5歳児におすすめの遊び

5歳児の遊びで大切なこと~知能と運動能力を伸ばす遊び方

5歳児におすすめの遊びとは?知能を発達させ、体力をつけ、心を育てる室内遊び・外遊びのアイデアをご紹介。文字や数字に関する遊びの是非、運動遊びはどのくらいさせるべきかといった疑問にも答えます。大人の働きかけで、子供の遊びに対する集中力や満足度はまったく変わってきます!

5歳児の遊びで大切なこと~知能と運動能力を伸ばす遊び方

5歳児の心と体を成長させる遊びとは?「遊び」を通して「学ぶ」機会を!

集中力があまりなく、好奇心が強いうえに飽きやすい5歳児。この年代になるとおおよそ自分のことを自分ひとりで出来るようになります。ただ、行動範囲も広がって、思わぬケガをしやすい時期でもあり、ママやパパは目が離せません。

5歳児は目が離せないわんぱく

楽しいことが大好きな5歳児。そんな時期には、どんな遊びがおすすめなのか、ピックアップしてみました。

遊びのアイデアを参考にして、5歳児の知能や運動能力、そして心を成長させてあげましょう。

5歳児に遊びを通して教えたいこと

子供にとって、「遊び」とは単に楽しいだけでなく、心身の発達のために、非常に重要な意味を持ちます。

5歳になれば、一人遊びも上手になり、放っておいても一人で遊べる子も多いでしょう。
しかし、その時、その場面において、子供の発達に応じて大人が適切な働きかけをすると、子供はより遊びに集中し、多くの学びを得られます。

まずは、5歳児の遊びをより豊かなものにするための、ママやパパができる心がけをご紹介します。

5歳の「知」を育てたい!

日常生活で自然に数を意識するような声かけをしたり、本を読んだりして自然に文字への興味が沸いてくる環境を整えましょう。

普段の生活で「数」を意識させるには?

日常生活で数字を意識する機会というのは、実は数多くあります。

エレベーターに乗っているとき、エレベーターが通過する階が光ります。これを見ながら声かけすると、数字の順序を意識してもらえます。

エレベーター回数表示の数字

おやつやお手伝いの時間に「○個ちょうだい」「○個持ってきて」「みんなで同じ数ずつ分けてね」などの声かけで具体的な数字を意識させることも可能です。

文字の理解は焦らなくてOK

文字が読めるのと理解できるのは別物です。本を広げて、文字を追いながら読み聞かせするよりも、挿絵を見せながら想像力を働かせて、物語を耳で聞いて内容を理解する方が5歳児にとっては楽しい時間が過ごせます。

文字に興味がなければ、文字の理解を無理強いするのはやめましょう。

5歳の「体」を育てたい!

元気いっぱいの5歳児。たくさん運動することは、将来的にもメリットが多いので、外遊びだけでなく、室内でも身体を動かす遊びを取りいれましょう。

バランスよく、体を動かす

幼児期は、体中の神経回路を隅々まで巡らせていく時期。5歳になれば、無駄な動きや力みが少なくなり、上手に体を使えるようになっているはずです。

一つの偏った動きをするのではなく、「バランスをとる」「体を移動する」「道具を操作する」など、多様な動きを普段の遊びに取りいれましょう(注1)。

目標は毎日60分以上!?

WHOや文部科学省の幼児運動指針は、幼児(3歳~6歳)には「1日合計60分以上、中強度から高強度の運動をすることが望ましい」とされています(注2)。

「1日60分」と聞くと、そんなに毎日、外遊びをさせていられない…と思うかもしれませんが、中強度の運動とは、「安静状態よりも多くのエネルギーを必要とする動作すべて」を指します。
目標はあくまで「合計」であり、徒歩での通園、お手伝いなど生活における動作も含みます。

幼児期に外遊びをした子ほど体力が高いというデータもありますので、できるだけ外遊びをさせ、天候等で無理なら屋内でも、少しは体を動かせるように工夫していきましょう。

5歳の「心」を育てたい!

「まだ5歳」でなく、「もう5歳」です。子供の力を信じて、少し離れた位置から見守ることも時には必要です。

褒めよう!

自転車に上手く乗れて母親に褒められ笑顔の女の子

子供にとって、ママやパパなど大好きな相手が褒めてくれるというのは、なにより嬉しい体験です。

褒める時は、恥ずかしからずに、大げさなくらいでOKです。抱きしめたり、抱きかかえたりしながら、感謝の気持ちや「すごい」と思う気持ちをたくさん伝えてあげましょう。

あえて失敗させよう!

失敗から学べることはたくさんあります。大人が先回りして世話を焼くと、子供はいつまでたっても失敗できません。

失敗しなければ学べないことはたくさんあります。いつまでも子供の後ろをついて行って、失敗しないよう、先回りし続けることも不可能です。

普段の遊びは、子供に失敗を学ばせる重要な機会です。大人から見ると「それは上手くいかないだろうな」という方法でも、子供自身が気づくまで口出ししないようにこらえましょう。

おでこに絆創膏を貼ってる女の子

5歳児の知力を伸ばす「考える」遊び

5歳児の知能を楽しみながら発達させられるオススメの遊びをご紹介します。
遊びながら、自分の力で考える力、想像力を伸ばしてあげましょう。

製作

5歳になれば、ハサミが上手に使えるようになるなど、ますます指先が器用に動かせるようになります。

折り紙や色画用紙を使って紙飛行機を作ったり、切り絵やちぎり絵などもおすすめです。指先を動かすことは脳にとっても良い刺激になります。

また、紙飛行機を作ったら実際に飛ばしてみましょう。上手に飛ばすには工夫が必要です。
こうした遊びを通して、「失敗→改善→成功」という体験を積ませてあげましょう。

トランプ・かるた・ドッツカード

トランプやかるた、ドッツカードなどを使い、絵合わせや数合わせの遊びを取りいれましょう。

かるたは興味に応じて、複数あっても良い

かるたは字を学ぶタイプのもの、公共マナーを学ぶタイプのもの、動物や乗り物など、絵柄には多くの種類があります。1つあれば十分と思い込まず、興味があるものがあれば、複数持っていても良いでしょう。

ドッツカードとは?

ドッツカードとは、カードの表側に丸が複数個描いてあり、裏側にその丸の数が数字で書いてあるカードです(「○」が3個描いてあったら、裏側には数字の「3」が書いてあります)。

丸を見せる時間を極端に短くしたり、競いあうことで、楽しく盛り上がりながら数について学べます。

ブロック

ブロックを積んで遊んでる子供

ブロック遊びは、指先を使って細かい作業をするため、脳への良い刺激になります。また、自由な発想で、ゼロから何かを作り出すため、想像力を育てます。

紙に描くお絵描きとも違い、縦と横の世界に高さが加わったブロック遊びは、奥行きや影など、空間把握能力が求められます。より現実に近いものを作りだせますので、完成後の達成感も強く感じられるでしょう。

記憶ゲーム

特別な道具やおもちゃがなくても、実践できるゲームです。
家の中にあるものを適当に5個から10個持ってきてテーブルの上に並べます。並べたものをしっかり見て覚えてもらい、今度は布などを使って隠します。

5個並べた中で何個覚えているか、10個並べた中で何個覚えているか、競うゲームです。
脳を活性化させ、たくさんのことや物を覚えられる土台を作っておきましょう。

連想ゲーム

移動中の電車内、レストランで食事が到着するまでの間など、場所を問わずに実践できるゲームです。

例えば「白くてフワフワしてるもの、なーんだ?」と聞いてみましょう。雲?綿菓子?
子供ならではの想像力によって、私たちが考え付かないようなものを連想する可能性も十分あります。

ヒモを一本用意して「何の形でしょう」「何に見える?」など、想像力をかきたてる質問をたくさん用意してください。

もし、全く連想できないような答えが飛び出しても否定しないで下さい。なぜその答えが出たか聞いてみましょう。本当に思いもよらない答えが飛びだしてきて、驚かされることがあります。

5歳児の体力づくりにおすすめの「運動」遊び

幼児期の運動は、基本的な体の使い方を身に着けることにはもちろん、いざという時にケガをしないようになったり、将来的なスポーツに好影響を及ぼすなどのメリットがあります(注3)。

ケガには十分注意しながら、たくさん体を動かしましょう。

親子でボール遊び

野球・サッカー

野球やサッカーなどの球技は、ボールを操作する能力が求められます。
また、同様に大切なのが「ルールの中で楽しく遊ぶ」という経験です。

ルールを覚えること。ルールを守ること。ルールの中で仲間と協力しあうこと。
ルールの中で戦うからこそ勝ったときは嬉しいもの。フェアプレイ精神の基のなる心を育てましょう。

自転車・スケボー

自転車やスケボーは少し高度な技術とバランス感覚が必要です。自分でちゃんと操作できるようになれば、行動範囲も広がりますし、今まで味わったことのないスピード感やスリルを味わえます。

自転車やスケボーなどの乗り物に乗るときに、絶対に守らなければいけないのが交通ルールやマナーです。

自転車やスケボーは、乗り方を間違えると、自分も怪我をしますし、他の人に大怪我をさせてしまう可能性もあります。

5歳児にルールを完璧に理解させるのはまだまだ難しいので、まずは大人がきちんとルールを守ることを教え、またルールを守る姿を見せてあげてください。

おにごっこ

鬼のタッチによってどんどん鬼が入れ替わっていく鬼ごっこは、ひたすら走る体力が求められます。

鬼ごっこの種類によっては、鬼に見つかったらダメだったり、動いたらダメだったりと、ルールがあります。「ルールのある遊び」を取り入れたい時の入門編としてもおすすめです。

いろいろな鬼ごっこを楽しみながら、体力をつけていきましょう。

鉄棒・アスレチック

アスレチックで遊ぶ男の子

鉄棒はぶら下がるだけでも楽しく、何秒ぶらさがっていられたかを記録すると、「次はもっと長い時間ぶら下がっていたい!」と挑戦する心が芽生えます。

他にも、アスレチックは狭いトンネルをくぐったり、太い縄でできたネットで高いところに上ったり、落ちないように横移動したりなど、幼児の運動能力を総合的に伸ばせます。

年齢に対応したアスレチック遊具を正しく使用し、ケガをしないように大人がしっかり見守ってあげてください。

5歳児の心を育てる「自然や動物と触れ合う」遊び

動植物と触れ合うと、優しい心や、ときには自然の厳しさを味わうことができます。
5歳になれば、弱い者を助けようとする心も育っていますから、動物を可愛がったり、簡単なお世話も積極的にやりたがるでしょう。自然や動物との触れ合いは、情操教育としても良い効果が期待できます。

海・山・川遊び

昔から、海・山・川などの自然は、たくさんの思い出と不思議を子供たちの胸に刻み付けてくれます。
また、海辺の小さな生き物を探したり、虫捕りをしたりなど、生き物との出会いの場でもあります。

安全だけは大人のみなさんがしっかり注意してあげてください。

動物園・水族館

水族館

自然の中での出会いとは違いますが、動物園や水族館は、普段なかなか見られない動物たちの行動や習性をじっくり学べる場所です。

動物の可愛いしぐさに心を奪われたり、癒されるのは、大人も子供も同じです。普段は、絵本や図鑑でしか見ない生き物を実物で見るというのは、子供にとって貴重な経験です。

最近の動物園は、見るだけでなく、触れ合いパークなどと銘打って、小動物を触れるスペースも設けられています。見て、触って、「本物」に触れさせてあげましょう。

穴堀り

地面に穴を掘ってみましょう。普段はあまり見かけない虫がいたり、石が埋まっていたり、土の色が変わったりなど、穴を掘るだけでたくさんの発見があります。

大きな穴を掘る必要はありません。子供用のスコップで掘るだけで、普段見ることのできない世界を覗くことができます。

手で直接、土の感覚を味わったり、匂いを嗅ぐと、大人も気持ちが安らぎます。ぜひ親子で土いじりを楽しんでください。

5歳児と遊ぶときの注意点|こんな接し方していませんか?

5歳くらいになると、文字を読める子、数字を読める子が増えてきて、親としては「入学前に自分の名前くらいはかけた方がいい」など、焦る機会もあります。

しかし、なにかに興味を持ったり、覚えようとするタイミングは、人によって異なります。

以下のような遊び方は、子供にとってはあまり楽しくない時間となってしまいがちです。

「数」や「文字」遊びの強要

同じ年齢の子が字を読んでいる光景を見かけると、「自分の子もできるはず」と思い、つい挑戦させたくなります。

しかし、無理に詰め込んだ反復練習は、文字や数への抵抗感をもたらし、逆効果です。少しずつ遊びとして取り入れるのは構いませんが、その遊びを子供が本当に楽しめているか、よく観察してください。

焦らなくても、子供はもともと好奇心が旺盛ですから、そのうち自分から「知りたい!」という時がきます。自然に興味を持てるような働きかけをして、時期がくるのを待ちましょう。

テレビや動画との正しい付き合い方

テレビを観る親子

テレビや動画視聴=「悪」ではない

スマホやタブレットは「絶対に子供に触らせてはいけない」というのは極論です。
テレビやネット動画にも知的な内容を含むものはありますし、病院での待ち時間など、静かにさせるためにやむを得ず与えることもあるでしょう。

また、子供も疲れているとなかなか集中して遊べなくなるので、息抜きとしてテレビや動画を視聴する時間があっても良いはずです。

テレビや動画を見せて「放置」するのが問題

一方で、静かになるから、便利だからとテレビやスマホ、ゲームを与えて、長時間放置するのは問題です。幼児期は、人との関わりや実体験を通して、心と体を成長させる時期です。

テレビや動画は、いわゆる「疑似体験」であり、疑似体験は本当の経験には勝てません。体全体で体験したことは記憶に残りますが、疑似体験は記憶には残りません。会話のキャッチボールもできませんので、情緒的な関わりも期待できず、言葉や心の発達を妨げる恐れがあります(注4)。

5歳児と遊びを通じて向き合おう

5歳児は、底なしの体力と好奇心の持ち主で、付き合う大人はヘトヘトになってしまいます。
ですが、素朴な疑問を抱いたり、小さくても自分の力で1つのことを成し遂げた経験は、すべてがこの後の人生の力になります。

まだまだ危なっかしく、ついつい口を出しなくなりますが、先回りしないで、たくさん失敗させてあげてください。

読み書きができる・できないを気にしたり、他の子供と比べる必要もありません。自分の子供の良いところは親が一番分かっているはずですから、そこを伸ばしてあげてください。

たくさん誉めて、たくさん笑って、たくさんの思い出を作りましょう。