もしかしてうちの子愛情不足?愛情のすれ違いはない?
愛情不足の子供は行動にそれが現れる場合があります。親子の愛情というものは、いつもお互いに揺るがない信頼関係でつながっているのが理想ですが、現実には子供が求めるだけ充分に愛情表現できる時間が確保できない、あるいはその方法を知らない、子供が両親からの愛情を感じられないというケースがあります。
また、パパママとしては子供に愛情を伝えているつもりでも子供の受け止め方とは噛み合わなく、一方通行になってしまっている場合もあります。
乳幼児期は、親や周囲の大人とのつながりによって情緒や人格を形成する土台となる大切な時期です。この時期の愛情不足は、その子供の一生を左右するほどの深刻な問題をのちのち引き起こす可能性もあります。
親子間の愛情のすれ違いをなくすためにも子供の発するサインは見逃さないよう、もし愛情不足のサインが出ていたら子供への接し方を工夫することが必要です。
親からの愛情不足が子供に及ぼす影響は想像以上に大きい
愛情不足を乳幼児期に感じて育った子供は、健全な情緒の発達をすることができずに大人になっていきます。自己肯定感や自尊心が異様に低く、自分のことも周りの他の人のことも信頼できないために、大人になってから人間関係で相当な苦労をします。
具体的には、以下のような傾向が出ます。
- 人との関わり方を知らない、上手にできない、適切な距離感がうまく保てず、周囲との摩擦が起きやすい。
- 心を許せる友人を作ることも、恋愛をすることも難しくなる。
- 友人や恋人ができても冷淡すぎるかその逆に執着しすぎるかの極端な言動をとってしまい、良好な関係を維持することが難しくなる。
それらの結果、生きにくさを抱えることになりがちです。
乳幼児期の愛情不足は、その子供の生涯にわたり良くない影響を及ぼす可能性をはらんでいます。親は日頃から子供の様子を注意深く観察して、おかしいなと感じたらすぐに対処するようにしましょう。
また、周囲にそのような子供がいると気付いたときには、救いの手を差し伸べる勇気も必要です。
要チェック!愛情不足の子供の7つの特徴
愛情不足を感じている子供が出している代表的なサインには、以下のようなものがありますが、必ずしも愛情不足とは限りませんので、あくまでも目安としましょう。
いつも見られるしぐさや行動の場合や、やめるよう促しても繰り返すような場合は、愛情不足の可能性が高いので、親の接し方も注意が必要です。
1.無意識に指しゃぶりや爪噛みをしている
子供が甘えたいのに甘えられないとき、信頼できる大人からの愛情不足を感じている子供の多くが指しゃぶりや爪噛みをします。
卒乳や断乳間もない時期や下の兄弟が生まれた、パパママと離れて過ごした、などの一時的な愛情不足を子供自身が感じたとき、情緒不安定になったときにも指しゃぶりや爪噛みがでてくる場合があります。
一時的な行動ではなく、常に指を口に持っていくような動作がみられるときには注意が必要です。
2.喜怒哀楽が顔に出ず無表情になっている
愛情不足の子供はいつも表情が固かったり無表情で、子供らしいのびのびとした感情の表現を言葉からも表情からも感じとることが難しいです。
乳児期からの親とのコミュニケーションが慢性的に不足して育っているために、感情をうまく表現をうまくできません。
3.親には甘えず他の大人にやたら甘える
両親からの愛情が不足していると、自分の親以外の大人にやたらにまとわりつき、甘えようとします。他の子供の親をその子から奪うような言動や、注意を独占しようとむきになるような言動がみられることがあります。
初対面から異様に距離感が近く、また、その人を独占しようとするので大人からすると違和感がありますし、馴れ馴れしい、図々しいと受け取られることがあります。
4.親には頼らずに自分で全部やろうとする
愛情不足の子供は、やたら甘えるのとは正反対に、なんでも全部自分ひとりでやろうとする様子が見られることがあります。できることであってもわざと大人に「できない」「やって~」と甘えることで、愛情確認しようとする子供がほとんどですが、すべてを自分でやろうとする意志があまりにも強すぎる子供は、甘えることを許されない、または受け止めてもらえないと思い込んでいる子供である可能性もあります。
ただし、元々頑固だったり、自分で何でもやりたがる性格の子供である場合もあるので、すべてがあてはまるわけではありません。
5.情緒不安定で気持ちが安定していない
情緒が安定しておらず、以下のような行動が見られることが多いです。一時的なものであれば問題ありませんが、日ごろから見られる行動の場合、注意が必要です。
- 怒りっぽい
- おどおどしている
- 落ち着きがない
- 暴言暴力がある
- 物を投げたり壊す
- ちょっとしたことで大げさに泣き叫ぶ
- 嘘泣きをする
- いつも不安で自信がなさそうに振る舞う
- 眠りが浅くよく夜泣きをする
6.嘘をつくことが日常化している
愛情不足で子供が寂しい思いをしている場合、周囲の関心を自分に引きつけようとしてありもしない作り話をしたり、物事を大げさに誇張して話すなどして、どうにか自分に注目を集めようとします。
過去に嘘をつくことで周囲の注目を集めることに成功した経験のある子は、さらに嘘に嘘を重ねるようになってしまいます。
7.物を隠して注意を引こうとする
物をわざと隠したり、わざと捨てる、どこかへ置いてくるという行動をとることがあります。物がなくなったといえば親や周囲の注意を引くことができ、かまってもらえるからです。
嘘をつく行為と同じく、寂しさからこのような行為を繰り返すのが特徴です。
愛情不足の子供のサインに気づいたら親としての接し方の見直しを!
子供からの愛情不足のサインに気づいたら、親の普段の接し方を見直しする必要があります。子供と一緒に過ごす時間を確保し、過ごし方や接し方にも気を配りましょう。親自身が子供の気持ちに気づくことさえできれば大丈夫です。
対処としてはシンプルに、子供を思いっきり甘えさせるだけです。信頼できる大人に思いっきり甘えたい気持ちをぶつけることができ、それを受け止めてもらえれば愛情不足もスッキリ解消します。
子供が愛情不足を感じているときのサインには段階があります。早めにサインに気づくことが大切です。
初期のサインの段階で気づいてあげよう
初期は甘えるような言動がよくみられます。指しゃぶり・爪噛み、親以外の大人に執着し甘える、今まで言わなかったようなわがままを言って大人を困らせる、というようなことです。
初期段階で子供からのサインを見逃してしまうと、次の段階は大人を困らせるような行動に発展します。嘘をつく、モノを隠す、暴力的になる、反抗的になるなどです。この段階を通り過ぎてしまうと、最終的には情緒不安定さがいっそう増し、それと同時に感情表現や表情が乏しい状態になります。
初期の甘えのサイン、遅くても次の段階の困らせるサインで子供の様子がおかしいことに気づき、対処しなければいけません。
必読!愛情不足を感じさせない接し方のポイント
子供に伝わる愛情表現は、「時間」もある程度は必要ですが、それ以上に「質」「内容」「方法」がポイントです。
仕事を持ち忙しく働いているママも多くなりました。仕事を持っているママの子供の全員が、愛情不足が原因で指しゃぶりをしているかというとそんなことはありません。忙しく働いているママでも、限られた時間の中で子供にちゃんと愛情を伝えることができている人はたくさんいます。その理由は、子供に愛情を伝える「方法」を工夫して「質」を高めているからです。
子供と接する時間が限られているママはもちろんですが、そうでないママにも知っておいてほしい、子供に愛情不足を感じさせない接し方の3つのポイントとテクニックを解説します。
1.スキンシップを常に意識する
子供とのスキンシップや触れ合いを重視します。おうちの中での普段の遊びや、外出時も触れ合いを意識しましょう。子供が「抱っこ~」とせがんだときには可能な限り応えます。そんな心の余裕すらないという人や、そもそもスキンシップが得意でないという人には、1日の決まったタイミングで抱きしめるルールを設けることをおすすめします。
夜寝る前や朝起きた時、お出かけ前、帰宅した時などなど一日の決まった行動の決まったタイミングでぎゅっと抱きしめ、子供に毎日大好きと言うことを伝えてあげましょう。このルールを設けておけば、最低でも1日数回のスキンシップをとることができます。
簡単な方法として、ハイタッチや握手もおすすめです。ちょっとしたタイミングでママとタッチするのも子供はとても喜びます。
2.子供の話に集中して共感してあげる
子供は大好きなパパママに自分の話をするのが大好きです。パパママに自分のことを一生懸命伝えようとしますので、どんなに忙しくても、家事の手を止めて1日5分でも10分でも子供の話を集中して聞いてあげましょう。
ただし、せっかく話を聞いていてもスマホをいじりながら「へえ」「ふーん」だけでは、子供の心は満たされません。以下に子供の心が満たされるテクニックを2つ紹介します。
共感のあいづちを効果的に使う
「そうなんだ」「それはすごいね~!」などの「共感のあいづち」が効きます。共感を示すには子供の言葉をA.言葉をオウム返しに繰り返す方法と、B.言葉を言い換える方法があります。
あいづちの例
子供「きょうね、幼稚園で〇〇くんとね、すべり台で遊んで面白かった」
A.パターン「そうなんだ、すべり台で遊んで面白かったんだ」
B.パターン「そうなんだ、園庭のすべり台ってピンクの?あれ面白いよね」
上記の会話の例でもわかるように、Aパターンでは「面白かった」という子供の感情に共感部分をフォーカスできますし、Bパターンは共感を示しつつ、子供に次の言葉を促しやすい返し方です。
話し手の感情を繰り返すあいづちはダイレクトに相手に共感の意を伝え、安心感を与える効果があるので、たった一言で子供の気持ちに寄り添うことのできます。意識的にどんどん使ってほしい方法です。
目線やしぐさでも共感を示す
表情や目線、しぐさ、声のトーン、身振り手振りといった言葉以外で共感の気持ちを伝えることもできます。4つのポイントを意識します。子供の話を聞くときには、オーバーリアクション気味のほうが子供にはきちんと伝わります。
- 子供の話を聞くときには目線を必ず合わせます。
- 子供の表情や、声のトーンに合わせます。楽しい話は楽しそうに、怖かった話は怖がっている表情で聞くのです。
- 抱っこしながら、あるいは手を握りながら話を聞きます。
- リアクションは大げさすぎるくらいでちょうどよいです。
3.子供と一緒に何かをするだけで愛情不足が解消することも
普段の普通の生活の中で、一緒に何かをする時間を意識的に作ります。子供と一緒に何かをすると会話やスキンシップが自然とできますし、子供もママとの一体感を感じることができますから、愛情不足気味かな?というようなときには特別なことでなくても一緒に何かをするだけで解消に向かいます。
特別なイベントを計画する必要はありません。普段の生活の中でママ・子供双方がwin-winになるような時間や体験の共有を目指します。具体的には、子供の勉強が勉強をしている隣に座って家計簿をつけたり、一緒に洗濯物をたたむというようなことです。
食事の準備や片付けは小さい子供でも頼めることがあるので、特におすすめです。お皿を運ぶ、テーブルを拭くなどちょっとのことでも大げさに褒めます。子度が感じている愛情不足も解消し、かつ「助かったよ!」「お手伝いしてくれてありがとう」とママから褒められることで子供の自己肯定感も得られますし、自信にもつながるしといいことだらけです。
子供の程よい距離感を見極めて接して愛情不足にならないようにしよう
子供の性格や個性によって、親からの愛情不足かどうかの受け止め方は一人ひとり異なります。その子その子の「程よい距離感」というものがありますから、親の一方的な目線で「これくらいでいいだろう」ではなく、その子の求める「程よい」に答えることが必要です。
中には、元々人との関わりを全く求めない子供もいますし、逆に甘えん坊の子、依存心の強い子、自立心の強い子などさまざまです。
親の一方的な目線で「これで大丈夫だろう」と決めつけることをせずに、子供の求めている「程よい」を見極めながら子供と接していくようにしましょう。
噛み付き癖のある子供は、愛情不足が原因ではない場合があります。子供が噛むのは愛情不足だけじゃない?心理状態や対処法を参考にし、噛み付き癖を解消しましょう。