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スナップエンドウの栄養

2025.6.24

スナップエンドウの栄養を正しく知ろう:茹で方や保存法で変わる栄養価と美味しさ

スナップエンドウは豆とさやの両方を食べられる特徴を持ち、シャキッとした食感と甘みが魅力です。栄養価はたんぱく質や食物繊維、ビタミンCや葉酸などバランスよく含まれており、茹で方や保存法によってその美味しさや栄養価が変わります。調理の工夫で色鮮やかに仕上がり、家庭の食卓に彩りを添える食材としても人気です。

目次

スナップエンドウの基本情報と栄養価

スナップエンドウとは?さやえんどうや絹さやとの違い

スナップエンドウは、グリーンピースを改良して生まれた野菜で、豆とさやの両方を食べられる点が特徴です。シャキッとした食感と、ほんのりとした甘みを併せ持ち、さまざまな料理で活躍します。日本では1980年代から本格的に普及し、春から初夏にかけて旬を迎えることが多く、家庭の食卓でもよく見かける食材です。

一見するとさやえんどうや絹さやに似ていますが、異なる点も多くあります。さやえんどうや絹さやは、豆が成熟する前に収穫されるため、平たい形状でさやの部分がメインです。対してスナップエンドウは、豆がふくらんでおり、丸みのある見た目とボリューム感が特徴です。食感においても、スナップエンドウはさやが厚く、より歯ごたえがあります。

加熱しても色が鮮やかに残ることから、見た目にも美しい料理に仕上がります。さっと茹でてサラダや和え物に使ったり、炒め物やスープに加えるなど、調理法の幅が広い点も魅力です。近年では冷凍品やカット済み商品も流通しており、手軽に利用しやすい野菜として定着しています。

可食部100gあたりの栄養成分表に基づく主な栄養素

スナップエンドウには、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。特に、豆とさやを同時に食べる構造上、異なる栄養が一度に摂取できる点が特徴です。以下は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)に基づく、生のスナップエンドウ100gあたりの主な栄養成分です。

成分 含有量(100gあたり)
エネルギー 43kcal
水分 85.5g
たんぱく質 2.5g
脂質 0.1g
炭水化物 10.0g(うち食物繊維 2.5g)
カリウム 200mg
カルシウム 26mg
マグネシウム 25mg
リン 55mg
1.3mg
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.12mg
ナイアシン 0.5mg
ビタミンC 60mg
葉酸 66μg

このように、スナップエンドウは水分が多く、みずみずしさが感じられる野菜です。炭水化物の中には食物繊維が比較的多く含まれており、野菜としてのバランスも整っています。また、ビタミンCや葉酸といったビタミン類も含有されており、さまざまな料理に取り入れやすい栄養構成となっています。

たんぱく質やミネラル類も一定量含まれており、他の食材と組み合わせることでより栄養価の高いメニューを作ることができます。ただし、調理法によって栄養の保持率が変わることもあるため、茹ですぎたり長時間加熱したりしない工夫が必要です。特にビタミンCのように水溶性で熱に弱い成分は、短時間の加熱や蒸し調理での活用が向いています。

豆と皮、どちらに栄養が多い?

スナップエンドウは、豆とさやの両方を一緒に食べることで、その栄養を余すことなく摂ることができます。さやと豆では含まれる成分に違いがあり、それぞれの特徴を理解しておくと食材選びや調理の際に役立ちます。

さやの部分には食物繊維が豊富に含まれており、シャキッとした食感のもととなっています。ビタミンCもさやに多く存在し、スナップエンドウ特有の甘みや色合いにも影響しています。特に、加熱によって損なわれやすい成分は、さっと茹でるなどの調理法で活かされます。

豆の部分には糖質やたんぱく質が比較的多く含まれています。豆がふっくらと膨らんでいることで、噛みごたえがあり、食べたときの満足感にもつながります。さらに豆には微量ながら脂質が含まれ、風味や旨みを引き立てる要素となっています。

このように、さやと豆には異なる栄養成分がそれぞれ分布しており、どちらか一方ではなく、両方を一緒に食べることが理にかなっています。スナップエンドウを丸ごと活用することによって、調理の幅が広がるとともに、栄養バランスも自然に整いやすくなります。

スナップエンドウに含まれる代表的な栄養素

たんぱく質や食物繊維の働き

スナップエンドウには、野菜としては比較的多めのたんぱく質が含まれており、100gあたり約2.5gとなっています。これは他の葉物野菜と比べても高めの数値で、特に豆の部分にたんぱく質が多く存在しています。たんぱく質は、食品としての風味や噛み応えにも影響し、スナップエンドウの食べごたえある食感を形づくる要素の一つです。

また、炭水化物の中でも注目されるのが、食物繊維です。スナップエンドウには100gあたり2.5gの食物繊維が含まれており、その多くはさやに由来しています。さや特有のシャキッとした歯触りには、この繊維質の存在が大きく関わっています。さやを丸ごと食べるスナップエンドウは、豆類と野菜の両面を兼ね備えた食品といえます。

豆のふくらみとさやの厚みの両方を楽しめるスナップエンドウは、たんぱく質と食物繊維の両方を効率よく摂れる点が特長です。日々の食事の中で不足しがちな要素を、自然な形で取り入れられる食材といえるでしょう。

スナップエンドウとスナップエンドウを使った料理の栄養

スナップエンドウそのものと、それを使ったさまざまな料理の栄養価についてまとめました。料理ごとの量やカロリーもご確認いただけますので、食事の参考にしてください。

料理名 重量 カロリー
スナップエンドウの栄養 さや(5g) 5g 2kcal
スナップエンドウのガーリック炒めの栄養 おつまみ皿1 21.4g 17kcal
スナップエンドウとゆで卵のサラダの栄養 小鉢1 40.7g 74kcal
スナップエンドウの塩ゆでの栄養 1人前 69.5g 32kcal
スナップエンドウの胡麻和えの栄養 中皿(小)1皿分 51g 69kcal
ベーコンとスナップエンドウのパスタの栄養 中皿1皿 355.1g 721kcal

ビタミンB群やビタミンCの含有量と特徴

スナップエンドウには、さまざまなビタミン類が含まれており、中でもビタミンB群とビタミンCが比較的多い傾向にあります。ビタミンB1は0.10mg、ビタミンB2は0.12mg、ナイアシンは0.5mgと、豆の部分を中心に穏やかに分布しています。ビタミンB群は水溶性で熱に弱いため、茹で時間を短くしたり蒸すなどの調理法が適しています。

ビタミンCは特に多く、100gあたり60mgが含まれており、野菜の中でも比較的高い値です。これは主にさやの部分に多く含まれています。茹でると水に溶け出す性質があるため、さっと加熱することでその風味と鮮やかな緑色を保ちつつ、成分の損失も抑えられます。炒め物やスープなどでも調理時間を意識すると、成分をより無駄なく取り入れることができます。

これらのビタミンは全体に広く含まれており、豆とさやを一緒に食べることによって、偏ることなく取り入れられる点がスナップエンドウの利点です。緑色が鮮やかなものほど新鮮である傾向があり、鮮度によってビタミン量にも差が出やすいとされています。

ビタミン 含有量(100gあたり)
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.12mg
ナイアシン 0.5mg
ビタミンC 60mg

カリウム・マグネシウムなどのミネラル成分について

ミネラル成分も、スナップエンドウにおける栄養の特徴のひとつです。100gあたりに含まれるカリウムは約200mg、マグネシウムは25mg、カルシウムは26mg、リンは55mgと、各種のミネラルがまんべんなく含まれています。特にカリウムは水溶性であるため、茹で時間が長いと流出することがありますが、蒸し調理や電子レンジを活用することで成分の損失を抑えることができます。

これらのミネラルは、豆の部分とさやの両方に含まれており、部位によって濃度に違いがあります。一般的に、カリウムやマグネシウムなどはさや側、リンや鉄分などは豆の内部に多く含まれている傾向があります。そのため、両方を一緒に食べることが効率的といえます。

また、鉄は100gあたり1.3mgと、野菜類としてはやや高めの値です。これらの成分は日々の食事の中で取り入れやすく、食材の組み合わせや調理法を工夫することで、栄養の活用度がさらに高まります。

ミネラル成分 含有量(100gあたり)
カリウム 約200mg
マグネシウム 25mg
カルシウム 26mg
リン 55mg
1.3mg

茹でる・炒める・冷凍する|調理法と栄養価の関係

茹で時間で栄養が変わる?最適な加熱時間とは

スナップエンドウは、そのままでは硬く青臭さもあるため、加熱調理が基本ですが、調理時間が栄養価に大きく影響します。とくに水溶性ビタミンであるビタミンCやビタミンB群は、茹でる時間が長くなるほど水に流出しやすくなります。目安としては、沸騰したお湯で1分~1分30秒ほどが適切です。これ以上加熱すると色がくすみ、食感も柔らかくなりすぎてしまいます。

茹で時間が短すぎると青臭さが残る一方で、長すぎると栄養の損失と食味の低下につながります。そのため、下茹での段階で加熱しすぎないよう注意が必要です。湯から取り出した後はすぐに冷水にとることで、余熱による加熱の進行を止め、鮮やかな色合いとシャキッとした歯ごたえを保つことができます。

適切な加熱時間を守ることで、見た目、食感、風味だけでなく、含まれる栄養素を効率よく活かすことができます。さやと豆の両方に火が通りつつ、成分の流出を最小限にとどめるよう調整することがポイントです。

炒め物やレンジ調理でも栄養を逃さない工夫

茹でる以外の調理法として、油を使った炒め物や電子レンジでの加熱も栄養を逃しにくい方法です。特に炒め物は、短時間で高温調理ができ、水に栄養素が流れ出す心配が少ないため、ビタミン類の損失を抑えやすいとされています。ただし、加熱時間が長くなりすぎるとビタミンCなどは熱により分解されやすくなるため、火を通しすぎないよう注意が必要です。

電子レンジ加熱も同様に、加熱時間を調整することで栄養の保持に役立ちます。例えば、軽く水で濡らしたスナップエンドウを耐熱容器に入れ、ラップをかけて600Wで1分程度加熱する方法があります。短時間で内部まで火が通るうえ、水の使用が最小限で済むため、水溶性成分の損失を抑えるのに適しています。

どちらの調理法でも、食材の形や厚みによって加熱時間を微調整することで、歯ごたえを残しながら栄養素を保つことができます。特に緑色が鮮やかに残るよう意識すると、見た目も良く仕上がります。

冷凍保存時の栄養の変化と美味しさを保つポイント

スナップエンドウは冷凍保存も可能な食材ですが、保存や解凍の過程で食感や風味、栄養価に変化が生じる場合があります。冷凍する際は、生のままではなく、1分程度さっと茹でてから冷水にとり、水気をよく切ってから保存袋に入れると、変色や風味の劣化を防ぐことができます。

冷凍によってビタミンCなどの一部栄養素が減少することがありますが、急速冷凍を心がけることでその影響を抑えることができます。冷凍したものは自然解凍よりも、凍ったまま炒め物などに使うことで、水分の流出を防ぎながら調理できるためおすすめです。

また、解凍後に水っぽくならないよう、下茹で時にしっかり水気を切ってから冷凍することが重要です。保存期間の目安は1か月程度ですが、なるべく早めに使い切ることで、食感や風味を保ちつつ、栄養成分の変化を最小限に抑えることができます。

栄養を逃さずおいしく!管理栄養士おすすめスナップエンドウレシピ

栄養士おすすめ|豆の旨みを活かしたシンプル調理

スナップエンドウ本来の風味や栄養を活かすには、シンプルな調理法が適しています。たとえば、塩ゆでしてそのまま食べる方法は、素材の持つ甘みや食感をダイレクトに感じることができます。1分ほど湯通ししたあと、すぐに冷水で冷やすことで、鮮やかな緑色とシャキシャキした歯ごたえを保てます。茹でた後にオリーブオイルと塩を少量ふるだけでも、十分満足感のある一品になります。

また、茹でたスナップエンドウに削り節をのせて醤油を少し垂らすだけでも、和の副菜として成立します。味付けを最小限にすることで、豆とさやの甘みや風味をしっかり感じられ、栄養素の流出も抑えられます。過剰な加熱や調味料を避けることが、栄養価の保持にもつながります。食材の良さを活かすという意味で、シンプルな調理法は栄養を意識したいときにおすすめです。

お弁当にもぴったり!彩りを添える副菜レシピ

お弁当にスナップエンドウを取り入れる場合は、見た目の鮮やかさと傷みにくさを考慮したレシピが向いています。例えば、茹でたスナップエンドウを斜めにカットし、ミニトマトやパプリカと合わせたマリネにすれば、彩りの美しい副菜が完成します。オリーブオイルと酢、塩をベースにしたシンプルなドレッシングなら、冷めても味がなじみやすく、お弁当に最適です。

もう一つのおすすめは、ごま和えです。すりごまに少量の砂糖と醤油を加えた和え衣で、茹でたスナップエンドウを和えるだけで、香ばしくて栄養バランスのよい副菜になります。ごまの風味と豆の甘みが引き立ち、冷めてもおいしさが保たれます。形が崩れにくく、水分も出にくいため、お弁当に入れても見た目がきれいなままなのも魅力です。

子どもも喜ぶ!卵やマヨネーズを使ったアレンジレシピ

子どもが食べやすいアレンジとして、卵やマヨネーズを使ったレシピも人気です。スナップエンドウとゆで卵を粗く刻み、マヨネーズで和えるサラダは、まろやかな味わいで子どもにも好まれます。ゆで卵のコクとスナップエンドウの食感の組み合わせが楽しめ、栄養価の面でもバランスが取れた一品になります。お好みで少量のマスタードや塩こしょうを加えても風味が広がります。

また、スナップエンドウを細かく刻んで卵焼きに混ぜる方法もおすすめです。卵液に混ぜることで、子どもでも豆部分が気になりにくくなり、自然に食べやすくなります。彩りも良く、お弁当にもぴったりです。炒り卵にしてご飯にのせるなど、アレンジの幅も広がります。見た目が楽しく、味も優しいので、野菜が苦手な子どもにも取り入れやすい調理法です。

家庭菜園経験者が語る!採れたてスナップエンドウの栄養と魅力

自宅で育てたスナップエンドウはなぜ甘くて美味しい?

家庭菜園で育てたスナップエンドウは、市販のものと比べて甘みや香りが強いと感じることがよくあります。その理由の一つは、完熟のタイミングを見極めて収穫できる点にあります。収穫の時期が早すぎると豆のふくらみが不十分になり、遅すぎると皮が硬くなりやすくなります。家庭で育てれば、豆の甘みが最も強くなる瞬間を逃さず収穫することが可能です。

また、育て方に応じて土や肥料の質、水やりの頻度などを調整できるため、味わいに個性が出るのも魅力です。日当たりのよい場所で育てることで、光合成が十分に行われ、甘みや風味がより際立った実になります。育てた本人が収穫まで手をかけてきたことで、味の変化にも敏感になりやすく、美味しさが一層引き立って感じられるのかもしれません。

収穫後すぐの調理がもたらす栄養と味の違い

スナップエンドウは、収穫してから時間が経つにつれて風味や食感が徐々に落ちていきます。家庭菜園では、収穫してすぐに調理できるという大きな利点があります。この「鮮度の高さ」は味の違いだけでなく、野菜に含まれる栄養素の保持にも関わってきます。時間が経過することで水分が失われ、シャキッとした食感が損なわれるだけでなく、一部の栄養素も減少していく傾向があります。

そのため、収穫してすぐに加熱調理を行うことで、食感と色合い、風味、そして栄養のバランスをより良い状態で保つことができます。特に茹でたり炒めたりする際の加熱時間にも注意すれば、豆本来の甘さと旨みを感じる仕上がりになります。こうした体験は、野菜を食べることの楽しさや大切さを改めて感じさせてくれるものです。

まとめ|スナップエンドウの栄養を逃さず楽しむために

調理法を工夫して効率よく栄養を摂取しよう

スナップエンドウは、加熱時間や調理方法によって栄養素の保持量が変わってきます。たとえば、茹でる際には短時間で火を通すようにし、加熱後すぐに冷水に取ることで色鮮やかさと食感を保ちやすくなります。また、炒める場合は油を使うことで脂溶性の栄養成分が安定し、味も引き立ちます。電子レンジ加熱なども短時間で済むため、栄養の流出を抑える工夫として有効です。

栄養を効率よく摂取するには、食材の特性に応じた加熱方法を選ぶことがポイントです。シンプルな調理でも、下ごしらえや加熱の仕方を工夫することで、スナップエンドウの持つ栄養価を無駄にせず、美味しさもそのままに楽しむことができます。手間をかけすぎず、素材の良さを活かした調理を心がけましょう。

新鮮なスナップエンドウを選ぶポイントと保存のコツ

新鮮なスナップエンドウを見分けるには、豆のふくらみ具合や色合い、さやの張りをチェックすると良いでしょう。さやが鮮やかな緑色をしており、豆がふっくらとしているものは、味も良く、栄養価も比較的高い状態にあります。へたの部分が乾いていないものを選ぶと、収穫から時間があまり経っていない証拠になります。

購入後すぐに使わない場合は、ポリ袋などに入れて野菜室で保存します。茹でてから冷凍保存することも可能ですが、なるべく早く使い切る方が風味や栄養の面で優れています。冷凍する際は軽く茹でてから水気をよく切り、小分けにして保存すると便利です。保存方法を工夫することで、食材を無駄なく使い切ることができ、調理の手間も減らせます。