時には、あと2~3年で成人になる年齢ですので、大人になるということが漠然とした未来ではなく現実味を持つようになります。高校に通う時点でこのまま学校に行っていて良いものかどうか悩む子供も増えますし、多勢の流れに乗って高校に行って卒業するということ自体に疑問を持つ子供も出てきます。
高校生にもなると、子供は小学生のころのように何でも逐一親に報告するようなことはなくなります。だからこそ子供の気持ちが全くわからない!なんてことがないよう、親子の会話の時間を意識して持つようにしたいものですね。