自己肯定感が低いとは?自己肯定感って何?
自己肯定感が低いとはどういうことか分かりますか?自己肯定感とは、自分の価値を認めることによって自己を肯定する感情のことです。自己肯定感を持つことで、自分のことを大切な存在だと感じ、悪いところも含めて自分を認めることができます。
社会性や人間性の基礎となる自己肯定感があることで、自信を持って前向きに社会生活を送ることができるため、自己肯定感は子供の成長にとってとても大事な感情なのです。
自己肯定感は周りのとの関わりの中で高めることができます。特に、自己肯定感の土台が作られる0~6歳の期間は、親との関わりがとても重要となります。
子供の自己肯定感が低いのか高いのかチェックしてみよう
自己肯定感が低いのか高いのか、うちの子はどうなのだろうと迷った場合、まずは次の項目のうち当てはまるものにチェックを付けてみてください。
当てははまる項目が多いほど、子供の自己肯定感が高いといえます。
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自己肯定感が低い子供と高い子供の違い
自己肯定感が低い子供は、自分に対して否定的になりやすいのに対して、自己肯定感が高い子供は、ありのままの自分を受け入れることができるのが特徴です。
そのほかに、自己肯定感の低い子供と高い子供の特徴には、次のような違いがあります。
自己肯定感の低い子供の特徴
- 自信がなく劣等感が強い
- いつも何か不安を感じている
- 他人との関わりが苦手
- 怒られると極端に落ち込む
- 褒められてもあまり喜ばない
- いつも人の顔色を伺っている
- あまり自分の意見を言わない
- 何事もすぐに諦めてしまう
自己肯定感が高い子供の特徴
- どちらかといえば自信家
- 何事においても楽観的
- 他人と気軽につきあえる
- 怒られてもあまり気にしない
- 褒められると素直に喜ぶ
- 人と自分を比較しない
- はっきり自分の意見を言う
- 何事にも積極的に挑戦する
自己肯定感が低い子供は、自己評価が低く自信を持てないことから、他人と関わりに不安を感じるほか、「自分はダメな人間だ」と自分のことを責めてしまうことがあります。さらに、自己肯定感の高い子供に比べて、必要以上に落ち込みやすく、積極性が低い傾向にあります。
一方で、自己肯定感の高い子供は、自己評価が高く、自分に自信があるため、必要以上に他人の顔色をうかがったり、人の目を気にしすぎたりすることはありません。また、何事にも前向きなため、失敗を恐れず、興味のあるものに積極的に挑戦することができます。
子供の自己肯定感が低くなる親の接し方
子供の自己肯定感が低くなってしまう原因の一つに、幼児期の親との関わり方があります。子供は自分の存在意義を見出すことで、自己肯定感を高めることができます。
反対に、自分の価値を見つけられない子供は、「自分は誰にも必要とされていない」「自分なんかいない方がいい」と感じるようになることで、自己肯定が低くなってしまうのです。
子供が自己肯定感を低くしてしまう親の関わり方には、主に次のような5つの特徴があります。
1-子供に愛情を示さない
子供は、幼児期に親が十分に愛情を注ぐことで、誰かが自分に関心を持っていると感じられるようになり、情緒の安定につながります。さらに、自分がいないと困る人がいるということを認識して、自己肯定感が高まるのです。
しかし、その時期に十分な愛情が受けられないと、自分が大切にされていないと感じるようになって、徐々に自分の存在意義が感じられなくなってしまいます。
2-子供を褒めない・認めない
自己肯定感は、子供が自分一人で身につけるものではなく、親に褒められたり、評価されたりすることによって高まるものです。そのため、どんなに子供が頑張ったとしても、親など周囲の大人から褒めてもらえなければ、子供が自分の価値を見出すことができないのです。
「○○ちゃんがいてくれて嬉しい」のように、子供がちゃんとママの意識の中にいるということを伝えると、自分の存在が認められていると感じて、子供の中の存在意義が高まります。
3-子供の自尊心を傷つける
自尊心とは自分を大切に思う気持ちのことで、人は自尊心が傷つくと、自分を高く評価することができなくなるため、結果的に自己肯定感の低下につながります。「過小評価する」「過去の失敗を持ち出す」「人前で恥をかかせる」などのほか、無視や高圧的な態度も自尊心を傷つけてしまいます。
小さな子供にも自尊心はありますし、子供だって自尊心は傷きます。子供にも立派な人格があるということを忘れずに、相手を尊重して接することも必要なのです。
5-過干渉や過保護
過干渉や過保護は、一見すると子供に愛情を与えているようですが、実は、過保護な親は、子供ができることでも、先回りして全部やってしまうことから、子供は親から「何もできないダメな人間」と否定されているように感じることがあります。
過干渉や過度な口出しによって親が子供の自由を奪ってしまうと、子供自身が考えて行動する機会が極端に少なることから、子供は自信が持てなくなって自己肯定感が低下してしまいます。
子供の自己肯定感は修復が可能です
自己肯定感は、一度低下してしまうとずっと低いままという訳ではありません。親のかかわり方次第で、自己肯定感を修復することは可能なため、気になることがある場合は見直して、改善するように心がけましょう。
自己肯定感が低い子供の肯定感を育てる10のコツ
子供の自己肯定感は、放っておくと勝手に身につくものではありません。親や周囲の大人が、大切に育てていくことによって、次第に子供が自分自身を肯定する感情として備わっていくのです。
「子供にどのように接していいのか分からない」というママは、次の5つのポイントを参考にして、子供の自己肯定感を伸ばしてあげましょう。
1.達成感を経験させる
子供の自己肯定感を上げる方法の一つとして達成感があります。無理かなと思うようなことでも、自分一人の力で成し遂げることによって、「やればできる」「次もまた頑張ろう」という気持ちを持つことできます。
ただし、たとえ子供ができなかったとしても、がっかりしすぎたり、子供を責めたりしないように注意しましょう。親に落胆されることで、子供が失敗することを恐れるようになってしまいます。
2.上手に褒める
子供は、褒められると親に認められたと感じて、自信を深めていきます。一生懸命取り組んだことや頑張ったことを肯定されることによって、「もっと頑張ろう」「もう一度チャレンジしてみよう」と失敗しても前向きな気持ちになることができるのです。
子供を褒める際は、何となく漠然と褒めたり、他の子供と比べたりするのはNGです。結果よりも子供が頑張った過程に着目し、子供にも分かるように具体的に褒めることが大切です。
3.子供の存在を認める
子供に自信をつけさせるために褒めることはもちろん大切ですが、それと同じくらい重要となるのが承認欲求を満たすことです。承認欲求とは、「誰かから認められたい」と感じる欲求のことで、人は他者から承認が得られないと劣等感が強くなったり、情緒が不安定になる傾向にあります。
例えば、「○○ちゃんがママの子供で幸せ」と伝えることで、子供は「自分はママの特別な存在」と感じるようになるため、自己肯定感が高まります。
4.頭ごなしに叱らない
子供は、褒めるだけではなく時には叱ることも必要です。しかし、子供の言い分も聞かずに頭ごなしに叱ると、子供とはいえ自分が否定されたと感じてしまいます。特に、過度に感情的になったり、大声で威圧したりするような叱り方には注意が必要です。
子供を叱るときは、子供の悪かった点だけを叱るようにします。くれぐれも、子供の人格を否定することがないよう、物事の善悪について教えることを心がけましょう。
5.子供の話をちゃんと聞く
人前で自分の意見を言うことは、子供の大きな自信につながるため、できるだけ自己主張の機会を与えることが大切です。自己主張が上手にできないと、自分の意見が伝わらないことで、周囲から理解されにくくなるため、子供のストレスとなる場合があります。
子供はまだうまく伝えることができずに、大人にとって理解しにくい話をするかもしれませんが、子供の自己主張を引き出すためは、子供の話を途中で遮らないよう最後まで聞くことも大切です。
自己肯定感が高すぎることによる5つのデメリット
子供の自己肯定感が低いと、自分に自信が持てなくなって、人間関係をうまく築くことができなくなってしまいます。しかし、自己肯定感は高ければ高いほど良いという訳ではありません。
自己肯定感が高すぎると次のようなことが問題になるため、必要以上に褒めたり自信をつけさせたりすると、自分を過大評価することによって、周囲との軋轢や思わぬ挫折を招きかねません。
1-自己中心的になりやすい
自分に自信があって何事にも積極的な子供は、自分の気持ちに正直に行動する一方で、自分の気持ちを優先しすぎることで、相手の気持ちを考えることができなくなることがあります。
周囲を無視した横暴な態度をとり、いわゆる「空気が読めない」状態に陥ると、周囲の人が離れていって孤立してしまうケースも少なくありません。
2-自分を過大評価してしまう
自己肯定感は人から褒められることで伸びるとはいえ、あくまでも自己評価でしかありません。自分の物差しで判断することから、自分を客観視できなくなることで過大評価につながります。
実力以上に「自分は何でもできる」と思い込んでしまうと、物事を慎重に対処することができないほか、他者から思うような評価が得られないことで、大きな自信喪失につながる可能性があります。
3-他者への思いやりがない
自信を持ってさまざまなことに挑戦し、成功を体験することで自信を深めると、できない人や自己肯定感が低い人を理解できなくなる可能性が高くなります。
人には得て不得手があって、自分が当たり前にできることができない人もいます。そのような他者との違いを理解させて、弱い立場の人を思いやることの大切さを教えることも重要なのです。
4-反省をしない
自己肯定感が高い子供の長所の一つが、失敗してもクヨクヨしないことですが、時にはその長所が短所となって、失敗した際に反省しないことで、同じ失敗を繰り返す可能性があるのです。
反省しない子供は「なぜ失敗したのか?」と考えないため、問題となった点が改善されないことから、重要なのはただ反省するのではなく、失敗を次に活かすことを学ばせることだといえます。
5-人に感謝することができない
自己肯定感が高すぎる子供は、何事においても自分一人の力で成功したような気になるため、周囲の人への感謝を忘れてしまいがちです。
さらに、周囲の人のことを考えることができないことで、自分が間違ったことをしてしまった時に、「ごめんなさい」が言えない子供もいます。
自己肯定感が低い子供には自己有用感を高めてあげる
自己肯定感と似た感情に自己有用感があります。自己肯定感が自分自身を肯定する感情なのに対して、自己有用感とは、自分は他者の役に立つ人間だと感じることをいいます。
自己肯定感と自己有用感には、次のような大きな違いがあります。
自己肯定感と自己有用感の違い
自己肯定感:自分自身への評価によって得られる
自己有用感:他者からの評価によって得られる
自己肯定感は、自己評価だけが高くなってしまうと、自身への過大評価や、他者の評価とのギャップが起こりやすくなります。一方で、自己有用感を高めることは、他者と関わりを持つ中で社会の一員としての自覚につながり、それにより自信が深まることで自己肯定感が身につきます。
そのため、単に子供を褒めて自己肯定感を身につけさせるよりも、先に自己有用感を獲得した方がより強い自信を身につけることができるのです。
子供の自己有用感は、自己肯定感のように褒めるだけでは身につきません。異年齢交流などを積極的に行うほか、子供の自信を高める5つの方法を参考にして、子供にしっかりと自信と社会性と身につけさせましょう。