肉を冷凍保存するメリット
共働き世帯が増えている今、おすすめなのが肉の冷凍保存です。肉を冷凍保存することで、お金と時間の節約ができます。そこで、冷凍保存した肉が、どうしてお金と時間の節約になるのかについて、ご紹介していきます。
肉を冷凍保存することで食費の節約になる
大容量の、手頃な価格の肉を冷凍保存すれば、食費の節約につながります。実際、節約上手な方は、安い肉をまとめ買いしたらすぐに小分けにし、冷凍保存をしている方が多いです。
業務スーパーなどで売られている肉は安いと評判ですが、量がとても多いため、消費期限内に使い切ることが難しいです。ですが、肉を冷凍保存すれば、消費期限を延ばすことができるので、上手に使い切ることができます。
肉を冷凍保存することで買い物の回数を減らせる
冷凍保存する前に、下処理として小分けにしておけば、使い時に使いたい分だけ、解凍して無駄なく使うことができます。
休日に、スーパーで1週間分の肉をまとめ買いして下処理をしておけば、平日の忙しい時間に解凍して、すぐに使うことができますので、スーパーに何度も行く必要がなく、買い物の回数を減らすことができます。
冷凍保存までのひと手間で時短料理になる
肉を冷凍保存する前に下味をつけておけば、料理をする時に解凍して、そのまま使うことができますので、平日の忙しい時間に、短時間で肉料理を作れるので、とても便利です。
冷凍保存した肉の消費期限と栄養素
肉を冷凍保存する上で気になるのが、冷凍した肉の消費期限や栄養素などです。特に消費期限を超えてしまうと、食中毒や食あたりの危険性があります。 そこで、ここからは冷凍保存した肉の消費期限や栄養素について詳しく解説します。
冷凍した肉の消費期限はどのくらい?
家庭で冷凍保存をした肉を美味しく食べられるのは、2週間から、遅くとも1ヶ月程度が目安になります。肉の形状や種類によって、保存期間が変わりますので、保存期間が短い肉ほど、消費期限も短くなります。消費期限の長い順番から紹介します。
種類別
牛肉→豚肉→鶏肉
形状別
ブロック肉→厚切り肉→薄切り肉→ひき肉
市販されている冷凍保存の肉は、業務用冷凍庫でマイナス30度からマイナス40度で急速冷凍されています。そのため、肉の脂肪が変化しにくくなっています。
また、徹底された品質管理の元で加工されていて、雑菌の繁殖が抑えられているため、パッケージにある消費期限が、長めに設定されています。
一方で、家庭用の冷凍庫はマイナス18度前後が普通です。業務用冷凍庫に比べると庫内温度が高いため、肉の脂肪が変化したり、たんぱく質の酸化を防ぐことができません。ですから、自宅で冷凍した冷凍肉の消費期限の目安はありますが、なるべく早めに消費するようにしましょう。
肉の消費期限
賞味期限は肉を4度で保存した場合を基準にしていて、10度になると日持ちに2倍もの差が生じます。
例えば豚薄切り肉の場合、4度で5日もちますが、10度で3日しかもちません。鶏肉はさらに短くなります。(注1)
肉を冷凍保存すると栄養素に変化はあるか
肉を購入してから、すぐに正しい方法で冷凍保存すれば、栄養素や鮮度が失われることを最小限に防いでくれます。肉を上手に冷凍保存すれば栄養素を効率よく摂取することができます。
肉を購入してからすぐに食べない場合、温度の高い冷蔵庫で保存すると、徐々に酸化や乾燥が進んでいきます。そのため、冷蔵庫で保存していると、日が経つにつれて鮮度は失われ、栄養素が減ってしまいますので、すぐに冷凍保存しておきましょう。
肉の冷凍保存のポイント
美味しく肉を冷凍保存するには、急速冷凍の状態に近づけることが必要です。特に、肉は気を付けて冷凍しないと、ドリップと呼ばれる旨味成分が、多く流れ出してしまいます。
ここでは、家庭の冷蔵庫でも、急速冷凍の状態に近づけるポイントをお伝えします。ぜひ参考にして下さい。
冷凍保存する予定の肉を購入する時
肉を購入する時には、できるだけ鮮度の良い肉を選ぶようにしましょう。基本的に、パックに肉汁が出ていないものを選びます。特に、ひき肉の場合は傷みやすいので、色が均一で、濁っていないものを選びましょう。
買い物の順番と保冷に気を配る
肉は温度変化に非常に弱い食材です。そのため、スーパーの店内を回る際には、肉が最後になるように買い物をしましょう。
こうすることで、肉が高い温度に触れる時間が減らせる上に、他の食材に肉が押しつぶされることがありません。
スーパーによっては、無料で氷を配布しています。肉の温度を管理するためにも、氷を当てておくと良いです。
買い物後はすぐに帰宅する
肉を購入した後は、すぐに帰るようにしましょう。特に夏場の場合は、外気温がかなり高いため、徒歩でも自転車でも、肉を購入した際には、保冷バッグに氷や持参した保冷剤を詰めたもの入れ、寄り道せずに帰宅します。
また、車の場合、夏場は車内が外気温よりも高くなりますので、可能であれば、クーラーボックスを積んでおき、氷や保冷剤と一緒に、肉を入れることをおすすめします。
肉を処理する時に注意すること
買い物から帰宅したら、すぐに食べない肉は小分けにして冷凍保存します。少しでも鮮度を保ちながら美味しくいただくために、以下のことに気を配りましょう。
肉を処理する前に手や調理器具を除菌する
肉を処理する前には、手をしっかり洗いましょう。指や爪の間、手首までしっかり石鹸を使って洗い、きれいに流すと雑菌を減らすことができます。
また、塩素系漂白剤や、市販されているキッチン用除菌スプレーを使って、包丁やまな板などの調理器具も、しっかり除菌します。
違う種類の肉を切る場合には、その都度洗って除菌しておくことが大切です。品質管理を徹底することで、食中毒になる確率を減らすことができます。
保存容器を除菌する
タッパーなどの保存容器を使う場合は、あらかじめ水に塩素系漂白剤を溶かして、漬け置きしましょう。その場合は、きちんと水と漂白剤の分量を量って入れます。
薄すぎると効果がありません。また、耐熱性のあるタイプなら熱湯をかけて消毒しても良いです。
肉をキッチンペーパーで拭く
パックから取り出した後は、肉の表面をキッチンペーパーで拭きましょう。肉の表面についている肉汁などの水分を拭き取ることで、肉の風味を損なわず、臭みを取ることができます。
肉を冷凍保存する時に注意すること
肉を冷凍する前に、ほんのひと手間かけることで、鮮度と栄養を保ったまま、冷凍保存することができます。
空気に触れないように保存する
冷凍庫の中では、しっかり密閉して、できるだけ空気に触れないようにしなければ、肉が乾燥や酸化によって冷凍焼けしたり、霜が付きやすくなってしまったりします。
そのため、ラップでしっかり肉を包んでから、ジップロックなどの密閉できる保存袋に入れ、空気をストローで抜き出しましょう。
早く冷凍状態にするためアルミのトレーなどに並べる
冷凍するときにぜひ使ってほしいのが、アルミのトレーです。アルミは熱伝導率が良いため、保存袋に入れた肉を上に置いて冷凍することで、早く冷えるため、急速冷凍の状態に近づけることができます。
アルミトレーがない場合
アルミのトレーの代用となるのが、アルミホイルです。ラップでしっかりと肉を包んだ上から、アルミホイルでさらに包むと、アルミのトレーの代用となります。
肉を小分けして冷凍する
肉を冷凍保存する際には、なるべく平たく小分けして、冷凍保存すると良いです。肉が厚い状態だと、中まで冷凍できるのに時間がかかってしまいます。また、解凍するときにムラができてしまうため、肉の質が低下してしまいます。
急速冷凍機能を使う
新しい冷蔵庫には、急速冷凍の機能がついていることがあります。自宅の冷蔵庫に急速冷凍の機能がついているのであれば、ぜひ活用しましょう。
普通の冷凍よりも低い温度で素早く冷凍してくれるので、美味しく肉を冷凍保存できます。
種類別!肉の冷凍保存方法
一言で肉といっても、種類によって形状が異なるため、それぞれ適している冷凍保存の方法が違います。ここでは、種類別の肉の冷凍保存方法についてご紹介します。
ひき肉の冷凍保存方法
表面積が大きいため、傷みやすいひき肉は、早めに冷凍保存をしておくと安心です。冷凍する際には1回分をラップで包んで、保存袋に入れます。
直接、密閉できる保存袋に入れてから平たく伸ばし、仕切り板や箸で等分に筋をつける方法もおすすめです。使いたい分を凍ったまま折って使用できるので、とても便利です。
薄切り肉の冷凍保存方法
火の通りが早く、使い回しがきくため、冷蔵庫に常備しておきたいのが薄切り肉です。薄切り肉は数枚ずつラップで小分けにして、密閉保存袋に入れて冷凍すると、使いたい時に少量ずつ使うことができます。
薄切り肉を固まったまま冷凍すると、解凍した時にムラが生じてしまいます。ある程度ほぐして平らにしてから冷凍すると、早く綺麗に解凍することができます。
固まり肉の冷凍保存方法
固まり肉は厚みがあるため、そのまま冷凍保存すると、うまく解凍することができません。そのため、1回に使う量に切り分けて、ラップで包んで保存袋に入れて冷凍しましょう。
厚切り肉の冷凍保存方法
ステーキ肉などの厚切り肉は、筋切りをしてから1枚ずつラップに包み、保存袋の中で重ならないように冷凍します。
重ねて冷凍すると、肉同士がくっついてしまう可能性があるので注意しましょう。また、冷凍する前に塩を振って下味を付けておくと、簡単に美味しく調理できます。
鶏ささみの冷凍保存方法
脂肪分が少なく、良質なたんぱく質が摂れる鶏ささみはとてもヘルシーです。そのため、冷凍保存して常備しておくと便利な食材です。
生で冷凍する場合
キッチンペーパーで水分を取り、筋を取っておくと、解凍後の手間が省けます。ラップで1回分を包んでから保存袋に入れて冷凍しましょう。
茹でてから冷凍する場合
茹でる時には、塩を少量入れたお湯を沸騰させてから、8分前後茹でます。茹で上がった後は水気を拭き取ってから食べやすい大きさに割き、使いたい分だけラップに包んで保存袋に入れて冷凍します。
茹でた鶏ささみを常備しておけば、サラダのトッピングや、炒め物の具材としてすぐに使えて便利です。
鶏もも肉・胸肉の冷凍保存方法
もも肉や胸肉は、1枚が分厚く大きいので、冷凍する前に切り分け、1回分ずつに小分けした物をラップで包んで保存袋に入れましょう。
大容量で、安く売られていることが多い鶏もも肉と胸肉は、冷凍保存の方法を覚えておくと食費の節約になります。
冷凍肉の上手な解凍のコツ
肉を美味しく食べる上で冷凍保存の方法も大切ですが、同様に、肉の味を左右するのが解凍方法です。正しい方法で冷凍しても、解凍のやり方が間違っていると、ドリップと呼ばれる赤い汁が多く出てしまい、肉の旨味や甘味が失われてしまいます。そこで、肉を美味しく食べるための解凍方法についてご紹介していきます。
冷蔵庫でゆっくり自然解凍する
最もおすすめの肉の解凍方法は、冷蔵庫の中で解凍させる方法です。冷蔵庫の中は冷凍庫よりも温度が高く、室温よりも温度が低いので、ゆっくりと解凍することができます。
ゆっくり解凍すれば、ドリップの流出を最小限に防げるので、美味しく食べることができます。ただし解凍されるまでに時間がかかるため、食べる前日か朝には、冷凍庫から冷蔵庫へ肉を移しておきましょう。
また、解凍する際には完全に解凍するより、半解凍程度で調理をするとドリップが流れ出さず、旨味が逃げません。さらに雑菌の繁殖を防ぐことができます。
流水で解凍する
時間がない時は、流水解凍だと早く解凍することができます。肉に水がかからないように、袋に入れて密閉した後、水を張ったボウルに浮かべて、上から少しずつ水を流して解凍していきます。
こうすることで、水は氷よりも温度が高いので、氷が解けていきます。また、こちらの方法は、徐々に解凍されるので、ドリップの流出をある程度抑えることができます。
電子レンジで解凍する
短時間で冷凍保存した肉を解凍したい場合には、電子レンジで解凍しましょう。電子レンジの解凍モードなら、解凍しすぎを防ぐことができます。解凍モードがない電子レンジの場合、500wで様子を見ながら解凍しましょう。
電子レンジで解凍する際には、ドリップが出やすいので耐熱皿に肉を移して、保存袋やラップを剥がして温めます。皿を下に敷いておけば、流れ出してしまったドリップで、電子レンジが汚れません。
ただし、電子レンジで解凍する場合はムラができやすく、温めすぎて、肉に熱が通ってしまうことが多々あります。そのため、肉本来の味を楽しみたい場合には、冷蔵庫での自然解凍か、流水解凍がおすすめです。
時短料理に使える!肉を冷凍する前に下味をつける
冷凍保存する前に下味を付けておくと、肉にしっかり味が染み込みます。肉をそのまま解凍して調理するだけで、手軽に1品料理を作ることができ、時短料理にもつながります。こちらでは、手軽で美味しいおすすめの下味の付け方をご紹介します。
鶏肉は塩と酒を揉み込む
鶏肉を漬け込むときには塩と酒を少量揉み込んでおきましょう。塩と酒が水分の多い鶏肉の臭みを取ってくれるので、美味しく食べることができます。ビニール袋の空気を抜いておくと、より下味がつきやすくなります。
作り方
- 鶏肉はキッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取る
- ビニール袋に1を入れ、塩と酒を適量入れて揉み込む
- 10分程おいたらラップに包んで冷凍保存する
焼肉のたれで簡単味付け
市販されている焼肉のたれで肉に下味をつけるので、調味料を1つずつ計量しなくても良いのでとても簡単です。濃い味付けなら、男性も満足できるボリューム感のある料理を作ることができます。
作り方
- お好みの焼肉のたれと肉を用意する
- ビニール袋に焼肉のたれと肉を入れ、よく揉みこむ
- 5~10分たったら冷凍保存する
解凍してから、刻んだキャベツやニンジン、モヤシなどの野菜と一緒にフライパンで炒めれば、あっという間に、たれの染み込んだ美味しい野菜炒めが完成します。
また、ホルモンや焼き肉用の肉など、数種類を漬け込んで冷凍しておけば、お家で本格的な焼肉を味わえます。冷凍保存する前に漬けこんでおくことで、肉の臭みが取れ、美味しく食べることができます。
冷凍保存と時短レシピで時間に余裕が持てる
肉を正しい知識で冷凍保存すれば、栄養素を逃すことなく美味しく食べられます。さらに、買い物や料理にかける時間をカットでき、安い時にまとめ買いすることで、食費の節約にもつながります。
冷凍保存したお肉を使った時短料理だけではなく、他の料理も時短できれば、家族との時間を豊かにできます。魚を冷凍保存しておいしく食べる!や、時短料理だけど激的美味しい!の、子供が喜ぶ時短レシピを参考に、他の時短料理にもチャレンジしてみましょう!
参考文献