シングルマザーの生活向上
シングルマザーの生活の実態とは?支出を減らすポイント6
シングルマザーの生活は苦しい?平均的な母子家庭の仕事の状況や年収をご紹介しつつ、その年収で子供1人、子供2人を養育する場合の生活費内訳はどうなるのか、家計簿の一例を公開。収入を増やすのが難しい場合、大切なのは支出を減らすこと。食費、光熱費、通信費、教育費の節約術もご紹介します。
シングルマザーの生活の実態とは?母子家庭は貧困世帯が多い?
ここ数年で社会問題としてクローズアップされているのがシングルマザーの貧困問題です。それを物語るように平成27年4月に報告された厚生労働省による「ひとり親家庭の現状について」では、母子世帯の平均年間就労収入は181万円となっています。
一般世帯の平均就労年収は女性が269万円、男性が507万円となります。数字を見れば一目瞭然ですが、一般家庭の収入よりもかなり低くなっています。
さらに一般家庭の女性よりも収入が少ないのは、やはり仕事に制限があったり、育児との両立は難しかったりすることが考えられます。ちなみに父子家庭の平均年収は360万円なので、まだまだ女性が働きにくい社会であるという事実があるのも否めません。
シングルマザーは生活に余裕があると思われている!?
欧米では母子家庭に対する補助金がかなり高額なうえに優遇制度も充実している国もあり、生活保護で豪遊しているシングルマザーのニュースが話題になることもあります。その影響のせいか、日本もシングルマザーに対する待遇が良すぎると勘違いしている人がいるのも事実です。
確かに、元々お金持ちのお嬢様が離婚をして実家に帰って何不自由ない生活をしているパターン、元夫から多額の慰謝料や養育費を得ているケースもありますが、それはほんの一握りに過ぎません。
児童扶養手当などの支援制度は、子供の扶養者である母親の所得金額に応じて決まります。ですが、支援制度だけで生活できるわけもなく、朝から晩まで働きながら子どもを育てているシングルマザーの方が確実に多いのです。
シングルマザーと子供の生活を支える仕事事情
子供が小さいうちはどうしても出来る仕事が限られてきます。実家暮らしの場合や学童保育に預けることができる場合は良いですが、自分しか子供の面倒を見る人がいないシングルマザーも多いです。
急な発熱や感染症などに対応できるかどうかが仕事を決める条件となり、制限されてしまう場合も多いでしょう。
正社員かパートか?非正規雇用は経済的に厳しい
前出の「ひとり親家庭の現状について」では、母子家庭世帯の平均年間就労収入のうち正規(正社員)の場合が270万円、非正規(パート・アルバイトなど)の場合が125万円と報告されています。
年収125万円だと母子二人の生活だとしても厳しく、その場合は児童扶養手当などが生命線となります。それ以外にも各種控除や補助金が出る地域もあります。
収入や保険関係のことを考えれば、正社員として働きたいというのがシングルマザーの本音でしょうが、特に子供が小さいうちはなかなか正社員として勤務するのが難しいという現状があります。
また、収入面以外ではパートやアルバイトの方が働きやすい環境があるというのも一つの事実です。シフト制であれば勤務時間も自分の都合で決めることができるので、何よりも子供との時間を優先することができます。ただし、やはり将来性は不透明なので、手に職をつけるための勉強をするなどの対策が必要になってきます。
シングルマザー家庭の生活費はどれくらい?
パートで生計を立てているシングルマザーの場合、生活費の内訳はどのようになるのでしょうか。前述の厚生労働省の調査によると、母子世帯の就業率は80.6%、うち正規は43.0%、非正規は57.8%と、シングルマザーは非正規雇用の方が多数派です。
非正規雇用の平均年収である125万円の場合を例に挙げて生活費の内訳を見てみましょう。
子供が1人(小学生)の場合のシングルマザー家庭の生活費内訳
年収125万円、小学生の子供が1人いる母子家庭の家計簿の例です。
児童扶養手当【満額4万2千円】と児童手当(3歳以上)【1万円】を足して、1カ月15万円の収入としてあります。
支出 | 金額 |
---|---|
家賃 | 50,000 |
光熱費 | 10,000 |
保険料 | 5,000 |
通信費 | 9,000 |
学費 | 8,000 |
食費 | 25,000 |
日用品 | 5,000 |
交際費 | 5,000 |
外食費 | 5,000 |
交通費 | 10,000 |
衣料・美容費 | 10,000 |
合計 | 142,000 |
もちろん毎月同額ではないので、赤字の時もあれば貯金に回せる時もありますが、毎月の支出の他にも臨時の支出がある場合に備えておくことは頭に入れておかなければいけないでしょう。
マイカーをお持ちの方は2年に1回の車検代金、車の保険料など、また冠婚葬祭の際のご祝儀や家の補修代金なども臨時支出になります。
また、児童扶養手当は4ヶ月に1度の支給です。貯蓄がない状態では、月々の支払が滞る可能性もあります。
最も大きな支出を占める家賃は地域や公営住宅、実家済みかなどで差がでやすい
支出の中でも大きな割合を占めるのが家賃です。ここでは5万円としていますが、ひとり親家庭に優先権がある公営住宅などを利用することができれば2~3万円に節約できます。
もちろん実家に住めばもっと安く、あるいはタダで済む場合もありますが、その場合は児童扶養手当の支給対象から外れてしまう可能性があります。
学費が子供の成長とともにかかるのが最大の悩み
学費は都道府県によって違いがありますが、公立小学校の場合授業料は0円でも給食費、学用品日、校外活動費などで年間10万円弱と考えられます。新入学する際にはランドセルや学用品を揃える必要があるので、小学校に上がる前にある程度は入学資金を貯めておきたいところです
しかし子供は大きくなるにつれてお金がかかるようになります。すぐに洋服や靴が小さくなってしまったり、習い事や友達との付き合いにお金がかかったり、確実に支出は増えていきます。
子供2人いる場合のシングルマザー家庭の生活費内訳
年収125万円、小学生以上の子供が2人いる場合の家計簿の例です。
児童扶養手当【満額4万7千円】(子供2人目は5000円支給)、児童手当(3歳以上)【1万円】×2人分を足して、1カ月17万円の収入としてあります。
支出 | 金額 |
---|---|
家賃 | 50,000 |
保険料 | 7,000 |
通信費 | 9,000 |
学費 | 10,000 |
食費 | 30,000 |
日用品 | 7,000 |
外食費 | 8,000 |
交通費 | 10,000 |
衣料・美容費 | 12,000 |
合計 | 161,000 |
子供が2人の場合はというと、住宅費は変わらないものの、その他は絶対数が増えるにつれて高くなります。さらに大きくなるにつれて支出も増えることは間違いありません。高校生になれば毎日お弁当が始まりますし、部活費や交際費などもグンと高くなります。
子供が小さいうちは食費や光熱費などにさほど影響はありませんが、子供が一人の場合と一番違うのは何でも2つ必要になるということです。これは兄弟あるあるで、お菓子や玩具など何に関しても1つだけでは喧嘩の原因になります。ただでさえ疲れているのに毎日喧嘩の仲裁をするエネルギーはありません。となればついつい子供の物を買う時は×2が普通になり、その分出費もかさみます。
子供2人=支出が2倍?
子供が1人から2人に増えれば支出も増えるのは否めませんが、単純に2倍になるというわけではありません。
前出の「ひとり親家庭の現状について」によれば、子供の数が増えるにあたり1人当たりの消費支出額が低くなると報告されています。ひとり親家庭の場合、1人当たりの消費支出が子供1人の場合は8万円、子供2人の場合は6.9万円、3人以上だと5.7万円になっています。
シングルマザーが利用できる生活支援制度は要チェック
児童扶養手当やひとり親医療費助成制度などシングルマザー向けの支援を受けている人は多いでしょうが、さらに役立つ支援を利用することも可能です。シングルマザー向けの支援は非常に多岐に渡るので、公的な支援は各自治体で全て確認しておいた方が良いでしょう。
住宅関係では助成金が出たり、公営住宅の入居が優先されたりします。生活全般で言えば、上下水道や粗大ごみに関する減免制度、JRを利用する際の割引を利用することもできます。
またシングルマザーにとっては必須である仕事面に関しても、資格を取得するための費用に給付金が支給されたり、高卒認定試験のための講座に補助金が出たりする制度もあります。
シングルマザー家庭が生活の支出を減らすポイント6つ
シングルマザーだからと言って今の生活が限界だと決めつけるのはまだ早いです!
収入を増やすのは確かに難しいですが、その分生活費を見直してみればきっと改善の余地はあるはずです。
家計簿はマスト!支出の傾向を知り、対策を練ろう
支出をチェックすることで自分の支出傾向が見えてくるので、節約方法がわかります。
忙しくそこまで手が出せないという方でも、レシートは捨てずに、だいたいで良いので、食費・日用品費・光熱費など、いくらぐらいかかっているのかまずは現状を把握しましょう。
スマホの家計簿アプリには、金額を入力するだけで良い、レシートをカメラで写すだけでOKなど、簡単に家計簿をつけられるものもあります。
光熱費の節約を徹底する
電気料金や水道料金などは節約したところでさほど安くはならないでしょ!と思うのは大間違いです。
公共料金は月に500円節約できれば1年で6,000円、10年で60,000円になるので、2か月分の食費を貯められます。
例えば電気料金には時間帯割引があるのをご存知でしょうか?夜間は電気料金が安くなるというプランにすれば、洗濯機や食洗器は寝ている間に回しておけば良いですし、なるべく安い時間帯の間に電気を使うようにすればかなり金額が変わります。
疲れているからこそご飯は『作り置き』をフル活用
最近よく主婦向けの雑誌などで特集されている「作り置き」ですが、これは休みの日に1週間分のおかずを作り置きして平日の家事を楽にするという、働くママにとっては嬉しい節約法です。
まずは献立を決めて材料のまとめ買いをしますが、子どもを連れてスーパーに行くとついつい余分なものを買ってしまうので、買い物に行く回数を減らすだけで節約になります。メインのおかずを5品、煮物や和え物などの副菜を8~10品作っておけば、後は食べる前にササっと準温めるだけで夕飯の準備が出来ます。
仕事終わりに疲れていると、ついつい惣菜や外食などを頼ってしまいますが、作り置きがあればこうした事態も避けられます。時間に余裕もでき、夕食前や後に子供の宿題を見てあげられる余裕も生まれるなど良いことずくめです。
休日に料理をする際は、子供にもぜひお手伝いをお願いしましょう。親子でコミュニケーションが取れます。
スマホ代金は「格安SIM」で節約!通信費大幅減も可能!
家計が苦しいとは言えスマホ無しの生活は考えられないという場合におすすめなのが「格安SIM」です。
最近はCMでもよく目にするように格安SIMを扱う企業が沢山ありますが、そのほとんどがdocomoなど大手キャリアから回線を借りているので、通話状態が悪くなったりする心配もありません。端末はそのままでSIMカードのみを交換すれば、今まで通りに使えて月額を2千円以下に収めることも可能です。
キャリアによっては毎月8千円~1万円という高額な通信料を払っている人もいるはずです。子供が大きくなれば2台、3台と増えていきますが、全員が格安SIMを利用すれば年間で約10万円も節約できます。
公共料金の支払いはクレジットカードを活用
毎月必ず支払いが発生する公共料金は銀行口座振替やコンビニで支払っているという人が多いですが、
実はクレジットカード払いにしてポイントを貯めるという裏ワザがあります。
例えば毎月の公共料金の合計を2万円とすれば年間で24万円になりますが、それをカード払いにすればどのカード会社でも大体2000ポイントくらいは貯めることができます。電気代や水道代を2,000円節約するとなれば大変ですが、支払い方法を変えるだけで得をするなら、使わなければ損です。
クレジットカードのホームページから申し込みができるので、是非切り替えてみてください。年会費が無料で還元率の良いクレジットカードを作るのもオススメです。
シングルマザー家庭だって子供の教育は大切にしたい!教育費節約の裏技
子供が成長するにつれて増える支出が「教育費」です。せっかく子供が自分から「やりたい!」と言ったことは応援してあげたいのが親心。しかし、無理をして家計に深刻な打撃を与えては、逆に将来的な学費への備えを失うリスクがあります。
そこでおすすめしたいのがなるべくお金をかけずに学ぶことができる裏ワザです。費用が高い塾や習いに通わせなくても、子供の力を伸ばしてあげることは可能だと心得ましょう。
自治体の学習会・スポーツ教室は要チェック!
子供の貧困が増えている現状を懸念してか、各自治体での学習支援制度が充実し始めています。
ボランティアによる無料の学習塾や家庭教師を派遣してくれる所もあるので、一度自治体や子育て支援課に確認してみましょう。
また勉強だけではなくスポーツに関しても力を入れている自治体は多く、人気の習い事であるスイミングを始め陸上やバトミントン、卓球など、様々なスポーツ教室が開催されているので、こちらも要確認です。
ボランティアによる無料塾で勉強はもちろん、生き方も学べる
民間の支援団体や各地域のボランティアによって全国で開催されているのが「無料塾」です。
勉強を教えてくれるのは地域の大学生や元教員などが多く、通っている子供達の中には大学生になって講師として戻ってくる子供もいるような温かい雰囲気の塾が多いのも魅力の1つです。
オンライン塾なら通塾より格段に安くつく!
ネットを通じて授業を行ってくれるサービスです。小学生用から大学受験用まで幅広いオンライン塾がありますが、通塾するよりもはるかに低額です。
中には月額1,000円以下のコースもあるので、かなり教育費を抑えられるでしょう。