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小学生のホームステイ

小学生でホームステイするときの心構えと注意点【体験談付】

小学生で海外のホームステイや長期留学を経験した話を聞くと「うちの子も」と考える親は多いものです。しかし、軽い気持ちでホームステイをさせると思惑とは違った結果になる危険があります。感受性豊かな小学生という時期にホームステイさせる際の心構えや注意点、効果などをまとめました。

小学生でホームステイさせるための心構えや注意点9つ

グローバル化が進んでいる現代では、英会話教室に子供を通わせている人は多く、その延長で子供が小さいうちに海外への留学やホームステイを希望する親が増えています。子供を海外へホームステイさせることに興味を持ったら、ぜひここで心構えや注意点を把握してください。

日本はとても平和な国なので、海外のことをあまり理解せずにホームステイさせると、思惑と違った結果になるケースはたくさんあります。小学生のホームステイの現状を知り、踏み切るかどうかの選択や、行かせる際の心構えや準備に活用してください。

1.ホームステイ・長期留学について把握する

子供にホームステイをさせようと思い立つのは、大半の場合小学生でホームステイをした子供の、いい話しを聞いた後ではないかと思います。「とても親切にしてもらった」「英語の勉強になった」「文化の違いが理解できた」というような、いい話です。

しかし、ホームステイは、受け入れてくれるホストファミリーに一室を借り、家族として数週間から数か月暮らすことになります。しかし、このホストファミリーに「アタリ」「ハズレ」があるのが現状です。

ホストファミリーとはいえ人なので、合う合わないがありますし、どこのホストも一定の優しさや思いやりを持っている訳ではありません。その家ならではの考え方を持っていて、それが日本人とは合わないということもあります。そこをあらかじめ理解しておきましょう。

2.自分のことは自分でできるようにしておく

ホームステイをするなら、自分の身の回りのことは自分でできるようになっておく必要があります。普段の生活で、親に言われないと何もできないような状態でホームステイをすると、ホストファミリーに迷惑をかけるだけではなく、子供にとっても良い思い出や勉強にはなりません。

ホームステイは自分のことができるようになってから

K.N(20代後半)


わたしはホームステイの仲介に関連した仕事をしていますが、小学生のホストファミリーからのクレームが多くて困っています。まず、自分のことをできない子供が多すぎます。着替えやお風呂などは言われないとしない、朝起こさないと起きない、テレビばかり見て会話をしない、お手伝いをしないなど、最低限のこともできずにホームステイする子が多くて困ります。

子供のホームステイを決めたら、まずは自宅で自分の身の回りのことをする練習をしましょう。困ったことがあれば英語で言う練習をさせ、ママは手を出さないようにしてください。また、海外では子供がお手伝いをするのが常識という国が多いので、料理や皿洗いなどひと通りのお手伝いもさせてください。

また、海外では危険なことが日本より多いので、言われたことをきちんと守れるようにしておくことも大切です。ホームステイ前には、受け入れてくれるホストの迷惑にならないようなスキルを、子供に身に着けさせておきましょう。

3.最低限の語学力を身に着ける

日本人は海外から来た人に対して、相手の言葉に合わせて話してあげる傾向が強いので、海外でもそうしてくれると思いがちです。しかし、海外ではその国に合わせて生活するのが当たり前という傾向が強いので、日本の子供に歩み寄って日本語で説明しようと努力してくれる家庭はごく僅かです。自分の意志を伝えたり質問したりする語学力や、相手の言っていることを理解するリスニング力は、ホームステイを成功させるためには必須です。

いちばんの問題は言葉です

K.N(30代後半)


私の友人3人が、海外へのホームステイを小学生時代に経験させています。1人は英会話教室に数年通っている6年生。後の2人は4年生でほぼ英語は話せません。6年生の子は、何とか楽しんで帰国したようですが、英語のできない4年生のおうちの子2人は散々だったようです。1人の子は英語が嫌いになったとか…。その後にどう影響するか分かりませんが、ホームステイするなら最低限の語学力は必要なんですね。

英語の勉強や、今後の子供の人生をより良くするためにホームステイをさせたのに、海外コンプレックスを抱えて帰ってくるのでは本末転倒です。そうならないためにも、小学生でホームステイをさせるなら、最低限の語学力は身に着けた状態で挑戦させましょう。

4.親子で現地のことを熟知する

もし、子供が通っている英会話教室から進められてホームステイを考えているのなら、行き先について親も熟知しなくてはいけません。文化や考え方、その地域の常識などを子供にしっかり教えてあげましょう。教室に任せっきりにして、お金だけ払うのはとても危険です。

教室では、英語は教えてくれても生活面のことまで教えてくれることはほとんどありません。危険なことや何かあったときの対処法なども、親が考えて教えてあげなくては、ひとりぼっちの子供は海外でストレスを抱えることになります。

5.実績のある業者を選びホームステイ経験者の話しを聞く

まだ子供の小学生をホームステイさせるのですから、必ず実績が多く経験者から話しを聞けるような業者を選ぶようにしましょう。これまでその業者を利用した子に直接話を聞き、実際はどうだったのかを確認して、ホームステイをさせるかどうか検討してください。

しっかり調べればよかった

N.K(30代後半)


シアトルに小5の子供をホームステイさせました。有名な団体を利用したので安心だと思っていましたし、2週間のショートホームステイだったので少し軽く考えていたというのもありますが、子供は最悪だったと言っていました。まずは食事がとても足りず、いつもお腹が空いていた。お手伝いするといっても断られ、昼間は一人でずっと部屋にいたそうです。何をしに行ったか分からないとのことでした。安易にホームステイさせた私がダメでした。

これは、ひとつの団体の中でも「アタリ」「ハズレ」があるので、一概に団体が悪いとは言えません。ただ、こうしたホストファミリーもいるので、小学生を海外でホームステイさせるときは、無料でホームステイ先を変更できるサービスのあるところにしましょう。

安易に何も調べずに見ず知らずの家族に子供を託すのは危険です。事前にやり取りしても失敗するケースがあるので、団体のことやステイ先での過ごし方(交流会がある、昼間は団体行動する)などはしっかり調べて、慎重に検討しましょう。

6.知り合いに頼りすぎない

子供である小学生をホームステイさせたいと思ったら、安心だと思えるのが海外に在住している、日本人の友人や知人を頼るケースです。日本語が分かる人がいれば、子供に何かあれば理解してもらいやすいですし、友人や知人の子供なら無下にできないと思いがちです。しかし、この考え方は海外に在住している人たちには、非常に迷惑なことが多いのです。

ホストの生活も考えて欲しい

M.Y(40代前半)


私はハワイに住んでいるので、友人知人からのホームステイ要請がとても多くて困っています。自分のことができる大学生や社会人ならまだしも、小さな子供を預かってほしいと言われると、正気なのかと思ってしまいます。すべて断りますが、小さい子供を預かるストレスは、ホストファミリーも一般家庭も同じです。何かあってはいけないと、ヒヤヒヤして生活しなくてはいけません。こちらでも、日本の一般家庭と同じように日常生活があるので、安易にホームステイを要求しないでほしいです。

友人や知人に小学生のホームステイを依頼するのは、先方からどうぞと言われたときだけにしましょう。私たちも、人さまの子供を預かれば、1日だけでもとても神経を使います。これは海外に住む家族も同じです。

小学生という年齢では、放っておいても自分で何でもできるわけではないので、寝食のお世話は必要です。どんなにしっかりしている子でも、依頼された側からすると迷惑に感じる人が多いので、海外の友人を頼ってホームステイさせたいなら、親も一緒に旅行として行く程度に抑えた方がいいでしょう。

7.子供がホームステイを希望しているかが重要

海外のホームステイをする場合、言葉に加えて日常生活のことなどをできるようになっておかなくてはいけません。自己主張もしっかりできなくてはストレスを抱えることになりますし、好奇心がないとただ行って時間を過ごすだけになってしまいますし、ホームシックになることもあります。このような状況を乗り切ってホームステイを意味あるものにするのは、親の熱意ではなく子供のヤル気です。

ぜひ行って欲しいです

A.K(10代後半)


わたしは10歳の時にオーストラリアにホームステイしました。不安でしたが楽しみでもあったので勉強もしました。自分がしてみたいと思ったら、英語の勉強もたのしいので続きます。英語が伝わらないことは、ジェスチャーやイラストで伝えられました。お手伝いをすることと、たくさん話すことが大切です。ホームステイは、ヤル気があれば年齢は関係ないとおもいます。

実際にホームステイを経験した、10代からの意見です。このように、子供自身が前向きに考えられるかどうかが、ホームステイにはとても重要です。親が「経験に」と無理やり行かせても、子供のためにはなりません。

8.ホストファミリーになり受け入れ側を経験する

子供に英語を勉強させたい、海外の人と交流をさせたい、と思ってホームステイを検討しているなら、先にあなたがホストファミリーとして海外の子供を受け入れてみるのもひとつの方法です。ホストファミリーを募集している団体は、ネットで探すとすぐに見つかります。

焦らなくて良かった

T.I(40代前半)


小さいうちからネイティブの英語に触れて欲しいという一心で、子供のホームステイを希望していました。しかし主人の反対で行けない状態が続きました。そんな中、ホストファミリーの募集を知り、まずは受け入れる側になってみようとおもいました。主人も賛成したのでホストになってみましたが、日本語の話せない子供と生活する苦労が身に沁みてわかりました。なので、うちの子供の語学力ではホストに迷惑をかけるだろうとおもい、ホームステイは断念。ただ、ホストになってから息子の英語は上達したので、ホームステイにこだわる必要はなかったと反省しました。

まだ小さな子供である小学生を海外に行かせる前に、まずはあなたがホームステイのホストを経験しておけば、子供にどんなことを学ばせておくべきかが理解できます。また、海外の子供を受け入れれば、子供の英語の勉強にもなりますし、交流が続けば人脈作りにもなります。

9.いま本当にホームステイに行くべきか一度冷静に考える

小学生での海外ホームステイは、かなりハードルの高いことです。ホストファミリーの中には、余裕がなくお金をもらえるからという理由で、日本からのホームステイを受け入れている家庭があります。日本で考えるような、アットホームなホストばかりではないということです。小学生で無理をしてホームステイする理由がなければ、中高生や大学に入ってから留学してもおそくはありません

大学のときにホームステイを経験

Y.O(30代前半)


私は英語を勉強して、大学でホームステイを経験しました。30代になった今でもホストファミリーとの交流は続いています。小学生の頃にホームステイしていても、ここまで親しくはなれなかったと思っています。しっかり自分でコミュニケーションを取れる年齢と語学力を身に着けてから行く方が、意味があるような気がします。

確かに、お世話になるだけのホームステイより、ホストファミリーとフェアな関係を築けるだけの年齢で行った方が、その後の人生には役に立つという考え方があります。本当に小学生の今ホームステイをする理由があるのか、一度冷静になって考えてみましょう。

小学生の子供を海外に一人で出してホームステイさせるのは、とても大きな経験になると同時に、危険をはらんでいるということを理解しておかなくてはいけません。子供の性格や語学力のレベルを考えて、今行くべきかどうかを新調に判断してください。

小学生の海外ホームステイは慎重に

小学生でのホームステイ体験談を見ていると、賛否両論あるのが分かります。もし少しでも自信がないと思ったら、まずは家族旅行で海外経験を増やす、団体で寝食するプログラムに参加するなどで海外経験を積むことを考えてみてください。

無理してホームステイをさせて、子供が傷ついて帰ってきては本末転倒です。後悔しないためにも、行かせるのであれば充分すぎるリサーチと、子供の教育をしてからにしましょう。成功すれば、感受性豊かな小学生という時期に、素晴らしい経験ができます。